Facebook広告を利用していると、消費税がかかる可能性があることを知っていますか?
実はデジタル広告も消費税の対象なのです。また、Facebook広告については、広告費を支払っている消費者が消費税の納付をしなければなりません。
なぜ消費税を消費者側が負担するの?と疑問に思う方もいるかもしれません。本記事では、なぜ消費者が消費税の納付をしなければならないのかと合わせて、Facebook広告にかかる消費税の計算方法までを徹底解説します。
実際にFacebook広告を出している方、今後Facebook広告の掲載を検討されている方は必見です。
1. Facebook広告に消費税をなぜ払わなければならないのか?
Facebook広告に消費税を払わなければならないのは、国境を越えた役務の提供にかかる消費税の課税の見直しが2015年に実施されたことが主因です。具体的には電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準が変更されたのです。
まだ複雑なので、もう少し噛み砕いて説明します。
国境を越えた役務の提供(電気通信利用役務の提供)とは、具体的な例をあげると、インターネットを利用したサービスのことを指します。
海外の会社が日本でサービスを提供していたものについては、かつては消費税がかからなかったのに対し、改定後からは日本で販売したものについては、たとえ海外の会社であったとしても、日本での消費税がかかるようになったということです。
Facebookは元々アメリカの企業であったため、この変更がある前は、日本での税金はかかりませんでした。しかし、電気通信利用役務の判定方法が変わったことにより、会社が海外にある場合であっても日本で儲けた利益に対しては税金がかかるようになりました。
日本で売上を伸ばしている日本企業には税金がかかるのに対して、海外の事業者であるという理由だけで消費税が課税されないのは不公平ですよね。このような背景があり、電気通信利用役務の提供は改定されたのです。
電気通信利用役務の提供の具体例は以下の通りです。
○ インターネット等を通じて、対価を得て行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウエ ア(ゲームなどの様々なアプリケーションを含みます。)の配信
○ 顧客に、クラウド上のソフトウエアやデータベースを利用させるサービス
○ 顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス
○ インターネット等を通じた広告の配信・掲載 ○ インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス(商品の掲 載料金等)
○ インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス
○ インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト(宿泊施設、飲食店等を経営する事業 者から掲載料等を徴するもの)
○ インターネットを介して行う英会話教室
参照:国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について ― 国税庁
Facebook広告は、この電気通信利用役務の提供の具体例に当てはまります。そのため、消費税が発生してしまうのです。
また、本来であれば、消費税は販売者側(ここではFacebook)が納付をすべきものです。
しかし、電気通信利用役務の中でも、特に事業者向け電気通信利用役務(たとえば広告など)については、サービスを受けた国内事業者に納税の義務が生じます。
このため、Facebook広告の掲載者は納税までを行う必要があります。これをリバースチャージ方式と呼びますが、詳細については第3章で詳しく説明します。
2. Facebook広告に消費税を払うのはどんなとき?
Facebook広告に消費税を支払う義務があると前章で説明しましたが、全ての事業者が支払いの義務があるわけではありません。
具体的に、Facebook広告の消費税を支払う義務があるのは、以下2点を満たす事業者です。
②原則課税方式をとっている
①の課税売上割合とは、以下の式で算出されます。
課税売上割合=(課税売上高+免税売上高)/ (課税売上高+免税売上高+非課税売上高)
一般的な企業であれば、課税売上割合は95%を超えるのが一般的ですが、超えない場合には非課税扱いになるため、Facebook広告への消費税はかかりません。
Facebook広告に消費税を支払わなくて済むケースもあるというポイントだけ押さえておくことをおすすめします。
3.リバースチャージ方式とは?
第2章でも説明した通り、基本的にはFacebook広告には消費税がかかります。この消費税については、大部分のFacebook広告利用者が、リバースチャージ方式で税金を納めることになります。
リバースチャージ方式とは、消費者側が消費税の納付を行う仕組みのことを指します。
本来であれば、消費者が消費税を払った後は、その後は販売事業者が納税をするのが一般的です。このため、納税する側が逆になっているという意味で、リバースチャージ方式といわれています。
電気通信利用役務において、リバースチャージ方式をとるのは、サービスを提供する会社が海外に所在している会社です。
たとえば、かつてはGoogleも日本に支社がなかったためリバースチャージ方式をとっていました。
しかし、Google日本法人ができてからは、サービスの提供が国内になったため、リバースチャージ方式ではなくなりました。
このように、サービスを提供する会社が日本に所在があるのかによって納付の仕方は変わってくるため、経理担当者やWebマーケティング従事者は必ずこうした動向について確認が必要です。
また、こうした税金の手続きは、Facebook社は問い合わせをしても詳しくは教えてはくれません。個別の税務については、税理士、税理士法人以外が説明を行うことはできないことが税理士法に明記されているからです。
このため、個別具体例については担当の税理士などに確認をするようにしましょう。
4.リバースチャージ方式の計算方法とは?
Facebook広告を利用した際の消費税の計算方法をわかりやすく説明します。
たとえば、自社の売上が3,000万円でFacebook広告での広告費が100万円だったと仮定しましょう。
①売上+αの消費税を計算する
まずは、自社の売上、Facebook広告の費用を合わせた金額を算出します。その後、消費税率(※)をかけた金額を算出します。
例) (3,000万円+100万円)×10% = 310万円
※2021/07/28現在の消費税率が10%です。
②仕入れの消費税率を算出する
仕入れにかかった消費税を算出します。
例)仮定します
③=①ー②を計算します。
これで支払った消費税と、受け取った消費税の差を計算します。この金額がリバースチャージ方式における納税額になります。
例)310万円ー30万円=280万円
5. Facebook広告の消費税の仕訳方法を紹介
最後にFacebook広告の消費税の仕訳(リバースチャージ方式)について紹介します。たとえば、Facebook広告の広告宣伝費を100,000円支払った場合は以下のようになります。
①税込方式
②税抜方式
税込方式であれば、普通の仕訳と変わりませんが、税抜方式だと支払い消費税と仮受消費税の勘定科目が両建てで立つ形になります。
一般的な支払いでは発生しない消費税の方式ですが、経理担当者などは参考にしてみてください。
6.まとめ
いかがでしたか?
本記事では、なぜ消費者が消費税の納付をしなければならないのかと合わせて、Facebook広告にかかる消費税の計算方法までを徹底解説しました。
本記事で紹介した、リバース方式での計算方法は一般的なものに限っています。このため、実際の計算をする際はあくまでも参考程度に、また担当の税理士が付いていれば、相談することをおすすめします。
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