近年では、ラジオ配信サービスや音楽配信サービスの普及に伴い、高性能なワイヤレスイヤホンや音声聴取デバイスのスマートスピーカーなどを利用するユーザーの広がりも顕著です。
このような音声配信サービスを介しての、新しい流通が始まりつつあり、各企業メディアや個人を問わず、音声コンテンツでの情報発信のニーズは高まっています。
そんな音声広告についてメリットや市場規模、出稿できる音声メディアなどを紹介していきますので、今後の活用にお役立てください。
1.音声広告とは?
音声広告とは、音声を主軸とした広告でインターネットを通して配信されています。
音声広告の種類には以下のような2つがあります。
・対話形式の音声広告
それぞれの特徴について紹介していきます。
デジタル音声広告
デジタル音声広告とは、ラジオや配信サービスの視聴中に配信される音声広告です。主な配信先としてSpotifyやradikoがあります。
メリットは、位置情報を活用してエリアごとにターゲティングしたり、ユーザー情報やデバイスからターゲティングしたりできる点です。
対話形式の音声広告
対話形式の音声広告はまだ構想中の段階ですが、音声アシストを利用した広告です。
たとえばiPhoneのsiriのデバイスで、ユーザーが質問した内容に合わせ、さらに詳しい情報の提案ができる対話形式の広告配信が可能になります。
これができればコンバージョン率の向上は間違いないでしょう。
2.音声広告のメリット
音声広告はWeb広告媒体と違い音声だけのアプローチで、音声ならではのメリットが以下の4つあります。
・高いブランディング効果
・ユーザーが好意的
・耳からの情報は記憶に残りやすい
2-1.広告だけどスキップされにくい
無料の音声メディアの場合には、広告をスキップする機能がないことが多く、ユーザーの耳に最後まで届き、ユーザーもさほど煩わしく感じないことが分かっています。
2-2.高いブランディング効果
音声の特徴として、メッセージを聴覚だけに届けるとユーザーの記憶に残りやすく、購入意欲や情報を得ようとする意欲を高める可能性が2倍以上になるといわれています。この作用を利用してブランドの価値を高められるというわけです。
2-3.ユーザーが好意的
Web広告というと、検索結果画面の右側に表示されるバナー広告や、SNS広告、動画広告などがありますが、自分の興味関心がある関連広告でも目障りに感じることってありますよね。そうするとやはりクリックしないでスルーする、もしくはスキップされやすいです。
しかし音声メディアの広告は視覚に影響がなく耳で聞き流せるので、好意的に音声広告を最後まで聞いてもらえる傾向が、調査でわかっています。
2-4.耳からの情報は記憶に残りやすい
視覚から入る情報よりも、音で耳から入る情報の方が記憶に残る傾向があることも研究で分かっています。目に入る情報は、興味関心を抱くかどうかを一瞬で判断し、興味関心を抱かない場合にはシャッターを下ろしてしまいます。
それに対して、耳から入った情報は一瞬では判断することがでず、しかも時間をかけて人の記憶に残りやすいのです。
3.音声広告の市場規模
では実際に音声広告の市場規模はどのくらいなのかを見ていきたいと思います。
アメリカの市場
米IAB社によると、2016年~2020年の音声広告による広告収入の推移は右肩上がりとなっています。
2017年18億ドル
2018年22億ドル
2019年27億ドル
2020年30億ドル
このように、今後も音声広告の市場規模は拡大していくことが見込まれています。
日本の市場
日本では2019年以降から音声広告を出稿することができるようになり、媒体社によるデジタル音声広告の収益化環境の整備が進み始めました。
そして2020年にはデジタル音声広告市場が前年比の229%で16億円となり、2025年には420億円に達すると予想されています。
画像参考:デジタル音声広告の市場規模は2020年に16億円、2025年には420億円に― Digital InFact
4.音声広告の重要性
スマホやPC操作の苦手な人でも音声操作なら容易に対話形式で使用ができるため、iPhoneのsiriやGoogleの音声アシストなどのようなスマートスピーカーが今後さらに広がりを見せていくことでしょう。
日本の音声広告の市場規模が2025年には420億円と予想さていることからも、音声コンテンツの重要性は高まっているといえます。
5.音声広告の出稿できる音声メディア
音声広告がよく出稿されているメディアを紹介します。
Spotify
Spotifyは、世界最大級の音楽ストリーミングサービスでユーザー数は世界に2億人以上です。Spotifyの音声広告は、無料のユーザーに対して楽曲の間に最大30秒の広告を配信できます。
またSpotifyは、多彩な区分の細やかなターゲティングで音声広告の配信ができます。
radiko
radikoは日本最大級のラジオ配信サービスで無料登録ができます。有料会員になると日本全国のラジオ番組が聞き放題になることや、過去1年間の配信を聴くことができ、ラジオ好きにはとても魅力的なサービスです。
radikoの音声広告は、ユーザーが過去に聴いた番組履歴や位置情報のデータを可視化して管理し、それを活用したradikoオーディオアドを開発しました。これにより、ユーザー1人1人に合わせた個別の広告配信が可能となりました。
ニッポン放送のポッドキャストオーディオアド
ニッポン放送が配信しているポッドキャスト番組に音声広告の出稿ができます。各種ポッドキャストアプリ・スマートスピーカー・Web サイト上のプレイヤー配信面へマルチプラットフォームで配信します。
文化放送
文化放送のポッドキャストに配信します。現在は3つの番組に文化放送が再編集をして配信していますが、今後更に広告配信可能なポッドキャスト番組を増やしていく予定です。
朝日新聞アルキキ
朝日新聞アルキキは朝日新聞が提供している音声ニュース配信サービスですが、音声アシスト版とスマホアプリ版があり、デバイスに応じた広告配信ができます。
以上に挙げた以外にも【TOKYO FMとパイオニアの「ドライブ行動特化型デジタル音声広告】や、米Instreamatic社の【インタラクティブ音声広告システム】など、音声広告の出稿できる音声メディアは増加しています。
6.まとめ
いかがでしたか?
音声広告の市場規模やメリットを見てみると、今後さらに注目すべき媒体ですね。
ながら作業に音は邪魔にならないことなど、音声広告の効果のわけを知ると「なるほどな」と思って納得してしまいます。
これから広告出稿を考えている方は、音声広告も含めて検討してみてはいかがでしょうか。