ランディングページ(LP)は、製品サービスの訴求にとても有効なWebページです。
いわゆるWebサイトとは異なり、ある1つの目的に特化したページであるため、デザインの考え方も違ってきます。LPのデザインがどいういう物なのかを正確に理解し、最適化するためのポイントを紹介します。
1.LPデザインとWebサイトデザインの違い
2.なぜ、デザインが重要なのか?
3.LPデザインで抑えるべきポイントとコツ
3-1.目的を明確にする
3-2.ターゲット(ペルソナ)を設定する
3-3.商材を理解する
3-4.情報を整理する
4.LP制作で注意すべき点
5.まとめ
1.LPデザインとWebサイトデザインの違い
ランディングページ(以下LP)のデザインについてお話しする前に、そもそもLPとはどういう位置付けのものなのかを明確に理解しておく必要があります。
昨今は様々なカテゴリーのWebページが存在していますが、LPの役割をしっかり理解することで、LPのデザインを最適化し、コンバージョン率を上げていくことができるようになります。このLPは検索結果や広告などから流入してきたユーザーがはじめに訪問する、広告の受けページになります。
Webサイトは企業のブランドイメージの醸成であったり、サービス・製品のラインナップ紹介であったりするのに対し、LPはある特定のサービスや製品の訴求に特化したページです。コーポレートサイトやブランドサイトなどの、いわゆるWebサイト内のページとは全く異なるカテゴリーに位置し、デザインも全く異なる考え方で制作されます。
LPの方がより目的が明確になっているため、設計やデザインもターゲットを絞って作成する必要があります。
LPの役割
・特定のサービスや製品の訴求に特化
・検索や広告の受けページ
Webサイトの役割
・ブランドイメージの醸成
・企業の考え方や理念を伝える
・プロフィール的存在
2. なぜ、デザインが重要なのか?
デザインなんてカッコいい方が良いのは当たり前ですが、実際にデザインがユーザーに与える影響を分かっているのといないのとでは、デザインを制作するにあたっての温度感も大きく異なります。
実際に約80%のユーザーがデザインに関する事で、そのWebページに「良い印象を持たない」とも言われています。つまり、デザインはコンバージョン率に直結することを裏付けています。当たり前のようですが、このことをしっかりと意識してデザインをする必要があります。
また、デザインにはUI的な観点も重要なファクトターとなります。UIとはUser Interface(ユーザーインターフェース)の略で、ユーザーとサービス・製品を繋ぐ接点という意味です。
UI設計は、画面構成(ワイヤーフレーム)レベルでも作成する場合がありますが、デザインを作成する時もユーザービリティを忘れないようにしましょう。このデザイン性とユーザビリティの両立が最も重要、かつ難しいポイントになります。
3. LPデザインで抑えるべきポイントとコツ
では実際LPのデザインを作成する際に、どのような事に注意すれば良いのか解説していきます。極端なことを言うと、デザインに入る前段階が最も重要と言っても過言ではありません。
3-1.目的を明確にする
このLPで何をしたいのかを考えます。たとえば、以下のようなKPIがあります。
- 資料請求・ダウンロード
- セミナー申し込み
- フォームからの情報収集
- 製品購入
このように目的はLPによってさまざまで、KPIによってユーザーのコンバージョンのハードルも異なります。LPを作成するにあたっては、お客様、営業、ディレクター、デザイナー、エンジニアなど様々な立場の人で作業を行うことになるため、KPIを共通認識として持っておくことが重要です。
3-2.ターゲット(ペルソナ)を設定する
KPIが明確になったところで、それを誰に向けて発信していくのかを設定します。年齢や性別が違えば最適なデザインも違います。
たとえば、10代〜20代の女性と40代〜50代の男性では、それぞれ興味を引くデザインが全く異なることは容易に想像できます。これは極端な比較ですが、ペルソナ設定の重要性が分かるでしょう。
また、視点を変えてターゲットとするユーザーが訴求したいサービス・製品にどういう印象を持っているかも重要です。やはりユーザーが持っているイメージに近いデザインの方が、良い結果が出ることが多いです。
注意すべき点は、企業側とユーザー側で抱いているイメージが一致しないこともあるので、デザインを作り出す前に認識を合わせておくことが大切です。できればムードボーボなども活用して定義していきましょう。
3-3.商材を理解する
LPは広告である以上、訴求する商材をしっかり理解していないといけません。
何ができるサービスなのか、それで得られるメリットやベネフィット、どういう使い方をするのかなど、しっかりをリサーチしましょう。
デザインで押し出すべきポイントなどが明確になり、レイアウトの方向性も固まってくるはずです。
3-4.情報を整理する
ここまでの3項でベースが整いました。
しかしこれら全てをデザインに盛り込めば良いということではありません。情報整理という作業が待っています。
把握してる情報を全てデザインに盛り込めば、ほぼ間違いなく情報過多になります。多すぎる情報はユーザーを迷わせ、合理的な判断ができなくなる傾向があります。選択のパラドックスと言われる心理作用です。
参考:TED Talk Subtitles and Transcript
たとえば、ファーストビジュアルのメインコピーを考える時は、伝えたいことがたくさんある場合でも簡潔にまとめなければいけません。人が一度に知覚できる文字数は9〜13文字と言われており、それ以上の文字数は瞬間的に理解することが難しいとされています。これは、13文字の法則と言われる効果です。
もちろん、あらゆる文字情報を13文字以下にすることはできないでしょう。しかし重要なキャッチコピーや見出しなどはこう言った法則に沿って作成した方が、よりユーザーの印象に残りやすくなります。
4. LP制作で注意すべき点
LPのWeb上に存在するページなので、表面的ではない裏側の仕様も非常に重要です。どれだけ素晴らしいデザイン、UIのLPを作っても、それがリリースできない・機能しないでは全く意味がありません。
設置環境
LPをどこの環境でリリースするかの確認をしましょう。
場合によっては想定していた挙動にならなかったり、最悪の場合作り直しなんてこともあります。できればリリース予定のサーバーの情報を貰うなどして確認しましょう。
フォームの仕様
バックエンド寄りの話ですが、フォームについても予め把握しておいた方が安全です。先方のリテラシーレベルによって事前確認しておいた方が最終的な出し戻しも少なくなります。
コンバージョン後のアクション
デザインには関係ないように思われがちですが、重要な情報です。
影響してくる部分といえば、たとえばサンクスページです。サンクスページのデザインを斬新にして興味を引いたり、別のサービスへのリンクを設置しておいたり、様々な見せ方を検討することができます。
5.まとめ
いかがでしたか?
LPやWebサイトに限らず、全ての人に必ず響くデザインというのは存在しません。その中でリーチを増し、コンバージョンを取っていかなければなりません。
だからこそ目的やペルソナを明確にし、やるべき事を絞っていくことが重要です。
創造性と情報設計という両極に位置するとも思える2つの要素を融合させることは難しいですが、それがLPデザインの醍醐味とも言えるでしょう。
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