主に写真や画像を共有するSNSのInstagramは、若年層や女性を中心に多くのユーザーに活用されています。
近年ではショート動画も投稿・共有できるようになり、日本では現在3,300万人以上のユーザーが利用しているとも言われています。
このInstagramの中には、「ShopNow」というショッピング機能も用意されています。
実際に、「Instagramのショッピング機能って何?」「どう活用すればいいの?」などと悩まれる担当者も少なくありません。
そこで今回は、Instagramのショッピング機能の概要から、活用するメリットや注意点、効果につなげるコツなどについてポイントを中心に紹介していきます。
Instagramのショッピング機能とは?
Instagramのショッピング機能は、Instagramに投稿した画像に対し、商品の名前や価格などをタグ付けして表示させる機能です。
この「商品タグ」を設定することで、興味を持ったユーザーを自然な形で自社の商品詳細ページに遷移させることが可能です。
また、対象となるInstagramのアカウントプロフィールに、「ショップを見る」というボタンを設置することができ、このボタンをクリックさせることで商品タグが付いた自社の商品を一覧で表示させることもできます。
従来であればInstagramはただ単に商品画像を投稿してアピールするのみであったため、ユーザーが商品を購入したい場合には一度Instagramを離れ、Google検索などでアクセスする必要がありました。
各投稿の説明文の中にURLは記載できますが、リンクが設定できないため、利便性の悪さが問題としてもありました。
ただ、このショッピング機能を活用することで、毎回検索し直す必要がなくなり、よりスムーズに商品の詳細を知ることができるため、売上増加や利益拡大につなげることが期待できます。
Instagramのショッピング機能を活用するメリット
次に、Instagramのショッピング機能を活用するメリットについて紹介していきます。
自社でECサイトを運営している場合、Instagramのショッピング機能を有効活用することで、以下のような効果が期待できます。
・ECサイトへの集客数の増加が見込める
・無料で利用可能
・広告出稿も可能
下記で詳しく解説します。
①売上増加や利益拡大に繋がりやすい
Instagramは、SNSの中でも写真や画像といったビジュアルにこだわれる仕様から、若年層や女性ユーザーが多く、且つ1日に何度も訪れる傾向にあります。
このようなユーザーに、自社の商材やサービスの特性を画像や写真を用いて訴求することで、売上増加や利益拡大につなげることが期待できます。
さらに、話題性が高まればフォロワーやイイねなどの評価が増すとともに、ユーザーが自身のInstagram内で自社の商品を紹介してもらえる可能性も高まります。
ショッピング機能にて商品購入の導線はスムーズに設定できるため、魅力的な訴求に注力することで、多くのユーザーに拡散され、売上増加に繋がりやすい特徴があります。
②ECサイトへの集客数の増加が見込める
売上増加や利益拡大とともに、Instagramのショッピング機能を活用することで、ECサイト自体への集客数を増加させることも期待できます。
概要でもふれたように、Instagramのショッピング機能の登場で、SNSとECサイトを結ぶ導線は非常にスムーズになりました。
Instagramから直接ECサイトに遷移できる仕組みは集客効果を高めることにも繋がります。
③無料で利用可能
売上や集客数の増加が期待できるInstagramのショッピング機能は、ECサイトがあれば誰でも無料で活用することが可能です。
後述するようにFacebookとの連携など諸々の手続きや審査は必要となりますが、毎月のコストが発生せずに展開できる点は、ECサイトの運営者のとっては大きな魅力の一つです。
特に、ファッションやコスメなどを展開する企業は、商品単価が安く利益率が低いケースも少なくありません。
このような場合であっても、広告費やシステム費をかけることなく、日々の投稿に注力することで効率的に売上増加につなげることも可能です。
④広告出稿も可能
Instagramのショッピング機能は、そのまま広告として展開させることも可能です。
ショッピング機能を活用し商品タグを埋め込んだ投稿は、一部広告と表記されますが、通常の投稿と同じように表示させることができるため、自然な形でユーザーに訴求することができます。
また、広告出稿できるということは、自社のアカウントをフォローしているユーザー以外にもアプローチすることが可能です。
Instagramを始めたばかりでフォロワーが少ない場合であっても、広告を活用して訴求することで多くのユーザーにリーチするとともに、自社の商品詳細ページに遷移させることも期待できます。
Instagramのショッピング機能を活用する上での注意点
続いて、Instagramのショッピング機能を活用する上での注意点も紹介していきます。
これからショッピング機能を活用する場合には、上記の点は押さえておくと効果的です。
・フォロワーを集める必要がある
・訴求しすぎた投稿は嫌われる可能性もある
詳しく解説していきます。
①運用開始までの初期設定に手間がかかる
Instagramのショッピング機能を活用するためには、Instagramのアカウントの取得はもとより、Facebookの専用アカウントの取得や紐づけなどが必要になります。
この際に、コマースの利用条件としてMeta社による審査もかかります。
一つひとつ取得・依頼・設定を行っていけば問題無く運用開始につなげられますが、細かな設定などはSNSに慣れていないと手間がかかると感じる可能性はあります。
②フォロワーを集める必要がある
Instagramのショッピング機能の活用は無料で出来ますが、無料だからといってすぐに売上増加に繋がるわけではありません。
広告費をかけずに訴求していくのであれば、まずはフォロワーを増やすことから始める必要があります。
一気にフォロワーを集めることはできませんので、毎日何かしら投稿をしたり、アカウントをフォローするなどして、地道に努力していくことが求められます。
③訴求しすぎた投稿は嫌われる可能性もある
Instagramのショッピング機能を活用し、様々な商品タグを設置した投稿内容は、ユーザーに嫌われる可能性もあります。
売上や集客数増加を図る上では、アピールしたくなる気持ちも分かりますが、ユーザー目線に立って設定することが重要です。
また、SNSは拡散性が高いことから、マイナスイメージも一気に広まる可能性があります。市場傾向や競合他社の状況などとあわせ、ユーザー動向を見ながら活用していくと効果的です。
Instagramのショッピング機能の導入手順
次に、Instagramのショッピング機能の導入手順について紹介していきます。
注意点でもふれたように、Instagramのショッピング機能は事前にInstagramを提供するMeta社による「コマースの利用条件」を満たしておく必要があります。
この利用条件については主に以下となります。
・Instagramのショップで販売可能な商品を取り扱っていること
・販売者契約とコマースポリシーを遵守していること
・ビジネスで所有しているウェブサイトドメインで商品を販売する予定であること
これらを満たした上で、具体的なInstagramのショッピング機能を活用するまでの手順は以下となります。
①Facebook公式アカウントの取得
②Instagram公式ビジネスアカウントの取得
③Instagram公式ビジネスアカウントとFacebookページのリンク設定
④自社の商品カタログのアップロード
⑤Meta社によるアカウント内容および商品カタログの審査
⑥ショッピング機能の有効化
⑦商品のタグ付けの実施
⑧指定の商品タグを付けながら投稿
Instagramのショッピング機能を効果的に運用していくコツ
Instagramのショッピング機能は、あくまでInstagramから自社のECサイトに遷移させることを目的とした機能になります。
Instagramのショッピング機能を効果的に運用していくコツについて解説していきます。
・統一した世界観のアカウントを意識する
・ハッシュタグにこだわる
下記で詳しく解説していきます。
①投稿する写真や画像は正方形を意識する
基本的にInstagramは投稿された写真や画像が正方形(スクエア型)で表示されます。
投稿時には比率をかえた長方形などでも可能ですが、一覧などに表示される際には正方形になるため、長方形の画像は上下左右が見切れてしまう可能性が高まります。
ユーザーに訴求する上では、初見で分かりやすい構成でなければ興味を示してもらえません。
そのため、Instagramの仕様をふまえ投稿するサイズには注意すると効果的です。
②統一した世界観のアカウントを意識する
ビジュアルが大事となるInstagramでは、アカウントの世界観を統一することも重要です。
Instagramのショッピング機能を活用して様々な商品を販売する場合、背景色や文字フォントなどのデザインがバラバラであると見づらい印象を与え、売上やECサイトの集客につながらない可能性も高まります。
できる限り見せ方にはこだわりつつも、分かりやすい構成を心掛けると効果的です。
③ハッシュタグにこだわる
自社のInstagramアカウントのフォロワーを集める上で、ハッシュタグは効果的に活用していく必要があります。
Instagramを活用するユーザーは、検索よりも関連するハッシュタグを辿って様々なアカウントを閲覧する傾向にあります。
そのため、メジャーなキーワードはそれだけ競合性も高くなり、ニッチなキーワードは閲覧されない可能性も高まります。
著名人やインスタグラマー、競合他社がどういったハッシュタグを活用しているのか参考にしながら、興味を惹くハッシュタグを活用していくと効果的です。
また、海外でも発送対応しているのであれば、日本語だけでなく英語のハッシュタグを活用することも有効です。
ECサイトだからこその強みを活かし、世界に発信していくことで売上や集客数の増加に繋がる可能性も高まります。
まとめ
Instagramのショッピング機能は、ECサイトを運営しているのであれば是非活用したい機能です。
InstagramからダイレクトにECサイトに遷移させることができるため、売上や集客数の増加につなげることが期待できます。
とはいえ、闇雲に行っても効果には繋がりません。
Instagramのショッピング機能は設定までに審査や手間もかかるため、ポイントを押さえて実施していくことが重要です。
今回紹介した内容も参考に、Instagramを上手く活用し、ECサイトの売上や集客数の増加につなげていきましょう。