リスティング広告は、GoogleやYahoo!の検索結果に対して掲載できる広告です。
特定のキーワードで検索したユーザーにピンポイントな訴求ができますが、設定内容などで間違いがあると、期待した効果が得られないこともあります。
この記事では、リスティング広告でよくある間違いについて解説していきます。
現在リスティング広告を活用している方で、なかなか成果が出ないと悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
1.予算
予算についてのよくある間違いとしては、以下のようなものが挙げられます。
・ポートフォリオの構成に間違いがある
それぞれ解説していきます。
1−1.予算設定が低すぎる
キャンペーンの予算設定が低すぎる場合、本来効果が見込めるはずの広告が伸びないことがあります。
予算が低いと広告の表示回数が減るため、ユーザーに対して十分に訴求ができず機会損失につながる可能性が高いです。
チャンスを逃さないためにも、掲載状況を随時確認して、成果が見込める広告とそうでない広告を分けておきましょう。
1−2.ポートフォリオの構成に間違いがある
媒体ごとに利用する予算が決定してしまっている場合や、1日に活用する金額が決まっている場合は注意が必要です。
上限を決め切ってしまうと、費用対効果が良い広告があっても投資ができず、機会損失に繋がってしまいます。
できるだけ予算を柔軟に割り当てできるように準備することがおすすめです。
2.アカウント構成
アカウント構成におけるよくある間違いは以下の通りです。
・ターゲティング設定が間違っている
・完全一致・部分一致で極端な設定になっている
・広告が意図しない範囲で掲載されている
・URLに誤りがある
順番に内容を見ていきましょう。
2−1.キャンペーンに設定ミスがある
広告配信をする際の対象地域やスケジュールに問題がないか改めて確認してみましょう。
電話による問い合わせをコンバージョンに設定しているのにも関わらず、営業時間外に配信を続けているケースや、関係のないエリアにまで配信をしてしまっていることはよくあります。
キャンペーンの設定ミスで無駄な予算を使わないように注意が必要です。
2−2.ターゲティング設定が間違っている
リスティング広告の活用時には、ターゲティング設定が間違っていることもあります。
ターゲット地域だけでなく、ターゲット地域に対して興味を持っているユーザーまで範囲が広がっているケースや、逆に対象が狭すぎて表示回数が減っていることも考えられます。
配信時にデフォルトの設定を確認して、必要に応じて変更を加えておきましょう。
2−3.完全一致・部分一致で極端な設定になっている
キーワードのマッチタイプが完全一致になっている場合、入札した語句と完全に一致しない限り広告は配信されません。
部分一致にすると範囲を広げられますが、成果が高いキーワードがあった際に入札のコントロールが困難になります。
機会損失や費用対効果の減少につながる可能性が高いため、マッチタイプごとのメリット・デメリットを理解して使い分けることが大切です。
2−4.広告が意図しない範囲で掲載されている
部分一致や入札単価の設定によって、広告が意図しない範囲まで掲載されているケースも考えられます。
成果に繋がらない広告ばかりクリックされてしまうと、無駄な費用が発生してしまうので注意が必要です。
レポートのチェックをするとともに、必要であれば除外キーワードの設定をして範囲を調整しましょう。
2−5.URLに誤りがある
リスティング広告を活用する際、リンク先のURLがトップページや全て同じものになっていることがあります。
意識して設定している場合は問題ありませんが、基本的にリンク先を限定するときはテストを複数のリンク先で実施して成果が高いものを探すことが大切です。
3.広告の内容
広告の内容については、以下のようなよくある間違いが挙げられます。
・A/Bテストをしていない
・広告表示オプションが未設定
自社の状況も合わせて上記についてチェックしておきましょう。
3−1.訴求が曖昧で伝わりづらい
広告を掲載しても、訴求が曖昧で伝わりづらいと効果が半減してしまいます。
成果が見込めない場合は、誰に何を伝えたいのか再度考慮して、クリエイティブを再度制作してみましょう。
自社の広告だけでなく、競合が積極的に配信している広告もチェックして、良いポイントは内容に落とし込むことがおすすめです。
3−2.A/Bテストをしていない
A/Bテストは、数種類の広告を同時に配信して成果が見込めるパターンを発掘する手法です。
効率的に勝ちパターンを見つけられるので、広告配信時には積極的に導入してみましょう。
3−3.広告表示オプションが未設定
広告表示オプションは、広告文の下部に説明文やリンクテキストなどを表示できる機能です。
広告文だけでは訴求しきれない内容をカバーできるメリットがあります。
また、広告を表示する順番を決定する広告ランクにも影響を与えるため、設定しておくことがおすすめです。
4.配信後のPDCA
配信後のPDCAについては以下の内容を確認しておきましょう。
・レポートを詳しく見ていない
・他の広告を視野に入れない
それぞれ解説していきます。
4−1.施策を行った後の状況をチェックしていない
広告を配信した後も、掲載状況についてチェックしておくことが大切です。
設定している配信デバイスや入札キーワードの出稿状況なども確認しておきましょう。
入札の最適化機能を活用している場合は、予期せぬ予算消化が発生していないか注意が必要です。
4−2.レポートを詳しく見ていない
リスティング広告を配信した後は、媒体のレポートを詳しく見て状況をチェックしてください。
デバイスごとの配信結果や掲載している範囲など、随時チェックすることでPDCAを効果的に回せます。
成果が出ている広告を見逃さないためにも、レポートはチェックするタイミングを曜日などで決めて実施することがおすすめです。
4−3.他の広告を視野に入れない
リスティング広告以外にも、ディスプレイ広告やSNS広告などさまざまな手法が存在します。
リスティング広告配信時に成果が見込めない場合は、予算を他の広告に活用することも考慮しましょう。
成果が出ない手法に限定してしまうと、予算だけが消費され続けてしまう可能性があるので注意が必要です。
5.運用する体制
リスティング広告配信時には、以下についても注意しましょう。
・作業の複雑化
それぞれ内容を解説していきます。
5−1.運用チームの体制
アカウトの運用や営業など、細かい工程ごとに運用チームをわけてしまうと、コミュニケーションが増えるためスムーズな活用が難しくなります。
連携ミスが増えることもあるので、全てを分業するのは避けた方が良いでしょう。
また、配信対象とするデバイスなどでアカウントを別々にしてしまうと効率が下がることもあるのでなるべく統一しましょう。
5−2.作業の複雑化
アカウントを運用していくうえで、計測パラメータの設定やレポートのチェックは欠かせない作業です。
しかし、大量のパラターメータを設置したり、無意味なレポートまで求めたりしてしまうと、現場は混乱してしまいます。
トラブルが発生しないように、今一度不要な作業がないか考えてみましょう。
6.リスティング広告のよくある間違いから学ぶ効果的な対策
リスティング広告のよくある間違いからは、以下のような対策が考えられます。
・市場や競合についてリサーチする
・広告媒体は入念に選ぶ
・効果の検証と改善は必ず行う
効果的な配信ができるように、それぞれのポイントを把握しておきましょう。
6−1.ターゲットを明確に設定する
リスティング広告を配信する際は、ターゲットを事前に明確にしておきましょう。
誰に何を伝えたいのか策定することで、文章内での訴求にブレが生じづらくなります。
市場調査の実施や既存顧客の確認などを通して、詳細なペルソナを設定しておくことが大切です。
6−2.市場や競合についてリサーチする
広告配信時は市場のリサーチを行って、ユーザーが抱えている悩みやどのような商品を求めているのか把握することがおすすめです。
また、合わせて競合の調査を実施することで、自社ならではの強みや訴求軸が見えてきます。
リサーチの際には、3C分析などのフレームワークを活用して効率的に作業を進めていきましょう。
6−3.広告媒体は入念に選ぶ
広告媒体には、利用しているユーザーの主な年齢層や性別などそれぞれ特徴があります。
また、利用できる機能や規模も異なるので、広告を活用する際は慎重に選びましょう。
1つの広告媒体だけでなく、複数の媒体を視野に入れてマーケティングを実施することが大切です。
6−4.効果の検証と改善は必ず行う
リスティング広告は一度配信しただけで成果が出るとは限りません。
掲載後は、効果の検証と改善を繰り返してより効果的な手法を編み出す必要があります。
なぜコンバージョンに繋がらなかったのか考え、ターゲットやマッチタイプなどを調整してみてください。
7.まとめ
いかがでしたか?
リスティング広告は顕在層に対して効率的にアプローチできる手法ですが、予算やアカウントの設定などで間違いがあると効果が見込めなくなることもあります。
他にも、PDCAの方法や運用体制などで機会損失が発生していることもあるので、注意が必要です。
よくある間違いについてチェックして、自社に当てはまっているポイントがあれば改善していきましょう。