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Google広告の入札戦略【目標コンバージョン(tCPA)】って何?概要から注意点まで解説

更新日:2025年06月15日

Google広告の入札戦略【目標コンバージョン(tCPA)】って何?概要から注意点まで解説

Google広告で成果を最大化するためには、
適切な入札戦略の選択が不可欠です。

特に、
「コンバージョン」を重視する広告主にとって、
目標コンバージョン単価(tCPA)は非常に重要な指標となります。

本記事では、
Google広告における目標コンバージョン単価(tCPA)の基本的な仕組みから、
他の入札戦略との違い、活用するメリット、そして運用する際の注意点まで、
広告運用者が知っておくべき情報を詳しく解説します。

tCPAを効果的に活用して、
広告パフォーマンスを向上させるための知識を身につけていきましょう。

1. Google広告の目標コンバージョン単価(tCPA)とは?

目標コンバージョン単価(tCPA:target Cost Per Action)とは、
Google広告において設定した目標コンバージョン単価でコンバージョンを獲得できるように、
自動で入札単価を調整してくれる機能です。

広告の主な目的が
コンバージョン(購入・登録・アプリのダウンロードなど)の獲得である場合、
目標コンバージョン単価を活用することで、予算内でより多くの成果を得ることが可能です。

加えて、
商品の購入を促進するとともに、購入につながるクリックの費用も抑えることができます。

※参考:Google 目標コンバージョン単価制とは 2025年6月閲覧

1-1. 目標コンバージョン単価(tCPA)の仕組み

コンバージョン単価は

「クリック数」÷「コンバージョン率」

で計算できます。

目標コンバージョン単価の入札戦略では、
目標額を上回ったり下回ったりする場合がありますが、
全体としては設定した目標額と同等になるように調整されます。

目標コンバージョン単価では、
過去のキャンペーン情報とオークション時のシグナルに基づいて、
広告が掲載対象となるたびに最適な入札単価が算出されます。

入札で使われるシグナルとは主に下記のようなものがあります。(一部抜粋)

  • デバイス
  • ブラウザの種類
  • 地域
  • 時間帯
  • オーディエンス(リマーケティングなど)

※参考:Google Google 広告のオークションごとの自動入札機能で検索広告 360 の入札戦略を使用する方法について 2025年6月閲覧

これらの情報を分析し、
コンバージョンの可能性が高いユーザーに対しては積極的に入札し、
低いユーザーに対しては控えめな入札を行います。

このような調整により、
全体として設定した目標コンバージョン単価に近づけることができます。

1-2. 目標コンバージョン単価(tCPA)と他の自動入札戦略との違い

Google広告には目標コンバージョン単価以外にも、様々な自動入札戦略が存在します。

入札戦略を選択する際には、それぞれの違いを理解することが重要です。

入札戦略 目的 特徴
目標
コンバージョン
単価(tCPA)
目標コンバージョン単価で
コンバージョンを増やす
指定した目標コンバージョン単価で
コンバージョンを最大限獲得できるように
入札単価が設定される
クリック数
の最大化
サイトアクセスを増やす 予算内でなるべく多くの
クリック数を獲得できるように
入札単価が設定される
目標
インプレッションシェア
視認性を高める Google 検索結果の最上部、上部、
又は任意の場所に広告が表示されるように
入札単価が設定される
目標費用対効果(tROAS) 各コンバージョンの価値が異なる場合に、
目標広告費用対効果
(ROAS)を達成する
指定した目標広告費用対効果で
コンバージョン値を最大化できるように、
入札単価が設定される
コンバージョン数
の最大化
予算全体を使いながら
コンバージョンを増やす
コンバージョン数を重視して
最適化することが可能
コンバージョン値
の最大化
予算全体を使いながら
コンバージョンを増やす
予算を過不足なく消化しつつ
最大限のコンバージョンを得られるよう、
入札単価が設定される

目標コンバージョン単価は、
ポートフォリオ入札戦略として複数のキャンペーンをまとめて管理できるので、
大規模なアカウント運用にも適しています。

※参考:Google 自動入札機能について 2025年6月閲覧

2. 目標コンバージョン単価(tCPA)を活用するメリット

目標コンバージョン単価の活用には、
広告運用者にとって多くのメリットが期待できます。

主なメリットを見ていきましょう。

2-1. CPAを維持しながらコンバージョンを増加させる方法

目標コンバージョン単価の最大のメリットは、
設定したCPA(コンバージョン単価)をもとにコンバージョン数の増加が期待できる点です。

手動で入札額を調整する場合、
すべての要素を考慮して最適な入札額を決定するのは非常に困難です。

目標コンバージョン単価を活用すれば
機械学習によって、デバイス、地域、時間帯、リマーケティングリストなど、
さまざまなシグナルを考慮して、オークションごとに適切な入札単価が設定されます。

※参考:Google 自動入札機能について 2025年6月閲覧

2-2. 広告運用の工数削減と効率化の実現

手動で入札単価を調整する場合、
キーワードやターゲティングごとに最適な入札額を設定し、定期的に見直す必要があります。

特に、
大規模なアカウントでは、この作業に多大な時間が費やされていました。

目標コンバージョン単価を導入することで、以下のような工数削減と効率化が期待できます。

  • 個別のキーワードやターゲティングの入札額調整が不要に
  • リアルタイムで最適な入札が行われる
  • 入札管理から解放され、戦略的な業務に集中できる

2-3. データに基づいた最適な入札額の自動調整

目標コンバージョン単価は、
Googleの膨大なデータと機械学習を活用して入札額を決定します。

高度なAI技術で精緻にデータを分析し、
最適な入札額を導き出すことが可能になります。

これにより、
人間では捉えきれないような微細な傾向や変化にも対応した、
精度の高い入札調整が期待できます。

3. 目標コンバージョン単価(tCPA)活用時の注意点

目標コンバージョン単価は非常に便利な機能ですが、
効果的に活用するためにはいくつかの注意点があります。

3-1. 自動入札戦略の学習期間

自動入札戦略に変更を加えた後、
キャンペーンまたはポートフォリオが新しい目標に向けて調整されるまで
しばらく時間(学習期間)がかかります。

新しい目標に合わせて入札戦略が調整されるまでに、
コンバージョンイベントが50回程度発生するか、
コンバージョンサイクルが3回程度発生することがあります。

ただし、
既存のコンバージョンデータの量が多ければ最初の学習期間が短縮されます。

広告効果の評価を行う前に
キャンペーンの入札戦略ステータスが「学習中」になっていないか確認することが重要です。

※参考:Google キャンペーンの学習期間の長さと、それに影響を与える要因

3-2. 低すぎるCPA設定によるトラフィック量の減少

設定した目標コンバージョン単価が低すぎると、
広告のトラフィック(クリック数やコンバージョン数)が減少する可能性があります。

適切な目標値設定のためのポイントは以下の通りです。

  • 過去のコンバージョン単価の平均値を参考にする
  • 予算とコンバージョン単価のバランスを考慮する

広告主としては低いCPAを実現したいところですが、
あまりにも低い目標設定は配信機会の損失につながることを理解しておきましょう。

※参考:Google 目標コンバージョン単価制のトラフィック量やコンバージョン率の低下に対処する 2025年6月閲覧

3-3. コンバージョン率が低下する可能性

目標コンバージョン単価を設定して間もない期間に、
コンバージョン率が低下する場合があります。

例えば、
目標コンバージョン単価を設定したことで、全体的なコンバージョン率が低くなっても
クリック単価が抑えられてコンバージョン単価が下がる可能性があります。

コンバージョン率が低下したからといって評価を誤らないよう気を付けましょう。

※参考:Google 目標コンバージョン単価制のトラフィック量やコンバージョン率の低下に対処する 2025年6月閲覧

4. まとめ

Google広告の目標コンバージョン単価(tCPA)は、
設定した単価内でコンバージョンを最大化するために効果的な自動入札戦略です。

機械学習を活用してリアルタイムに入札額を調整することで、
広告運用の効率化とパフォーマンス向上を目指します。

目標コンバージョン単価を効果的に活用するためには、
以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 過去の平均コンバージョン単価をもとに目標値を設定する(低すぎないこと)
  • 入札戦略が調整されるまでに学習期間(データの蓄積)が必要
  • 学習期間中のパフォーマンス変動を考慮し、長期的視点で評価する
  • コンバージョン率の低下など一部の指標の変化のみでの評価は避ける

目標コンバージョン単価を適切に設定し、
その特性を理解した上で運用することで、広告効果の最大化を目指しましょう。

この記事を書いた人

大学3年生から内定者インターンを開始し、2020年にインフィニティエージェント新卒3期生として入社。 約5年半の運用者経験を活かし、現在はチーフ職としてマネジメントも行いながら、新規顧客の開拓やメディア編集長に従事。 冷麺が好きで1週間に何度も食べているという偏食な一面も。

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