リスティング広告は日々ユーザー行動を分析しながら、競合他社の状況も見つつ運用していく必要があります。
このような背景から、社内にリスティング広告専門の担当者を用意できない場合には、運用を専門の広告代理店などに代行依頼するケースも少なくありません。
今回は、リスティング広告の運用を代行してもらうメリットから、その際の相場や依頼時の選定ポイントなどについてポイントを中心に紹介していきます。
リスティング広告とは?
そもそもリスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが検索した際の検索結果画面に表示させる広告手法のことを指します。
悩みや不安、探し物などでユーザーが検索したキーワードに応じて広告が表示されるため、顕在層のユーザーに対してアプローチすることが可能です。
広告主は、ユーザーが検索しそうなキーワードを選定し、入札式で広告出稿していきます。
その際、入札したキーワードでユーザーが検索し、広告をクリックした際に初めて課金対象となるため、無駄なコストを軽減し、効率的に自社のホームページやランディングページなどに集客させることができます。
また、キーワード単位のクリック課金型で広告出稿できるため、他のWeb広告に比べても低コストで運用できる点も魅力の一つです。
対してユーザーが多く検索しそうなキーワードは競合他社も多く、広告クリエイティブなどによってはクリックされず、効果につながらない可能性も起こり得ます。
近年のユーザー行動は多様化し、興味関心やトレンド、ブームなどは短期化が進んでいるため、効果的に運用するためには日々広告状況を確認し、状況に応じてカスタマイズしていくことが求められます。
自社内にノウハウやリソースが無い場合には機会損失につながる可能性もあるため、リスティング広告の運用自体を外部の広告代理店などに代行依頼する企業も多く見られます。
リスティング広告の運用を代行依頼するメリット
続いて、リスティング広告の運用を代行依頼するメリットについて紹介していきます。
自社内にリスティング広告のノウハウやリソースが無い場合には、外部の広告代理店などに代行依頼することも手法の一つです。
具体的には以下のようなメリットが挙げられます。
人的リソースの軽減、効率化ができる
リスティング広告には、広告出稿までに様々な工程が必要になります。
アカウントの作成や出稿するキーワードの選定、それに対する広告文を作成し、入稿手続きを行っていきます。
小規模のキーワード数であればまだしも、これらを多くのキーワードに対して実施する場合、それぞれのキーワードに応じた広告文を用意することには非常に多くの手間がかかります。
出稿後にも日々状況確認を行い、定期的にデータを取りまとめ分析することも必要です。
このような業務を他と兼任しながら行うのは難しく、片手間で実施することで機会損失につながる可能性も起こり得ます。
これに対して外部の広告代理店などに代行依頼できれば、人的リソースを大幅に軽減でき、自社の業務を効率化することにつながります。
過去実績やノウハウをもとにした運用による効果の最大化
リスティング広告は、入稿までの作業であればまだしも、効果につなげる運用となると専門的な知識やノウハウが求められます。
キーワード別に自社の広告がどれくらいクリックされているのか、それは静観したままでいいのか、改善が必要なのかは初心者では判断しづらい場合も多々存在します。
その点、広告代理店や運用代行会社であれば、専門知識やノウハウもあるため、自社の広告状況に応じて最適な施策を提案してくれます。
また、競合他社や自社に近しい企業における過去実績などの情報も持っているケースも多いため、数値やデータにもとづいた改善策を講じることで、リスティング広告の効果を最大化させることも期待できます。
市場傾向や最新情報を踏襲した運用が可能
もう一つ、リスティング広告の運用を広告代理店などに代行依頼することで、市場傾向や最新情報を踏襲した運用につなげることも可能です。
広告代理店や運用代行会社は、自社だけでなく多くの企業のリスティング広告を日々運用しています。
中にはGoogleやYahoo!などから認定された代理店も存在し、そのような代理店は最新情報を事前に入手することもできます。
このような市場傾向や最新情報を把握した運用は、知らない運用よりも効率的に効果につなげることが期待できます。
近年ではインターネットでも最新情報などは収集できますが、全てが最新ですべて正しいとは限りません。
そのため、広告代理店などに代行依頼することは、一歩先のリスティング広告の運用につなげることも可能になります。
リスティング広告の運用を代行依頼する上でのデメリット
次に、リスティング広告の運用を代行依頼する上でのデメリットについても紹介していきます。
これから代行依頼を検討している場合には、以下の項目は注意点として押さえておきましょう。
運用費とは別にコストがかかる
リスティング広告の運用を代行依頼する場合、当然ながら代行してもらうためのコストが運用費とは別に発生します。
この運用手数料は、依頼先の企業によって異なりますが、通常では広告出稿費の20%が対象となります。
仮に100万円をリスティング広告で出稿した場合、20万円が運用手数料となり合計120万円のコストということになります。
出稿費が高くなればなるほど運用費も高くなるため、自社の予算決めの際には注意が必要です。
即時対応が難しい場合もある
広告代理店などに代行依頼した場合、急な対応が難しい場合も起こり得ます。
通常、広告代理店などに代行依頼している場合には、出稿したいキーワードや予算配分などを代理店にメールや電話などで依頼し、その上で代理店が入稿作業を行います。
急遽キャンペーンを実施したり、予算調整を行いたい場合、依頼先が休日であったり対応が難しい場合には、機会損失につながる可能性もあるため注意が必要です。
自社内にノウハウが蓄積されにくい
また、リスティング広告の運用を全て広告代理店などに代行依頼していると、自社内にノウハウが蓄積されにくい可能性も起こり得ます。
キーワードの出稿状況などは依頼時に把握できたとしても、広告文などのクリエイティブや予算配分、運用時のテクニックなどは開示されない場合もあります。
短期的には代行依頼したとしても、中長期的には自社内で運用することも想定した場合には、出来る限り情報開示を求め、少しでも社内のノウハウを蓄積できる連携を構築しておくことも重要です。
リスティング広告の運用を代行した場合の相場
次に、リスティング広告の運用を代行した場合の相場について紹介していきます。
デメリットの中でも一部ふれましたが、一般的なリスティング広告の運用手数料は広告出稿費の20%が相場となります。
ただ、この相場は依頼先企業によって異なり、「〇円までは固定で△円」「運用手数料とは別に初期費用が□円」「レポート制作費に×円」などと細かく設定されている場合もあります。
また、企業によっては最低契約期間が設けられるケースもあります。
一般的には6ヶ月程度が多く、その場合には途中で解約ができないため注意が必要です。
リスティング広告の運用を代行する際の選定ポイント
最後に、リスティング広告の運用を代行する際の選定ポイントについて紹介していきます。
先程も紹介したように、リスティング広告の運用を代行する企業は多岐に渡ります。
その中で自社に合った企業を選定することは難しいですが、目的を明確にした上で相場はもとより、以下の点を考慮し選定していくと効果的です。
運用手数料や契約期間などが妥当か
相場の項目でもふれたように、リスティング広告の運用を代行する場合には手数料や最低契約期間などが存在します。
そのため、まずはその費用感が妥当かどうか確認することが重要です。
例えば、運用手数料が20%よりも低かったとしても、別途初期費用やレポート作成費などが発生する場合もあります。
そのため、単に運用手数料だけで判断してしまうと中長期的に見た場合に結果的にコストが高くなる可能性も起こり得ます。
また、最低契約期間も考慮しておく必要があります。
今回の自社によるリスティング広告の運用が、キャンペーンなどによる短期的なものであれば、短い期間に対応した代理店を選定しなければなりません。
このように、自社の目的をふまえた上で、費用感や契約面を確認すると効果的です。
企業および担当者の実績が豊富か
リスティング広告の運用効果を高めるためには、経験や実績、ノウハウを多く持った企業や担当者に依頼することが重要です。
自社に近しい業種に関連する他社が多ければもちろんのこと、業種業態問わず多くの実績があるような代理店であれば、様々な知見から自社に合ったリスティング広告の施策を提案してもらえる可能性も高まります。
その際に、GoogleやYahoo!では認定パートナーと呼ばれる代理店も紹介しています。
ここに紹介されている企業は、実績やノウハウも多くGoogleやYahoo!に認められているため、ある程度の信頼性が期待できます。
ただ、企業が認定されていたとしても、実際に就く担当者に経験や実績、ノウハウがあるかは分かりません。
そのため、HPなどで確認するだけでなく一度問合せし、直接確認すると効果的です。
リスティング広告以外にも対応可能か
自社のプロモーション施策を考えた場合、リスティング広告だけでなくその他の手法も同時に実施するケースは少なくありません。
そのような場合には、リスティング広告以外にも知見や実績、対応可能な代理店なのか確認することも効果的です。
クロスメディアやマルチメディアによる戦略に対応できれば、プロモーション施策をより効率的に運用できるようにもなります。
解約時にアカウント権限が譲渡できるか
最後に、リスティング広告では代理店などに代行依頼した場合、解約時にアカウント権限を譲渡できるかも重要なポイントになります。
自社のアカウントを代理店側で作成していた場合には、解約後一からアカウントを作り直さなければなりません。
将来的に自社で運用を検討している場合には、一から作成するとなると大幅な工数と時間がかかります。
そのため、選定時に確認するとともに、依頼の際には必ず自社のアカウントを運用代行してもらう手順を取ると効果的です。
まとめ
リスティング広告は、低コストで運用でき且つ費用対効果も期待できるため、多くの企業が運用しています。
とはいえ、実際に運用する際には手間や時間、工数などがかかり、実績やノウハウが無いと効果につながらずに終わる可能性もあります。
そこで重要になってくるのが広告代理店などに代行依頼する手法です。
今回紹介した内容も参考に、広告代理店や運用代行会社を効率的に活用し、リスティング広告の効果を高めていきましょう。