
国内でも最大規模のユーザー数を誇るYahoo!に広告を配信できるYahoo!広告は、
認知拡大や購買促進に効果的です。
ただし、
PDCAを効果的に回すためには、
コンバージョンの設定を適切に行う必要があります。
本記事では、
Yahoo!広告におけるコンバージョンの概要や、設置する方法などを
解説していきます。
測定と改善のポイントについても紹介するので、
Yahoo!広告のコンバージョン設定について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
1. Yahoo!広告におけるコンバージョンについて
1-1. Yahoo!広告でのコンバージョンの意味
1-2. Yahoo!広告でのコンバージョンの種類
1-3. Yahoo!広告の平均コンバージョン率
2. Yahoo!広告でコンバージョンが重要視される理由
2-1. 成果について定量的に判断できる
2-2. 今後の予算配分を決定する材料になる
2-3. PDCAを効果的に回せる
3. Yahoo!検索広告でコンバージョンタグを設置する方法
3-1. コンバージョンタグの設定
3-2. コンバージョン設定の作成
3-3. タグをコピーしてWebサイトに設置
4. Yahoo!ディスプレイ広告でコンバージョンタグを設置する方法
4-1. アプリのコンバージョン測定
4-2. Webサイトのコンバージョン測定
5. Yahoo!広告のコンバージョン測定と改善のポイント
5-1. 成果が見込めない場合はターゲット設定の改善を試みる
5-2. 露出が少ない広告は表示回数を増やす
5-3. なるべく改善による成果が高そうな施策に注力する
6. まとめ
1. Yahoo!広告におけるコンバージョンについて
Yahoo!広告におけるコンバージョンについて、
以下の内容を解説していきます。
- Yahoo!広告でのコンバージョンの意味
- Yahoo!広告でのコンバージョンの種類
- Yahoo!広告の平均コンバージョン率
それぞれ理解を深めておきましょう。
1-1. Yahoo!広告でのコンバージョンの意味
■ Yahoo!広告におけるコンバージョンとは?
Yahoo!広告におけるコンバージョンとは、
広告配信によって得られた最終的な成果を指します。
最終的な成果とは、
「商品購入・会員登録・資料請求・お問い合わせ」
などが代表的な例として挙げられます。
しかし、
これらの内容は広告主である企業やサービスによって異なります。
例えば、
ECサイトであれば「商品購入」
情報提供サイトであれば「メルマガ登録」や「資料ダウンロード」
などがコンバージョンとして設定されるでしょう。
コンバージョンの意味が理解できたところで、
次に焦点を当てるべきはその「重要性」です。
■ コンバージョン測定の重要性
広告の成果を正確に把握し、継続的に改善していくためには、
単に広告の表示回数やクリック数を追うだけでは不十分です。
本当に成果と呼べる行動(=コンバージョン)がどれだけ発生したのかを把握することで、
広告が目的通りに機能しているかどうかを判断できるようになります。
そのためには、
広告の配信目的を明確にしたうえで、
その目的に合致したコンバージョンポイントを事前に定義・設定しておくことが重要です。
これは、
Yahoo!広告運用における基本かつ第一歩となります。
「Yahoo!広告 コンバージョン クリック数」といった中間指標だけを追うのではなく、
そのクリックが本当の成果に結びついているのかを見極める視点が欠かせません。
広告を配信する前に、
どのようなコンバージョンを成果とみなすのかを明確に策定しておきましょう。
1-2. Yahoo!広告でのコンバージョンの種類
Yahoo!広告の公式サイトによると、
取得できるコンバージョンの種類は以下のようになっています。
種別 | 詳細 | 例 |
ウェブページ | 広告経由でサイト訪問したユーザーの 成果を計測 |
商品購入、会員登録、資料請求 |
電話発信 | 広告経由で電話発信用リンクが押された件数を計測 | 問い合わせ電話、相談予約 |
アプリ | 「Google Playストアアプリ」からの アプリのダウンロードやアプリ内の 行動を計測 |
アプリダウンロード アプリ内購入 |
インポート | オフラインの電話や来店などの 成果を計測 |
店舗来店、電話問い合わせ |
※参考:コンバージョン測定とは【検索広告】|Yahoo!Japan広告
※参考:コンバージョン測定とは【ディスプレイ広告】|Yahoo!Japan広告
1-3. Yahoo!広告の平均コンバージョン率
■ 平均CVRは公表されていない
Yahoo!広告の平均コンバージョン率(CVR)について、
残念ながら公式に詳細なデータは公表されていません。
しかし、
一般的にWeb広告のコンバージョン率は、
業界・商材・ターゲット設定・広告クリエイティブの質・ランディングページの最適化度合い
など、多くの要因によって大きく変動します。
■ 業界・広告種別によってCVRは大きく異なる
参考として、
Google広告の業界別コンバージョン率(※WordStream社などの海外データ)を見ると、
「検索広告」と「ディスプレイ広告」ではは成果に差があることがわかります。
さらに、
業界によってもコンバージョン率は大きく異なります。
例えば、
金融や法律関連は高い傾向にあり、
eコマースや旅行業界はそれに続くといった具合です。
ただし、
これらの数値はあくまで海外調査による一般的な傾向であり、
すべての広告主に当てはまるものではありません。
■ 自社の目標CVRはどう設定すべきか
重要なのは、
これらの一般的な数値を鵜呑みにするのではなく、参考情報として活用する姿勢です。
自社でYahoo!広告を配信する際は、
まず過去の自社データがあれば、それをもとに目標値を設定しましょう。
もしデータがない場合は、
業界全体の傾向を参考にしながら、
現実的な仮説を立てて運用を始めることが推奨されます。
■ 運用しながら目標を見直していく
運用開始後は、
実績データを基に、継続的に目標値を見直し、改善を重ねていくことが重要です。
もし、
コンバージョン率が低いと感じた場合でも、
焦らず要因を分析し、一つ一つ改善策を試していくことが成果への近道となります。
業界 | クリック率(検索) | クリック(GDN) |
アドボカシー | 4.41% | 0.59% |
自動 | 4.00% | 0.60% |
B2B | 2.41% | 0.46% |
消費者サービス | 2.41$ | 0.51% |
出会い | 6.05% | 0.72% |
電子商取引 | 2.69% | 0.51% |
教育 | 3.78% | 0.53% |
雇用サービス | 2.42% | 0.59% |
金融と保険 | 2.91% | 0.52% |
健康と医療 | 3.27% | 0.59% |
ホームグッズ | 2.44% | 0.49% |
産業サービス | 2.61% | 0.50% |
法 | 2.93% | 0.59% |
不動産 | 3.71% | 1.08% |
テクノロジー | 2.09% | 0.39% |
旅行とホスピタリティ | 4.68% | 0.47% |
※参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]|WordStream
2. Yahoo!広告でコンバージョンが重要視される理由
Yahoo!広告でコンバージョンが重要視されるのは、
以下のような理由があります。
- 成果について定量的に判断できる
- 今後の予算配分を決定する材料になる
- PDCAを効果的に回せる
上記3つの内容について解説していきます。
2-1. 成果について定量的に判断できる
コンバージョン数を正確に測定することで、
広告施策の成果を客観的かつ定量的に判断できるようになります。
広告の配信状況を確認する指標としては、
「表示回数(インプレッション数)・クリック数・クリック率(CTR)」
なども重要ですが、これらはあくまで中間指標です。
最終的なビジネス目標の達成度合いを測るためには、
「コンバージョン数・コンバージョン率・コンバージョン単価(CPA)」
といった指標が不可欠です。
例えば、
クリック数が多くてもコンバージョンに繋がっていなければ、
「ターゲットユーザーに響いていない、ランディングページに問題がある」
などの可能性が考えられます。
逆に、
クリック数は少なくても高いコンバージョン率を維持できている広告は、
費用対効果が高い優良な広告と言えるでしょう。
このように、コンバージョンデータは、
広告の「質」を評価するための重要なものさしとなります。
定量的な評価に基づいて次のアクションを決定できるため、
感覚や憶測に頼らないデータドリブンな意思決定が可能になります。
配信後や特定の施策を実施した後は、
必ず期間を設定してコンバージョン成果を追いましょう。
2-2. 今後の予算配分を決定する材料になる
コンバージョンデータは、
広告予算の最適な配分を決定する上でも極めて重要な情報源となります。
複数のキャンペーンや広告グループ、キーワード、クリエイティブを運用している場合、
それぞれのコンバージョン数やCPAを比較分析することで、
どの広告要素が成果に貢献しているのか、していないのかが明確になります。
「成果の高い広告には予算を重点的に配分し、逆に成果の低い広告は予算を削減する」
「改善策を講じる」
「場合によっては配信を停止する」
といった判断が可能になります。
配信者の勘や経験則だけに頼った予算配分は、
機会損失や無駄な広告費の発生リスクを高めます。
数値に基づいた客観的な判断こそが、
広告費用対効果(ROAS)を最大化するための鍵となります。
特に、
限られた予算の中で最大限の効果を出すためには、
コンバージョンデータの分析に基づいた的確な予算管理が不可欠です。
数値が悪い場合は、
早い段階で広告費の削減や出稿の停止などを判断する必要があります。
2-3. PDCAを効果的に回せる
広告の配信後は、
そのまま放置するのではなく改善を繰り返してより高い成果を目指すことが重要です。
PDCAを効果的に回すためには、
まずどの広告パターンが特に成果が出ているのか把握する必要があります。
コンバージョンからクリエイティブ内容やターゲティング、
配信のタイミングなど良かった点を深掘りできれば改善を回しやすくなるでしょう。
3. Yahoo!検索広告でコンバージョンタグを設置する方法
Yahoo!検索広告でコンバージョンタグを設置する方法は
以下の通りです。
設定方法
①コンバージョンタグの設定
②コンバージョン設定の作成
③タグをコピーしてWebサイトに設置
順番に内容を見ていきましょう。
3-1. コンバージョンタグの設定
コンバージョンタグの設定は以下の手順で行います。
設定手順
① Yahoo!広告の運用ツールで「ツール」を選択
②「コンバージョン測定を作成」を選択
3-2. コンバージョン設定の作成
コンバージョン設定の作成方法は以下の通りです。
設定手順
①「コンバージョン名」を設定
②「コンバージョン種別」を選択
③「コンバージョン測定の目的」を選択
④ 計測方法を選択
⑤「自動入札への利用」を選択
⑥「計測期間」を設定
⑦「1コンバージョン当たりの価値」を設定
⑧ 作成をクリック
⑨ ライブラリーの「コンバージョン測定」からタグを表示
3-3. タグをコピーしてWebサイトに設置
最後に、
タグをコピーしてWebサイトに設置しましょう。
コンバージョン測定を正確に行いたい場合は、
サイトジェネラルタグと一緒にコンバージョン測定補完機能タグも設置します。
設定手順
①「コンバージョン測定補完機能タグ」の設定
② クリップボードにコピーしてWebサイトに設置
③ 変更後のページをWebサーバーにアップロード
4. Yahoo!ディスプレイ広告でコンバージョンタグを設置する方法
Yahoo!ディスプレイ広告で
コンバージョンタグを設置する方法について解説していきます。
アプリとWebサイトのコンバージョン測定について確認していきましょう。
4-1. アプリのコンバージョン測定
アプリのコンバージョン測定を行う場合、
効果測定用のツールを導入します。

ツールとアカウントを同期させましょう。
※画像引用(出典:アプリのコンバージョン測定が可能な広告効果測定ツールについて|Yahoo!JAPAN広告)
4-2. Webサイトのコンバージョン測定
Webサイトのコンバージョン測定を行う際は、
検索広告と同様の作業を実施します。
広告管理ツールの「ディスプレイ広告」から同じように「ツール」を選択し、
コンバージョン設定の作成やタグのコピーを行ってください。
5. Yahoo!広告のコンバージョン測定と改善のポイント
Yahoo!広告のコンバージョン測定と改善のポイントは、
以下の3つが挙げられます。
- 成果が見込めない場合はターゲット設定の改善を試みる
- 露出が少ない広告は表示回数を増やす
- なるべく改善による成果が高そうな施策に注力する
効果的に測定や改善を回せるように、
上記について理解を深めておきましょう。
5-1. 成果が見込めない場合はターゲット設定の改善を試みる
Yahoo!広告を配信した後、
期待したほどのコンバージョン数が得られない、
あるいはコンバージョン率が著しく低いといった場合、
まず見直すべきはターゲット設定です。
どれだけ魅力的な広告クリエイティブを用意しても、
そもそも製品やサービスに関心のない層に広告を配信していては、
成果に繋がりにくくなります。
■ デモグラフィック情報
年齢、性別、地域などの設定が、
実際の顧客層と乖離していないか確認します。
例えば、
若年層向けの商品なのに、
広告が中高年層に多く配信されていれば、コンバージョンは期待できません。
■ 興味・関心・行動ターゲティング
設定している興味関心カテゴリーや購買意向の強いオーディエンスが、
本当に見込み顧客と合致しているか検討します。
より具体的なカテゴリーを選択したり、
逆に広げてみることで反応が変わる場合があります。
■ リターゲティング
一度サイトを訪れたユーザーや、
特定のアクション(カート放棄など)を行ったユーザーへの
リターゲティング設定が適切か確認します。
リストの期間設定や、除外設定なども見直しましょう。
■ カスタムオーディエンス
既存顧客のデータ(メールアドレスなど)を活用したカスタムオーディエンスや、
類似ユーザーへの拡張配信が有効な場合があります。
過去の顧客データや、
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールの情報を参考に、
ペルソナ(理想の顧客像)を具体的に描き、
そのペルソナに合致するよう広告のターゲット設定を調整していくことが重要です。
5-2. 露出が少ない広告は表示回数を増やす
コンバージョン数が少ない原因として、
そもそも広告の露出(表示回数やインプレッション数)が少ないという
ケースも考えられます。
広告がユーザーの目に触れる機会が少なければ、
当然クリックやコンバージョンも期待できません。
■ 入札単価
設定している入札単価が低すぎるために、広告が表示されにくい可能性があります。
競合状況を考慮し、
適切な入札単価に調整するか、自動入札戦略を見直しましょう。
■ 品質スコア(検索広告の場合)
広告の品質が低いと判断されると、
表示機会が減少し、表示されても上位掲載されにくくなります。
広告文の関連性、推定クリック率、ランディングページの利便性などを見直し、
品質スコアの改善を目指しましょう。
■ ターゲティングの範囲
ターゲットを絞り込みすぎている場合、
該当するユーザーが少なく、表示回数が伸び悩むことがあります。
少しターゲットを広げてみる(例:地域を拡大する、興味関心の幅を広げるなど)ことで
改善する可能性があります。
ただし、
無関係なユーザーへの露出が増えると
無駄なコストが発生するリスクもあるため、慎重に調整が必要です。
■ 広告予算
日予算や月予算の上限が低く、
早い段階で予算を消化してしまい、広告が表示されなくなるケースもあります。
成果が出ているキャンペーンであれば、予算の増額を検討しましょう。
■ 広告クリエイティブの多様性
同じクリエイティブばかりではユーザーに飽きられてしまい、
クリック率が低下し、結果として表示回数も減ることがあります。
複数のパターンの広告クリエイティブを用意し、
定期的にテスト・入れ替えを行いましょう。
これらの要素を確認し、必要に応じて調整することで、
広告の表示回数を増やし、コンバージョン機会の拡大を目指しましょう。
5-3. なるべく改善による成果が高そうな施策に注力する
コンバージョンをもとに広告の改善を行うときは、
なるべく成果が高そうな施策に注力することも大切です。
見込める改善幅が同じでも、
向上する売上幅が異なることはよくあります。
人材や予算などのリソースを割く以上、
成果が高い施策から順番に手をつけた方がメリットが大きいです。
6. まとめ
いかがでしたか?
Yahoo!広告を活用する際は、
コンバージョンの設定や改善のポイントを意識することが大切です。
コンバージョンタグの設置や設定を間違えてしまうと、
適切なPDCAを回すことが難しくなってしまうので注意しましょう。
設定ができたらターゲット設定や露出数などを意識して、
改善を繰り返してみてください。