Facebook広告のひとつである「リード獲得広告」では、効率的に見込み顧客の獲得を目指せます。ただし、リードを手に入れたあとは、CRMなどを活用して情報管理を行い、次につなげることが大切です。
本記事では、Facebook広告と連携できるCRMのメリットや、実際のツールごとの特徴を紹介していきます。
リード獲得広告と合わせることで得られる利点や、実際に導入すべきツールへの理解が深まるので、リード獲得広告やCRMの活用を検討している人はぜひ参考にしてください。
1.CRMとは
CRMは「 Customer Relationship Management 」の略称で、日本語にすると顧客管理システムのことを指しています。年齢や性別、氏名など、顧客単位での管理ができるだけでなく、セグメントごとに分けたメール配信なども可能です。
時代の変動によって、日本では労働人口の減少や技術の変化が目まぐるしく発生しています。クライアントに関する情報を適切に管理し、営業を効率的に行うにはCRMが必要になるでしょう。
なお、CRMと似たツールで「SFA」と呼ばれるものがありますが、別物なので違いを把握しておいてください。
SFAは顧客との情報を管理することに優れていますが、CRMのようにマーケティングまでサポートする機能は基本的にありません。双方のツールにそれぞれの利点があるので、導入する際は比較して検討することがおすすめです。
2.CRMのメリット
CRMのメリットとしてあげられることは以下の3つです。
- 工数削減につながる
- 情報を効率的に共有できる
- 顧客満足度の向上が見込める
CRMを導入することでどんな利点を得られるのか確認していきましょう。
2−1.工数削減につながる
企業の規模が大きくなるほど、顧客も増えていくため管理が困難になることが予想できます。エクセルやスプレッドシートを活用することも効率的ですが、人為的なミスが発生する可能性も否めません。
また、エクセルやスプレッドシートを使用すると、人によって管理の方法が異なることもあり、上司の手直しが必要になることもあります。
CRMはメンバー全員が同じ項目を埋めることでこれまでの顧客の情報を管理できるため、工数削減に効果的です。
2−2.情報を効率的に共有できる
CRMでは営業の担当者がそれぞれで管理していた情報を一元管理できるため、部署を問わず効率的な共有が可能になります。
情報がリアルタイムで更新されるので、協力体制を作り、行動に移すまでの流れが早くなるでしょう。
インサイドセールスを取り入れ、営業担当者との共有体制を作りたい場合などはCRMがおすすめです。
2−3.顧客満足度の向上が見込める
情報の一元管理によって部署や担当者を問わない共有体制ができると、顧客からの問い合わせにも柔軟に対応できるようになります。担当者に引き継ぐ手間を削減することで、顧客満足度の上昇につながるでしょう。
顧客からの問い合わせは電話やメールなどさまざまですが、企業の利益につなげたい場合は素早いレスポンスを意識することが大切です。
「担当者に聞き次第連絡します」と返答した後、待ち時間で別のサービスに決定されてしまう可能性は0ではないので、利益の取りこぼしをなくしたい場合はCRMが効果的だといえます。
3.CRMのデメリット
CRMのデメリットとして以下の2つが挙げられます。
- 導入に一定のコストが必要
- 社内で定着するまで時間がかかる
CRMはメリットだけでなく、デメリットも存在するので事前に確認しておきましょう。
3−1.導入に一定のコストが必要
CRMの導入時には、初期費用とランニングコストがかかります。
細かい費用は取り入れるツールや会社の規模によっても異なりますが、特に「オンプレミス型」と呼ばれるタイプのCRMは高額になることがあります。
オンプレミス型は、ソフトウェアをサーバーにインストールする必要があるので、システム構築や機器の導入をしなければいけません。
インターネット上でソフトウェアを活用する「クラウド型」であれば、費用を抑えてCRMの導入ができます。
なお、オリジナルのCRMを外注する場合は100万円程度必要になることもあるので、導入するツールは費用面を鑑みて慎重に選びましょう。
3−2.社内で定着するまで時間がかかる
システムが社内で定着して問題なく利用できるようになるには時間がかかります。導入を推進するリーダーの設定や事前告知、実際に利用した際のメリットなどを伝えることが大切です。
また、CRMの定着を素早くしたい場合は、ツール自体のUIも事前に確認することがおすすめです。
無料期間などを活用して何人かの社員に試用運転してもらい、実際に活用しやすいのか見てみましょう。
4.Facebookのリード獲得広告とは
Facebookのリード獲得広告は、見込み顧客の情報を手に入れることに特化した広告メニューです。
Facebookニュースフィードや Instagramフィードなどの場所に広告を掲載し、メールアドレス・電話番号・名前などを獲得することができます。
リード獲得をしたい場合、本来ならば資料請求の体制強化やセミナーの開催などの施策をする必要があります。
インターネットを通して情報の取捨選択をユーザー自身でできる現代では、リード獲得広告のような素早いデータ収集が必要です。
下記の記事にリード獲得広告の仕様や設定方法について更に詳しく説明しているので、こちらも是非参考にしてみて下さい!
5.リード獲得広告のメリット
リード獲得広告のメリットは以下の3つが挙げられます。
- LPなしの集客が可能
- ABテストができる
- ユーザーのストレス軽減
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
5−1.LPなしの集客が可能
基本的に、Web広告ではクリックしたユーザーをLPに遷移させて自社商品の魅力を伝える流れがあります。
しかし、Facebookのリード獲得広告ではLPなしで集客が可能なので、手間や製作費を抑えることが可能です。
LPの制作をするには知識や外注する費用が必要になるので、誰でも気軽に取り入れられるものではありません。
リード獲得広告であれば、取得したメールアドレスや電話番号を活用できるため、企業規模や業種問わず導入できます。
5−2.ABテストができる
広告配信をする際、闇雲に広告を掲載してもクリック数は増えないので、施策から分析を行う必要があるでしょう。
リード獲得広告では、フォームの内容を変更してABテストを簡単に行うことができます。
コンバージョンを高めるためのフォームについて理解できるため、他のマーケティング施策でも獲得した知見を流用可能です。
将来的に、オフラインのアンケート施策やSNS運用をしたい方にもリード獲得広告はおすすめできます。
5−3.ユーザーのストレス軽減
リード獲得広告は、Facebookに登録されている情報が記入された状態になることが特徴です。ユーザーがアクセスした際、わざわざ全ての情報を入れる必要がないので、が少なくなります。
離脱率が低く、ユーザーのモチベーションを下げずに情報収集ができる点が大きなメリットです。
6.リード獲得広告のデメリット
リード獲得広告のデメリットは以下の2つがあります。
- スマホ向けの配信になっている
- リードの質が高くない可能性がある
2つのデメリットについても把握しておきましょう。それぞれ解説します。
6−1.スマホ向けの配信になっている
リード獲得広告はスマホ向けの配信に限られているため、ジャンルによっては成果が見込みづらくなるでしょう。
商材のターゲット層が主に使用しているデバイスを確認してから利用することがおすすめです。
特に、BtoB向け商材などを取り扱っている場合は、ユーザーのメインデバイスがパソコンになる確率が高いので注意してください。
6−2.リードの質が高くない可能性がある
リード獲得広告は、リードの質が保証されているわけではありません。フォーム送信までは完了しても、その後の行動意欲が低い可能性もあります。
質を向上させるにはABテストなどを積極的に行なって広告自体のクオリティ改善を行うことがおすすめです。
7.Facebookのリード獲得広告と連携できるCRM
Facebookのリード獲得広告と連携できるCRMは複数ありますが、例として以下5つが挙げられます。
- Salesforce
- Microsoft Dynamics 365 CRM
- Freshsales
- Zoho CRM
- HubSpot
上記5つをそれぞれ紹介していきます。
7−1.Salesforce
Salesforceは、国内のみならず、世界でも多くの企業に活用されているプラットフォームです。これまでに15万以上の企業で導入された実績があるので、初めてCRMを使う方でも安心して利用できます。
クラウド型のシステムなので手軽に導入ができ、企業規模や業種問わず業務効率化を実現可能です。顧客管理はもちろんのこと、売上予想や商談管理などの機能も搭載されています。
7−2. Microsoft Dynamics 365 CRM
Microsoft Dynamics 365 CRMは、 Microsoft社が提供しているCRMです。Microsoft Dynamics 365 CRMの大きな特徴は、他の関連ツールとの連携がシームレスに可能な点にあります。
ビジネスでよく活用される「Microsoft Outlook」から、タスクやスケジュールなどの情報をMicrosoft Dynamics CRMに反映させられます。
顧客情報の一元管理と日常業務の効率化が魅力です。
7−3. Freshsales
Freshsalesは、マーケティング管理機能とCRM機能を1つにまとめたツールです。Office 365やOutlook、Gmailとの連携が可能で、各ツールを最大限に活用できます。
また、カスタマージャーニーのトラッキングもでき、最新のリードを自動で作成して担当者に割り振ってくれます。
費用が低価格になっており、フリーラプランも存在するので、気になる方は導入してみることがおすすめです。
7−4.Zoho CRM
Zoho CRMは、IT大国であるインドの「Zoho Corporation」によって開発されたCRMです。豊富な機能と低コストが魅力で、世界中に利用者がいます。
Zoho CRMでは「Zia」と呼ばれるAIが搭載されており、アプローチするべき相手や適切な時間帯を示してくれます。
一部機能が制限されますが、モバイルアプリも存在しており、スムーズな営業活動が可能です。
7−5.HubSpot CRM
HubSpotは、特にインバウンドマーケティングの推進に特化したCRMで、無料で利用できます。
メールアドレスや電話番号、指名などの顧客情報の管理、ユーザーのWebサイト上での行動記録などが可能です。
Eメールマーケティング機能が搭載されているので、メールの一斉送信や HTMLメールの作成もできます。
8.Facebook広告とCRMを連携する方法
Facebookの公式サイトによると、連携させる方法は以下の3つがあります。
よく使用されるダイレクト統合したい場合は、以下の手順が必要です。
①Facebookページを開きます。
②インスタントフォームを選択します。
③Lead Ads Forms内のCRM設定をクリックします。
④利用したいCRMシステムの名前を検索バーに入れます。
⑤「ウェブサイトからリンク」の表示が出た場合は、CRMプロバイダーのWebサイトで操作して統合します。
「 Zapier経由」という表示が出た場合は「リンクする」をクリックして Zapierの接続を通してリンクさせます。
参考:リード獲得広告のためのCRMシステム統合について| Metaビジネスヘルプセンター
参考: CRMシステムをFacebookにリンクする|Metaビジネスヘルプセンター
9.リード獲得広告を利用する際のポイント
リード獲得広告を利用する際は、以下2つのポイントを意識しましょう。
- 利用者にとっての利益を伝える
- 質問の数を抑える
それぞれ解説します。
9−1.利用者にとっての利益を伝える
フォーム獲得広告を活用する場合、イントロでフォーム送信によるメリットを伝えることがおすすめです。
特典チケットや資料ダウンロードなど、情報提供によってどんな利点があるのか明確にしておきましょう。
ただフォーム送信を求められても、ユーザーは不信感から離脱してしまう可能性が高いので注意が必要です。
9−2.質問の数を抑える
Facebookアカウントに設定されていない項目は手動で入力するため、面倒に感じて離脱する可能性があります。
質問に答えてもらえるように、重要な項目に的を絞ることが大切です。
情報入力の項目はメールアドレスや電話番号、会社名など、複数挙げられます。どの情報を獲得して次に繋げたいのか事前に策定しておきましょう。
テレアポの強化を目指したい場合は電話番号や会社名・担当者名の獲得を目指すことがおすすめです。
インバウンドセールスに繋げたいのであれば、メールアドレスが必要になるでしょう。
10.まとめ
いかがでしたか?
CRMは顧客管理システムのことであり、導入することで情報の一元化によって効率的な営業活動を実現できます。
なかにはメールマーケティング機能や最新のAIが搭載されているツールもあるので、営業の強化を行いたい場合はメリットが大きいと言えます。
また、リード獲得に特化したFacebook広告である「リード獲得広告」と連携することで、入力の手間をなくして業務の削減に繋げることもできます。
これからリード獲得広告の利用を検討している方は、配信時のポイントも理解して、CRMと連動させることをおすすめします。