
自社の売上増加や利益拡大を図るためには、
マーケティングや広告・プロモーション施策を効果的に活用していく必要があります。
このマーケティングという言葉は広く活用され、
広告と同意語として理解しているWeb担当者も少なくありません。
本記事では、
広告とマーケティングの関連性について、
それぞれの違いとともに効果を最大化させる上で重要な戦略の立て方などについて、
ポイントを中心に紹介していきます。
1. 広告とは?
2. マーケティングとは?
3. 広告とマーケティングの違い、関係性とは?
4. 広告とマーケティングを効果的に活用する上でのコツ
4-1. 広告とマーケティングにおける役割の理解
4-2. 広告とPromotion(販売促進)における役割の理解
4-3. ユーザーニーズの可視化・明確化
4-4. 商材やサービスにおける課題の明確化
5. 広告とマーケティングの最適な戦略の立て方
5-1. 目的や戦略の明確化
5-2. ターゲットの明確化
5-3. 広告・マーケティング予算の設定
5-4. 広告出稿先の媒体の選定
5-5. 広告クリエイティブの作成
5-6. 定期的な効果検証とブラッシュアップ
6. まとめ
1. 広告とは?
そもそも広告とは、
自社の商材やサービスに関する情報を発信し、
世の中に広く伝える手法のことを指します。
マーケティングとは、
商品やサービスの開発から販売、
さらには顧客との関係構築までを含む、
売上や利益の最大化を目指す一連の戦略的活動のことを指します。
掲載できる広告枠や、各媒体の特性、メニューなどによって
想定される効果は様々ありますが、
基本的には閲覧したユーザーに対する認知度拡大が期待できます。
どれだけ魅力的な商材や価格が安い
サービスなどを提供していたとしても、
ターゲットとなるユーザーに認知されなければ、
購入や申し込みといったコンバージョンにはつながりません。
売上や利益を拡大していくためには、
マーケティングや広告・プロモーション施策を
戦略的に活用することが重要です。
2. マーケティングとは?
これに対してマーケティングとは、
「商品やサービスが売れる仕組みを作ること」であり、
「顧客の欲求を満たすために企業が行うあらゆる活動の総称」
と定義されます。
売上や利益の拡大を図るには、
開発から販売までのプロセス全体を戦略的に設計する必要があります。
例えば、
市場調査や競合分析を通じてユーザーニーズを把握し、
それを商品開発に反映させることもマーケティングの一環です。
さらに、
適切な価格設定や販売チャネルの構築も含まれます。
言い換えれば、
闇雲に商材やサービスを開発しても、
ニーズがなかったり競合が多い市場では、
売上につながる可能性は低くなります。
だからこそ、
戦略的なマーケティングが不可欠なのです。
一方で、
ターゲットとなるユーザーの属性や心理・興味関心などの
ニーズをふまえた商品開発を行い、
適切にアプローチできれば売上増加につながる可能性は高まります。
このように、マーケティングは、
商材やサービスの売上増加や利益拡大につなげるための
仕組みづくり全般のことを意味します。
3. 広告とマーケティングの違い、関係性とは?
広告とマーケティングの概要は、
先ほどふれたようにその役割が異なります。
広告は、
マーケティング施策の一部であり、
単体ではなく全体の戦略の中でどのように活用するかを考えることが、
自社の売上増加や利益拡大に直結します。
つまり、
広告を含む包括的なマーケティング戦略の設計が重要なのです。
では、そのマーケティング戦略を組み立てる際に、
何を基準に考えればよいのでしょうか。
マーケティング戦略を立案する際に役立つフレームワークの一つに、
4P分析という考え方があります。
これは、
商品やサービスを市場に投入する際に考慮すべき主要な要素をまとめたものです。
4Pとは、
Product(商品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の
4つの頭文字から成り、
その中のPromotion(販売促進)の中に広告が含まれます。
マーケティングの戦略を組み立てる際に、
広告だけを意識しても効果にはつながらず、
4Pに含まれるその他の要素も考慮しながら進める必要があります。
とはいえ、
マーケティング戦略を成功に導くためには広告は欠かせません。
そのため、
全体的なマーケティングの流れを意識しながら、
広告を実施していくことが重要になります。
4. 広告とマーケティングを効果的に活用する上でのコツ
これからマーケティングの実施を検討している際には、
以下の要素を押さえておくと効果的です。
4-1. 広告とマーケティングにおける役割の理解
広告とマーケティングそれぞれの特性や違いを正しく理解しておくことが重要です。
マーケティング全般のことを意識せず、
広告だけに注力してしまうと、
何のために広告を実施しているのか分からなくなり、
結果的に効果につながらず、コストだけが発生して終わることも起こり得ます。
自社の目的が、商材やサービスにおける認知度拡大なのか、
コンバージョン獲得なのか、
ブランディングなのかによってマーケティング手法は異なります。
例えば、
認知度拡大であればテレビCMが有効かもしれませんが、
コンバージョン獲得の場合にはWebのリスティング広告の方が
効果的な可能性もあります。
4-2. 広告とPromotion(販売促進)における役割の理解
4P分析の中でもふれたPromotion(販売促進)は、
広告に当てはまるとは厳密にイコールというわけではありません。
広告は、
基本的に媒体側に広告出稿費を支払い掲載する仕組みとなり、
コストが発生します。
一方で、
Promotion(販売促,進)の中にはコストの発生しないアプローチも存在します。
「自社アカウントのSNS運用」
「ホームページの作成」
「メルマガなどによるアプローチ」
もPromotion(販売促進)の対象となります。
そのため、
コストをかけずに行える販促手法も存在するため、
こうした選択肢も含めて戦略を検討することが重要です。
4-3. ユーザーニーズの可視化・明確化
ユーザー行動の多様化、ブームやトレンドといった
流行の短期化が進む昨今において、
安ければ何でも売れるというケースばかりではありません。
ユーザーは、
様々な悩み・不安・要望といったニーズを抱えながら、日々その解決策を探しています。
中には金額が高かったとしても、
ニーズに合致する機能や効能などがあれば
コンバージョン獲得につながる可能性も高まります。
そのため、
広告やマーケティングの成果を高めるためには、
まずユーザーニーズを可視化、明確化していくことが重要です。
ニーズの把握には、
市場調査や競合他社の動向を把握することも効果的です。
競合他社がホームページや広告クリエイティブなどで
訴求している強みや特徴は、
そのままユーザーが抱えているニーズともいえます。
また、
より深掘りしたニーズを探るためには、
アンケートやモニターなどを行うことも有効です。
事前にユーザーニーズを可視化し、そのニーズをふまえた特徴を押し出した広告にて訴求
できれば、効果につながる可能性も期待できます。
4-4. 商材やサービスにおける課題の明確化
自社の商材やサービスにおける課題を明確化しておくことも、
広告やマーケティングを成功に導く上で欠かせません。
どれだけ魅力的な広告や戦略的なマーケティング施策を講じたとしても、
自社の商材やサービスが十分でなければ売上増加にはつながりません。
広告やマーケティングは、
あくまでユーザーを集客させることが目的となります。
集客させたユーザーを確実にコンバージョン獲得につなげるためには、
商材やサービスの課題を明確化し、
ユーザーがコンバージョンしやすいよう改善していくことも重要です。
この課題の明確化は、
結果的に広告やマーケティングにもつなげやすくなります。
5. 広告とマーケティングの最適な戦略の立て方
成果につながるマーケティングを行うためには、
以下の手順を参考に戦略立てていくと効果的です。
5-1. 目的や戦略の明確化
まず、自社における目的や戦略を明確化していきます。
効果的に活用する上でのコツでもふれたように、
目的がブレた状態では広告やマーケティングは上手くいきません。
コンバージョン獲得を目的にしたのであれば、
テレビCMや看板広告は効果につながる可能性は
低いかもしれません。
目的は、その後の戦略にも大きく影響してきます。
KPIやKGIなども含め社内で検討していくと効果的です。
5-2. ターゲットの明確化
目的や戦略が決まれば、
次にターゲットを明確化していきます。
ターゲットの設定は、
自社の商材やサービスの特性とあわせ検討していく必要があります。
例えば、
50代男性向けの商材を販売しているのに、
20代女性向けにアプローチしても意味がありません。
ターゲットを明確かつ具体的に定義することで、
施策の精度が高まりやすくなります。
年齢や性別、地域といったユーザー属性だけでなく、
趣味嗜好や過去の購入履歴、閲覧履歴なども参考に、詳細に設定しておくことで、
その後の広告やマーケティングにもつなげやすくなります。
ペルソナ分析なども活用していくと効果的です。
5-3. 広告・マーケティング予算の設定
続いて、
広告やマーケティングを行う上での予算を設定していきます。
特に、
いくら全国に向けたテレビCMを行いたいと考えても、
広告出稿にはコストがかかりますので、
予算が無ければ出稿することはできません。
また、
闇雲に広告出稿しても効果につながらなければ
無駄なコストで終わってしまいます。
広告やマーケティング施策を実施する際には、
目標とする件数(成果数)を設定し、
コンバージョン獲得にかかるコストについては、
CPA(Cost Per Action)などの指標をもとに事前に想定しておくことが効果的です。
5-4. 広告出稿先の媒体の選定
ここまで目的やターゲット、予算が決まれば、
次に広告出稿していく媒体を選定していきます。
目的やターゲット、予算が明確化されていれば、
自ずとどういった媒体に出稿すると効果が期待できるのか
想定しやすくなります。
とはいえ、20代女性に向けて月100万円の予算で出稿したいと考えても、
対象となる媒体は多岐に渡ります。
同じ媒体であっても広告メニューなどは異なります。
ターゲットのニーズなどを再度見直すとともに、
目的を見失わずに選定していくと効果的です。
5-5. 広告クリエイティブの作成
最後に、
出稿先の媒体やメニューに応じて
広告クリエイティブを作成していきます。
広告クリエイティブには、
テキストや画像バナー、動画など
様々な訴求方法が存在します。
中でも動画であれば、ユーザーの視覚と聴覚に訴えることができ、
短時間に多くの情報量でアプローチできるため効果が期待できます。
ターゲットの心理状態やニーズをふまえて作成していくと効果的です。
また、
可能であれば広告クリエイティブは複数パターン用意し、
ABテストなどを行い最適化していくことも重要です。
ユーザーが興味を示すポイントは1つではありません。
そのため、
様々なアプローチを行いながら適切な手法を模索していくと、
より広告効果が期待しやすくなります。
5-6. 定期的な効果検証とブラッシュアップ
広告・マーケティングを成功に導くためには、
出稿して終わりではなく定期的な効果検証と
ブラッシュアップが必要不可欠です。
先ほどふれた広告クリエイティブはもとより、
出稿先の媒体選定から、ひいてはターゲットの見直しも
検証していくことが重要です。
その際、
自社内で仮説を立てておくことも効果的です。
仮説をもとに結果を検証していくことで、
問題点や課題を可視化しやすくなり、
その後の改善にもつなげやすくなります。
6. まとめ
広告とマーケティングは混同されやすい用語ですが、
それぞれ異なる役割と目的を持ちます。
両者の関係性を正しく理解し、
目的やターゲットに応じて最適な施策を展開することが、
成果につながる鍵となります。
今回紹介した内容も参考に、
自社の目的やターゲットをふまえ、
戦略的な広告とマーケティングにつなげていきましょう。