近年、ショート動画を手軽に閲覧できるSNSとして、TikTokが世界で流行しています。
マーケティングや企業の広報を担当している人たちは、TikTokを活用することでどんなメリットがあるのか気になるのではないでしょうか。
本記事では、TikTokの概要や他のSNSとの違い、活用するメリットなどについて解説していきます。
TikTokについて興味があるけど、いまいちどんなものなのか分からないと思っている人はぜひ最後までお読みください。
最近流行りのSNSであるTikTokとは
まずはTikTokの基本情報について解説していきます。
流行しているTikTokの意味や気になる危険性について理解を深めていきましょう。
TikTokの意味
TikTokは、中国のByteDance株式会社によってリリースされたSNSです。
縦長のショートムービーを楽しめることが特徴で、日本でも多くの人に活用されており、TikTokを専門的に使うインフルエンサーはTikTokerとよばれています。
2021年の9月には世界で10億人のユーザーを獲得し、国内では、利用者が2019年の2月に950万人以上を突破しました。
近年では、TikTokを使ったマーケティングも注目を集めており、アカウント運用や広告を使う企業も増加しています。
TikTok広告では、縦型のフルスクリーン動画を広告で活用できる点やインフィード広告によって自然な訴求ができる点が特徴です。
TikTokの危険性について
情報規制が厳しい中国のSNSということもあって、なかには危険性について気になっている人もいるでしょう。
結論から言うと、TikTokは見るだけであれば基本的に問題はありません。
ただし、コンテンツを投稿する際には、規約違反や個人情報の漏洩に注意が必要です。
音楽の著作権侵害や、明らかに個人を特定できるような投稿で肖像権を侵害しないように注意しましょう。
TikTokが流行した理由
TikTokが流行した理由として考えられるのは以下の3つです。
• 投稿のハードルが低い
• アプリを開くだけで良質なコンテンツを楽しめる
なぜTikTokが流行しているのか、具体的に確認していきましょう。
インフルエンサーの起用を積極的に行っている
近年、SNSの登場によって、テレビに出演するような芸能人以外にも、個人が情報発信能力をつけて影響力を持てるようになりました。
したがって、インターネットを活用してインフルエンサーになりたい人が増えています。
TIkTokは企業自らがクリエイターの育成に力を入れているため、インフルエンサー志望の人が参入する傾向が強いです。
また、消費者の購買行動の変化として、影響力を持つ人の意見を参考にする人も多くなりました。
TikTokは、インフルエンサーになりたい人と、SNSを使って情報収集をしたい人の両方に広く活用されています。
参照:TikTokが2019年クリエイター育成プログラムの開始を発表| CNET Japan
投稿のハードルが低い
TikTokが流行するまでは、YouTubeなどの尺が長いタイプの動画コンテンツが流行していました。
しかし、10分以上の動画を撮影して編集を施すには、高い企画力や技術が必要です。
最長でも1分程度の短い動画を投稿するTikTokでは、編集を凝る必要がないので、誰でも簡単に投稿できることが特徴になります。
投稿のハードルが全体的に低く、参入障壁が高くないことも流行の要因のひとつでしょう。
なお、投稿自体は簡単ですが、CD音源やカラオケ音源をそのまま使うのは著作権に引っかかる可能性があるので注意が必要です。
アプリを開くだけで良質なコンテンツを楽しめる
TikTokには、おすすめの動画をランダムでタイムラインに表示させる機能があります。
TikTokを使用した過去のデータから、より興味関心度の高いコンテンツを表示してくれるため、飽きずに視聴し続けられる点が特徴です。
初心者の投稿でも良質なコンテンツと認識されればおすすめの動画として表示するので、最初から一定数の閲覧が期待できることもメリットだといえるでしょう。
視聴者と投稿者の両方にとってメリットが大きい機能が備えられている点も流行した理由として考えられます。
TikTokと他のSNSとの違い
TikTokとよく比較されるSNSとして以下の5つが挙げられます。
• LINE
• YouTube
上記5つはTikTokと合わせて、国内では6大SNSと呼ばれています。
マーケティングにおいてもよく活用されるため、それぞれの違いや特徴について理解を深めておきましょう。
Twitterは、その場で起きたことなどを気軽に投稿できるテキストメインのSNSで、国内における月間アクティブアカウント数は4,500万以上を誇っています。
フォロー&リツイート機能を活かした拡散性が魅力のひとつであり、情報の検索をする目的でも多くの人に活用されていることが特徴です。
Twitterでも動画は投稿できますが、TikTokは動画と音楽メインのSNSであるため、一般的な投稿で伝えられる情報量が異なります。
参照: Twitter Japan|Twitter
InstagramはTikTokとは違い、写真をメインとしてSNSで、若い世代の女性に特に人気のアプリケーションです。
Facebookの開発も行なったMeta社によって運営されています。
近年では、ショッピング機能やReels(リールス)と呼ばれるショートムービーを投稿できるサービスも追加されており、ユーザーを飽きさせない工夫がされています。
2022年1月には世界総ダウンロード数でTikTokを抑えて1位になりました。
参照:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破|Meta
参照:Instagram、2021年第4四半期に世界総ダウンロード数でTikTokを抑え再びトップに| TECHCRUNCH JAPAN
世界でも特にユーザー数が多いSNSがFacebookで、2019年の調査では国内で2,600万人以上のユーザーがいることがわかっています。
Facebookは、TikTokと比べると実名性で投稿の信頼性が高いことが特徴です。
また、Facebookを積極的に活用するユーザーは他のSNSの利用者と比べて高所得者である傾向が強いとされています。
参照:フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」–独占ロングインタビュー| CNET Japan
参照:年収500万未満の3割はSNSフォロワー0人収入高い人ほどフェイスブック好き| PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
LINE
LINEは、国内において生活インフラのひとつとして活用されているチャットサービスです。
国内人口の約7割が使用しており、国内MAUは9,000万人以上を有しています。
あくまでもメインはチャットなので、TikTokと違ってコンテンツを投稿することで誰かと交流を図ることは少ないです。
年齢や性別を問わず幅広いユーザー層を抱えていることから、広告配信やアンケート調査では高い成果を期待できます。
参照:LINE Business Guide|LINE
YouTube
YouTubeは、動画をメインとしたSNSで、国内では月間で6,500万人以上の利用者がいます。
長い動画コンテンツが主に投稿されてますが、近年ではTikTokと同様に、短い動画が好まれる傾向もありYouTubeショートと呼ばれるサービスも登場しました。
クリエイターに金銭的な応援ができるSuper Thanksが導入されたこともあって、TikTokよりも収益化がしやすいことが特徴のひとつです。
参照:月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に|Think with Google
参照: Super Thanks の有効化と管理|YouTubeヘルプ
企業がTikTokを活用するメリット
企業がマーケティングにおいてTikTokを活用するメリットは以下の3つです。
• 違和感なく他の投稿に溶け込める
• 幅広い世代にアプローチできる
それぞれのメリットについて具体的に解説していきます。
UGCが発生しやすい
UGCは User Generated Content の略称で、簡単に言えば一般のユーザーによって製作されたコンテンツのことです。
ユーザーによって自然に作成されたコンテンツを重要視する人が増えているため、近年ではマーケティングにおいて重要な要素とされています。
TikTokでは、ユーザーを巻き込んだアプローチが盛んに行われており、ハッシュタグがよく活用されていることが特徴です。
広告手法のひとつであるハッシュタグチャレンジなどを活用すれば、UCGが発生しやすくなってさらなる情報拡散が期待できるでしょう。
違和感なく他の投稿に溶け込める
TikTokでは縦型の動画コンテンツが主流なので、企業の投稿でも違和感なくコンテンツに溶け込めます。
インフィード型の広告も活用できるため、コンテンツの間に自然な形で広告を挟み込んで訴求できるでしょう。
インターネットを普段から使用しているユーザーはいわゆる広告らしさや明らかなプロモーションを毛嫌いする傾向にあるため、自然な訴求ができることは大きなメリットです。
幅広い世代にアプローチできる
TikTokは、若年層の利用者が多いイメージですが、近年では平均年齢が34歳にまで上昇しているため、幅広い世代に向けてマーケティングを行えます。
利用する平均年代が年々上がっているのは、ビジネスに関連するカテゴリーや、良質な情報が盛んに発信されるようになったことが要因でしょう。
TikTokをマーケティングで活用すれば、Z世代だけでなくミレニアム世代に向けた訴求も可能になることがメリットのひとつです。
参照:日本の TikTok ユーザーは平均34歳、博報堂調査が示す実態 : 要点まとめ| DIGIDAY[日本版]
TikTokの企業の活用事例
TikTokの企業活用事例として以下2つが挙げられます。
• 花王アタックゼロ|TikTok広告
上記2つは、それぞれアカウント運用と広告の導入で成果を上げている事例です。
2つのTikTok活用事例について順番に紹介していきます。
サブウェイ|TikTok運用
サブウェイは、世界でも有数のファーストフードチェーンです。
TikTokで運用している企業アカウントを通してサブウェイの使い方や注文方法について解説しています。
フォロワーは3万人以上を保持しており、全体で50万ものいいねを獲得しています。
ユーザーからの質問にも積極的に答えており、視聴者とコミュニケーションを取って運用を行なっている成功事例だといえるでしょう。
参照:Subwayjapan|TikTok
花王アタックゼロ|TikTok広告
花王は、ワンプッシュで使える商品の魅力を主婦やママ層に伝えるためにTikTok広告を活用しました。
親和性の高いインフルエンサーの起用も相まって、730万再生と140%の広告認知を獲得しており、商品の魅力を余すことなくユーザーに伝えることに成功しています。
動画内で商品を使っている状況を分かりやすく伝えて、ユーザーの興味関心を惹いた事例です。
実際に子供を抱えながら利用するシーンを自然に挿入するとともに、ワンハンドで使える機能性の高さを効果的に示しています。
参照:730万再生、140%の広告認知を獲得!花王アタックZEROのTikTok活用|TikTok for Business
TikTokの活用ポイント
TikTokの活用ポイントとして、以下3つが挙げられます。
• 最初の数秒で相手を惹きつける
• コンテンツは15秒以内で収める
それぞれのコツを確認して、効率的にTikTokを活用していきましょう。
ユーザーのアクションを促す
TikTokでは、アカウントを通してただ情報を流すだけでは大きな成果を獲得できせん。
投稿の拡散や広告のクリックなど、ユーザーに行動を促せるようにクリエイティブを工夫することが大切です。
インフィード広告や起動画面広告を活用すれば、投稿の中にリンクを設定して効率的にLPや自社のサイトへ遷移させられます。
最初の数秒で相手を惹きつける
ユーザーが動画の続きを視聴するかどうかは、最初の数秒で決定します。
インパクトのある構図を最初に持ってきたり、メリットを先に伝えたりすることでユーザーを惹きつけましょう。
ただし、あまりにも主張が強い文言や絵を用いると逆に反感を買ってしまうこともあるので、ターゲットに合わせたクリエイティブを活用してください。
コンテンツは15秒以内で収める
ショートムービーに慣れているユーザーは長いコンテンツを見続けることに抵抗があります。
ブランド力や良質なコンテンツでない限り、1分以上の動画を視聴し続けてもらうことは難しいでしょう。
TikTokでコンテンツを投稿するときや広告を活用するときは、15秒以内に伝えたい情報を詰め込んで、飽きがこない演出をすることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
TikTokは、今では国内でも多くの人に活用されているSNSです。
もともと若年層が使うイメージがありましたが、コンテンツの充実度も相まって、近年では30代以上の人にも広く使われています。
TikTokは他のSNSよりも比較的投稿のハードルが低いので、企業でアカウントを運用すれば、効率的な情報の拡散やリーチの獲得が期待できるでしょう。
より高い成果を出すための自社商材の訴求を行いたい場合は、TikTok広告の活用がおすすめです。
TikTok広告では、広告らしさを排除した自然な訴求や、ユーザーを巻き込んでUCGを発生させるメリットがあります。
SNSマーケティングを検討している人は、ぜひ一度、TikTokでアカウントの運用や広告出稿を検討してみてください。