WEBマーケティングに携わる方々であれば「ブランドパネル」「ブラパネ」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
Yahoo!トップの一番目立つ右上の位置(スマホ版は上部)の広告枠に広告を配信するプランですが、料金表を調べて
「高い!」
と思わず口にしてしまった方が多いのではないでしょうか。
実は、このブランドパネル、地域を限定して配信することができ、その場合の最低料金は10万円なのです。
今回は、このエリアブラパネ(正式名:スマートフォン版Yahoo! JAPAN エリアターゲティング ブランドパネル(市区郡))のメリットや、入稿規定についてお伝えします。
今後のWEBマーケティング施策の選択肢となれば幸いです。
1.Yahoo! JAPAN エリアターゲティング ブランドパネルとは
一般的に「ブランドパネル」と呼ばれているものは、正式名称を「Yahoo! JAPANブランドパネル スクエア」「Yahoo! JAPANブランドパネル トップインパクト」と言います。
PC版のYahoo! JAPANのトップページの右上枠に大きく打ち出すことができ、日本全国幅広い年代層にリーチできることが魅力です。
しかしその大きなインパクトがある分、それ相応の費用がかかります。
「スクエア」は1週間分の掲載で500万円、「トップインパクト」は1000万円ほどが費用の目安となります。
短期間にこれだけの費用をつぎ込める企業は限られてくる上に、
もし1000万円もの広告費があるとしたら、通常のリスティング広告に投じると考える方も多いでしょう。
しかしこれが、配信の「エリアターゲティング」によって費用が1/10以下になります。
地域でのターゲティングは「市区群」単位となり、細かいターゲティングが可能です。
1-1.Yahoo! JAPAN エリアターゲティング ブランドパネルの概要
広告メニューの概要は以下となります。
広告仕様 | ■WEB
スマートブランドパネル ■アプリ スマートブランドパネル(Yahoo! JAPANアプリ) |
掲載場所 | ■WEB
iPhone、Androidに最適化されたYahoo! JAPANのトップページ ※一部対象外のページがあります。 ■アプリ Yahoo! JAPANアプリのトップページ ※一部対象外のページがあります。 |
デバイス | スマートフォン |
ターゲット | Wi-Fi接続時のIPアドレスによって、地域を判別します。
またYahoo! JAPAN IDでログインしているユーザーは、 登録情報の郵便番号をもとに居住地域を判別します (IDでログインしている場合でもIPアドレスによって判別される場合もあります)。 |
掲載期間 | 5日間~1か月間を自由設定(平日掲載開始)
※掲載開始・掲載終了時間は、ユーザーがアプリを起動したまま その時刻を跨ぐなど、ユーザー挙動により多少前後する可能性があります。 |
掲載タイプ | インプレッション保証型 |
料金 | 1.3円/インプレッション
※購入可能エリア、各料金は後述 ※購入可能なインプレッションが最低購入金額に満たない場合は、 最低購入金額で残在庫買いきりが可能です。 インプレッション保証配信数が未達成の場合は補填対象外となります。 ※市区郡合併などでエリアが変更・廃止になる場合があります。 |
参考:「スマートフォン版Yahoo! JAPANエリアターゲティングブランドパネル(市区郡)」ヤフー株式会社
1-2.エリアごとの料金表
エリアターゲティングブランドパネルには、地域ごとに3つの料金体系があります。
その対照表は、下記の通りです。
・市区郡50万円のエリア
東京23区、横浜市、さいたま市、千葉市、大阪市、神戸市、名古屋市、福岡市
・市区郡30万円のエリア
八王子市、町田市、府中市、小平市、調布市、西東京市、三鷹市、日野市、武蔵野市、立川市、多摩市、川崎市、相模原市、所沢市、川口市、市川市、船橋市、堺市、岡崎市、豊田市、春日井市、北九州市、札幌市、仙台市、新潟市、宇都宮市、金沢市、岐阜市、浜松市、静岡市、京都市、岡山市、広島市、熊本市
・市区郡10万円のエリア
上記以外のエリア
※上記は“最低購入金額”であり、それ以上のインプレッションを一度に購入することも可能
人工の多い地域ほど、最低購入金額が上がっていく点を押さえておきましょう。
東京23区の場合、区を1エリアとしてカウントするため、かなり局所的なターゲティングになる上、エリアを追加するほど料金も追加される点に注意しましょう。
仮に「23区をブラパネで押さえたい」という希望があった場合、かかる費用は50万円×23区で1150万円となり、通常の「ブランドパネル スクエア」の倍以上になってしまいます。
つまり、インプレッションの単価としては「エリアターゲティング」はかなり割高です。
「エリアターゲティング ブランドパネル」を選択するときのポイントは「局所的に押さえたい地域の認知を得たい」かどうかです。
もしターゲット地域が1つや2つほどであった場合は十分利用する価値があります。
2.エリアターゲティング ブランドパネルの注意点
エリアターゲティング ブランドパネルはいわゆる「YDN」の広告メニューではありません。
多少イレギュラーな対応が発生するため、以下の事項に気をつけましょう。
2-1.クリエイティブは検証すべき
Yahooのブランドパネルは料金体系がYDNとは異なり、掲載期間も短いですが、れっきとしたディスプレイ広告です。
複数のバナーを作成し、どちらがクリック率やコンバージョン率が高いかを検証し、期間内のパフォーマンス向上や、次回プロモーションのためのデータを蓄積するために複数のバナーを作成するべきでしょう。
2-2.コンバージョン計測は外部ツールで
エリアターゲティング ブランドパネルはYDNのメニューではなく、「Yahoo!プレミアム広告」のメニューの一つです。
よって、管理画面がYDNとは別に存在するのですが、この管理画面、なんと、コンバージョンが計測できません……
なので、例えばGoogleアナリティクス用のパラメータをURLにセットし、外部のツールで計測するなどの一手間が必要です。
このプロセスを無視すると、コンバージョン計測ができず、成果の良し悪しが全く分からなくなってしまうため、気をつけましょう。
3.エリアターゲティング ブランドパネルの活用事例
エリアターゲティング ブランドパネルの活用事例として、高所得者・富裕層を狙うターゲティングを行いました。
商材は「投資用の不動産物件」で、セミナー・個人面談をフックに集客をしています。
元々のCPAが高いため、コンバージョン1件の重みが大きい領域です。
また単純なCPAのみならず、ローンの審査に通過しやすい(=成約率の高い)「高所得者層」を狙う必要があります。
その上で、「港区」や「新宿区」といった地価の高い地域に住んでいるユーザーを狙うのが効果的と想定し、エリアターゲティング ブランドパネルを実施しました。
その1週間の配信結果を、当月のYDNの成果と比較してみました。
1)クリック・クリック率
意外にも、詳細にターゲティングを行っているYDNメニューよりも、エリアのみでセグメントを切ったエリアブラパネの方が4倍以上も高いクリック率を記録しました。
広告枠の信頼度の高さが、高いクリック率に結びついていると考えられます。
2)コンバージョン・コンバージョン率
クリック後のコンバージョン率も高く、YDN以上のコンバージョン数を獲得することが出来ました。
エリアターゲティングの性質と選定地域、商材特性とが上手くマッチした事例でした。
4.最後に
今回は、全国配信のメニューに比べて安価にスタートできる「エリアターゲティング ブランドパネル」について解説しました。
とはいえ配信期間は1週間目安と短期間の勝負になるので、使い所はよく考えた上で活用しましょう。
「エリアターゲティング ブランドパネル」に興味のある方は、インフィニティエージェントまでお気軽にお問い合わせください。