
Google検索広告のキーワードマッチタイプにて
部分一致が
「インテントマッチ」
という呼び方に変更になったことはご存じでしょうか。
本記事では、
どのような変化があったのか、他のマッチタイプとの違い等
紹介していきます。
1. インテントマッチキーワード(旧:部分一致)とは?
1-1. インテントマッチキーワード(旧:部分一致)とは?
1-2. インテントマッチキーワードの定義と役割
1-3. ユーザーの検索意図(インテント)を重視する仕組み
1-4. インテントマッチと他のマッチタイプの違いを比較
2. インテントマッチキーワードのメリットとデメリット
2-1. 潜在顧客へのリーチが広がる可能性
2-2. 新たなキーワード発見のチャンス
2-3. 意図しない検索語句への表示リスク
3. インテントマッチキーワードを最大化する運用テクニック
3-1. スマート自動入札との併用でパフォーマンスを向上させる方法
3-2. 検索語句レポートの効果的な活用法
3-3. 除外キーワードの戦略的な設定方法
4. まとめ
1. インテントマッチキーワード(旧:部分一致)とは?
インテントマッチキーワードは、
Google検索広告の3つのマッチタイプ(完全一致、フレーズ一致、インテントマッチ)の中で
最も広範囲のユーザーにリーチできるマッチタイプです。
1-1. インテントマッチキーワード(旧:部分一致)とは?
Google広告では、
2024年7月から従来の「部分一致」が「インテントマッチ」へと名称変更されました。
従来の部分一致が主に検索キーワードの文字列の一致を重視していたのに対し、
インテントマッチでは、
ユーザーの検索「意図」に焦点を当てる仕組みへと進化しました。
1-2. インテントマッチキーワードの定義と役割
インテントマッチキーワードは、
検索広告において広告表示の対象となる検索語句の範囲を決定するマッチタイプの一種です。
その役割は、
ユーザーの検索クエリと広告主のキーワードを柔軟にマッチングさせることにあります。
具体的には、以下のような特徴を持っています。
- 登録したキーワードと関連性のある検索語句に広告を表示
- キーワードの順序や表現のバリエーションを考慮
- 同義語や関連する検索語句も対象に含める
- ユーザーの検索履歴や行動パターンなどのシグナルを活用
これにより、
広告主は一つ一つのキーワードを細かく登録しなくても、
より広範囲のユーザーにリーチすることが可能になります。
1-3. ユーザーの検索意図(インテント)を重視する仕組み
インテントマッチの最大の特徴は、
「ユーザーが何を求めているか」という検索意図(インテント)を重視する点です。
Googleは高度なAIと機械学習を駆使し、
次のようなシグナルを分析してユーザーの真の検索意図を把握しています。
- ユーザーの最近の検索アクティビティ
- ランディング ページのコンテンツ
- 広告グループ内の他のキーワード(キーワードの意図を詳しく把握するため)

例えば、
あるユーザーが「一人旅 温泉」で検索した後に
「リフレッシュ旅行 おすすめ」と検索した場合、
「一人旅」や「温泉」というキーワードが含まれていなくても、
ユーザーの検索履歴から「一人での温泉旅行」に興味があると判断し、
関連する広告を表示することができます。
この仕組みにより、
広告主は狭義のキーワードマッチングだけでは捕捉できなかった
潜在的なニーズを持つユーザーにもアプローチすることが可能になります。
1-4. インテントマッチと他のマッチタイプの違いを比較
それでは、他のマッチタイプとの違いを見てみましょう。
マッチタイプ | 広告表示の 範囲 |
キーワード との一致度 |
対象となる検索クエリ |
完全一致 | 最も狭い | 最も高い | 登録したキーワードと完全に一致するか、 ごくわずかなバリエーション (複数形、スペルミス等) |
フレーズ一致 | 中間 | 中程度 | 登録したキーワードのフレーズを含む検索語句 (前後に他の語句が付く場合も可) |
インテント マッチ |
最も広い | 比較的低い | 登録したキーワードと関連性のある検索語句 (同義語や関連語句も含む) |
完全一致は最も制限が厳しく、
登録したキーワードとほぼ完全に一致する検索語句にのみ広告が表示されます。
一方、
フレーズ一致は登録したキーワードのフレーズを含む検索語句に広告が表示されます。
これに対してインテントマッチは、
登録したキーワードと明示的に一致しない検索語句にも広告を表示できるため、
より多様なユーザーにリーチすることが可能です。
2. インテントマッチキーワードのメリットとデメリット
2-1. 潜在顧客へのリーチが広がる可能性
インテントマッチキーワードの最大のメリットは、
潜在顧客へのリーチが大幅に広がる点です。
従来の完全一致やフレーズ一致では捉えきれなかったユーザーの検索意図を汲み取ることで、
以下のようなメリットが生まれます。
- 検索バリエーションへの対応:
ユーザーが使う可能性のある様々な検索語句のバリエーションに自動的に対応できる。 - 潜在的なニーズの捕捉:
明示的には表現されていないが、
検索履歴などから推測される潜在的なニーズを持つユーザーにリーチできる。 - キーワード設定の効率化:
すべての語句のバリエーションを手動で登録する必要がなくなり、
キーワード管理が効率化される。
2-2. 新たなキーワード発見のチャンス
インテントマッチを活用することで、
広告主自身が気づいていなかった有効なキーワードを発見できるチャンスが生まれます。
これは、
広告戦略の改善や新たなビジネスチャンスの発見にもつながる重要なメリットです。
2-3. 意図しない検索語句への表示リスク
一方で、
インテントマッチには広告が意図しない検索語句に表示されるリスクも存在します。
広範囲のキーワードに対応できる柔軟性は、
時として以下のような問題を引き起こす可能性があります。
例えば、
高級ホテルが「ホテル 宿泊」というキーワードでインテントマッチを使用した場合、
「格安ホテル」や「ビジネスホテル 最安値」
といった価格重視の検索語句にも広告が表示される可能性があります。
3. インテントマッチキーワードを最大化する運用テクニック
3-1. スマート自動入札との併用でパフォーマンスを向上させる方法
インテントマッチの効果を最大限に引き出すためには、
スマート自動入札との併用がおすすめです。
インテントマッチと組み合わせることで以下のようなメリットがあります。
- 多様なシグナルの活用:
インテントマッチが捉えた幅広いユーザー層に対して、
コンバージョンにつながる可能性が高いユーザーを見極め、
最適な入札価格を設定できる。 - コスト効率の向上:
高すぎる入札を避け、
コンバージョンにつながる可能性が高い検索語句に予算を集中させる。
3-2. 検索語句レポートの効果的な活用法
インテントマッチを使う際に欠かせないのが、
検索語句レポートの定期的なチェックです。
このレポートを活用することで、
広告が実際にどのような検索語句に表示されているかを把握し、
「ハイパフォーマンスな検索語句の発見」「新たなキーワードの発掘など運用の最適化」
につなげることができます。
検索語句レポートは、
広告管理画面の「分析情報とレポート」→「検索語句」から確認できます。
「表示項目」から「キーワード」を追加することで、
どのキーワードがどの検索語句に対して広告表示されたかを把握できます。
3-3. 除外キーワードの戦略的な設定方法
インテントマッチを効果的に活用するためには、
除外キーワードの戦略的な設定が不可欠です。
除外キーワードを適切に設定することで、
関連性の低い検索語句や費用対効果の低い検索語句への広告表示を防ぎ、
予算を効率的に使用することができます。
除外キーワードの設定には、
「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」
の3つのマッチタイプがあります。
適切なマッチタイプを選択することで、
意図しない検索語句を効果的に除外しながらも、
有効な検索語句への広告表示を維持することが重要です。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか?
インテントマッチキーワード(旧:部分一致)は、
Google検索広告において最も柔軟性の高いマッチタイプとなっており、
ユーザーの検索意図を理解し関連性のある広範囲の検索語句に広告を表示することで、
潜在顧客へのリーチを拡大することができます。
しかし、
デメリットも持ち合わせているため、
それらを理解した上で適切に活用することによって、
効果的な広告運用を実現させていきましょう!