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【図解】ロジックツリーとは?活用の注意点や種類を徹底解説!

更新日:2024年11月19日

【図解】ロジックツリーとは?活用の注意点や種類を徹底解説!
今回は、ロジックツリーについて概要から分類、作成時の注意から活用例まで解説します。

ロジックツリーは、事象の分析、問題の原因特定や目標設定、課題解決に至るまでさまざまなシーンで使用することができる便利なフレームワークです。ロジカルシンキングの手法としても有名です。

ロジックツリーを活用して、論理的な思考力を手に入れましょう!

ロジックツリーとは?

直訳すると論理の木で、問題をツリー状に分解し、その原因や解決策を論理的に探すためのフレームワークです。

事象を、樹木が枝分かれしていくような形で大きな項目から小さな項目に分解し、階層化して整理します。
問題分解し、可視化することによって、複雑な事象を捉えやすくなります。

後ほど説明しますが、下位の要素の合計が上位の要素とイコールとなっている点が重要です。

ロジックツリーのメリット

ロジックツリーを作成することでたくさんのメリットがあります。
大きく分けると以下の5点です。

・問題の全体を把握し、論点ズレをなくす
・問題を深堀りし、原因を特定できる
・解決策を考えやすい
・アクションの優先順位をつけやすい
・アクションの必要性を共有しやすい
下記で詳しく解説していきます。

問題の全体を把握して論点ズレをなくす

問題を定義し、その原因を書き出すことで問題を取り巻く全体像を見える化することができます。

これによりメンバー間への共有が容易になり、そもそも問題を把握できていない、問題の定義が個人間で異なるというような、議論の前提でのつまずきが減ります。

問題を深堀りして原因を特定できる

例えば、会社全体の売上成長率が伸び悩んでいるという問題に対して、一瞬で明確かつアクション可能な原因を挙げられることはほとんどないでしょう。

ロジックツリーを利用すれば、問題の全体から徐々に掘り下げていって問題を構成している原因をリストアップすることができます。

解決策を考えやすい

ロジックツリーを使って要素分解する中で特に改善したい原因を発見した時、その原因の解消を課題と捉えて別のロジックツリーを作成することも可能です。

課題を解決するためのアイデアを下位の要素に書き出し、それを実現可能にするアクションプランをリスト化していきましょう。

アクションの優先順位をつけやすい

それぞれの要素に対して、解決しうるアクションを書き出し一望することができるので、「どのアクションの影響が大きいか」「どのアクションなら早く取りかかれるか」など、優先順位がつけやすくなることもメリットです。

アクションの必要性を共有しやすい

作成者の思考が整理されるのはもちろんのこと、問題の全体像が俯瞰できることでメンバーとの共有がしやすいです。

アクションの内容だけ伝える場合、その必要性などを理解してもらうのにも手間がかかり実行まで時間がかかってしまうこともあります。

ロジックツリーならアクションが設定される経緯がひと目で分かるため、問題解決のために各メンバーが指示通りにアクションを遂行しやすくなります。

ロジックツリーの種類

ロジックツリーには、目的に応じて4つのタイプがあります。

・What:要素分解ツリー
・Why:原因追求ツリー
・How:問題解決ツリー(イシューツリー)
・KPIツリー
下記で詳しく解説していきます。

What:要素分解ツリー

要素分解ツリーとは、その名の通り物事の要素をどんどん分解していって、要素を網羅的に把握するためのロジックツリーです。先述の人口の例もこれにあたります。

例えば、購入する車に悩んでいるとき、選択肢を洗い出す場合にも役に立ちます。

というざっくりとしたカテゴリーを、徐々に分類していくことで様々な車種が存在することがわかります。この中から、自分の目的や希望条件に合わせて車種を絞り込んでいくと良いでしょう。

Why:原因追求ツリー

原因追求ツリーとは、ある問題に対して原因を列挙し、根本原因が何なのかを突き止めるという使い方です。

例えば、ダイエットしても体重が落ちない方が、その悩みをロジックツリーにまとめたとします。
ダイエットがうまくいかない!というだけでは単なる世間話に過ぎませんが、ロジックツリーによって夕食を食べる時間が遅いという原因が判明したなら、今後の改善が期待できそうです。

How:問題解決ツリー(イシューツリー)

問題解決ツリーは、解決したい問題に対して改善策を挙げていく使い方です。最初に問題を取り上げるという意味では、原因究明ツリーと似ていますが、こちらはより今後のアクションに直結している活用方法です。

例えば、インターネット広告についての個人ブログへの集客を加速させたいとき、以下のようにロジックツリーを作成すると良いでしょう。
取りうるアクションを比較した結果、広告配信の検証についての記事が人気であったため検証系の記事作成に注力していく方針にしたようです。

KPIツリー

問題解決ツリーの派生として、KPIツリーが使われることも多いです。

KGI(Key Goal Indicator/経営目標達成指標)を設定し、それを達成するための中間目標であるKPI(Key Performance Indicat/重要業績評価指標)を設定します。そのKPIを達成するためのより細かいKPIを設定し、日々のアクションに紐付けていきます。

KPIツリーの特徴は、各要素に数値が関係していることです。この各KPIの数値に対しての進捗を定期的に確認することで、KGIの達成に向けてチームの動きを統率しやすくなります。

ロジックツリー作成時の注意点

ロジックツリーは、一見連想ゲームのようで簡単に作成できそうですが、問題をきちんと整理するためにはコツが必要です。これらのコツを6点まとめました。

MECEであること

MECEとは、かのマッキンゼーが提唱し始めた、問題を要素分解する時の条件のことです。以下のように4つの要素から構成されており、それぞれの頭文字から取っています。

  • M:Mutually/相互に
  • E:Exclusive/重複せず
  • C:Collectively/全体として
  • E:Exhaustive/漏れがない

一言で表すとダブリがなく、漏れもない状態を指します。

例えば、以下のような分類はMECEと言えます。

性別による分類

男性/女性

年齢による分類

10代以下/20代/30代/40代/50代/60代以上

世帯年収による分類

2000万円以上/1500万円以上/1000万円以上/800万円以上/600万円以上/400万円以上/300万円以上/300万円未満

各分類にそれぞれ重複がなく、また抜け漏れもないものがMECEと言えます。反対に、以下のような分類はMECEではありません。

従業員の分類

新卒社員/中途社員/若手社員(入社~10年)/中堅社員(入社11~25年)/古株社員(入社26年~)

この分類方法では新卒かつ若手社員中途かつ中堅社員などの重複が生まれてしまうため、MECEとは言えません。

インターネット利用デバイスによる分類

デスクトップ/スマートフォン/タブレット

この分類はノートPCが含まれていないため、漏れがあります。また、最近はテレビ画面でインターネットを利用するユーザーも増えているため、これも漏れでしょう。

職業による分類

主婦/学生/アルバイト/正社員

この分類は、学生兼アルバイトという可能性を含んでいるため、ダブりが発生してしまいます。また、派遣社員の方が選べる選択肢がないため、漏れもあると言えます。

このように、ダブり漏れが発生しないような分類を心がけましょう。

しかし、場合によってはMECEを保つことが難しいケースも少なくありません。MECEを徹底するために要素が増えすぎて本質が伝わりづらくなってしまうこともあります。効率的にロジックツリーを作成するには、だいたい7割位の適度なMECE感を出すことが重要です

俯瞰して見たときの分かりやすさのためには、多少のダブり、漏れを妥協することも必要です。

問題の定義を明確に

前提として、問題の定義が明確にできていないと、ロジックツリー全体が崩れてしまいます。例えば売上を昨年比150%伸長するという課題があったとして、利益率の認識は共有されているでしょうか。

現状の利益率のまま伸長させれば良いのか、利益率を多少下げてでも売上150%伸長させることが必達項目なのか、それとも本当の目標は売上目標達成時に見込まれている利益金額で、利益率を向上すれば良いのか、ではそれぞれステータスが異なります。

そして、問題を解決する手段も変わってくるでしょう。ロジックツリー作成時にはこうした認識のズレがないよう、問題の定義を明確にすることが必須です。

要素分解の切り口は仮説から

要素を分解する際、どのような切り口で分解しようか迷う場面に遭遇するでしょう。このときに大事なのが仮説思考です。

例えば、リスティング広告ではキャンペーン別、キーワード別、広告別、ユーザー属性別など様々なデータを閲覧することができますが、全てのデータを常時見てはいられません。全体の数値を見て「スマートフォンのCPAが高騰しているのではないか、デバイスごとのデータを見てみよう」などと仮説を立てて改善に役立つデータを参照することが重要です。

これと同様に、要素を分解するときもその原因を仮説立てることにより、原因特定や改善アクションに繋がる要素を記入できるようになります。

包有関係・因果関係を意識する

左右の要素同士の関係性を意識しましょう。

包有関係

要素分解ツリーでは、包有関係を遵守します。右の要素の合計が左の要素とイコールでなければなりません。

冒頭の人口の例では、男性人口と女性人口の合計が全体人口とイコールになるので両者は包有関係にあると言えます。これがイコールにならないとダブりや漏れがあるということなので、MECEでなくなってしまいます。

因果関係

原因追求ツリーなどでは、右の要素が原因となり、左の要素の結果をもたらしているという関係を保ちましょう。

ダイエットの例で、運動不足の原因が食後すぐ寝てしまうだとします。この場合、食後すぐ寝てしまうこと自体が運動不足であるため、これらの要素は因果関係にあるとは言えません。

右端が行動になるまで掘り下げる

問題解決ツリーにおいて、ロジックツリーの目的は現状を改善できるアクションに落とし込むことです。問題を中途半端に分析するだけに終わらず、できるだけ今すぐに取り組める行動をリストアップしましょう

要素分解ツリーや原因追求ツリーはアクションと関係がないように見えますが、最終的には業務内容に反映できなければ意味がないため、ToDoを意識して作成するといいでしょう。

要素の縦順を整列する

要素1つを分解したとき、3つ以上の要素に分解されることもあるでしょう。その際、要素の縦順の並びも整理しておくとなお良いです。参考までに、3つの軸を紹介します。

イン/アウト:内部要因/外部要因で分類する方法

フロー/ストック:単発の要素/継続する要素で分類する方法

ハード/ソフト:有形の要素/無形の要素で分類する方法

以上の6点を押さえれば、問題の解決につながるロジックツリーを作ることができるでしょう!

リスティング広告でのロジックツリー実践例

ロジックツリーは、リスティング広告の提案にも活用できます。要素分解と原因究明を兼ね備えたツリーを作成し、提案の軸を定義しました。

提案イメージ

漠然とCPAを改善する提案をするのではなく、要素分解を行ったうえで改善の余地のある箇所に注目して提案のテーマを決めました。これにより提案を受ける側も何のための施策なのかが理解しやすくなるでしょう。

ロジックツリーのテンプレート集

ロジックツリーをよりスマートに作成できるテンプレートを集めましたので、作成時には参照ください。

SmartArt(Excel)

実は、皆さんご存知エクセルのSmartArt機能の中に、ロジックツリーのテンプレートが存在します。以下の順に選択するだけでテンプレートを呼び出せます。

挿入>SmartArt>階層構造>横方向階層


ダウンロードなどの工数を必要としないため、まず作成してみたいという方には手軽でオススメです。

ferret

マーケティング業界で知名度の高いferretではパワーポイント版のテンプレートがダウンロードできます。

参照:ロジックツリーのテンプレート

3分でわかるマーケティング・フレームワーク


参照:ロジックツリー

マーケティングの中でもフレームワークに特化したこちらのメディアでも、テンプレートがパワーポイント形式でダウンロード可能です。Mac Keynoteでもスムーズに開けるよう配慮されています。解説記事自体もシンプルでわかりやすいので必見です。

XMind


XMindはマインドマップ作成ツールですが、形状が似ているためロジックツリーの作成にも便利です。マインドマップの利用自体は無料アカウントの作成のみでできる点も魅力です。

PDF、Microsoft Office各ソフトへのエクスポートや、ガントチャートなど全ての機能を使用するには約13,000円(2020年1月現在)の有料版を買い切る必要があります。

まとめ

いかがでしたか?

ロジックツリーは問題の原因を特定し、次のアクションにつなげるためのフレームワークであり、目的から要素分解、原因追求、問題解決の3種類に分類されます。(問題解決を発展させたKPIツリーも存在する)

MECE(要素にダブり、漏れがないこと)であることを始め、作成時にはさまざまな注意点があります。

問題解決や目標設定などビジネス上のさまざまな場面で使えるロジックツリーをぜひ使ってみてください。資料として作り込まずに紙に書き出すだけでも、頭の整理になるはずです。

客観的事実に基づいた、論理的なリスティング広告運用に興味のある方は、インフィニティエージェントにご相談ください。

この記事を書いた人

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