YouTube広告で活用できるブランドリフト調査についてご存知ですか。
ブランドリフト調査を用いれば、ブランディング広告の効果測定を効率的に実施できます。
本記事では、ブランドリフト調査の内容や設定手順、注意事項について紹介していきます。利用を検討している方には、この記事を読んで理解を深め、具体的な行動に移していくことがおすすめです。
1.YouTube広告のブランドリフト調査とは
YouTubeブランドリフト調査について、以下の項目を解説していきます。
- ブランドリフト調査の概要
- 質問できる項目
- 獲得できるデータ
- サーチリフト調査との違い
まずは上記の基本的な情報からおさえていきましょう。
1−1.ブランドリフト調査の概要
ブランドリフト調査とは、Google広告内で利用できる調査手法です。
YouTubeでアンケートを表示させることで、自社のブランドについてリサーチを行うことができます。
ブランドリフト調査では、広告に接触したユーザーと接触していないユーザーを比較することが特徴です。
調査を通して広告配信による効果を効率的に確認できるようになっています。
調査を実施すれば、動画キャンペーンを通してユーザーに与えたインパクトを可視化し、次のマーケティングに繋げることが可能です。
1−2.ブランドリフト調査で質問できる項目
ブランドリフト調査で実施できる質問の例は以下の通りです。
上記の項目を利用して調査を行えば、動画広告による効果を測りやすくなります。
たとえば「広告想起率」を活用する場合、動画広告の内容がユーザーにどれだけ浸透しているかを把握可能です。
「好意度」の項目では、広告配信後と配信前で、商品やブランドへのイメージがどのように変わったかを確認できます。
それぞれの項目ごとに獲得できる情報が異なるので、知りたい情報に合わせて有効活用していきましょう。
回答数の上限についても、それぞれの項目で異なるので合わせて把握しておいてください。
1−3.ブランドリフト調査で獲得できるデータ
ブランドリフト調査を実施すると、以下のデータを獲得できます。
複数のデータを獲得できるため、次回のアクションに活かせるように各指標の特徴や算出方法について把握しておきましょう。
1−4.サーチリフト調査との違い
Google広告で活用できるリサーチのなかには「サーチリフト調査」と呼ばれるものがあります。
サーチリフト調査は、ブランディング広告の効果でどれだけキーワードの検索流入に影響があったかわかる手法です。
ユーザーは広告経由で商品やブランドを知った際、検索エンジンからさらなる情報を得る傾向があります。
したがって、広告を配信した後の検索流入への影響を把握できれば、適切な広告を提供できていたのか判断可能です。
サーチリフト調査によって、広告配信前後で検索流入の増加が見られた場合、広告の訴求方法が適切だったとわかります。
反対に、検索行動をとっている人の数に対して変化がない場合は、広告クリエイティブの刷新や、思い切って他の手法に舵を切ることもできるでしょう。
ブランドリフト調査とは獲得できる情報が異なるため、目的に合わせて使い分けることがおすすめです。
2.YouTube広告のブランドリフト調査の利点
YouTube広告のブランドリフト調査の利点は以下2つです。
- インバナーサーベイの活用ができる
- ブランディングを目的とした広告の効果が分かる
ブランドリフト調査には具体的にどんな長所があるのか理解を深めていきましょう。
それぞれの利点について詳しく解説していきます。
2−1.インバナーサーベイの活用ができる
インバナーサーベイは、ディスプレイ広告内で回答することが可能なアンケートで、ページを遷移させることなく情報収集ができる特徴があります。
ユーザーにとっても手間が少なく、利便性が高いため回答数を確保しやすいです。
ただし、インバナーサーベイはアンケートへの回答を専門としたページではないため、設置できる回答数が比較的少ない傾向にあります。
表示されるページが小さいため、誤った選択をした状態で送信してしまうユーザーもいるでしょう。
インバナーサーベイの用いる際は、メリット・デメリットを正しく把握して活用することが大切です。
2−2.ブランディングを目的とした広告の効果が分かる
自社のブランド認知を確かめたい場合、数値を元にしても正確に判断できない可能性があります。
たとえば、広告のクリック率などを参考にしたとしても、ブランドイメージの定着率などはわかりづらいです。
ブランディング広告を実施した後は、ユーザーがどんな印象を持っているのか聞くことが最も効率的だといえるので、ブランドリフト調査がおすすめです。
3.YouTube広告のブランドリフト調査を始めるための条件
YouTube広告のブランドリフト調査を実施するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- Google広告のアカウント担当者がいること
- 最低出稿額を超えていること
2つの条件について把握して、スムーズにブランドリフト調査を始められるようにしましょう。
3−1.Google広告のアカウント担当者がいること
ブランドリフト調査は、Google広告のアカウント担当者経由で依頼をしないと申し込めません。広告主のアカウントか代理店でのGoogle担当者が必要です。
YouTube広告上でブランドリフト調査を行いたい際は、早めに担当者に連絡しましょう。
ただし、一部のアカウントでは担当者がいても調査を実施できないことがあるので注意が必要です。
3−2.最低出稿額を超えていること
ブランドリフト調査を実施して広告の効果を確かめる場合、ある程度のデータ数が必要です。したがって、最低出稿額を決めて必要なデータ量を確保することが求められています。
最低出稿額の具体的な数値は以下の通りです。
上記のように設置したい質問数によっても料金は変わります。質問を1つに設定したとしても、日本円で200万円以上の費用が必要です(2022年9月時点)。
高額に設定されているので、実施を検討する際は慎重に可否を決定しましょう。
4.YouTube広告のブランドリフト調査の利用方法
YouTube広告のブランドリフト調査の利用方法についても理解を深めておきましょう。
- 設定する手順
- データを確認する手順
上記2つについてそれぞれ詳しく解説します。
4−1.ブランドリフト調査を設定する手順
ブランドリフト調査を実施したいときは、まずはGoogleの担当者にコンタクトを取りましょう。
機能の権限をもらうまでに1週間程度の時間がかかるので、素早い対応が必要です。
機能を使えるようになったら、以下の手順で利用できます。
- 広告管理画面の右上「ツールと設定」をクリック
- 「測定」項目の中から「ブランド効果測定」を選択
- 「新しい商品またはブランド」を選択
- 「商品名・ブランド名」「開始日」「言語」を設定
- ステータスが「無効」になっていないか確認
- 内容を保存して完了
4−2.ブランドリフト調査のデータを確認する手順
データを獲得した後は、以下手順に従って情報を確認してください。
- 「表示項目アイコン」をクリック
- 「表示項目を変更」をクリック
- 「ブランド効果測定」から「適用」を選択
セグメントのアイコンから「ブランド効果測定の種類」を選択すると「広告想起率」や「認知度」などの項目ごとにデータを閲覧できます。
5.YouTube広告のブランドリフト調査の注意事項
YouTube広告のブランドリフト調査の注意事項として、以下3つが挙げられます。
- 実施以前の情報は反映されない
- データが検出されないことがある
- 一定以上の金額が必要
トラブルがあった際に焦らないように、上記の注意事項についても確認しておきましょう。
5−1.実施以前の情報は反映されない
Google広告ではキャンペーンを始めてからでも、途中で調査を行えます。ただし、以前の情報は反映されないので注意が必要です。
ブランドリフト調査は「広告を視聴したユーザー・広告を視聴していないユーザー」の両方にアンケートを実施します。
キャンペーンの途中からスタートした場合は、すでに広告配信を閲覧したユーザーを「広告を視聴していないユーザー」として認識してしまう可能性があります。
正確な数値を図りたい場合は、キャンペーンを始めたときから、ブランドリフト調査も合わせて実施することがおすすめです。
5−2.データが検出されないことがある
「広告を配信したユーザー」と「配信していないユーザー」でアンケートの結果に差異がないとデータが検出されないことがあります。
ブランドリフト調査でデータの検出ができない場合、ターゲティングやクリエイティブに問題がある可能性があるので見直しを図りましょう。
広告内容がユーザーに響かなかったり、配信前の時点ですでに好印象を抱いてもらったりしている場合はアンケートで成果が出ないこともあります。
また、他の企業が同じような質問項目を設定して高い数値を得ている場合、自社の回答結果に影響が生まれることも考えられるでしょう。
5−3.一定以上の金額が必要
先述しましたが、ブランドリフト調査を実施するには一定以上の金額が必要になります。
公式サイトによると、10日間で100〜200万円以上の費用が最低金額として求められているので、実施を検討する場合は本当に必要なのか考えることが大切です。
ブランドリフト調査は、ブランディング広告の効果を確かめるためには高い効果を発揮します。
しかし、調査でデータを獲得して次の施策を見出せても、資金が足りなければ本末転倒になってしまいます。
現在の予算を元にして、適切な手法を選択し、次に活かすことが重要です。
6.まとめ
いかがでしたか?
YouTube広告のブランドリフト調査は、ブランディングを目的とした広告の結果を効率的に図れることが大きなメリットです。
多数のユーザーを抱えるYouTube上で広告としてアンケートを実施し、多くの回答数を確保できます。
ただし、実際に質問を実施すると、1日に数十万規模の費用がかかる可能性があります。広告費に余裕がない場合、本当にブランドリフト調査が必要なのか再検討してみましょう。
実際に利用していると情報が反映されないこともあるので、事前に要件について把握しておくことが大切です。
設定手順やデータの確認方法についても前もって確認し、スムーズに導入できるようにしましょう。