
「P-MAXは全自動だから運用要素はない…」
と思っていませんか?
P-MAXでは
「オーディエンスシグナル」機能というものがあり、
良質なユーザーがどのようなユーザーなのかをAIに学習させることができます。
本記事では、
オーディエンスシグナルの概要と設定方法を詳しく説明していきます。
1. P-MAX オーディエンスシグナルとは?広告効果を高めるAIへの表示機能
1-1. オーディエンスシグナルの基本的な役割の重要性
1-2. Google AIの学習を加速させる仕組み
1-3. シグナルなしのP-MAXと比較した場合のメリット
2. P-MAXオーディエンスシグナルの4種類と特徴を徹底解説
2-1. 広告主のデータシグナル
2-2. カスタムオーディエンスセグメント
2-3. ユーザー属性シグナル
2-4. オーディエンスセグメント
3. P-MAX オーディエンスシグナルの設定手順と最適化のコツ
3-1. Google広告管理画面での正確な設定手順
3-2. シグナル設定時の推奨オーディエンスサイズと調整方法
3-3. 複数シグナルを組み合わせる際の優先順位とバランス
4. P-MAX オーディエンスシグナル活用の成功事例
5. まとめ
1. P-MAX オーディエンスシグナルとは?広告効果を高めるAIへの表示機能
P-MAXのオーディエンスシグナルとは、
Google広告のPerformance Max(P-MAX)キャンペーンにおいて、
成果につながりやすいユーザーのデータをGoogle AIに提供する機能です。
この機能を活用することで、
「このような特性を持つユーザーは広告に反応する可能性が高い」
という広告主の知見をAIに伝え、より効果的な広告配信を実現できます。
1-1. オーディエンスシグナルの基本的な役割の重要性
オーディエンスシグナルの基本的な役割は、
Google AI に「優れた顧客像」を教えることです。
従来のキーワード設定とは異なり、
ユーザーの興味・行動パターン・属性などの幅広い情報を適宜活用できるようになります。
これにより AI は
「どのユーザーがコンバージョンしやすいか」をより正確に予測することができます。
1-2. Google AIの学習を加速させる仕組み
オーディエンスシグナルは、
Google AI の学習を大幅に加速させることができます。
通常、AI は広告配信の実績データから徐々に学習していきますが、
この学習期間が長いほど最適化までに時間がかかります。
オーディエンスシグナルを設定すると、
AIは「このようなユーザーを優先的に検討すべき」という視点を得られるため、
より早く効果的な配信パターンが見つかります。
具体的には、以下のような学習加速効果があります。
- 初期段階での無駄な配信の削減
- 成約可能性の高いユーザーへの優先的なリーチ
- 類似ユーザー発見の精度向上
1-3. シグナルなしのP-MAXと比較した場合のメリット
オーディエンスを設定しないP-MAXキャンペーンと比較すると、以下のような特典があります。
- 学習期間の短縮:
シグナルなしの場合、
AIが効果的な配信パターンを見つけるまでに通常2〜4週間かかってしまいますが、
適切な手順を設定すると、その期間を1〜2週間程度に短縮できることがあります。 - 予算効率の向上:
初期段階での無駄な配信を行うため、
限られた予算でより多くのコンバージョンを獲得できます。 - CVRの改善:
コンバージョン率が20%以上向上したケースも報告されています。 - ターゲティング精度の向上:
より成約確度の高いユーザーに広告を表示できるため、広告の関連性が考慮され、
ユーザー体験も向上します。
※注意点として、
オーディエンスを一時的に設定しても、
設定したオーディエンスのみに配信が限定されるわけではありません。
AIが最もパフォーマンスが高いと判断した場合は、
設定したそれに該当しないユーザーにも広告が配信される
柔軟性を持っています。
2. P-MAXオーディエンスシグナルの4種類と特徴を徹底解説
P-MAXで設定できるオーディエンスは大きく4種類あります。
- 広告主のデータシグナル
- カスタムオーディエンスセグメント
- ユーザー属性シグナル
- オーディエンスセグメント
それぞれの特徴と効果的な活用方法を解説します。
2-1. 広告主のデータシグナル
広告主のデータ量は、
自社で収集したファーストパーティデータを活用するものです。
具体的には以下のようなデータを活用できます。
- サイト訪問者データ:
過去に自社サイトを訪問したユーザー - コンバージョンユーザー:
過去に購入やなどのコンバージョンを達成したユーザー - メールリストユーザー:
メルマガ登録者などのCRMデータ(適切に匿名化・ハッシュ化されたもの)
に記載されたユーザー
活用のポイントは、「質の高いシグナル」を選ぶことです。
例えば、
匿名サイト訪問者よりも、特定の商品ページを閲覧した訪問者や、
一定時間以上サイトに滞在したユーザーを適宜設定する方が効果的です。
2-2. カスタムオーディエンスセグメント
カスタムオーディエンスでは、
以下の3つの要素を組み合わせたオーディエンスを作成できます。
- 興味のある関心キーワード:ユーザーの興味や関心を表すキーワード
- URL:特定のウェブサイトやページを訪問したユーザー
- アプリ:特定のアプリをインストール・使用しているユーザー
例えば、
スポーツシューズを販売している場合、
「マラソン」「ランニング」などの興味関心キーワードと推奨サイトのURLを知ることで、
人気商品を検討中の潜在顧客にアプローチできます。
また、設定する際は具体的かつ明確な表現を使うことが重要です。
「スポーツ」という広すぎるキーワードよりも、
「トレイルランニング」「5kmマラソン」など具体的なキーワードの方が効果的です。
2-3. ユーザー属性シグナル
ユーザー属性シグナルでは、
年齢やような基本的な人口統計プロパティを設定できます。
この設定が特に効果的なものは、以下のようなケースです。
- 商品やサービスが特定の年齢層に強く訴求する場合:
若年層向けファッション、シニア向け健康食品など - 性別によって購入行動に大きな差がある場合:
女性向け化粧品や男性向けヘアケア製品など
※注意点として、
非常に狭いプロパティ設定はAIの学習機会を制限してしまう可能性があります。
例えば
「25〜30歳の女性のみ」のような狭い設定よりも、「25〜45歳の女性」というように、
ある程度の幅を持たせることで、最も効果的なターゲット層をAI自ら見つけられるように、
ある程度自由度を残しておくことが重要です。
また、
商品によっては予想外の層からの反応が良いこともあるので、
データに基づいて柔軟に見直していくことも大切です。
2-4. オーディエンスセグメント
オーディエンスセグメントでは、
Google が提供する以下のようなユーザーのオーディエンスカテゴリを活用できます。
- ライフイベント:
「引越し」「結婚」「大学卒業」などの重要なライフイベントを経験中
または経験予定のユーザー - 購入意向:
特定の商品やサービスに対して強い購入意向を示しているユーザー - 習慣的行動:
定期的に特定の行動をとるユーザー(例:頻繁に旅行する人、定期的にレストランで食事をする人など)
これらを活用するポイントは、
自社の商品・サービスのタイミングに合わせたセグメントを選択することです。
例えば、
新生活家電を販売している場合は「引越し」や「大学卒業」
といったライフイベントセグメントが非常に効果的です。
購入手続きでは、
先行商品の検討者も含めた暫定を設定することで
検討段階のユーザーを効率的に獲得できます。
3. P-MAX オーディエンスシグナルの設定手順と最適化のコツ
P-MAXのオーディエンスシグナルを効果的に設定するための
具体的な手順と最適化のポイントを解説します。
3-1. Google広告管理画面での正確な設定手順
オーディエンスシグナルの設定手順は以下の通りです。
①Google広告管理画面にログインし、任意メニューから「キャンペーン」をクリック
②上部タブの「ビュー」からキャンペーンタイプ「P-MAX」を選択
③設定したいP-MAXキャンペーンを選択
④サイドメニューで「キャンペーン」をクリックし、その下に表示される「アセットグループ」をクリック
⑤設定したいアセットグループの右端にある「︙」(縦三点リーダー)をクリック
⑥表示されるメニューから「停止を編集する」を選択
⑦「オーディエンスシグナル」セクションから、設定したいストップの種類を選択して追加
特に重要なのは、
アセットグループごとに最適なオーディエンスを個別に設定することで、
より緻密なターゲティングが可能になります。
3-2. シグナル設定時の推奨オーディエンスサイズと調整方法
オーディエンスを超えるサイズ(リーチできる潜在的なユーザー数)は
効果に大きく影響します。
推奨オーディエンスサイズの目安
- 最小:5万人以上(少なすぎると学習データが不足)
- 最適:50万人〜300万人(多くの業種で効果的なバランス)
- 最大:特に上限はないが、1,000万人を超えると分散になる可能性あり
サイズの調整方法としては、以下のアプローチが有効です。
サイズが小さすぎる場合
- 類似オーディエンの拡張率を上げる(例:1%→3%)
- 複数の関連する興味深い関心キーワードを追加する
- 年齢層や地域の範囲を広げる
サイズが大きすぎる場合
- より具体的な興味関心キーワードにする
- 複数の条件を守る(AND条件)
- 高参加ユーザーに話しかける
(例:単純サイト訪問者ではなく、商品ページまで見たユーザー)
Google広告の「オーディエンスインサイト」ツールを活用すると、
設定したオーディエンスの推定サイズを確認できるので積極的に活用しましょう。
3-3. 複数シグナルを組み合わせる際の優先順位とバランス
複数のオーディエンスシグナルを効果的に獲得するためのポイントは、以下の通りです。
優先順位の考え方
- 第一優先:コンバージョンユーザーや高参加ユーザー(最も価値の高いユーザー)
- 第二優先:サイト訪問者や強い購入意欲を持つユーザー
- 第三優先: 興味関心や属性による補完的なターゲティング
補完的な組み合わせ
相互に補完し合うことで、多角的なアプローチが可能になります。
例えば
「既存顧客(広告主データ)」と「新しい家の購入者(ライフイベント)」
を組み合わせれば、既存顧客の中でも特に反応しやすい層にアプローチできます。
テスト&最適化
最初から完璧な討論設定を見つけることは難しいため、
複数のアセットグループで異なる思考設定をテストし、
パフォーマンスを比較することが重要です。
2〜4週間程度の運用データを基に、
効果の高いオーディエンスシグナルを特定していきましょう。
4. P-MAX オーディエンスシグナル活用の成功事例
当社の運用事例(オーディエンスシグナル別)
以下に、オーディエンスシグナル別の成功事例を紹介します。
「顧客リスト」「CVリスト」「URL/kW」
の3つのオーディエンスシグナルでアセットを分け配信を行った事例では、
「顧客リスト」を活用し配信を行ったアセットが最も獲得数が多く、
獲得単価も安価な結果となりました。
【P-MAX】オーディエンスシグナルって何?効果を最大化する5つの設定テクニック 【P-MAX】オーディエンスシグナルって何?効果を最大化する5つの設定テクニック
5. まとめ
P-MAXのオーディエンスシグナルは、
Google AIの学習を加速させ、広告効果を高めるための強力なツールです。
オーディエンスシグナルの効果を最大化するためには、
継続的なデータ分析と定期的な最適化が必要になります。
初期設定に囚われずパフォーマンスデータベースを柔軟に調整していくことで、
P-MAXキャンペーンの成果の向上に繋がりますので、ぜひ試してみてください。