Pinterest(ピンタレスト)は、様々なジャンルの画像や動画を閲覧でき、その中から気になったものをブックマークやシェアできるサービスとして人気が高まっています。
一見すると、Instagramと同じような機能にも思えますが、Instagramよりも自分向けに保存・活用できる機能が多く、メモ帳代わりに利用するユーザーも少なくありません。
特に、外部サイトへのリンクを設定することができるため、スキルアップや情報収集として活用するユーザーも多くいます。
現在、Pinterestのユーザーは月間で4億5000万人を超え、自社のマーケティングとして活用する企業も増加傾向にあります。
さらに2022年6月には、Pinterest内に広告を配信できるようになり、集客先媒体としても注目を集めています。
このように注目を集めるPinterestでは、ビジネスアカウントを開設することで、広告を出稿しなくとも集客効果を高めることが可能です。
そこで今回は、Pinterestのビジネスアカウントの基本的な概要から、企業として活用するメリットやアカウントの開設方法、運用のコツなどについてポイントを中心に紹介していきます。
Pinterestのビジネスアカウントとは?
Pinterestのビジネスアカウントとは、Pinterestでビジネスとして展開できる専用の企業アカウントのことを指します。
個人アカウントに比べ多くの機能が用意されているため、効果的に活用することで、集客増加やブランディングなどにつなげることが可能です。
そもそもPinterestは、様々なシーンで活用できる画像や動画を検索し、ユーザーが興味を示したものをお気に入り登録やシェアできるサービスとなります。
2010年にアメリカでリリースされて以降、多くのユーザーが活用するようになり、現在では月間4億5000万人ものユーザーが利用しています。
ユーザーは、気になる画像や動画を保存し、自身で活用する様々な事柄のヒントとして活用しています。
そのため、話題性というよりも現実的に活用されやすい傾向があるため、その後の商品の購入やサービスの申し込みなどにもつながりやすい特性があります。
このような背景から、Pinterestのビジネスアカウントを作成・運用する企業は、業種問わず増加傾向にあります。
Pinterest内でユーザーに響く画像や動画を訴求することで、集客増加やブランディング向上につなげる効果が期待できます。
Pinterestのビジネスアカウントと個人アカウントの違い
Pinterestは、ビジネスアカウントを作成しなくても、個人アカウントで展開することも可能です。
ただ、Pinterestのビジネスアカウントには、ビジネスとして活用しやすい機能が多く用意されています。
例えば、Pinterestのビジネスアカウントでは、アナリティクスと呼ばれる解析ツールを活用することができます。
これにより、自社の投稿に対するインプレッション数やクリック数、動画の視聴回数などを確認することが可能です。
また、カバー写真の固定やアカウントページ内に自社の指定するURLを表示させることもできます。
これにより、効果検証や集客増加などの運用効果を高めることが可能になります。
Pinterestのビジネスアカウントの作成・運用に対して、特に費用は掛かりません。
そのため、Pinterestをマーケティング活用するのであれば、ビジネスアカウントを作成した方が効果的です。
Pinterestのビジネスアカウントを作成するメリット
続いて、Pinterestのビジネスアカウントを作成するメリットについて紹介していきます。
ビジネスアカウントをもとにPinterestで展開することで、以下のような効果が期待できます。
① 潜在層へのアプローチによる集客増加
Pinterestを利用する多くのユーザーは、様々な画像や動画などの情報の中から、自分に役立つ情報を探しています。
InstagramをはじめとするSNS媒体よりも、現実的に活用する情報を探しているニーズが高い傾向にあるため、興味を示した内容はその後のコンバージョンにもつながりやすい傾向にあります。
また、ユーザーが指名系キーワードで検索するケースは少なく、潜在層にアプローチすることが可能です。
例えば、「赤い スカート」や「テーブル 機能性」などのキーワードで検索するユーザーは、情報収集しつつも良い商品があれば購入につながりやすいことが想定できます。
このような潜在層にアプローチできれば、集客だけでなく自社の売上増加や利益拡大につなげることも期待できます。
② 画像や動画によるブランディングの向上
Pinterestでは、画像や動画によって情報発信することができます。
画像や動画による訴求は、テキストよりも多くの情報をユーザーにアピールすることが可能になります。
特に動画の場合には、音声付きでユーザーの視覚と聴覚に訴えることができます。
そのため、自社の商材やサービスについて、一度に多くの情報量でアピールすることで、ブランディング向上につなげる効果が期待できます。
③ 日本ではまだ競合性が低い
Pinterestは、2022年6月に広告サービスがスタートしたものの、導入・活用している企業はまだまだ多くありません。
これは、Pinterestの特性やユーザーニーズなどについて、まだ企業側が理解していないことが想定されます。
とはいえ、全世界で4億5000万人が月間で利用しているように、多くのユーザーが集まる媒体であることは間違いありません。
このような媒体に、広告出稿しなくとも展開できるという点は、競合性が低いため効果につながる可能性も高まります。
特に、アパレルやインテリア、美容、旅行、料理といったジャンルは現在多くの画像や動画が掲載されています。
画像や動画が多いということは、それだけ興味関心の高いユーザーが多くいると想定することもできます。
そのため、競合性が低いタイミングで優位性を確立しておくと効果的です。
Pinterestビジネスアカウントの作成方法
次に、Pinterestのビジネスアカウントを作成する方法について紹介していきます。
Pinterestは、一からビジネスアカウントを作成することも、個人アカウントからビジネスアカウントに移行することも可能です。
それぞれの方法について紹介していきます。
① 新たにPinterestのビジネスアカウントを開設する方法
(1) Pinterestのビジネス向けサイト(https://business.pinterest.com/ja/)にアクセス
(2) 「登録する」からアカウント作成
(3) 「メールアドレス」、「パスワード」、「年齢」を入力
(4) 「プロフィール名」や「サイトURL」を入力
(5) 自社で扱う目的を選択し登録
これでビジネスアカウントを作成することが可能です。
なお、登録した情報は後から変更することもできます。
② 個人アカウントからビジネスアカウントに切り替える方法
個人アカウントからビジネスアカウントに切り替える場合には、先ほどのPinterestのビジネス向けサイト(https://business.pinterest.com/ja/)にアクセスし、「ログイン」から個人アカウントで設定した情報を入力すれば完了です。
ログイン後、ビジネスセンターやアナリティクスなどが表示されていれば設定に関して問題ありません。
Pinterestのビジネスアカウントでできること
続いて、Pinterestのビジネスアカウントにてできることについて紹介していきます。
Pinterestを効果的なマーケティングに活用していくためには、ビジネスアカウントで何ができるのか理解しておくことが重要です。
以下の要素を押さえておくと効果的です。
① 「ピン」の作成と「ボード」への保存
Pinterestでは、投稿する内容はピンと呼ばれています。
作成したピンは、ボードと呼ばれる掲載枠に保存されます。
この際に、画像や動画とあわせタイトルや説明文、リンク先URLを設定することも可能です。
ピンとして作成する画像や動画には、アスペクト比や解像度などの規定があるため注意が必要です。
② 自社のサイトからのピンの作成
自社のサイト内に展開可能な画像や動画がある場合には、そのページからピンを作成することも可能です。
ピンの作成から「ウェブサイトから保存する」を選択すると、URLを入力するだけでピンを作成することができます。
③ アイデアピンの活用
アイデアピンとは、複数のピンをまとめる機能です。
関連性の高い画像や動画をアイデアピンとしてまとめることで、ユーザーはスライドさせて確認することが可能になります。
画像と動画を交互に表示させることも可能で、アパレルの色違いや着こなし、メニュー表示などに活用することで、ユーザビリティを高めることができます。
④ 他の投稿のリピン
リピンとは、X(旧Twitter)のリツイートのように、他の投稿内容を引用する手法です。
リピンを活用することで、ユーザーとのコミュニケーションが図れ、ブランディングや集客の面でも相乗効果が期待できます。
Pinterestのビジネスアカウントの運用効果を高めるコツ
最後に、Pinterestのビジネスアカウントにて運用効果を高めるコツについて紹介していきます。
Pinterestは、闇雲に実施しても効果にはつながりません。
運用効果を高めるためには、先ほどふれた機能などを活用しつつ、以下の要素を意識しながら運用していくと効果的です。
① PinterestによるKGIやKPIを設定しておく
どのような媒体や広告・プロモーション施策であれ、あらかじめ目的や目標を定めておくことは欠かせません。
Pinterestのビジネスアカウントの運用にはコストはかかりませんが、効果につながらなければ無駄な工数や人件費で終わってしまう可能性も高まります。
Pinterestでは、集客増加やブランディング向上などの効果が期待できます。
そのため、インプレッションやクリック、動画の視聴回数、アカウントのフォロワー数などの指標をもとに目標値を定め、戦略的に運用していくことが重要です。
② PDCAサイクルをもとにした定期的な効果検証
PDCAサイクルをもとにした定期的な効果検証も重要です。
Pinterestのビジネスアカウントでは、アナリティクスツールをもとにユーザー行動を可視化することができます。
この数値・データをもとに課題を見つけ出し、日々改善していく必要があります。
サービスとして展開し出してから浅く、ユーザーの傾向などもつかみにくいPinterestだからこそ、仮説と検証を繰り返しながら運用していくことが重要になります。
③ Pinterest広告の併用
Pinterestでは、先ほどふれたように2022年6月から広告配信を行うことが可能です。
この広告配信では、ユーザー属性や行動などによってターゲティングを行うことができます。
そのため、ビジネスアカウントの運用とあわせ広告出稿することも効果的です。
ターゲットを絞った広告出稿によりユーザー行動などを掴むことができれば、ビジネスアカウントの運用にもつなげやすくなります。
まとめ
画像や動画をお気に入り登録し、ユーザー同士で共有もできるPinterestは、新たなSNSとして近年注目を集めるサービスです。
一般的なSNSとは異なり、より実用的な情報を探しているユーザーが多く集まるため、ビジネスとして活用する企業も増加傾向にあります。
とはいえ、機能だけでなく、利用するユーザーニーズも他のSNSなどとは異なるため、Pinterestならではの特性を正しく理解しておく必要があります。
今回紹介した内容も参考に、Pinterestのビジネスアカウントを自社のマーケティングに活用していきましょう。