マーケティングの手法にオウンドメディアマーケティングというものがあります。
企業が運営・保有するオウンドメディアを活用したマーケティング手法ですが、今回はその重要性やメリット、成功のためのポイント、成功事例などを紹介します。
Web広告には限界もあるので、オウンドメディアマーケティングの価値はますます高まっていますから、ぜひ導入してみてください。
オウンドメディアマーケティングとは?
オウンドメディアマーケティングとはオウンドメディアを活用したマーケティングですが、オウンドメディアは自社が保有・運営するメディアのことです。
自社メディアを通してユーザーに有益な情報を伝え、コミュニケーションを図り、売上の増加に繋げていきます。
オウンドメディアマーケティングはなぜ重要か?
オウンドメディアマーケティングは重要なマーケティング手法ですが、その理由を考えてみましょう。
企業の資産になる
オウンドメディアマーケティングを継続して行っていくと、記事やデータが徐々に蓄積され、それが企業の資産になります。
顧客に対してどのような施策を打てば売上増加につながるかのデータも得られ、次回以降のマーケティングに活かせるようになるでしょう。
Web広告には限界がある
Web広告を打って、顧客獲得、売上増加を目指すという方法もありますが、最近はWeb広告の量が増えました。
Web広告の数があまりに多いため、ユーザーも1つ1つの広告に反応しないようになるだけでなく、ネガティブなイメージさえ持つようになっています。
そのため、Web広告出稿の効果を上げにくくなり、顧客獲得数も頭打ち状態になっています。Web広告に限界が生じつつあるということです。
そのような状況でオウンドメディアマーケティングは注目されています。
自社サイトを活発化させることで、Web広告では獲得できない顧客獲得を目指せるほか、SEO対策などもできます。
オウンドメディアマーケティングのメリット
オウンドメディアマーケティングにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
コンテンツを調整できる
オウンドメディアは自社が運営しているので、コンテンツの調整がしやすいです。
ユーザーにアピールしやすいコンテンツを自由に作成でき、マーケティングの効果を上げることができます
広告費を削減できる
オウンドメディアを構築するまでは手間がかかりますが、一度構築すれば広告費などを掛けずにユーザーに働きかけることができます。
広告は顧客獲得の有効な手段ではあるものの、コストが大きくなるのが問題です。広告費だけで、予算を大きく食う場面もあるでしょう。
その点、オウンドメディアでの訴求には広告費は必要ありません。
細かい顧客データの蓄積・分析ができる
オウンドメディアマーケティングを行うことで、顧客データの蓄積・分析ができるようになります。
オウンドメディアを通じ問い合わせをした顧客、商品を購入した顧客などのデータも集まり、今後のマーケティング施策に活用することができます。
顧客との関係を深められる
Web広告と違って、オウンドメディアでは顧客との関係を深められます。
顧客に有益な情報を提供できれば、顧客のオウンドメディアに対する評価も高まり、さらに利用してみようという気持ちにもなるでしょう。
記事を執筆した人の写真やプロフィールを掲載すれば、顧客はその人に対して親近感を覚えるかもしれません。
コメント欄で質問に答えるようにしておけば、顧客と企業の距離も縮まります。
このように顧客と企業の関係を強化するという点で、オウンドメディアは有効な手段です。
ライバル企業と差別化できる
優れたコンテンツのオウンドメディアを展開できれば、ライバル企業との差別化を図れます。
ライバル企業のサイトにない有益な情報を顧客に伝えられれば、利用意欲も高まるでしょう。
この企業のメディアはいい、信頼できるとなれば、売上増加にもつながります。
オウンドメディアマーケティングを成功させるポイント
オウンドメディアの構築・運営においてどのようにすれば成功するのか、そのためのポイントを紹介しましょう。
目的とコンセプトを明確にする
オウンドメディアマーケティングを行うにあたって、目的とコンセプトを明確にしておきましょう。
まず目的としては、次のようなものが考えられるでしょう。
・ECサイトの売上を伸ばす
・見込み顧客との接点を深める
・自社商品やサービスの認知度を上げて、評価してもらう
コンセプトでは、次のような点を明らかにしましょう。
・オウンドメディアの顧客にもたらすメリット
・オウンドメディアを通じた顧客と企業の関係
有益で豊富なコンテンツを制作する
オウンドメディアマーケティングが成功するかどうかの鍵を握るのがコンテンツです。
顧客に有益なコンテンツを豊富に制作しないといけません。
コンテンツ制作のポイントは、実用的かどうか、新たな発見があるかどうかなどです。
顧客にとって役立つコンテンツを定期的に配信していくことで、購読率の向上やブランドイメージの向上につながり、その結果、成果につながりやすくなります。
SNSやメルマガと連携する
オウンドメディアマーケティングの効果を上げようと思ったら、SNSやメルマガとの連携もおすすめです。
例えば、X(旧Twitter)アカウントを作成して、フォロワーを獲得しておけば、オウンドメディアの更新情報をフォロワーに届け、拡散してもらうこともできるでしょう。
メルマガとの連携では、適切なタイミングで情報発信やセールスができます。
KGI・KPIを設定する
KGIは最終目標、KPIは中間的な数値指標のことです。
オウンドメディアマーケティングを行うときは、KGI・KPIの両方を設定してみましょう。
KGIの設定例としては見込み顧客の獲得数、KPIの設定例としてはクリックユーザー数などがあります。
いずれにしろ、オウンドメディアマーケティングの成果を具体的に表してくれる数値です。
定期的に分析・改善をする
オウンドメディアマーケティングを成功させるために欠かせないのが定期的な分析と改善です。
オウンドメディアはいったん構築したら、それで終わりではありません。
どのような効果が上がっているのか分析し、その分析結果を元に改良していくことでさらに効果が高まります。
効果分析の方法としては、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのサイト分析ツールを使うのがいいでしょう。
オウンドメディアマーケティングの注意点
オウンドメディアマーケティングを行うに当たっての注意点をまとめました。
成果が出るまで時間がかかる
オウンドメディアマーケティングは始めたらすぐに成果が出るというものではありません。
早くても3ヶ月は運用しないと、軌道に乗りません。1年以上かかることもあります。
そのため、即効性を求めて、オウンドメディアマーケティングを始めても思うようにいきません。
即効性がないと社内の理解が得られなくなる恐れもあるので、時間がかかることを周知したうえで、運用を継続しましょう。
運用の手間がかかる
オウンドメディアマーケティングは開始してからが勝負です。
いかにオウンドメディアを運用していくかが課題になるのですが、そのためには手間もかかります。
コンテンツの更新も定期的に行わなければならないし、メンテナンスの必要もあります。
そのための態勢を整えておかないといけません。
リソースが必要
オウンドメディアマーケティングを行うリソースも必要です。
人、モノ、金。情報などのリソースが確保できないと、オウンドメディアの運営ができません。
自社内で確保できない場合は、外注も視野に入れてください。
オウンドメディアマーケティングの成功事例
オウンドメディアマーケティングで成功した企業の例があるので、紹介しましょう。
株式会社クラシコムの場合
画像引用:北欧、暮らしの道具店
株式会社クラシコムのオウンドメディアが「北欧、暮らしの道具店」です。
同社は他のECモールへの出店はやめて、オウンドメディアによるEC事業に専念しています。
コンテンツは暮らしを豊かにする読み物が中心となっています。
スタッフの愛用品や着用レビュー、料理レシピやエッセイ、悩み相談などを掲載しています。
充実したコンテンツでマーケティングした結果、コアなファンを多数獲得し、指名検索数も増えました。
サイボウズ株式会社の場合
画像引用:サイボウズ式
サイボウズ株式会社が運用するオウンドメディアが「サイボウズ式」です。
「新しい価値を生み出すチームのメディア」として、「人気の読み物」「カイシャ・組織」「働き方・生き方」「家族と仕事」などのテーマで、コラムや漫画形式の記事、インタビュー記事を配信しています。
「サイボウズ式」は日々働き方や仕事の意義について考えている方にはよく読まれています。
記事・コンテンツ数は順調に増え、購読者も増加しています。
流入数も高くなり、オウンドメディアマーケティングが成功しています。
ライオン株式会社の場合
画像引用:Lidea
ライオン株式会社が運営するオウンドメディアが「Lidea」です。
特徴は自社製品にこだわらないコンテンツを多く配信していることです。
コンテンツには、生活に役立つ情報やユーザーの悩みを解決する情報、暮らしの楽しさを得られる情報などが含まれます。
記事はちょっとしたスキマ時間にも読みやすく、感性や好奇心をくすぐるものです。
このようなコンテンツが好評を博し、人気のオウンドメディアになりました。
まとめ
今回は、オウンドメディアマーケティングについて説明しました。
Web広告の限界が見える中にあって、オウンドメディアマーケティングの重要性が増しています。オウンドメディアだからこそのメリットもあり、他のマーケティング手法でできないことも実現します。
皆さん方の企業でも、可能ならオウンドメディアを立ち上げて、効果的なマーケティング活動をしてみてください。