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電通が発表した「2022年 日本の広告費」について内容を詳しく解説

更新日:2023年11月13日

電通が発表した「2022年 日本の広告費」について内容を詳しく解説

※この記事は2023年11月13日に更新されたものです。内容が古い可能性があります。

電通は2023年2月24日、「2022年 日本の広告費」という調査レポートを発表しました。

今回は、この調査レポートの内容を見ながら、日本の広告費の状況を確認してみましょう。
合わせて、2023年の状況がどうなるかの予測も解説します。

「2022年 日本の広告費」とは?

「2022年 日本の広告費」は、株式会社電通(本社:東京都港区、社長:榑谷 典洋)が2023年2月24日に発表した調査レポートです。
内容は、2022年の日本の総広告費の数値や媒体別・業種別広告費を推定したものです。

2022年 日本の広告費の特徴

「2022年 日本の広告費」を読むと、最近の日本の広告費の状況がつかめます。

まず通年の総広告費は7兆1,021億円(前年比104.4%)でした。この点については後ほど触れます。

そんな中でも大きな伸びを示しているのがインターネット広告費です
2019年からわずか3年間で1兆円も増加した3兆912億円(前年比114.3%)となっています。デジタルプロモーションの拡大もインターネット広告費の増加に寄与しているようです。

テレビメディア関連動画広告費も伸びが大きいです。広告費は350億円(前年比140.6%)で、コネクテッドTVの利用拡大、充実したコンテンツの番組配信などもあり、広告需要が高まった形です。

日本の全体の広告費は過去最高

画像引用:2022年 日本の広告費|媒体別広告費 – Knowledge & Data(ナレッジ&データ) – 電通ウェブサイト

2022年の日本の広告費は過去最高の7兆1,021億円(前年比104.4%)となりました。これまでの最高は2007年(7兆191億円)ですから、上回っています。

2022年の上半期では、コロナ禍からの回復に伴う行動制限の緩和や、北京2022冬季オリンピック・パラリンピックなどの後押しもあり、順調に広告費が伸びました。後半期はウクライナ情勢やコロナ禍の再拡大、欧米の経済政策などの影響はあったものの、経済は緩やかに回復し、いくつかの分野では広告需要も高まりました。

さらにデジタル社会の進行とともにインターネット広告の伸びが大きいことが過去最高の広告費になった要因です。

媒体別広告費

「2022年 日本の広告費」から、媒体別の広告費を取り上げてみましょう。

マスコミ

まずはマスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア)の広告費の額ですが、全体で2兆3,985億円(前年比97.7%)となっています。前年より幾分減少しました。「ラジオ広告費」は増加したものの、「新聞広告費」「雑誌広告費」「テレビメディア広告費」は減少したためです。

それぞれの広告費も見てみましょう。

新聞

2022年の新聞の広告費は3,697億円(前年比96.9%)です。

2022年も話題の多い年でしたが、新型コロナの再拡大、ウクライナ情勢、前年の東京2020オリンピック・パラリンピックの反動などにより、新聞広告費が減少しています。

雑誌

2022年の雑誌の広告費は1,140億円(前年比93.1%)でした。

最近は雑誌離れが進んでいるともいわれ、雑誌を読む人が減っているせいでもあるでしょう。一部の業界を除き、広告費が減少傾向になっています。

ラジオ

2022年のラジオの広告費は1,129億円(前年比102.1%)でした。メディア部門では唯一広告費が上昇しています。「ファッション・アクセサリー」「外食・各種サービス」「化粧品・トイレタリー」などの業種で広告費の伸びが目立っています。

テレビメディア

テレビメディアの2022年の広告費は18,019億円(前年比98.0%)でした。内訳は地上波テレビが16,768億円(前年比97.6%)、衛星メディア関連が1,251億円(前年比103.5%)です。

地上波テレビの番組広告費では大阪地区、名古屋地区、福岡地区などで前年よりも上がりましたが、他の地域では下がっています。

地上波テレビのスポット広告費は全地域で前年を下回っています。

衛星メディア関連は通販市場の好調を受け、スポット需要が増えたことから、広告費が前年よりも上回りました。

インターネット広告

続いて、「2022年 日本の広告費」によるインターネット広告費をチェックしてみましょう。全体の広告費は30,912億円(前年比114.3%)と大きく伸びています。

「2022年 日本の広告費」にはマスコミ4媒体のデジタル広告費も掲載されています。しかし、ここでは国内電通グループ5社(CCI/ D2C/電通/電通デジタル/セプテーニ・ホールディングス)が2023年3月14日に発表した「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」による広告種別の結果を見てみましょう。

広告種別

2022年のインターネット広告媒体費は「2022年 日本の広告費」によると、24,801億円(前年比115.0%)でした。この中から広告種別の広告費をチェックしてみましょう。

検索連動型広告

2022年の検索連動型広告の広告費は9,766億円(前年比122.2%)でした。かなりの伸びを示しています。インターネット広告媒体費に占める割合は39.4%です。

運用型広告

2022年の運用型広告の広告費は21,189億円(前年比115.3%)でした。やはり大きな成長を見せています。インターネット広告媒体費に占める割合は85.4%にも上ります。

ビデオ広告

2022年のビデオ広告の広告費は5,920億円(前年比115.4%)でした。高い伸び率です。

このうちインストリーム広告費は3,456億円で、全体の58.4%を占めています。

ソーシャル広告

2022年のソーシャル広告の広告費は8,595億円(前年比112.5%)でした。インターネット広告媒体費全体に占める割合は34.7%です。全体に占める割合は微減となっています。

取引手法別

今度は、「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」から、インターネット広告の取引手法別の広告費を掲載します。

成功報酬型

2022年の成功報酬型広告の広告費は965億円(前年比102.7%)でした。インターネット広告媒体費全体に占める割合は3.9%でした。

運用型

2022年の運用型広告の広告費は21,189億円(前年比115.3%)でした。インターネット広告媒体費全体に占める割合は85.4%です。

予約型

2022年の予約型広告の広告費は2,647億円(前年比117.7%)でした。インターネット広告媒体費全体に占める割合は107%です。

プロモーションメディア

また、「2022年 日本の広告費」に話を戻しましょう。ここからはプロモーションメディアの広告費の数値を見てみます。全体の広告費は16,124億円(前年比98.3%)でした。各プロモーション別の広告費を挙げてみましょう。

屋外広告、交通広告

2022年の野外広告の広告費は2,824億円(前年比103.1%)、交通広告の広告費は1,360億円(前年比101.0%)でした。

2022年は人流の回復が顕著になったこともあり、野外広告費が順調に伸びています。都市部を中心にラグジュアリーやエンタテイメントなどの業種での広告需要が高まったためでしょう。

交通広告では、鉄道の主要駅における大型サイネージ広告に出稿する動きが多く見られます。空港の広告費は国内線では微増、国際線では減少となっています。

折込、DM

2022年の折込広告の広告費は2,652億円(前年比100.8%)、DMの広告費は3,381億円(前年比98.1%)でした。

巣ごもり、在宅需要などの増加を受け、折込広告の広告費は伸びを見せました。ただ、10月以降は、電気代・紙代・原材料費などが値上がりしたことにより伸びがやや低調になっています。

DMの広告費は広告需要が一巡したせいか、やや減少しました。それでも、交通・レジャー関連や通信販売、金融・保険などの業種では数値が上がっています。

フリーペーパー

2022年のフリーペーパーの広告費は1,405億円(前年比97.4%)でした。

フリーペーパーの広告費は新型コロナや物価高の影響により、一部の業種では回復したものの、全体では減っています。発行部数、発行頻度ともに減少しました。

POP

2022年のPOPの広告費は1,514億円(前年比96.2%)でした。双方向コミュニケーションツール、リアル店舗の強みを生かした体験型のPOPの活用は進んでいますが、広告費は減少しています。

イベント、展示、映像など

2022年のイベント・展示・映像などの広告費は2,988億円(前年比92.5%)でした。他の広告費よりも下げ幅が大きくなっています。

2023年の広告費の見込み

次に、2023年の広告費の見込みについて解説します。

インターネット広告全体

「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」では、2023年のインターネット広告媒体費も堅調に推移し、前年比112.5%の2兆7,908億円まで増加すると見込んでいます。

インターネットはますます社会に浸透し、インターネット広告の重要性も増していますから、この予想値にも納得がいきます。

ビデオ広告

同調査によると、2023年のビデオ広告は前年比115.7%と引き続き高い成長率を維持し、6,852億円まで増加すると見込んでいます。特にインストリーム広告は前年比119.5%の成長を見せるだろうと、大胆な予測もしています。

こちらの広告費増大は動画共有メディアの存在が大きな要因になっていますね。

デジタル広告へのシフトが進む

電通グループが発表した「世界の広告費成長率予測(2023~2025)」改定版によると、総広告費に占めるデジタル広告の割合は、2023年58.3%、2024年に59.1%、2025年には60.3%に達すると見込んでいます。

初の60%台も見えてきますが、今後もデジタル広告へのシフトが進んでいくでしょう。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、「2022年 日本の広告費」について解説しました。

総広告費は伸びており、その中でもインターネット広告費は顕著な伸びを示しています。

今後も広告費の成長が見込まれるインターネット広告には注目です。

この記事を書いた人

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