リスティング広告やディスプレイ広告をはじめ、Web広告の効果を高める上で、ランディングページの制作は欠かせません。
このランディングページの制作には費用がかかりますが、この費用は作成意図や依頼先の制作会社によっても異なります。
「ランディングページ制作の費用相場が分からない」「ランディングページはどういった制作会社に依頼すればいいの?」などと悩まれる担当者も少なくありません。
今回は、ランディングページ制作の費用相場について、制作会社に依頼する上での注意点などとあわせポイントを中心に紹介していきます。
ランディングページとは?
そもそもランディングページとは、ユーザーが訪れる自社の最初のページのことを指します。最初に着地するという意味からLanding Pageといわれ、LPなどと略して呼ばれることもあります。
基本的にランディングページは、最初の訪問ページであるため、商品・サービスページだけでなく会社概要やTOPページなどもランディングページになります。
マーケティングやプロモーション領域において、ランディングページは広告からの遷移先ページのことを指します。
自社が複数の商品やサービスを取り扱っている場合、TOPページにユーザーを遷移させても目的のページに誘導できず、離脱してしまう可能性も起こり得ます。
このような機会損失を防ぎ、ターゲットとなるユーザーを目的のページに直接遷移させる上でランディングページを活用しています。
また、ホームページ内に対象のページが存在しない場合には、広告からの遷移用に専門のランディングページを制作するケースもあります。
広告出稿先の媒体やターゲットユーザーのニーズにマッチしたページを作成することで、離脱を防ぎコンバージョン獲得にも繋げやすくなります。
ランディングページ制作における費用相場
続いて、ランディングページ制作における費用相場について紹介していきます。
ランディングページ制作における費用は、目的やターゲットに応じてどこまで詳細に作り込むかによって異なります。
大まかな費用相場と対応範囲に関しては以下の通りとなります。
①10万円以下の制作費:フリーランスに依頼した場合
ランディングページ制作をフリーランスに依頼した場合には、10万円以下の予算であっても作成することが可能です。
ただ、基本的に制作に依頼できる範囲はデザインやコーディングなどが中心となり、あらかじめ構成や素材は固まっていることが前提となります。
そのため、掲載するコンテンツや写真、動画といった素材の準備は自社で用意しておく必要があります。
とにかくコストを抑えて簡易的に作成する場合に活用するケースが多く、そうなるとテンプレートなどを用いて最低限のデザインで制作することもあります。
クオリティという点では低くなりますが、抑えたコストを広告出稿費に活用することもできるため、戦略立てした上で検討していくと効果的です。
②10万円から30万円の制作費:小規模の制作会社に依頼した場合
もう少しランディングページ制作における予算を出すことができるのであれば、フリーランスだけでなく小規模の制作会社に依頼することも可能です。
基本的にコンテンツや写真など素材を自社で用意する必要はありますが、よりクオリティの高いデザインやコーディングが可能になります。
また、制作会社によってはフリー素材をもとに写真やデザインを構築してくれる場合もあります。
目的や広告媒体、ターゲットに応じて複数のランディングページを制作する必要がある場合には、ある程度費用を抑えつつ量産していく上で効果的に活用することも可能です。
③30万円から60万円の制作費:中小規模の制作会社に依頼した場合
一般的な規模感の企業であれば、ランディングページ制作を依頼する際にはこの費用感が多くなります。
デザインだけでなくコンテンツの作成や構成までプランに含まれているケースが多いため、プロに依頼する場合の制作費としておさえておくと効果的です。
キャッチコピーやファーストビューのデザインなど、ランディングページの効果を高める上では重要な要素となりますが、このあたりを一から自社で考える必要がなくなるため、広告運用に注力することも可能になります。
ただ、制作会社によってはランディングページ制作後のサポートには対応していない場合もあります。
ランディングページは一度作れば終わりではなく、広告効果を検証するとともに改善を加える必要も生じて来るため、あらかじめ依頼前に確認しておくと効果的です。
④60万円以上の制作費:大手の制作会社に依頼した場合
大手の制作会社に依頼した場合であると、60万円以上の費用が必要になります。
コストは上がりますが、その分だけ事前の市場調査や競合調査などをふまえた戦略立案を行い、ランディングページの設計からコンサルティングを受けることも可能になります。
多くの広告費を掛けて集客増加を狙った場合、受け皿となるランディングページが悪ければ機会損失だけでなく無駄な広告費で終わってしまう可能性も高まります。
デザインや構成、キャッチコピーなどにもより力を入れたランディングページを作成する場合には、実績も多い大手制作会社に依頼することで効果が期待できます。
また、この場合には運用や都度の修正・改善などに対応しているケースも多々あります。
ランディングページの部分修正・制作における費用相場
ランディングページの制作は、一から構築までを依頼するだけでなく、一部分のみを依頼する場合もあります。
自社内に制作担当を抱えていたり、コストを極力抑えて依頼したい場合などには、部分的な制作を依頼することも可能です。
①3万円から5万円の制作費:デザインのみ制作を依頼した場合
コーディングを担当するコーダーを社内で抱えていたり、WordpressなどのCMSによって公開までの作業は対応できるものの、デザインは難しいといったケースです。
このような場合には、デザインのみ制作を依頼することも可能です。
基本的にはフリーランスや小規模の制作会社が対応するケースが多く、平均的な費用相場は3万円から5万円程度となります。
目的やターゲットに合わせたデザインは、経験や実績、ノウハウがないと難しい場合も多く、中小企業を中心に部分発注することも少なくありません。
②1万円から10万円の制作費:コーディングのみ制作を依頼したい場合
また一方で、コーディングのみを依頼したい場合もあります。
こちらもフリーランスや小規模の制作会社に依頼するケースが多く、費用相場は1万円から10万円前後となります。
紙のチラシやポスターなどの実績があり、デザインは自社内で対応できたとしてもWebに展開するためにはコーディングが必要になるため、コーディング部分のみを依頼する上で活用するケースが多くなります。
ランディングページ制作の費用が変わる要因
次に、ランディングページ制作にかかる費用が変わる要因について紹介していきます。
この背景にはランディングページ制作における対応範囲の違いが影響しています。
①制作にかかる期間
一般的にランディングページの制作にかかる期間は2ヶ月から3ヶ月程度となります。
ある程度素材が揃っていて、構成やコーディングを行うだけであれば短期化させることも可能ですが、デザインを一から行う上ではより期間が長くなる場合もあります。
とはいえ、広告を出稿するタイミングが決まっており、短期間で制作しなければならないケースもあります。
そのような場合には、通常よりも制作費用が高くなる場合もあるため、あらかじめ余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
②制作における対応範囲
ランディングページを制作するにあたり、何をどこまで対応するのか、範囲によっても費用は異なります。
当然ながら掲載するコンテンツや写真、動画といった素材を自社内で用意しておけば、制作会社の対応範囲は少なくなり、費用も抑えることが可能です。
逆に全てを一から構築してもらう場合には、制作会社の対応範囲が広くなるため制作費用は高騰していきます。
特に、キャッチコピーなどのライティングは、ランディングページの価値を決める要素でもあるため、制作会社が作成するとなると費用がさらに増す要因にもなります。
また、写真や動画も撮影まで行う場合には別途撮影代が必要となります。
有償の素材を購入する場合には制作費とは別に費用が発生する場合もあるため注意が必要です。
③コンテンツのボリューム
ランディングページに掲載するコンテンツのボリュームも、制作費が変動する要因となります。
コンテンツや写真、動画などをはじめ、CTAボタンの設置など、掲載する内容が多くなればなるほどページとしては長くなります。
当然ながらボリュームが増せば作業量も増えるため、制作費も高くなります。
縦長のランディングページでは、ユーザビリティを考慮して必要なコンテンツに遷移しやすいようアンカーの設定を行う場合もあります。
このような工数も発生するため、コンテンツボリュームもあらかじめ想定しておくと効果的です。
⑤スマートフォン向けのレスポンシブ対応
レスポンシブ対応とは、PCやスマートフォンなどユーザーが閲覧に利用するデバイスに応じて表示を最適化する仕組みのことを指します。
PCのサイズをそのままスマートフォンで閲覧すると、文字が小さかったり、クリックしづらいことで、離脱率を高める要因にもなります。
このレスポンシブ対応は、制作費に含まれるケースが多いですが、制作会社によっては別途費用が発生する場合もあるためあらかじめ確認した上で依頼することが重要です。
ランディングページ制作を依頼する上での注意点
最後に、ランディングページ制作を依頼する上での注意点について紹介していきます。
ランディングページは、広告効果を高める上で欠かせないため、中途半端なクオリティであると離脱率を高め、無駄な広告費の増加にも影響してきます。
そのようなリスクを防ぐ上でも以下の点はおさえておくと効果的です。
①目的をふまえた依頼内容の明確化
ランディングページは、広告出稿先の媒体やターゲットとの関連性、親和性などが重要になります。
そのため、どのような目的でどのようなターゲットを想定し、どういった媒体に出稿予定なのかあらかじめ明確化し、その上で制作会社に依頼した方が効果的です。
漠然とした状態で、ただ業務をこなすだけの制作では効果に繋がりません。
背景が理解できていれば、単にデザインのみの依頼であっても出来上がりのクオリティにも差が出てきます。制作会社と目的を共有した上で依頼しましょう。
②制作会社の過去実績を確認しておく
ランディングページに限らずWeb関連の制作会社は多岐に渡ります。それぞれ得意分野が違うため、制作実績などをもとに特徴や強みを把握しておくことも重要です。
例えば、女性向けBtoC商材のランディングページ実績が多い企業に、男性向けBtoBサービスの依頼をしても効果を最大限発揮できない可能性があります。
同じコストを掛けるのであれば、少しでも自社の強みを適切にアピールしてもらえる制作会社の方が効果的です。あらかじめ過去実績などを参考にしましょう。
まとめ
ランディングページは広告の費用対効果を高める上で欠かせません。
ランディングページの制作費は、依頼内容や対応範囲によって異なり、相場から自社の目的に応じた会社を選定していきましょう。
今回紹介した内容も参考に、注意点などとあわせ効果的なランディングページの作成に繋げていきましょう。