マーケティングを担当している人の中には、効果的なマーケティング手法の1つとしてインバウンドマーケティングの名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
しかし、インバウンドマーケティングについて聞いたことがあっても、実際の具体的な意味や他手法との関係性について理解できている人は少ないです。
本記事では、インバウンドマーケティングの基本的な情報やメリットなど、詳細な情報を解説していきます。
インバウンドマーケティングがどのようなものなのか気になっている人はご一読ください。
インバウンドマーケティングとは
まずはインバウンドマーケティングの基本情報について解説していきます。
インバウンドマーケティングの詳しい内容について触れる前に、意味や求められるようになった背景を確認しておきましょう。
インバウンドマーケティングの意味
インバウンドには外から入ってくる、内向きのという意味があるため、インバウンドマーケティングはプル型のマーケティング手法を指しています。
より簡単に言えば潜在顧客にプラスとなる情報を触れさせ、自社の商品やサービスの購入を促す施策のことです。
インバウンドマーケティングの具体例としては、SEOの対策や動画コンテンツなどが挙げられます。
BtoBとBtoCでインバウンドマーケティングが求められるようになった理由
今までは、ダイレクトメールなどのプッシュ型のマーケティングによって自社から世間に情報を流すことが一般的でした。
顧客が情報に触れる機会が少なかった頃は、プッシュ型であるアウトバウンドマーケティングはかなり有効な手段だったのです。
現在では、消費者が自ら情報を検索して取捨選択する傾向があるため、有益な情報を発見させて行動を促すインバウンドマーケティングが求められています。
インバウンドマーケティングのメリット
インバウンドマーケティングのメリットには、以下の3つが挙げられます。
• 費用対効果が高い
• 資産が残る
それぞれのメリットについて解説していきます。
顧客データの取得が可能
従来メインで扱われていたテレビCMや新聞広告では、広告に触れた人の特徴や行動を見直すことができませんでした。
WebサイトやSNSを活用したインバウンドマーケティングを利用すれば、データを用いた分析から新たな施策を打つことができます。
費用対効果が高い
インバウンドマーケティングによって顧客から好印象を持たれれば、より大きな拡散を期待できるため、費用対効果は高くなるでしょう。
営業コンサルティングサービスを提供している株式会社セレブリックスでは、インバウンド型の営業スタイルに切り替えたことで、訪問受注率40%を達成した事例も存在します。
また、Webマーケティングは自社メディアでの情報開示が基本であるため、基本的な費用も他の手法より低い傾向があります。
参照:訪問受注率が7倍に!営業のプロフェッショナルが体験したインバウンド営業の効果| MARKEIT ©Gaiax
資産が残る
リスティング広告などの各広告手法を利用していると、効果が出たとしても、出稿を止めてしまえば認知拡大もストップしてしまいます。
インバウンドマーケティングの場合、SNSやWebサイトを活用することになるため、ネットにコンテンツが残ることがメリットです。
インバウンドマーケティングと他手法との関係性
インバウンドマーケティングとよく比較される手法として、以下の2つが挙げられます。
• アウトバウンドマーケティング
上記の言葉はインバウンドマーケティングとは異なるものなので、具体的な違いについて理解しておきましょう。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは価値のあるコンテンツを用いた発信によって行う集客のためのアプローチのことです。
インバウンドマーケティングではコンテンツはもちろんのこと、顧客との交流を活用して認知拡大などを目指します。
したがって、コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングに繋げるために必要不可欠です。
アウトバウンドマーケティング
テレアポやCMなど、企業側から顧客にアピールしていく手法をアウトバンドマーケティングと呼びます。
インバウンドマーケティングは情報を顧客に見つけてもらう手法であるため、アプローチの方法が能動的なのか受動的なのかが異なる点です。
インバウンドマーケティングの手法
インバウンドマーケティングの手法は以下の4つです。
2. 見込み顧客への育成
3. 顧客獲得
4. 新たな顧客への拡大
実際にどのような流れでインバウンドマーケティングが行われるのか、理解を深めていきましょう。
①興味を惹く
インバウンドマーケティングでは、まず認知を獲得して興味を持ってもらうことが重要です。
興味を持ってもらうためには、顧客になる可能性を秘めている層が、どのような媒体を活用していて、どのような情報を求めているのか把握する必要があるでしょう。
②見込み顧客への育成
興味を惹くことができたら、ホワイトペーパーやメディアの力を活用して、見込み顧客の育成を行います。
見込み顧客への育成を行うには、顧客とさらにコミュニケーションをとる必要があるでしょう。
メディアを用いて、顧客の電話番号やメールアドレスなどの情報を取得することが大切です。
③顧客獲得
商材への需要が高まった段階で、クロージングを行い、顧客の獲得を目指します。
クロージングの段階が早すぎると、育成が十分に行えていないため、思った結果が得られない可能性が高いです。
時期を見定めて、慎重に顧客獲得を狙っていきましょう。
④新たな顧客への拡大
自社のファンを獲得できれば、SNSなどのツールから更なる情報の拡大と新規顧客の獲得が期待できます。
ライフタイムバリューを意識して、顧客に関心を持ち続けてもらうことが大切です。
インバウンドマーケティングの成功事例
インバウンドマーケティングの成功事例として、特に有名なのは以下の3つです。
• キリン株式会社
• 株式会社土屋鞄製造所
事例から、実際の活用方法について確認しておきましょう。
それぞれの企業事例について具体的に解説していきます。
freee株式会社
freee株式会社では、YouTubeやTwitterなどのSNSだけでなく、個人事業主をターゲットとしたサイトである経営ハッカーの運用も行なっています。
2013年3月にクラウド会計ソフトfreeeを展開した後顧客数を順調に増加させ、30万以上の事業所で利用されるようになりました。
参照:経営ハッカー|freee株式会社
キリン株式会社
キリン株式会社は、オウンドメディアとしてキリンレシピノートを運用しており、デザートやおつまみの作り方を紹介しています。
レシピを調べている人がメディアを閲覧し、買い物をする際に、キリンの商品をつい買ってしまう流れができています。
参照:キリンレシピノート|キリン株式会社
株式会社土屋鞄製造所
株式会社土屋鞄製造所は公式サイトとFacebookを活用し、使用している皮の特徴や鞄を製作する流れを公開して、ECサイトや実店舗への導線を作っています。
本来ならば、実際に手に取ってみないと分からない皮の質感や使い心地を、メディアを通して上手く伝えている事例です。
参照:公式サイト|株式会社土屋鞄製造所
まとめ
いかがでしたか?
インバウンドマーケティングは、近年では有効なマーケティング手法のひとつです。
ネットやデバイスが普及した現在では、顧客の行動形態も大きく変わっているため、プル型のマーケティング手法が求められています。
顧客データの取得や高い費用対効果が期待できるインバウンドマーケティングは、今後も高い需要が期待できるでしょう。
ただし、アウトバウンドマーケティングが適切な場合もあるため、使い所を見極めることが重要です。
概念として理解するだけでなく、詳細な事例からもインバウンドマーケティングの活用方法を理解しておきましょう。
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