TikTokリード広告は、ショート動画をもとにアプローチすることができるため、テキストや画像よりもリード獲得につながりやすいとして注目されています。
今回は、TikTokリード広告の基本的な概要からメリット、効果的な活用方法などについてポイントを中心に紹介していきます。
TikTokリード広告とは?
そもそもTikTokリード広告とは、2021年5月にTikTokから提供された新しい広告手法のことを指します。
TikTok for Business内で展開できるTikTokのインフィード広告の一つで、インスタントフォームを活用することで、効率的にリード獲得に繋げることが可能です。
画像引用:アップデートした「TikTok リード広告 」で新たな価値提供へ:始めやすさを強みにB to B商材への提案広げる
TikTokリード広告の特徴は、TikTok内でユーザー情報を取得できる点にあります。
一般的なWeb広告では、広告からの遷移先として自社サイトやLPを用意する必要があります。
コンバージョンに直結する情報であればまだしも、一度媒体から離脱することはユーザーにとってストレスを感じるため、離脱率が高まる傾向にあります。
これに対してTikTokリード広告ではTikTok内で完結し、別ページに遷移させる必要が無いため、ユーザビリティを向上させ、効率的にリード獲得に繋げることが可能です。
TikTokリード広告で表示された内容に興味があれば、そのままTikTok内で表示されるフォームに名前や住所、メールアドレスなどを入力するだけで情報取集を行うことができます。
これによって広告主側は、専用ページを設けなくともTikTok内でリード獲得に繋げることが可能になります。
TikTokリード広告のメリット
次に、TikTokリード広告のメリットについて紹介していきます。広告主側とユーザー側のそれぞれにあります。
(1)広告主側のメリット
広告主側のメリットとしては以下の2点があげられます。
①コンバージョン率の向上
一般的にユーザーは、媒体上で興味を示した後、対象ページに遷移し、そこから必要な情報を収集するためにはフォームに移動して必要情報を入力しなければなりません。
情報収集までのプロセスが長くなれば、当然ながら途中で離脱するユーザーも増え、コンバージョン率は下がってしまいます。
これに対してTikTokリード広告であれば、TikTok内のインスタントフォームを活用することで離脱率を防ぎ、効率的にコンバージョンに繋げることが可能になります。
②ランディングページがいらない
また、TikTok内でコンバージョン獲得までを完結できるということは、自社サイトやLPを用意する必要がないということにもなります。
広告運用のPDCAサイクルを回す上で、LPの最適化やフォームの見直しなどといった工程も存在しますが、TikTokリード広告であれば必要ありません。
一般的にLPの制作には10万円から30万円程度が必要になり、訴求対象となるキャンペーンが増えれば制作コストも多く発生します。
このような制作コストを削減できる点も、TikTokリード広告の魅力の一つです。
③メッセージデザインのカスタマイズ
TikTokリード広告では、訴求用のメッセージデザインを簡単にカスタマイズすることが可能です。
リード獲得に繋げるためには、ユーザーに応じたフォーム設定や関連性を高めたアプローチが必要になります。
TikTok for Business上で簡単に設定できるため、効率的に運用していくことが可能です。
(2)ユーザー側のメリット
ユーザー側のメリットとしては以下の2点があげられます。
①TikTokアプリから離脱しなくとも情報収集できる
遷移先のLPで得た情報が求めていたものと違った場合には、元の媒体に戻ろうと離脱するケースが多くあります。
これに対してTikTokリード広告であれば、TikTok内で完結されているため、いちいち媒体を行き来しなくともTikTok上で情報収集することが可能です。
結果、自然とコンバージョン獲得に繋がる可能性も高まります。
②フォーム入力の簡易性
また、ユーザーにとってフォーム入力の簡易化もメリットとして挙げられます。媒体の行き来とともに、フォームの入力も離脱する用意の一つにあります。
入力項目が多くなればなるほど入力することが億劫になり、離脱するケースが高まります。
一方で、TikTokリード広告であれば、ユーザーがあらかじめTikTokのプロフィールに設定している情報を、フォーム内に自動で入力させることも可能です。
入力の手間が簡略化できれば、自然とコンバージョンに繋がる可能性も高まります。
TikTokリード広告にて獲得した情報の取り扱い
TikTokリード広告では、自社サイトやLPに遷移させずにTikTok内で完結できるため、リード獲得したユーザー情報はTikTok内に集約されます。
ユーザー側にはTikTokから情報収集している旨のプライバシー通知が表示されますが、通知にはTikTokのプライバシーポリシーと広告主のプライバシーポリシーの両方がリンクされているため、個人情報は適切に処理されます。
この個人情報には広告主のみがアクセスすることができるため、取得した情報は十分注意して取り扱いましょう。
TikTokリード広告の設定・配信方法
続いて、TikTokリード広告の設定・配信方法について紹介していきます。
TikTokリード広告は、インフィード広告の一つであるため、TikTok広告マネージャーにアクセスし、広告タブからキャンペーンや広告セット、広告の順に設定していく必要があります。
具体的な手順については以下となります。
(1)キャンペーンの設定
①広告タブから広告目的として「リード生成」を選択
②キャンペーン階層の選択を行い、「続行」をクリック
(2)広告セットの設定
広告セットを設定する際には、いくつか注意点が存在します。
運用をスタートする前に、以下の点は自社の目的やターゲットをふまえ考慮しておく必要があります。
①プレースメント
現時点でTikTokリード広告はTikTok内のみに配信可能となります。
そのため、プレースメントではデフォルトでTikTokが表示されます。
②ターゲティング対象
こちらも現時点では18歳以上が対象となります。
18歳未満のオーディエンスはターゲティング設定できないため注意が必要です。
③入札と最適化
TikTokリード広告の最適化の目標は「見込み客の獲得」に設定され、入札戦略は最大価格入札、入札額は見込み客あたりの単価、課金イベントは最適化インプレッション課金型(oCPM)になります。
(3)広告の設定
広告セットを設定したら、最後に広告を作成していきます。
リード生成の目的においては、広告にはシングル動画、広告の詳細、インスタントフォームが含まれます。
①「広告名」の入力
②「ファイルをアップロード」、「ライブラリから選択」、または「作成」のいずれかをクリックしてメディアを追加
③「表示名」や「テキスト」、「誘導アクション」、「プロフィール画像」などの広告の詳細を入力
④「インスタントフォームモジュール」から広告の誘導アクションにリンクする「インスタントフォーム」を選択
※なお、新規にフォームを作成するには「作成」をクリックします。
また、既存のフォームを再利用または更新するにはフォームの上にカーソルを置いて「コピー」をクリックします。
⑤完了済みのフォームを確定するには、フォームの上にカーソルを置いて「編集」をクリック
⑥サードパーティーの「トラッキングリンク」を追加
⑦「送信」をクリックして広告とフォームを公開
TikTokリード広告の活用方法
TikTokリード広告では、BtoBやBtoCどちらのケースであっても効果が期待できます。
①BtoBの場合
BtoBの場合には、インスタントフォームを活用して必要情報を入力させ、ホワイトペーパーのダウンロードを促すことでリード獲得に繋げることが可能です。
会社名や担当者名、住所、電話番号、メールアドレスといった必須項目とあわせ、役職や悩み、ニーズなどをフォーム項目として追加することで、リードの質を高めることも可能ですが、あまり必須項目を増やすと離脱の原因に繋がる可能性も高まります。
自社の目的や戦略とあわせ活用していくと効果的です。
②BtoCの場合
TikTokリード広告のインスタントフォームは、アンケートとしても活用することが可能です。
この特性を活かして自社の商材やサービスに関連したアンケートを行うことで、個人情報だけでなくユーザーニーズもあわせリードとして獲得することができます。
また、BtoCの場合にはサンプルや試供品といった特典とあわせ展開することで、効率的にリード獲得に繋げることも期待できます。
TikTokリード広告を実施する上での注意点
続いて、TikTokリード広告を実施する上での注意点について紹介していきます。
効率的にリード獲得に繋げることができるTikTokリード広告ですが、以下の点は事前に考慮しておくと効果的です。
①ターゲティング設定できるユーザーは18歳以上
TikTokリード広告では、18歳以上にのみターゲティング設定することができます。若年層が多い印象のTikTokですが、最近では30歳以上の層も増加傾向にあります。
②獲得したリードの保存期間は90日間
TikTokリード広告で獲得したリードは、90日間を過ぎると自動で削除されてしまいます。
エクスポートして保存することは可能ですが、半年や1年のように長期に渡ってTikTok内で保存することはできないため、取り扱いには注意しておく必要があります。
リード広告を利用できる他の媒体
このリード獲得にはTikTok以外にも様々な媒体でも可能です。
①Facebook広告・Instagram広告
Facebook広告やInstagram広告は、SNS広告の中でも多くの企業がリード獲得目的で活用しています。
特にFacebookやInstagramでは、定型の質問を活用することで、あらかじめユーザーが設定したプロフィールをフォーム上に自動で入力させることができるため、TikTokリード広告と同様に展開させることが可能です。
②Google広告
Google広告でも、リードフォーム表示オプションというリード獲得を目的とした広告訴求が可能です。
リスティング広告などのアカウントがあれば、広告表示オプションの設定をするだけですぐに配信できます。
このリード表示オプションを活用することで、ユーザーが広告をクリックするとフォームが立ち上がり、Googleアカウントをもとにメールアドレスや電話番号などが自動で入力されるようになります。
まとめ
リード獲得は、マーケティングやプロモーション施策において第一に検討すべき戦略といえます。
一般的なLPへの遷移を簡略化し、TikTok内でフォーム入力させることで離脱率を下げ、効率的なリード獲得に繋げることが可能です。
今回紹介した内容も参考に、自社の目的やターゲットをふまえTikTokリード広告を効果的に活用していきましょう。