Yahoo!のディスプレイ広告では、この類似ユーザーを対象に広告を配信できるメニューが用意されています。
過去にコンバージョンに至ったユーザーの属性や行動履歴などをもとに、近しいユーザーに対してアプローチすることができるため、コンバージョン獲得につながる効果が期待できます。
さらに、広告・プロモーション施策における費用対効果を高めることも期待できるため、業種問わず多くの企業が導入・活用しています。
そこで今回は、Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーについて、基本的な概要からメリット、設定方法などについてポイントを中心に紹介していきます。
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーとは?
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーは、自社の顧客における属性や過去の行動履歴と類似したユーザーをターゲットに、Yahoo!のディスプレイ広告を行う手法のことを指します。
そもそも類似ユーザーとは、自社の顧客に近いユーザーが対象となります。
顧客と同じような年齢、性別、地域といった属性や、顧客がよく見るページを閲覧していた場合、広告訴求を行うことでコンバージョン獲得につなげる可能性が高まります。
このような手法は、リマーケティング広告などと近いですが、リマーケティング広告はあくまで対象となるWebページに訪れたユーザーに広告配信するため、類似ユーザーとは少々異なります。
なお、Google広告でも類似ユーザーを対象とした広告訴求は可能です。
Yahoo!ディスプレイ広告のアップデート
類似ユーザーに対してアプローチできるYahoo!ディスプレイ広告では、定期的にアップデートが行われ、ターゲティング精度をより高めることが可能になってきています。
直近のアップデートでは、主に以下の改善が行われています。
① データの蓄積期間の改善
従来のYahoo!ディスプレイ広告では、類似ユーザーの情報を蓄積するために、30日程度を要していましたが、現在では最新データのみで広告を配信することが可能です。
ユーザー行動の多様化や流行の短期化が進む昨今において、その時々に応じた運用の最適化が求められます。
そのため、アップデートによって機会損失を防ぎ、効率的に広告訴求につなげることが可能です。
② 類似ユーザーを判別する指標の増加
Yahoo!ディスプレイ広告では、類似ユーザーを判別するために、年齢や性別、地域といったユーザー属性だけでなく、利用デバイスや閲覧ページ、検索キーワードなどを要素として活用しています。
そこに加え、Yahoo!関連のサービスとしてYahoo!オークションやYahoo!不動産といった媒体における行動履歴なども指標として加わるようになりました。
これにより、類似ユーザーを判別する指標が増え、ターゲティング精度をより高める効果が期待できます。
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用するメリット
次に、Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用するメリットについて紹介していきます。
類似ユーザーを活用したターゲティングにより、以下のような効果が期待できます。
① コンバージョン獲得につながりやすい
そもそも類似ユーザーは、自社の顧客に近い属性を持っています。
そのターゲット層に対してアプローチすれば、自ずとコンバージョン獲得につながりやすい特徴があります。
また、Yahoo!ディスプレイ広告では、テキストだけでなく画像や動画によってアプローチすることが可能です。
リスティング広告の場合、文字制限のあるテキストのみの訴求なため、ユーザーに対して十分に訴求出来ないケースも少なくありません。
これに対してディスプレイ広告であれば、画像や動画によってより多くの情報量で訴求することができます。
そのため、無駄な露出やコストを抑えることにもつながり、費用対効果を高める上でも効果的です。
② 新規ユーザーに向けたブランディング効果
類似ユーザーは、基本的に新規ユーザーとなります。
とはいえ、顕在層に近い新規ユーザーともいえるため、ピンポイントのブランディング効果が期待できます。
また、Yahoo!ディスプレイ広告は、日本最大級のポータルサイトであるYahoo! JAPANをはじめ、ExciteやAll About、NAVER、COOKPADなどの大手メディアに広告を配信することが可能です。
大手メディアに掲載された広告は、それだけで閲覧ユーザーからの信頼度も高まり、認知度拡大とともにブランディング効果を高めることも期待できます。
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用するデメリット
一方で、Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーの活用にはデメリットも存在します。
これから類似ユーザーの活用を検討している場合には、以下の要素は注意点として押さえておくと効果的です。
① 設定には一定の対象ユーザーが必要
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーは、一定の対象ユーザーのリストが無ければ設定できません。
そのため、新規のマーケティング活動や、初めてYahoo!ディスプレイ広告を実施する場合には類似ユーザーを活用できないケースもあるため注意が必要です。
② 対象ユーザーの質によっては効果につながらない場合も存在する
類似ユーザーは、自社の顧客をはじめとするユーザーの属性や行動履歴などに紐づき、関連するユーザーに対しアプローチする手法となります。
それゆえに、対象ユーザーの質によっては効果につながらない場合も存在します。
コンバージョン獲得につなげ、費用対効果を高めるためにも、対象ユーザーの質にはこだわることが重要です。
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーの設定方法
続いて、Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを設定する方法について紹介していきます。
類似ユーザーの作成は、Yahoo!ディスプレイ広告の管理ツールより行います。具体的な手順は以下となります。
② 右上の「ツール」をクリック
③ 「ライブラリ」の中にある「オーディエンスリスト」を選択
④ 「オーディエンスリストを作成」をクリックし、「類似ユーザー」を選択
⑤ 任意の「オーディエンスリスト名」を入力
⑥ 「基にするオーディエンスリスト」から抽出元にしたい類似ユーザーを選択
⑦ 「類似ユーザーの拡張範囲」を設定し、「作成」ボタンをクリック
これで類似ユーザーの作成は完了です。
続いて、作成した類似ユーザーを広告のターゲットとして設定していきます。
この設定方法は以下の2種類に分けられます。
新規のキャンペーンや広告グループの作成と一緒に設定する場合
② 「キャンペーン」から「+キャンペーン作成」を選択
③ キャンペーンの目的を選択
④ 「オーディエンスリスト」の選択項目から「オーディエンスリストを指定して配信」を選択
⑤ 作成したオーディエンスリストを設定
以降は通常のYahoo!ディスプレイ広告の設定と同様の流れとなります。
既存のキャンペーンや広告グループに追加設定する場合
② メニューから「オーディエンスリスト」を選択し、「編集」をクリック
③ 類似ユーザーを設定したいキャンペーンと広告グループを選択
④ 「決定して進む」をクリック
⑤ 「オーディエンスリストを指定して配信」を選択
⑥ 作成した類似ユーザーを選択し、「配信」にチェック
⑦ 「設定」をクリック
続いて、すでにあるキャンペーンや広告グループに類似ユーザーをターゲットとして設定する方法を紹介します。
②類似ユーザーを設定したいキャンペーンと広告グループを選択し、「決定して進む」をクリック
③「オーディエンスリストを指定して配信」を選択し、先ほど作成した類似ユーザーを検索し、「配信」にチェック
こちらも以降は通常のYahoo!ディスプレイ広告の設定と同様の流れとなります。
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用する上での注意点
最後に、Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用する上での注意点について紹介していきます。
類似ユーザーの活用は、闇雲に実施しても効果にはつながりません。以下のポイントを押さえて運用していくと効果的です。
① ユーザー類似度の調整の活用
類似ユーザーと一口に言っても、どれくらい近い属性なのかはユーザーごとに異なります。
Yahoo!ディスプレイ広告では、この類似ユーザーのレベル(類似度)を10段階に分けています。
1に近いほど類似度が高くなり、コンバージョン獲得につながる可能性も高まります。
一方で、類似度が上がれば露出できる面が狭くなるため、リーチ数が少なくなる傾向にもあります。
そのため、目的に応じて類似度の調整を行い、適宜カスタマイズしていく必要があります。
② 入札価格の調整が必要
類似ユーザーを活用し、自社の顧客に近いターゲット層に対するアプローチであれば、コンバージョン獲得につながる可能性が高いため、入札価格を高く設定しても効果が期待できます。
とはいえ、必ずしも類似ユーザーへのアプローチがコンバージョン獲得につながるとは限りません。
対象ユーザーの質などによって、仮に効果につながらない場合には、高い入札価格で無駄なコストを払い続けてしまうケースも起こり得ます。
そのため、コンバージョン状況などを確認しながら、適宜入札価格を調整していく必要があります。
このような運用は、手間や工数がかかるため、広告代理店に依頼することも含めあらかじめ検討しておくと効果的です。
③ 手動で除外リストの設定を行う必要がある
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーは、設定すると自社のホームページに訪れたユーザーも類似ユーザーとしてカウントされるケースがあります。
このような場合、そのままの状態では本来設定したいターゲットと異なる可能性も起こり得ます。
そのため、類似ユーザーの設定とともに除外するリストを用意する必要があります。
除外リストの設定は、Google広告であれば自動で行うことができますが、Yahoo!ディスプレイ広告では手動で設定しなければなりません。
よりターゲティング精度を高め、効果につなげる上でも、手動で除外リストを設定しておくと効果的です。
まとめ
自社のWeb広告における効果を高める上で、ターゲティング設定は欠かせません。
自社の顧客の属性や行動履歴に近いユーザーにアプローチできれば、コンバージョン獲得にもつなげやすくなります。
この精度を高める上で、Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを設定することは効果が期待できます。
とはいえ、闇雲に類似ユーザーを活用しても効果にはつながりません。
今回紹介した内容も参考に、目的をふまえ適切にアプローチしていきましょう。