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広告による炎上とは?事例にみる問題点と未然に防ぐ方法などについて解説!

更新日:2023年09月28日

広告による炎上とは?事例にみる問題点と未然に防ぐ方法などについて解説!

※この記事は2023年9月28日に更新されたものです。内容が古い可能性があります。

インターネット技術の発展やスマートフォンの普及などに伴い、Web広告がユーザーに与える影響は大きくなりつつあります。
特にSNSの浸透もあり、SNS広告などによって広告クリエイティブが話題になれば、一気に拡散されて多くのユーザーの目にふれる可能性も高まります。

拡散性や影響力の高さは、認知度拡大やコンバージョン獲得につながる一方で、一歩間違えれば炎上などによるマイナスプロモーションにつながるリスクも生じます。
広告による炎上は、認知度拡大を目的に実施する企業もありますが、多くの場合には自社の信用問題にまで発展する可能性が高まります。
一度ユーザーからの信用を失えば、回復するためには相当の労力や時間を要し、売上や経営にも大きな影響を及ぼします。
コンプライアンスや信用性が重要視される昨今において、広告出稿には十分注意しておく必要があります。

とはいえ、「どのような広告が炎上につながるのか分からない」「広告の炎上を防ぐためには何に気をつけたらいいの?」などと悩まれる担当者も少なくありません。

そこで今回は、広告による炎上について、他社の事例にみる問題点や未然に防ぐ方法などについてポイントを中心に紹介していきます。

広告による炎上とは?

そもそも広告による炎上とは、広告デザインやキャッチコピー、訴求文言といったクリエイティブがユーザーから批判やネガティブな印象を与え、マイナスイメージとして拡散されることを指します。

SNSの普及もあり、良くも悪くも注目度の高い情報は一気に拡散され、多くのユーザーの目にふれる可能性が高まります。
通常であれば、広告は自社の指定ページに遷移させるため、ユーザーの興味関心を促すことを目的としています。
とはいえ、中には注目度を高めるために誇張しすぎたデザインや、本来と異なる訴求、他社やユーザーを貶めるような表現を行うケースも存在します。

このような内容は、単に注目度を高めるために特化しており、ユーザーに正しく伝わらず、批判の対象となる可能性も高まります。
広告による炎上は、ユーザーによる間違った認識や、企業側が意図していなかったとしても、一度拡散してしまうと影響力は高く、沈静化するには相当の時間や労力を必要とします。
企業の信用問題にまで発展しかねないため、広告出稿の際には常に注意しておく必要があります。

広告による炎上の事例

炎上は、企業側の間違った認識によっておこるケースもあれば、十分注意していたとしてもユーザー側から指摘が入り、炎上に発展するケースも起こり得ます。

そのため、他社の事例をもとに様々な炎上の可能性を考慮しておく必要があります。

①西武・そごう「わたしは、私。」

百貨店の西武・そごうは、2019年の新春向けキャンペーンとして「わたしは、私。」というタイトルのテレビCMを配信しました。

この広告は「女の時代なんていらない」から始まり、男女の性別によるくくりを取り払い、私個人であることを尊重しようという意図が組み込まれていましたが、意図とは裏腹に炎上につながりました。

特に、女性にパイを投げつけ、クリームまみれになりながらも男女差別を訴えるシーンは、訴求内容が適切にターゲットに伝わらず、「気分が悪い」「悪意を感じる」といった批判を浴びる結果となりました。

②レッドブル「くたばれ、正論」

エナジードリンクの製造販売大手のレッドブルは、2019年の成人式に新聞広告にて「くたばれ、正論」という広告を出稿しました。

正論という表現を個性に置き換え、個性を尊重しようという訴求内容となりますが、個性の尊重が間違った解釈につながり常識をわきまえない自由が横行する要因にもなりかねないとして炎上につながりました。

レッドブルの訴求内容には、批判だけでなく肯定的な意見も存在します。

とはいえ、批判や誹謗中傷といったマイナス的なコメントは、閲覧ユーザーにとって影響力が高いため、賛否両論ある内容であっても炎上につながる可能性は起こり得ます。

③エイブル「「女性初」が、ニュースなんかじゃなくなる日まで。」

不動産紹介大手のエイブルも、広告による炎上につながっています。

2021年に、ひとり暮らしの女性を応援するブランド「MAISON ABLE(メゾンエイブル)」のリニューアルのタイミングにて新聞広告で「「女性初」が、ニュースなんかじゃなくなる日まで。」という内容を訴求しました。

奇しくも広告出稿のタイミングは、アメリカでカマラ・ハリス氏が女性初の副大統領に選出された日でもあり、女性の社会進出を後押しする訴求となりました。

ただ、当時エイブルでは社内に女性役員が一人もおらず、広告内容と関連していないとして批判や誹謗中傷につながりました。

④立命館大学「立命館から、アメリカ大統領を。」

立命館大学も炎上につながる広告を実施しています。

新入生獲得を目的として2019年に実施した新聞広告では、「立命館から、アメリカ大統領を。」というキャッチコピーにて訴求されました。

一見するとそこまでの批判や誹謗中傷は起こりにくい内容ですが、広告が出稿されると、学生からコピーに対して批判が集まりました。

対象の新聞広告には8000万円ほど掛かっているようで、「学生のお金でどんなアピールを行っているのか?」「奨学金の支出予算は削られる一方で、役員報酬支出予算は増えている」などといった批判につながる結果となりました。

広告炎上につながりやすい要因とは?

広告による炎上を防ぐためには、何が炎上の要因になり得るのか正しく理解しておく必要があります。
多様性が求められる昨今においては、以下の要素は押さえておくと効果的です。

①性別や年齢、立場などによる偏見

広告は、ターゲットを設定して配信することも可能ですが、その内容は第三者によって横展開される可能性もあります。
そのため、性別や年齢、立場などを越えて多くのユーザーの目にふれる可能性があるという点は、十分留意しておく必要があります。

例えば、男性に向けて訴求した内容が、女性からは誹謗中傷と捉えられるケースもあります。

たとえ限定したターゲットに向けた内容だとしても、第三者から客観的に見た際にも批判の対象とならないよう考慮しておくことが重要です。

②過激な表現や過度なクリエイティブによる影響

広告の効果を高めるためには、インパクトを与えるデザインやキャッチコピーなどが重要になります。

とはいえ、インパクトを求めすぎるあまり過激な表現や過度なクリエイティブになりすぎると、炎上の要因にもなりかねません。
賛否両論が生まれ、賛同する声が多かったとしても、一部の否定する内容が炎上につながる可能性もあります。

広告効果を意識しつつも、行き過ぎたクリエイティブには注意しておくことが重要です。

③近年の炎上トレンドの理解

ユーザー行動の多様化や多様性の尊重などもあり、昨今ではハラスメントやコンプライアンスなどに対し、企業側も正しく認識する傾向にあります。

これに対し炎上のトレンドも日々変わり、従来であれば問題無かった表現や内容も、炎上のキッカケとなるケースも多々あります。
このような中で、自社の広告による炎上を防ぐためには、常日頃から炎上トレンドを理解しておく必要があります。

話題性のある内容は、良いも悪いもSNSやWebサイトなどで注視しておくと効果的です。

広告による炎上を未然に防ぐ方法

炎上は、いつどこで起こるか分からないため、100%防ぐことは難しい傾向にもあります。

とはいえ、炎上リスクを抑えるためにも以下の点を考慮しておくと効果的です。

①炎上に対する社内理解と体制強化

要因でもふれたように、性別や年齢、立場などによる偏見によって、広告の炎上につながる可能性は高くなります。
特に、広告・プロモーション施策に携わる経験が無く、話題性を優先した戦略を取ると、炎上につながりやすくなります。

このような社内環境は、炎上に対する社内理解と体制強化によって対策していく必要があります。
コンプライアンスやハラスメント防止のための研修などを行い、まずは炎上に関する理解を深めると効果的です。

②他社の事例の把握

過去に炎上した広告内容やクリエイティブに類似している場合、同じように炎上してしまう可能性も高まります。

そのため、他社が炎上に至った事例を確認するとともに、トレンドや風潮、影響力などを知識として蓄積していくことも重要です。
その際、自社に関連する業種業態はもとより、ジャンルの違う業種や広告手法であっても押さえておくことは有効です。

別業種で起こった炎上が、同業種で起こらないとは限りません。
予期せぬ炎上を防ぐためにも、様々なシチュエーションを押さえておく必要があります。

③専門家に相談

近年、インターネット上での炎上被害が増えた背景もあり、炎上被害を専門とする弁護士やコンサルタントも増えつつあります。

このような専門家は、炎上を未然に防ぐ方法や知識、ノウハウなどを熟知しているほか、万が一炎上した場合の対応策も持っているケースが多くあります。
このような専門家に相談すれば、一から自社で情報収集しなくとも効率よく炎上被害を避けることが期待できます。

広告による炎上が起きてしまった場合の対処法

どれだけ注意深く予防策を講じていたとしても、ふとしたキッカケで炎上につながってしまうケースは起こり得ます。

そのため、万が一に備えて起きた場合の対処法も押さえておく必要があります。

①スピードが重要

広告による炎上が発生した場合、企業として素早く適切に対応することが求められます。
対応策に時間がかかれば、企業としての信頼性やブランドイメージにも影響を及ぼし、対策できなくなる場合も起こり得ます。

仮に原因究明や解決策が明確になっていなかったとしても、現時点での状況を伝えることで信頼性を高めることも期待できます。

②外部への発信方法にも注意が必要

炎上の状況は、外部に発信しなければユーザーの不信感を高め、事実でないことも噂として広まってしまう可能性があります。

とはいえ、企業としての公式な声明の場合には、その発信方法にも注意する必要があります。
ホームページだけでは適切に伝わらないようであれば、SNSやその他媒体が必要になる場合もあります。

③再発防止策の検討

謝罪や訂正など公式の声明文を発表し、炎上が沈静化したとしても、そこで終わりではありません。

具体的な炎上の原因を分析するとともに、企業として再発防止策を検討していく必要があります。

炎上の被害がどの程度であったとしても、ユーザーの不信感が募ればマイナスプロモーションにつながりかねません。
逆に、再発防止策も企業として外向けに発表できれば、少しずつ信頼を回復させることも期待できます。

まとめ

多くのユーザーの目にふれさせ、認知度拡大やコンバージョン獲得を目的とする広告は、一歩間違えれば炎上し、大きなマイナスイメージにつながる可能性もあります。
他社との差別化や自社の特徴を魅力的に伝えるあまり、クリエイティブや訴求内容に賛否両論が生まれることは致し方ない面もあります。

とはいえ、炎上リスクを正しく理解し、未然に防ぐ対策を行っていれば、炎上につながる可能性を下げることも可能です。

今回紹介した内容も参考に、炎上リスクを極力抑えつつも効果につながる広告を制作していきましょう。

この記事を書いた人

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