VOD動画広告をご存じでしょうか。VOD動画広告はVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスで配信される動画広告です。今回はこのVOD動画広告について詳しい説明をします。
各サービスごとの特徴や費用などを見てみましょう。
VODサービスの視聴者に対して動画広告を出稿したい方はぜひ記事の内容を参考にしてください。
VOD(ビデオ・オン・デマンド)とは?
VOD(ビデオ・オン・デマンド)は視聴者がインターネットを使って、様々な映像コンテンツを視聴できるサービスです。
視聴できるコンテンツはすでに公開された映画、放送済みのテレビ番組、オリジナル映像作品などです。
利用可能なデバイス
VODのサービスはインターネットにつながるデバイスで利用できます。
テレビ・PC・タブレット・スマートフォンなどです。
迫力のあるアクション映画などは、大画面テレビで視聴すると大いに楽しめるでしょう。
好きなジャンルの作品を見放題
VODのサービスによって作品数は違いますが、いずれのサービスでも豊富な作品を用意しています。
また、ジャンルごとに分類もされ、好きなジャンルの作品をいつでも自由に見放題なのが特徴。
ジャンルに特化したVODサービスもあります。
VODのビジネスモデル
VODにはいくつかのビジネスモデルがあるので、それぞれの特徴を見てみましょう。
SVOD
SVODはSubscription Video On Demand(サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)の頭文字を取ったもので、定額制動画配信サービスのことです。
定額料金を支払えば、サービス内に用意された映像を一定期間無制限で視聴できるようになっています。
AVOD
AVODはAdvertising Video On Demand(アドバタイジング・ビデオ・オン・デマンド)の頭文字を取ったもので、広告型動画配信のことです。
Advertisingとは広告配信のことです。
こちらのビジネスモデルの特徴は企業から広告を募り、掲載料金によってVODサービス側が収益を得ています。そのため、視聴者は無料、または低価格で動画視聴ができます。
PPV
PPVはPay Per View(ペイ・パー・ビュー)の頭文字を取ったもので、課金形式の動画配信のことです。
PPVにはTVODとESTの2つの種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
TVOD
TVODはTransactional Video On Demand(トランザクショナル・ビデオ・オン・デマンド)の頭文字を取ったもので、レンタル型の動画配信のことです。
視聴者は動画コンテンツをレンタルするたびに料金を支払います。
視聴期間は2日や1週間などの制限が設けられています。
EST
ESTはElectric Sell-Through(エレクトリック・セル・スルー)の頭文字を取ったもので、TVODとは違い、買い切り型になっています。
買い切った動画は無制限に視聴できます、
動画コンテンツは自分のストレージに保存するか、VODサービス内から視聴するかのいずれかです。
VOD動画広告とは?
ここからは本題のVOD動画広告について説明していきます。
広告付きVODとは?
VOD動画広告はVODサービス内で配信される広告ですが、広告付きVODとも呼ばれます。すでに説明したAVODのことです。
AVODでは、動画配信プラットフォーム上で広告が掲載される代わりに、視聴者は無料、または安い利用料金で動画コンテンツを視聴できます。
広告付きVODが増えている背景
最近は、広告付きVODが増える傾向にありますが、その背景を考えてみましょう。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた頃は、外出も思うようにできないので、VODサービスの需要が大きく伸びました。
しかし、コロナ禍が収まるとともにVODサービスの利用者にも減少傾向が見られます。さらに昨今のインフレにより、VODサービスの解約、あるいはより安いサービスへ移行をする視聴者も増加しています。
そのような背景により、VODサービス側でもできるだけ低い金額のサービスを提供せざるを得ない状況になっているのです。その状況が広告付きVODを増やす要因になっています
広告付きVODの市場規模
市場調査会社eMarketerは広告付きVODの市場規模の増加を予想しています。
引用元:The age of AVOD is coming – Insider Intelligence Trends, Forecasts & Statistics
ここに示した表はアメリカにおける予想値ですが、2023年以降も少しずつ伸びていくと予想しています。これはアメリカだけではなく、日本でも同様でしょう。
VOD動画広告の主要サービスの特徴と費用
VOD動画広告の主要サービスの特徴と料金を紹介しましょう。
TVer広告
TVer(ティーバー)は民放テレビ局が連携しているVODサービスで、広告付きの民放テレビ番組を完全無料で配信しています。
番組コンテンツはドラマ、バラエティ、アニメ、報道・ドキュメンタリー、スポーツなど毎週500以上。見逃し配信の他、過去の番組の配信、リアルタイム配信、ライブ配信なども行っています。
TVerの広告配信では、最適なタイミングで動画広告を掲載します。番組コンテンツの動画再生率も高いですが、広告動画の完全視聴率も圧倒的な数字になっています。
また、PCやスマートフォンだけでなく、TVでの高精度なターゲティングも可能です。
広告出稿費用は、CPM(1,000回表示当たり)で以下のようになっています。
・15秒(11秒~22秒):3,680円
・30秒(23秒~37秒):5,520円
Abema TV広告
Abema TV(現Abema・アベマ)はテレビチャンネルとビデオデマンドが一体化した動画配信サービスです。
登録は不要で、リアルタイムのテレビ視聴は完全無料でできます。
テレビ番組の配信内容はニュース番組やドラマにスポーツなどの他、麻雀や将棋、大相撲やK-1なども生観戦可能です。
有料プラン「ABEMAプレミアム」もあり、プレミアム作品が見放題になるほか、様々な機能が加わります。
Abemaの広告配信の特徴は以下の通りです。
・高品質で安全な配信面を用意し、広告主企業や商品のブランディングを守る
・高い視聴完了率
・プロモーション効果も高く、行動促進も期待できる
・高度なアドフラウド対策を徹底
Abemaの広告配信費用はCPMで以下のようになっています。
・30秒:5,000円
Netflix広告
Netflix(ネットリックス)は長編映画、ドキュメンタリー、ドラマ、アニメや受賞歴のあるNetflixオリジナル作品などを視聴できるVODサービスです。
利用料金は無料ではありませんが、広告付きプランで月額790円と抑えられ、追加料金も発生しません。
Netflixでは、本編開始前や本編の途中でインストリーム型の広告が配信されます。
配信時間は15秒もしくは30秒です。2023年7月からはターゲティング配信も始まりました。
広告配信費用はCPMで以下の通りです。
・30秒:8,280円
AVODではインストリーム広告が主流
AVOD(広告付きVOD)の主流はインストリーム広告です。そこでインストリーム広告の概要を説明しましょう。
インストリーム広告とは?
インストリーム広告とは、動画の再生前後や途中で表示される広告のことです。
特徴は動画コンテンツと同じ画面で表示されることです。
そのため、商品やサービスを効果的に視聴者にアピールできます。
インストリーム広告にはスキッパブル広告とノンスキッパブル広告があります。それぞれの特徴を解説しましょう。
スキッパブル広告
スキッパブル広告とは、視聴者がスキップできる広告という意味です。
動画再生後、5秒後にスキップできるようになります。YouTubeを視聴している方にはおなじみの広告でしょう。
スキッパブル広告を配信する方としては、最初の5秒でインパクトを与えたいところです。
ノンスキッパブル広告
ノンスキッパブル広告は動画広告が表示されたら、終わりまで視聴者がスキップできない広告です。
視聴者は強制的に動画広告を視聴することになります。
広告配信者にとっては最後まで広告を見てもらえるのでありがたいですが、視聴者にとってはストレスになることもあります。
VOD動画広告と似た広告
VOD広告と似た広告があるので、紹介しましょう。
FireTV広告
Fire TVはAmazonが提供するテレビ向け映像出力デバイスで、HDMI端子に差し込むと、様々なインターネットコンテンツを利用できるようになります。
具体的にはテレビで動画を見る、音楽を聴く、ネットを使う、ゲームをする、Amazon Primeを利用するなどができます。
Fire TV広告ではテレビの大画面を活用した多彩な表現で視聴者にアピールでき、ブランディングが行いやすいです。
スマホのような小さな画面ではできない動画広告を配信できます。
なお、Fire TV広告はホーム画面やメニュー画面に表示される広告なので、ストリーミングサービス自体には配信できません。
Fire TVの最低出稿金額は250万円からとなっています。
SmartNews広告
SmartNewsは実年層を中心に人気が高いニュースアプリで、ここに広告を配信できます。ユーザー数はNo.1ということですから、広告配信で自社商品やサービスの認知拡大効果も高いでしょう。
SmartNews広告のCPMは予約型:2,760円、運用型:1,495円となっています。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、VOD動画広告について解説しました。
今後も成長が見込まれる広告であり、また、完全視聴率の高い媒体もあります。
動画広告の配信を検討されている方は、ぜひ記事を参考にしてください。