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ディズニーのマーケティング戦略について

更新日:2023年12月11日

ディズニーのマーケティング戦略について

※この記事は2023年12月11日に更新されたものです。内容が古い可能性があります。

ディズニーはオリエンタルランドが運営する遊園地です。

その運営には、マーケティングで重要となる要素がいくつも存在します。

この記事は、ディズニーのマーケティング戦略について解説するものです。

ディズニーの経営戦略のポイント

画像引用:東京ディズニーリゾート

ここでは、ディズニーの経営戦略のポイントについて解説していきます。

非日常空間を作り込む

ディズニーは「夢の魔法の王国」をコンセプトとして、建築物を設計しています。

そのため、入園してすぐに、アメリカの古い建物を感じさせる町並みを実感することができます。
それは、入園者に映画の世界に入ったと錯覚させる効果があります。

目に見える建物だけでなく、 音楽や効果音など、五感で感じる演出が作り込まれています。
その結果、ゲスト(観客)は、映画を観ているのではなく、映画の中に参加することができます。

このような「非日常の空間」が、映画を観るよりも、心に深く印象付ける効果を発揮しています。

この非日常の空間作りが、購買や行動意欲に直結していると言えるでしょう。

グッズや飲食で利益拡大

ディズニーの経営戦略として、「遊んで、食べて、買う」というテーマパークの基本が徹底されていることも特徴の一つです。

また、ディズニーに隣接しているホテルでは、ディズニーの世界観をそのままに、リゾートや食事を楽しめる役割を担っています。

ホテルや外食施設も、パークに盛り込むことで、収益を最大化することに貢献しています。

人材育成へ注力

キャスト(従業員)の神対応がときどき話題になるディズニーの接客術。
これは、ディズニーランドを運営するオリエンタルランドが人材育成に力を入れている証拠です。

アルバイトを含め、キャストは、ディズニーの基本理念や身だしなみ、言葉遣いをオリエンテーションで1日半かけて教わり、その後配属部署で3〜4日間程度の研修を経て、ようやくゲストの前にでることができます。

「ディズニーのあらゆるものがショーである」という考えを徹底して教えこまえれ、裏方も表舞台に立たせることで、従業員たちは率先して、自分の役割を果たそうとします。

パーク入園から、退園までの間、ゲストに良い印象をもってもらい、「また来たい」と思わせるようなおもてなしを徹底していることが読み取れます。

他社・他者によるプロモーション戦略

費用をかけずに、ゲストや他社を介したプロモーション戦略を実施しているのも、ディズニーの経営戦略の一つです

パーク内でグッズを買ったゲストが、他のゲストにその魅力を伝えてくれます。

また、パーク外でも、思い出話やお土産でさまざまなお客様候補に、自然とプロモーション活動をしてくれる仕組みができあがっています。

顧客は、日常生活の中で、ディズニーグッズを見かけるたびに、ディズニーでの思い出が想起され、また来たいと思うようになるようです。

つまり、ディズニーはコストをかけずに至る所で、プロモーション戦略を行うことに成功した企業といえるでしょう。

ディズニーの4P分析について

ここでは、ディズニーの戦略で重要となる4P分析について解説します。

4Pとは

4P分析の4Pとは、4つのPを意味します。

その4つのPとは以下の通りです。

Product(商品)

まずはProductです。その商品にどのようなニーズや機能が求められているかを明確にするカテゴリーです。

消費者に求められているニーズや機能が何かを明確化することで、ニーズや要求されている品質に沿った、商品開発や企画を作成することができます。

消費者目線のニーズに沿った製品やサービスの開発は、品質はもちろんのこと、デザインや外装のパッケージ、色、アフターサービスなど、あらゆる面で商品の強みを生み出さなければなりません。

また、消費者目線で自社を顧みることで、競合他社と差別化できている点も明確にすることができます。

Price(価格)

次にあげられるPは、Priceです。つまり、価格設定をどうするかということです。

販売価格においては、「その商品の価値にあった価格」、「顧客が購入しやすい価格」など一口に価格を決めると言っても、さまざまな視点で決定されなければなりません。

本来、製品やサービスには適正価格というものが存在しません。

他社製品との比較で、より魅力的だと思えば、価格を上げたり、あるいは、商品の魅力が他社に劣っていると考えるならば、価格を下げる必要もあるでしょう。

何より、利益が出る価格でなければ、製品を市場に流通させる意味がありません。

Place(流通)

次のPは、Placeです。意訳すると流通のことを意味します。

ターゲット層に確実に商品を届けるには、適正な流通経路と販売場所を確保する必要があります。

販売場所、流通経路に関しては、現在、コンビニやスーパー、デパートはもちろんのこと、インターネット上のショップなどさまざまな媒体があります。

そのため、より一層、ターゲットにどうやったら適正に商品が届くのかを模索する必要があるでしょう。

どこで、どのように販売するかで、商品に対するイメージも変わってくることもあります。

Promotion(販売促進)

最後のPはPromotionです。つまり、販売促進をどう行うかということです。

どんなに素晴らしい商品でも、それをターゲットに認知してもらわなければ、意味がありません。

どのように販売促進をすれば、多くのターゲットに届くのかを分析する必要があるでしょう。

販売促進には、テレビCMの他にも、SNS広告やインフルエンサーを使った宣伝といった方法があり、多岐にわたります。

商品を届けたいターゲットがよく目にするものを検討しながら、分析するのが良いと思われます。

4P分析の目的

4P分析とは、「何を」、「いくらで」、「どこで」、「どのようにして」商品を販売するのかを決定するための手法です。

その分析によって、自社の商品の強みやメリットを再確認し、競合他社との差別化を図る効果も期待できます。

4P分析は、自社の商品が時代やニーズに合っているかを浮き彫りにさせることができるマーケティング手法です。

そのため、分析結果をどう受け止めるか、客観的に結果を受け入れる姿勢を維持する必要があります。

4P分析で重要なこと

4P分析で、4項目毎に検討していくと、どうしても「安さ、効率の良さ、お得さ」に傾いてしまいます。

しかし、本当に重要なことは、中核となる価値をいかにしてターゲットに送り届けるかということです。

短絡的に、「安さ、効率の良さ、お得さ」にしがみつかないようにしましょう。

4P分析から見るディズニー

では4P分析からディズニーを観察すると、どうなるのでしょうか。

まずはProductとなる商品です。
これは、ディズニーのパーク内で得られるショーや世界観といった体験を指すでしょう。

次に、Priceです。
都度、支払うことのない、1チケット制です。1回のチケットを購入するだけで、アトラクションやショーといった非日常を味わうことができます。

次にPlace、つまり場所です。
ディズニーの場合は、都心から近く、かつ非日常を味わうことができるように、日常から切り離された場所を確保しています。

最後に、Promotionです。
これは、クリスマスやハロウィーン、学生の思い出作りの体験機会を与えることで成功しています。

ディズニーの強み

ディズニーの最も大きな強みはそのブランド力です。

そのブランド力を支えているのは、完璧に作り込まれた世界観と、他社には真似出来ない「ホスピタリティ」です。

その甲斐もあって、ディズニーは無類の人気を誇り、コロナ禍までは、安定した黒字を上げていました。

ディズニー弱み

逆にディズニーの弱みは、そのブランド力を掲げた経営戦略にあります。

万が一、ディズニー内で事故や不祥事が発生した場合、一気に経営が傾くことが考えられます。

最悪の場合、アメリカからの企業提携を打ち切られてしまうこともありえます。

ディズニーからの学び

ディズニーから学べることは、何と言ってもそのブランド力です。

ディズニーというブランドが安定したプラスのイメージを保っているおかげで、コロナ禍に遭遇し、競合他社が業績低迷を呈している中、ディズニーはV字回復を果たしています。

コロナ禍で景気が悪く、個人消費が抑えられる中、1年で18%、2年で28%もの客単価アップに成功しているのは、他に類を見ません。

組み立てた経営戦略を実行するには

経営戦略を打ち立てても、それを実行できなければ、意味がありません。

そのような事態を避けるため、投資額の見直しや想定利益の勘案の仕方など、細部までを点検する必要があります。

特に変化の激しい現代においては、時代のニーズに即座に対応していくことが求められます。

そのためには、各部署が常に連携を取り、計画の迅速な遂行とその修正を繰り返せる仕組み作りが大切です。

必要であれば、業務効率化ツールを採用することも考えましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここまで、ディズニーの経営戦略について解説してきました。
ディズニーから学べることは、そのブランド力に尽きます。

また、そのブランド力を支えているものは、徹底したパークの作り込みと、ホスピタリティです。

この記事を書いた人

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