激しい競争が行われているエナジードリンク市場ですが、その中で大きくシェアを拡大したのがモンスターエナジーです。
モンスターエナジーがシェアを拡大した理由の1つがマーケティング戦略です。
そこで今回は、モンスターエナジーのマーケティング戦略の特徴を分析してみましょう。
モンスターエナジーとは?
画像引用:モンスターエナジー
モンスターエナジーはモンスタービバレッジ社が販売しているアメリカ生まれのエナジードリンクです。
世界中で一大ブームを巻き起こしているともいわれ、ハマる爽快感とパンチのある味が大人気になっています。
日本の販売元はモンスターエナジージャパン合同会社で、アサヒ飲料が国内独占販売権を持っています。
モンスターエナジーのマーケティング
モンスターエナジーは日本でも非常に売れ、レッドブルを超えたともいわれていますが、その秘密はマーケティング戦略にあります。
そこでモンスターエナジーがどのようなマーケティングを行い、シェアを拡大させたのか説明しましょう。
マスコミ広告は一切打たない
レッドブルと好対照を成すのがモンスターエナジーの広告手法です。
レッドブルがテレビCMを連続放映する中にあって、モンスターエナジーは一切マスコミ広告を打ちません。
マスコミ広告を打たないで、商品が売れるのかなと思う人もいるでしょうが、代わりにモンスターエナジーが行っているのが次に紹介するゲリラサンプリングです。
ゲリラサンプリングを行う
モンスターエナジーのゲリラサンプリングとは、ロゴ付きのトラックに商品を積み込んで、東京・大阪・名古屋・福岡の4都市で場所を変えながら、配布するというものです。
配布地域は大学近くの駅周辺などに限り、配布終了後はすぐに立ち去ります。
その様子が神出鬼没でゲリラのようであるために、ゲリラサンプリングと呼ばれるようになりました。
配布される側としてはちょっと驚くかもしれませんが、ゲリラサンプリングにより地道に認知を拡大させたのがモンスターエナジーです。
新フレーバーをSNSで拡散
モンスターエナジーが日本で発売された当初は、緑色の「モンスターエナジー」とオレンジ色の「モンスターカオス」しかフレーバーの種類がありませんでした。
しかし、その後毎年のように新フレーバーを加えて行きました。
新フレーバーが公表される前には、SNSで情報が拡散しました。
SNSを見たユーザーは新フレーバーの販売を心待ちにし、販売されたら試してみてレビューを拡散しました。
その結果、さらに興味を持つユーザーが増えるというように好循環になったのです。
これはモンスターエナジー側が意図的に行ったマーケティング施策かどうかが不明ですが、大きな効果を上げ、売上増につながりました。
定期的にキャンペーンを実施
モンスターエナジーは国内のコンビニで定期的なキャンペーンを実施しています。
ステッカーやTシャツ、パーカーなどが当たるキャンペーンですが、キャンペーン商品ほしさにモンスターエナジーをまとめ買いする人が出たほどです。
モンスターエナジーが今後もユニークなキャンペーンを行えば、さらに売上が伸びていくことでしょう。
有名アーティストとの積極的なコラボ
モンスターエナジーの主なコラボ相手は有名アーティストです。
レッドブルがスポーツ選手とコラボをするのが多いのに比べて、対照的です。
モンスターエナジーではアーティストとのコラボを通じて、より若い層への働きかけを強めています。
スポーツ選手とアーティストでどのような違いがあるのかははっきりしませんが、スポーツ選手の場合、シーズンオフになると注目が薄れやすいのが困るところです。
対して、アーティストの場合は、シーズンに関係なく、ファンが曲を聴いたり、SNSのアカウントを見たりします。
この辺がモンスターエナジーの売れ行きが好調な理由でしょうか。
ロゴを使った戦略
モンスターエナジーのロゴは独特ですが、ロゴを使った戦略も功を奏しています。
ゲリラサンプリングでも、黒いボディにロゴがペイントされた車を使用します。
商品を配布する人はロゴ入りの服を着用していますが、これが格好いい、かわいいと好評です。
ロゴを着たスタッフと一緒に写真を撮ってもらい、SNSに拡散する人もいました。
モンスターエナジーのロゴは若者受けもしやすく、今後のマーケティングで大きな役割を果たすでしょう。
モンスターエナジーのマーケティングの成果
モンスターエナジーが行ったマーケティングによりどのような成果が出たのか、具体的な数字で確認してみましょう。
現在のエナジードリンクの市場シェア
まず、エナジードリンク自体の市場シェアを見てみます。
エナジードリンクは今や日本の栄養ドリンク市場の約半分を占めると言われています。
インテージSRI+データによると、コロナ禍の2021年には売上が伸び悩みましたが、その後順調に推移しました。
2022年は前年比7.5%増の887億円となりました。
モンスターエナジーの市場シェア
モンスターエナジーの最新市場シェアの数字は確認できませんでしたが、J-marketing.netというマーケティングサイトに面白いデータがありました。
それによると、次の6項目中、3を除いて5つで首位でした。
・店頭接触:3ヶ月以内に店頭などで見た
・購入経験:買って飲んだことがある
・3ヵ月以内購入:最近3ヶ月以内に買って飲んだ
・今後意向:今後も飲みたい
・再購入意向:購入経験者における今後の購入意向
「購入経験」についても、首位のリアルゴールドとの差はわずか0.3ポイントです。
「3ヵ月以内購入」では、前年版の2倍に上昇しています。
参照元:J-marketing.net|エナジードリンク(2023年5月版)
つまり、今日本で一番飲まれているエナジードリンクがモンスターエナジーということになります。
マーケティング成果が現れているようです。
日本でも完全に定着
モンスターエナジーは日本でも完全に定着しました。
若者を中心に人気がとどまるところを知りません。
ライバルのレッドブルにも勝ち、今後もこの人気傾向は続くと思われます。
同社のマーケティングのおかげでもありましょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、モンスターエナジーのマーケティングについてご紹介しました。
ゲリラサンプリングなど、ユニークな手法を活用しています。
貴社の参考になるマーケティング戦略がありましたら、ぜひご活用ください。