
Yahoo!ニュースなどのYahoo!関連サービスを閲覧中に、
横にスワイプできる複数の画像が連なった広告を見かけたことはありませんか?
これが「カルーセル広告」です。
この広告フォーマットはYahoo!ディスプレイ広告(YDA)でも活用でき、
商品やサービスの魅力を多角的に伝えることができる効果的な手法として注目されています。
本記事では、
YDAのカルーセル広告の基本概念から特徴、作成手順、設定のポイント、さらに実績データまで
詳しく解説します。
1. YDAカルーセル広告とは?基本概念と特徴を解説
1-1. 複数の画像を効果的に表示できるYDAの人気広告フォーマット
1-2. 通常のバナー広告と比較したカルーセル広告の強み
1-3. YDAカルーセル広告で実現できる5つの訴求パターン
2. YDAカルーセル広告の入稿方法とポイント
2-1. カルーセル広告の入稿方法
2-2. 基本情報の設定ポイントとロゴ画像の最適化
2-3. カルーセルカードの効果的な設定と配置テクニック
2-4. 各カード別のリンク先設定による顧客導線の最適化
3. YDAカルーセル広告の入稿規定と審査対策
3-1. 画像サイズと形式の要件とは
3-2. 全カルーセルカードが審査対象
4. YDAカルーセル広告の成功事例と実績データ
4-1. 他の広告フォーマットと比べた当社の運用事例
5. まとめ
1. YDAカルーセル広告とは?基本概念と特徴を解説
1-1. 複数の画像を効果的に表示できるYDAの人気広告フォーマット
YDAカルーセル広告とは、
複数の画像(カルーセルカード)を組み合わせて表示する広告フォーマットです。
ユーザーは広告をスワイプすることで、
2枚から最大10枚までのカルーセルカードを閲覧できます。
各カードには個別にタイトルや説明文、リンク先URLを設定できるため、
1つの広告枠でも多様な情報を伝えることが可能です。

カルーセル広告の最大の特徴は、
ユーザーの能動的なアクションを促せる点にあります。
スワイプという行動を通じて広告に対するエンゲージメントを高め、
興味を持ったカードに直接アクセスできる導線を提供できます。
これにより、
ユーザーの関心度合いに応じた訴求が可能になります。
1-2. 通常のバナー広告と比較したカルーセル広告の強み
従来の静的なバナー広告と比較すると、カルーセル広告には以下のような強みがあります。
- 情報量の増加:
1枚のバナーでは伝えきれない情報を、
複数のカードに分けて効果的に伝えることができます。 - ユーザーエンゲージメントの向上:
スワイプ操作を通じて、ユーザーと広告のインタラクションが生まれます。 - 段階的な訴求:
商品紹介から特徴説明、購入メリットまで、
ストーリー性のある広告展開が可能になります。 - コンバージョン率の改善:
複数のカードにそれぞれ異なるリンク先を設定できるため、
ユーザーの興味に応じた最適なランディングページに誘導できます。 - コスト効率の向上:
1つの広告枠で複数の商品・サービスをアピールできるため、
広告費の効率化を図ることができます。
これらの利点により、
複数の商品ラインナップを持つECサイト、サービスの特徴を詳しく説明したい企業にとって、
カルーセル広告は非常に効果的なフォーマットとなっています。
1-3. YDAカルーセル広告で実現できる5つの訴求パターン
YDAカルーセル広告では、
商材やサービスに合わせて様々な訴求パターンを展開できます。
代表的な5つのパターンをご紹介します。

- 商品ラインナップ訴求
- ストーリーテリング訴求
- 特徴・メリット訴求
- ターゲット別訴求
- 季節・イベント訴求
・商品ラインナップ訴求:
複数の商品を横並びで紹介し、ユーザーの興味に合わせた商品への誘導が可能です。
例えば、
アパレルブランドの新作コレクションや、化粧品のシリーズ製品などに効果的です。
・ストーリーテリング訴求:
時系列や順序性のある内容を複数カードで展開し、ストーリー性のある広告表現ができます。
例えば、
商品の使用前後の変化や、サービス利用の流れなどを視覚的に説明できます。
・特徴・メリット訴求:
商品やサービスの複数の特徴やメリットを、カード別に分けて強調できます。
各カードで1つの特徴に焦点を当てることで、訴求ポイントを明確に伝えることが可能です。
・ターゲット別訴求:
異なるターゲット層に向けたメッセージを各カードで展開します。
例えば、
年齢層や性別、利用シーンなど、ターゲットセグメント別の訴求が可能です。
・季節・イベント訴求:
季節商品やイベント関連商品を時期に合わせて複数紹介できます。
例えば、
夏物アイテムのコレクションや、クリスマス向けギフト特集などに活用できます。
これらの訴求パターンを組み合わせることで、
従来の単一バナー広告では難しかった多角的なアプローチが可能になります。
2. YDAカルーセル広告の入稿方法とポイント
2-1. カルーセル広告の入稿方法
YDAカルーセル広告を作成する前に、
利用可能なキャンペーン目的を確認しておくことが重要です。
カルーセル広告は以下のキャンペーン目的で利用可能です。
- サイト誘導
- アプリ訴求
- コンバージョン
- 友だち追加
- ブランド認知
- PayPayギフト
※参考:LINEヤフー株式会社 目的別のキャンペーン作成について【運用型】 2025年6月
これらの目的に該当するキャンペーンでのみカルーセル広告を作成できるため、
事前に確認しておきましょう。
既存のキャンペーンがこれらの目的に設定されていない場合は、
新たにキャンペーンを作成する必要があります。
【カルーセル広告の入稿手順】
①入稿したいキャンペーン、広告グループを選択
②「広告作成」をクリック
③基本情報を入力
※広告名や配信設定などの基本情報(下図(1))を入力し、
広告プレビュー(下図(2))で広告の表示が確認できます。
ロゴ(下図(3))で広告内に設定するロゴ画像を設定します。
④カルーセルカードを追加(最低2枚以上)
※基本情報(下図(1))を入力し、画像を設定しましょう(下図(4))。
追加(下図(2))をクリックするとカードを10枚まで追加可能です。
広告プレビュー(下図(3))で広告の表示を確認できます。
※下図(5)が広告で表示される並び順です。
画像を設定済みのカードはドラッグ&ドロップで順番を入れ替えることができます。
⑤カードの追加が完了 →「広告を追加」ボタンをクリック
⑥追加で作成しない限り「作成」をクリック → 入稿完了

2-2. 基本情報の設定ポイントとロゴ画像の最適化
カルーセル広告の作成では、まず基本情報の設定が重要です。
基本情報には以下の項目が含まれます。
- 広告名: 管理のしやすさを考慮した命名を心がけましょう。
- 主体者表記:会社名、ブランド名、商品名、サービス名のいずれかを入力します。
- ボタン文言:ユーザーの行動を促すためのボタンテキストを選択します。
- 最終リンク先URL:ユーザーが広告をクリックしたときに遷移するページのURLです。
- ロゴ:広告内に設定するロゴ画像を設定します。
特に重要なのがロゴ画像の設定です。
ロゴ画像はカルーセルカードの最後に表示され、
ブランドの印象を決める重要な要素となります。
ロゴ画像の入稿規定
- アスペクト比: 1:1
- ピクセルサイズ: 600pixel x 600pixel
- ファイル容量: 最大10MB
- 画像の枠線:不可
※参考:LINEヤフー株式会社 カルーセル -運用型 入稿規定 2025年6月
2-3. カルーセルカードの効果的な設定と配置テクニック
カルーセルカードを効果的に設定するためのポイントをご紹介します。
- 一貫したデザインテーマ:
全てのカードで色調やデザイン要素に一貫性を持たせることで、
ブランドの統一感を演出します。 - 最適な画像順序:
最初のカードは最も注目を集めるため、
インパクトのある画像や重要なメッセージを配置します。
その後、ストーリー性や論理的順序を考慮した配列にしましょう。 - 画像の品質と視認性:
鮮明で高品質な画像を使用し、
テキストオーバーレイを入れる場合は可読性を確保しましょう。 - カード数の最適化:
必ずしも10枚全てを使用する必要はありません。
伝えたい内容に応じて最適なカード枚数を選びましょう。
また、
掲載面によっては画像が加工(トリミング・枠線の付与など)される可能性があるため、
重要な要素は画像の中央部分に配置することをおすすめします。
2-4. 各カード別のリンク先設定による顧客導線の最適化
カルーセル広告の強みを最大限に活かすためには、
各カードのリンク先設定が重要です。
以下のような戦略的な設定を検討しましょう。
- 商品別の個別ページへの誘導:
各カードで紹介している商品の詳細ページに直接リンクさせることで、
ユーザーの購買意欲を逃しません。 - ステージ別のランディングページ:
購買プロセスの各段階(認知→興味→検討→購入)に対応したページへリンクし、
顧客のニーズに応じた導線を提供します。 - 特定のターゲット向けページ設定:
ユーザー属性や関心に合わせたコンテンツを用意し、
パーソナライズされた体験を提供します。 - キャンペーンページと通常商品ページの併用:
期間限定キャンペーンと定番商品を組み合わせることで、
短期的な売上と長期的な顧客獲得の両方を狙えます。
各カードのタイトルは20文字以内、説明文は40文字以内で設定できます。
タイトルと説明文は簡潔かつ魅力的な表現を心がけ、
ユーザーのクリック意欲を高める工夫をしましょう。
※参考:LINEヤフー株式会社 カルーセル -運用型 入稿規定
3. YDAカルーセル広告の入稿規定と審査対策
3-1. 画像サイズと形式の要件とは
YDAカルーセル広告の効果を最大化するには、
入稿規定を正確に理解し、それに準拠したクリエイティブを用意することが重要です。
カルーセルカードの入稿規定
- アスペクト比: 1:1
- 推奨ピクセルサイズ: 1200pixel x 1200pixel
- 推奨ファイルサイズ: 300KB以内
- ファイル形式: GIF89a、JPEG、PNG
- アニメーション: 不可
- ALTテキスト:不可
※参考:LINEヤフー株式会社 カルーセル -運用型 入稿規定 2025年6月
画像の作成においては、特にスマートフォン表示を考慮し、
小さい画面でも見やすいシンプルなデザインを心がけることが重要です。
3-2. 全カルーセルカードが審査対象
YDAカルーセル広告では、
全てのカルーセルカードが個別に審査対象となります。
1枚でも審査に通過しないカードがあると、広告全体が配信できなくなるため注意が必要です。
審査に関しては、
Yahoo!広告の公式ガイドラインを事前に確認し、
不明点があれば代理店や担当者に相談することをおすすめします。
4. YDAカルーセル広告の成功事例と実績データ
4-1. 他の広告フォーマットと比べた当社の運用事例
当社が運用したYDAカルーセル広告の実績データを、
他の広告フォーマットと比較してご紹介します。
Eコマース企業Aの事例:
商品を訴求するカルーセル広告を実施した結果、以下の結果が得られました。
サービス業B社の事例:
複数のサービスプランを訴求するカルーセル広告を実施した結果、以下の結果が得られました。
成功のポイント(考察)
- ユーザーエンゲージメントの向上:
カルーセル広告のスワイプ操作により、
ユーザーが能動的に広告と関わることで、情報の定着率と興味度が向上した。 - ターゲティングとのシナジー効果:
興味関心ターゲティングと組み合わせることで、
ユーザーの興味に合わせた複数の商品・サービスを効果的に訴求できた。 - 購買検討段階に応じた訴求:
認知段階から検討、購入決定までのストーリー展開により、
コンバージョンまでの導線が効率化された。 - アクション率の向上:
複数のカードでユーザーの関心を引き、
最終的なアクションに結びつける確率が向上した。
特に複数商品を扱うECサイトやサービスメニューが多様な企業では、
カルーセル広告の効果が顕著でした。
商品やサービスの特性を理解し、
適切なストーリー展開やカード構成を設計することが重要です。
5. まとめ
YDAカルーセル広告は、
複数の画像を1つの広告枠に効果的に表示できる強力な広告フォーマットです。
最大10枚のカードを活用することで、
商品ラインナップの紹介からストーリーテリングまで、
多角的な訴求アプローチを可能にします。
ユーザーがスワイプするという能動的な行動を促すことで、
従来の広告よりも深いエンゲージメントを生み出すことができるのが大きな特徴です。
効果を最大化するためには、
各カードの画像品質や表示順序、リンク先の設定といった細部の最適化が重要になります。
運用面では、
全てのカードが審査対象となることを念頭に置き、
広告表現規制に準拠したクリエイティブ制作を心がける必要があります。
実際の運用にあたって、単に複数の画像を並べるのではなく、
ターゲットユーザーの心理や行動を踏まえたストーリー性のある構成を意識することで、
広告効果を高めることができるでしょう。