
広告運用に関わっていると
「広告の透明性」という言葉をよく耳にします。
広告の透明性は、
これから広告を開始する方や現在配信を行っている方にも重要な事柄です。
本記事では、
広告の透明性について以下のようなことについて解説していきます。
- Googleが対策した背景
- ユーザーに提供される情報
- 他媒体の対応
「広告の透明性って具体的にどういうことなの?」
と思っている方はぜひ参考にしてください。
1. Googleが「広告の透明性」についてを開始した背景
広告の透明性は、簡単にいえば
Googleがさらに良質な体験を提供するための対策です。
配信されている広告の内容やターゲティングについて、
広告主の情報などをユーザーが確認できます。
ユーザーにとっては、
自身のデバイスで掲載されている広告の信頼度や
閲覧したくない広告の選択ができ、
個人ごとによる管理の強化につながっています。
細かく分けると今までにさまざまな取り組みを行っているので、
それぞれどのようなものなのか確認していきましょう。
2020年4月:「身元確認プログラム(現:広告主適格性確認プログラム)」の提供について発表
ユーザーの信頼度向上のために、広告主についての確認をGoogleが実施します。
具体的には以下のような項目です。
- ビジネスの概要
- 広告主様の身元確認
- ビジネス オペレーションの適格性確認
なお公式サイトでは、
広告活動・広告内容が誤解を招く可能性がある場合や、
詐欺・不正が起こりやすい業界(旅行や金融など)が選定基準の1つとして挙げられています。
※参考:適格性の確認について|Google 広告ポリシー ヘルプ
2021年9月:「See more ads by this advertiser」機能について発表
※See more ads by this advertiser:この広告主の広告をもっと見る
YouTube・Google検索などのサービスで広告掲載が実施されたとき、
身元確認が完了した広告主の、過去に掲載された広告を確認できるようになりました。
期間は30日以内で、
興味がない広告については配信を制御できます。
※参考:表示される広告を制御する|Google 広告ポリシー ヘルプ
2022年10月:「マイアドセンター」機能を提供開始
マイアドセンターは、
Google・YouTubeなどサービス内での広告体験をより自由に管理できるように
提供されました。
Googleにログインして広告からマイアドセンターにアクセスすると、
ユーザーにとって好みの企業やカテゴリを設定可能です。
広告の制御だけでなく、
好きな広告をより多く表示させることができるため、
より良質なサービスの提供が期待できます。
※参考:マイ アド センターのご利用方法|マイ アド センター ヘルプ
2. ユーザーに提供される情報
ユーザーに提供がされるの以下のような情報です。
- 広告主が過去に掲載した広告について
- 特定の地域にて表示された広告について
- 広告フォーマットや広告が最後に掲載された日について
それぞれどのような内容なのか見ていきましょう。
2-1. 広告主が過去に掲載した広告について
広告主や広告の情報について調べたい場合、
Googleの公式サイトで検索する他、
掲載されている広告の横に表示されている3点リーダーからも確認ができます。
例として、
公式サイトで検索をかけると以下のような形で過去の広告について表示されます。

2-2. 特定の地域にて表示された広告について
特定の地域にて表示された広告について知りたい場合も、
公式サイトから確認可能です。

2-3. 広告フォーマットや広告が最後に掲載された日について
公式サイトにて表示された特定の広告をクリックすると、
以下のような画面が表示されます。
広告フォーマットや最終掲載日について確認可能です。

3. 広告主とユーザーへの影響
広告の透明性が向上することで、
実際にどのような影響が発生するのか具体的にわからない方もいるでしょう。
ここからは、
ユーザーと広告主の双方にとってのメリットを解説していきます。
3-1. ユーザーへのメリット
ユーザーのメリットとしては、
信頼できる広告主の選定や興味のあるサービスの発見などが挙げられます。
広告を視聴して興味を持った際、
見たことがないサービスやブランドであっても簡単に詳細を調べることが可能です。
過去に関連した商品について広告を掲載していれば合わせて確認できるので、
利便性向上にもつながります。
興味がない広告は配信を制御することもできるため、
過剰な広告配信によって不快感を感じる機会も少なくできるでしょう。
3-2. 広告主へのメリット
広告主にとって大きなメリットは、
ユーザーからの信頼獲得です。
配信されている広告に興味を持ったユーザーが過去の情報について調べた際、
良質であると判断すれば興味を維持してもらいやすくなります。
また、
他企業の広告について調べて競合分析をすることも可能なので、
クリエイティブ制作の際に役立ちます。
4. 広告が表示されない時はどんなとき?
広告が配信されている状況であっても、
「広告主の透明性について」の情報が確認できない場合もあります。
その場合は以下のケースが考えられるでしょう。
- 特定の広告主の情報が見つからない
- 特定の広告が見つからない
それぞれ解説していきます。
4-1. 特定の広告主の情報が見つからない
特定の広告主について公式サイトで調べても見つからない場合は、
「過去30日間で広告を掲載していない」
「前述した適格性確認をまだ完了していない」
可能性があります。
適格性確認は、
Googleが広告主に対して本人確認を行うための仕組みです。
広告主適格性確認プログラムは、
30日の回答期限が設けられているため、
経過すると一時的にアカウントが停止されてしまいます。
広告主としてサービスを利用する場合は注意しましょう。
※参考:広告主適格性確認プログラムと広告開示情報に関するよくある質問|Google ポリシー ヘルプ
※参考:Google 広告アカウントの一時停止措置について|Google ポリシー ヘルプ
4-2. 特定の広告が見つからない
特定の広告について検索したいのに見つからない場合は
以下のような理由が考えられます。
- 年齢制限があるためログインが必要になっている
- Googleのポリシー違反で削除されている
- 過去30日間の間で配信がされていなかった
- 広告主によって広告が削除されている
また、
情報が確認できるようになるまで最大で3日ほどかかる場合もあるので、
まずは時間を置いてからもう一度調べてみましょう。
5. 広告の透明性について他媒体の対応
広告の透明性は、
ユーザーと広告主の双方にとって重要な要素であり、
Google以外にも対応を行っています。
- X(旧Twitter)
- Meta
- Yahoo! JAPAN
ここからは、上記媒体ごとにどのような対応がされているのか紹介していきます。
5-1. X(旧Twitter)
Xでは、
社会問題や政治的な広告についてユーザーが詳しく把握するために、
透明性センター(ATC)を2018年6月に開設しています。
2019年11月に政治広告や社会問題広告は正式に禁止されました。
しかし、
同水準の透明性を維持するために、
“2018年5月24日~2019年11月22日の間に配信された政治的広告”
“2018年8月8日~2019年11月22日で配信された社会問題広告”
のATCデータのアーカイブ版を提供しています。
なお、
社会問題広告の配信禁止は米国のみです。
※参考:広告の透明性|Xビジネス
5-2. Meta
Meta広告では、
広告の透明性について保証するための機能として
「Metaライブラリ」が用意されています。
Metaなどの関連サービスに配信されているすべての広告を閲覧可能で、
アクティブかどうかに関わらず7年間保存されることが特徴です。
※参考:Meta広告ライブラリについて|Metaビジネスセンター
5-3. Yahoo! JAPAN
Yahoo!JAPANでは、
Web広告の透明性向上に向けて、
データの取り扱いや審査の基準などをサイトにまとめて公表しています。
また、
「広告サービス品質に関する透明性レポート」として、
アカウント審査の非承認数やアカウント審査の非承認理由など
細かい情報も掲載しています。
※参考:透明性向上のための取り組みのご紹介|YAHOO!JAPAN マーケティングソリューション
※参考:広告サービス品質に関する透明性レポート|YAHOO!JAPAN マーケティングソリューション
6. まとめ
いかがでしたか?
広告の透明性は、
ユーザーと広告主にとって、
信頼度向上や利便性の改善など多くのメリットがあります。
主要媒体の1つであるGoogleでは、
身元確認プログラムやマイアドセンターなど
さまざまな対策がされていますが、
他媒体でも同様に対応が進んでいます。
広告配信を行う際は重要な事柄になるため、
要件などについてそれぞれ把握しておきましょう。