
今でこそある程度定着した自動入札ですが、
「自動入札は精度が悪い」「過去にCPAが高騰したからやりたくない」
という印象を持っている人も少なくないかもしれません。
手動での入札調整に独自のテクニックが必要であるように、
自動入札のパフォーマンスを引き出すテクニックがあります。
それらを駆使すれば、
自動入札でコンバージョンを今よりも更に増加させることが十分可能です。
自動化が進む広告メニューの中でも、
Google広告の自動入札機能は種類も豊富で学習機能も日々進化しています。
本記事では、
Googleが現在推奨しているスマート自動入札(Automation)について説明していきます。
1. 旧来の自動入札の種類
Google広告には、
大きく分けて2種類の自動入札機能が存在します。
「旧来より機能が存在する自動入札」
「そのバージョンアップ版であるスマート自動入札」
この2つの違いを把握すると、キャンペーンに設定すべき入札戦略を決めやすくなります。
まずは、
旧来の自動入札をご紹介していきます。
1-1. 拡張CPC
拡張CPC(eCPC)は、
GoogleAdWords時代から存在する、比較的歴史の長い自動入札戦略です。
拡張CPCは、
半マニュアル・半自動という仕組みになっていて、
キーワードごとの入札単価は自分で設定します。
その上で、
もっと入札を強化すれば、
より多くのクリックやコンバージョンを得られるとアカウントが判断した場合、
設定した入札単価以上の金額で入札をするというものです。
よって、
最も従来の手動入札に近い自動入札と言えます。
また、
クリック単価の高騰を防ぐために
クリック単価の上限をアカウント内で設定しコントロールすることが可能です。
スマート自動入札を導入する以前から、拡張CPCは推奨されてきましたため、
現在においては手動入札=拡張CPCという認識の方も多いかもしれません。
1-2. クリック数の最大化
クリック数の最大化を設定すると、
設定した日予算の金額内でクリック数を最大化するように
自動で入札されます。
もし、
ターゲットユーザーの数の見込みが少ないと、
少ないクリック数で日予算を使いきろうとするため、
クリック単価が高騰する恐れがあります。
自動入札全般に言えることですが、ターゲティング範囲は絞りすぎず、
クリック数が少なくなりすぎないようにすることがコツです。
とにかくクリックを増やしたい!という場合にはうってつけの入札戦略ですが、
正直、後述するスマート自動入札たちに
取って代わられつつある機能であるように思います。
1-3. 目標表示優位シェア
任意のドメイン名を入力することで、
そのアカウントの広告よりも上位に表示されるように入札を行う機能です。
この入札戦略が効果的なのは、「この企業には絶対に勝ちたい!」と
ベンチマークが明確な場合でしょうか。
この場合、
基本的に高いクリック入札し続けることが多いため、
上位に表示したい割合(手動設定可)にもよりますが、
かなりの費用を要します。
ご要望に応じることは可能ですが、
広告のパフォーマンスを考えると、弊社から積極的にご提案することは稀な入札戦略です。
2. 3Aに基づいたスマート自動入札の種類
前述した3つの自動入札のバージョンアップ版と言える
スマート自動入札について説明します。
2-1. コンバージョン数の最大化
コンバージョンンバージョン数の最大化は、
設定された日予算の中でコンバージョンをたくさん獲得するための入札を行う戦略です。
過去のキャンペーンの配信実績や、オークション状況によって
コンバージョンを最大化できるように自動で入札を行うため、
クリック数の最大化の進化版と言えます。
しかし、
日予算を費消するという優先事項であることは変わらないため、
見込みクリック数が少ない場合、クリック単価が高騰する恐れがあります。
また、弊社の運用実績から、
手動入札(拡張CPC)での運用によってキーワードの追加・除外をある程度行った後に
この戦略を導入することで、成果が安定すると考えます。
2-2. 目標コンバージョン単価(tCPA)
目標コンバージョン単価(tCPA)は、
キャンペーンの目標とするCPAを設定することで、
その目標を達成するように機械学習しながら自動入札を行う戦略です。
導入の推奨条件として、
直近30日以内でコンバージョン15~30件以上というものがあります。
最近のGoogle公式ヘルプでは、
根拠となるコンバージョン数が無くても導入して良いとされていますが、
コンバージョンのデータを機械学習していくので、
弊社としては一定数のCV数を確保しておくのがベターという見解です。
注意点としては、
日予算制限が発生しないよう調節することが挙げられます。
インプレッションシェアの損失が起きると、
機械学習の効率が損なわれるため、CPAが安定しません。
目標コンバージョン単価制を使用したい時は、
手動入札よりも日予算に余裕を持った状態で臨みましょう。
2-3. 目標広告費用対効果(tROAS)
目標広告費用対効果(tROAS)は、
目標コンバージョン単価のROAS版です。
EC系のアカウントであれば導入を検討すべきでしょう。
目標広告費用対効果は、目標コンバージョン単価よりも導入推奨条件が厳しく、
直近30日以内でコンバージョン50件以上があることが最も望ましいとされています。
3. スマート自動入札機能は何を根拠として入札をするのか?
スマート自動入札は、
様々なシグナルを根拠として機械学習しますが、
その詳細はブラックボックス化していて、その仕組みの全体を見ることができません。
現在判明している部分を下記にまとめてみました。
このように、
アカウント内でコントロールできるシグナル以外の判断材料からも
機械学習を行っています。
スマート自動入札を導入する際、
推奨される学習期間を守ることが大切になります。
コンバージョン数と自動入札の最適化までの時間についての判断基準を
下記にまとめましたので、ご参考ください。
機械学習は、
広告の配信量、データ量に応じてその期間が変動します。
判断する母集団が大きければ大きいほど、
機械学習の期間は短いものとなります。
また、
日予算の(±20%以上の)変更を行ったときや広告文やキーワードを大量に追加した場合は、
再学習期間が生じてしまうので、
そのリスクを考えた上で変更を加えることをオススメします。
4. まとめ
いかがでしたか?
Google広告の自動入札機能は随時アップデートされており、
それに対するわたしたち運用者の対応も変化していくのが必然です。
常に最新の情報を理解しながらアカウント最適化に取り組んでいきましょう。
もしキャンペーンの自動化や入札に疑問や不安があれば、お気軽にご相談下さい。
また、
最新情報をチェックしたい方はXのフォロー、Facebookのいいね!もお願いいたします!