GA4の導入が本格的に始まり、広告の分析などで現在利用している方も多いでしょう。
配信をする際の便利な機能として、予測オーディエンスというものが存在します。
予測オーディエンスは、機械学習によって機会損失を減らしたり売り上げが見込めるユーザーを対象にしたりすることが可能です。
この記事では、予測オーディエンスの概要や種類、活用方法などを解説していきます。
GA4を使いこなしたい方や、広告配信による成果をさらに上げたい方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
1.GA4について
2023年7月にUAのサポートが停止されたことで、GA4の利用が始まっています。
GA4は今までのUAとは異なり、分析軸がセッションからユーザーに変わっていることが大きな特徴です。
UIのリニューアルや分析軸がイベント単位になったこともあり、全く別のツールになりました。
また、Webサイト・アプリデータを同様のプロパティで管理することで、高性能な機械学習も活用できます。
さらに成果が見込める広告配信が可能になっているので、広告やWebサイトの運用を行う場合、利用方法について理解しておくことが大切です。
2.予測オーディエンスについて
予測オーディエンスという機能について聞いたことがあっても、具体的にどのようなものなのかわからないという方もいるでしょう。
ここからは、予想オーディエンスと予想指標について解説します。
2−1.予測オーディエンスとは
予測オーディエンスは、離脱や購入に至る可能性が高いユーザーを判断して広告を配信する機能です。
GA4ではイベントベースでのデータ取得や、Webサイト・アプリを横断してデータを獲得できるようになったことで、より高性能な機械学習が実現できるようになりました。
ユーザーの行動履歴などをもとに機械学習が進行するため、手間を削減しながら運用が可能です。
2−2.予測指標とは
予測指標とは、予測オーディエンスと同様にGA4で活用できる予測機能です。
具体的には以下3つの指標について予測します。
構造化されたイベントデータを収集することにより、顧客について理解を深められる点がメリットです。
利用するには条件を満たしている必要があるため、公式サイトで内容を確認しておきましょう。
3.予測オーディエンスの種類
予測オーディエンスには、以下5つの種類が存在します。
・7日以内に離脱する可能性が高いユーザー
・7日以内に購入する可能性が高い既存顧客
・7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー
・28日以内に利用額上位になると予測されるユーザー
それぞれの内容について解説していきます。
3−1.7日以内に離脱する可能性が高い既存顧客
既存顧客に向けた限定的な配信で離脱を防ぎます。
新規商品やセール開催の事前告知を行い、離脱を予防可能です。
引用:[GA4] 予測オーディエンス|アナリティクス ヘルプ
3−2.7日以内に離脱する可能性が高いユーザー
7日以内にプロパティにアクセスしない可能性が高いユーザーに対して訴求を行い、離脱を防ぎます。
引用:[GA4] 予測オーディエンス|アナリティクス ヘルプ
3−3.7日以内に購入する可能性が高い既存顧客
7日以内に購入する可能性が高い既存顧客を対象に、訴求ができます。
会員専用のクーポン発行や、新規商品について情報を発信することで、サイトへの再訪問を促すことが可能です。
引用:[GA4] 予測オーディエンス|アナリティクス ヘルプ
3−4.7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー
7日以内に初めて商品購入をする可能性が高いユーザーを対象にします。
引用:[GA4] 予測オーディエンス|アナリティクス ヘルプ
3−5.28日以内に利用額上位になると予測されるユーザー
28日以内に利用額が上位になると予測したユーザーに、購買意欲を高めるための訴求を行います。
新商品やまとめ買いでの割引などを促し、購入を促進させます。
引用:[GA4] 予測オーディエンス|アナリティクス ヘルプ
4.予測オーディエンスの活用方法
予測オーディエンスの活用方法は以下の4つです。
・高いLTVが見込めるユーザーへの対策
・確度が高いユーザーへの入札強化
・離脱の確率が高いユーザーを分析しWebサイトの離脱率改善施策を実施
それぞれ解説していきます。
4−1.認知拡大施策
「7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー」を利用することで、購入の可能性が上がりきっていないユーザーを対象に訴求が可能です。
購入意欲が高まったタイミングをカスタムCVとして計測することで、認知拡大キャンペーンの成果向上が期待できます。
収集したカスタムCVのデータをもとにすれば、判断が難しい認知拡大施策の成果について把握しやすくなります。
4−2.高いLTVが見込めるユーザーへの対策
自社の利益を確保するためには新規顧客への対策だけでなく、LTV(ライフタイムバリュー)が高いユーザーへの訴求も大切です。
予測オーディエンスの一つである「28日以内に利用額上位になると予測されるユーザー」とコンバージョンの価値を調整する「コンバージョン値のルール」を利用して、高いLTVが見込めるユーザーに訴求しましょう。
両方を組み合わせることで、優良顧客になり得るユーザーと、類似したユーザーにも効果的なアプローチができます。
4−3.確度が高いユーザーへの入札強化
「7日以内に購入する可能性が高い既存顧客」や「7 日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー」を活用することで確度が高いユーザーへの入札強化が可能です。
検索広告を通して購入意欲を向上させられたとしても、離脱してから別の広告を通して商品を購入してしまうケースはよくあります。
機会損失を防ぐために、確度が高くなるユーザーへの訴求強化を行いましょう。
4−4.離脱の確率が高いユーザーを分析しWebサイトの離脱率改善施策を実施
離脱率の減少を目指したい場合は「7日以内に離脱する可能性が高い既存顧客」「7日以内に離脱する可能性が高いユーザー」などの予測オーディエンスを活用することがおすすめです。
自社商品のセールや新規商品の発信をすることで、ユーザーの注意を引くことができます。
5.予測オーディエンスの設定方法
予測オーディエンスの設定方法は以下の通りです。
- 左のナビゲーションから 「管理」をクリック
- 「プロパティ」列から「オーディエンス」をクリック
- 「新しいオーディエンス」を選択
- 「オーディエンスの候補」 で 「予測可能」を選択
- 利用可能なテンプレートのいずれかをクリック
- 作成ツールから任意でテンプレートを変更
予測オーディエンスの条件を満たしていない場合は「オーディエンスの候補」で「利用不可」と表示されます。
6.予測オーディエンスの注意点
予測オーディエンスを活用する際は、イベントを正しく実装したうえで、質の良いCVデータが複数必要です。
ECサイトなどCVが多く発生する場合はすぐにデータ収集ができますが、高額な商品・サービスや購入まで検討が長くなるBtoB商材は時間がかかることもあります。
一から導入を進める際は、予測オーディエンスを活用したいタイミングなど考慮して、早めに広告運用を実施しましょう。
7.まとめ
いかがでしたか?
GA4の予測オーディエンスは、自社にとって有益なユーザーや離脱しそうなユーザーを対象にできる機能です。
認知拡大施策やLTVの向上などが見込めるため、条件を満たしている場合は積極的に活用していきましょう。
商材によってはデータ取得まで時間がかかるケースもあるため、早期のアクションが大切です。