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【ネット広告詐欺】アドフラウドとは?問題点や種類ごとの内容を解説

更新日:2024年02月21日

【ネット広告詐欺】アドフラウドとは?問題点や種類ごとの内容を解説

アドフラウドは、不正な広告利用を指した用語です。

Web広告が一般化した近年では問題視されることが多いですが、具体的な意味や危険性について理解できている人が少ないのではないでしょうか。

この記事では、アドフラウドの意味や危険視される理由、具体的な種類についても解説していきます。

1.アドフラウドの意味と仕組み

アドフラウドは、不正なクリックやインプレッションなどによって広告の成果を水増しすることです。

広告を掲載しているWebサイトでは、自然に発生したクリックやインプレッションによって報酬が与えられますが、アドフラウドはプログラムや人為的な作業によって不正に成果を発生させます。

広告を取り扱っているプラットフォームでも対策は行っていますが、新しい手法の誕生によってなかなか根絶することには至っていないのが現状です。

2.アドフラウドが危険視される理由

アドフラウドによって広告の成果が水増しされると、広告主は気づかない間に無駄な広告費を支払うことになります。

なかには、不正なクリックやインプレッションに長期間気づくことなく費用を支払い続けているケースもあるので注意が必要です。

無駄なクリックやインプレッションが増えると、本来届くはずだった見込み顧客へのアプローチが疎かになってしまいます。

貴重なコンバージョン獲得の機会を損失してしまうので、対策方法について理解しておくことが大切です。

3.アドフラウドの種類

ここからはアドフラウドの詳しい種類を10個解説していきます。

それぞれどのような手法なのか理解を深めていきましょう。

3−1.ファーム(Farm)

複数のデバイスを用意して、クリックやインストールなどの成果を不正に発生させる方法です。

端末のIDを何度もリセットすることで、複数のユーザーからアクションが発生していると誤認させる手法もファームにあたります。

3−2.隠し広告(Hidden Ads)

広告が見えないように表示させることで、インプレッションを水増しします。

具体的なタイプとしては、以下のような隠し広告が例として挙げられます。

・広告の透明度を上げる
・広告を閲覧できないサイズまで加工する
・表示範囲以外に広告を掲載する

表示されている広告として認定されてしまうものの、実際には閲覧されていないため無駄な広告費用が発生してしまいます。

3−3.自動リロード(Auto Refresh)

広告枠を自動でリロードすることで、インプレッションを水増しする手法です。

表示されているページをリロードするタイプや、長尺動画コンテンツの下にある広告を自動で更新する方法など、さまざまな手法が存在します。

3−4.クッキー感染(Cookie Stuffing)

ユーザーが公式のサイトを閲覧した後に不正なサイトを訪問した際、Cookieを上書きすることで広告収入を得ます。

本来得るはずだったクリックやインプレッションを横取りされてしまうため、広告主よりも正式なWebサイト側の被害が大きいです。

3−5.不正な広告挿入(Ad Injection)

インジェクタというプログラムを利用して、不正な広告挿入を行う方法です。

インジェクタはインストールされたアプリや拡張機能に含まれており、正式なサイトと広告タグを入れ替えることができます。

クッキー感染と同様に、Webサイト側の被害が大きい手法です。

3−6.ブラウザの自動操作(Imp/ClickBot)

ブラウザの自動操作は、プログラムを活用してインプレッションやクリックを不正に発生させる手法のことです。

botを利用して広告を何回もクリックさせたり、広告主のサイトに遷移させてからリターゲティング広告を表示するなど、複数のタイプが存在します。

3−7.クリックフローディング(Click Flooding)

不正なクリックによって広告費を水増しさせます。

botが活用されることもありますが、人の手で作業を行うこともあります。

フローディング(洪水)という名称がついているように、突然クリック数が増加することが特徴です。

3−8.データセンタートラフィック(Data Center)

データセンターやレンタルサーバーから、利用していないIPアドレスを使って不正アクセスを行う方法です。

携帯回線などとは異なるため発見しやすいですが、隠蔽する技術が向上しているので見抜きづらくなっています。

自社広告のトラフィックを確認した際、データセンターからアクセスされている数が多い場合は注意が必要です。

3−9.インストールハイジャック(Install Hijack)

デバイスにマルウェアを感染させ、広告の測定結果を偽造することで成果を得る方法です。

他のサイトから発生したアプリインストールの成果を自分の広告にすり替えるため、広告主と正規のWebサイト運営者両方に被害が及びます。

3−10.ドメインのなりすまし(Domain Spoofing)

知名度が高い企業のドメインを真似することでユーザーを騙して不正に成果を得る方法です。

不正クリックによって無駄な費用が発生するだけでなく、偽サイトに広告が掲載されることで信頼度の低下にもつながります。

有名なサイトに広告掲載を行う際は、事前にドメインが正しいのか確認することがおすすめです。

4.アドフラウド対策の内容

アドフラウド対策には、以下のような方法が存在します。

・アドベリフィケーションツールの導入
・広告アクセスの分析
・DSP事業者の変更

それぞれ内容を見ていきましょう。

4−1.アドベリフィケーションツールの導入

アドベリフィケーションツールは、広告の一斉配信を行うためのDSPを利用して掲載先の精査やIPアドレスの検知を行うツールです。

独自にブラックリストの作成も行ってくれるため、自社広告やブランドを保護できます。

対策の自動化を実現することで、マーケティング担当者の負担を大きく減らせる点がメリットです。

一定の工数・費用はかかりますが、人的リソースや作業時間をなるべく減らしたい方は導入をおすすめします。

4−2.広告アクセスの分析

アドフラウドは、広告アクセスを分析することでも対策が可能です。

各プラットフォームの分析ツールから、CTRやCPAが著しく下がった、もしくは上がっている広告がないか確認してみましょう。

不正が見られた場合は、出稿の停止やブロックリストへの追加で対策をしてください。

4−3.DSP事業者の変更

Web広告の配信でDSPを活用している場合、事業者の変更を行うことも対策として挙げられます。

アドフラウド対策をしっかり行っている事業者を精査して切り替えましょう。

具体的には、以下のような事業がおすすめです。

・アドベリフィケーションツールを活用している事業者
・アドベリフィケーションツールを開発している企業と提携している事業者
・対策内容が明記されている事業者

5.アドフラウド対策を実施するメリット

アドフラウド対策を行うメリットは以下の通りです。

・広告戦略の見直しができる
・顧客獲得単価の低下に繋げられる
・企業ブランドを保護できる

どのような利点があるのかみていきましょう。

5−1.広告戦略の見直しができる

アドフラウドの対策を行うことで、不正なクリックやインプレッションを減らし正確な成果のみを確認できます。

コンバージョンへの確度が高いユーザー行動を分析することで、興味関心やニーズに合わせた施策を実現可能です。

5−2.顧客獲得単価の低下に繋げられる

アドフラウドによってクリック数やインプレッション数が水増しされると、意味のない成果に対して費用を支払い続けることになるため顧客獲得単価が増加します。

アドフラウド対策で顧客獲得単価を数十%低下させた事例もあるので、数値が高騰している場合は対策がおすすめです。

5−3.企業ブランドを保護できる

不正なサイトに広告が掲載されると、企業ブランドに悪影響を与える可能性があります。

配信の範囲を広げるだけでなく、どのようなサイトに掲載すべきか判断が重要なので、ツールの導入や分析を通して対策を施しましょう。

6.アドフラウド対策の事例

アドフラウド対策の事例としては、以下のようなものが挙げられます。

・SmartNews(スマートニュース)
・株式会社エイチーム

それぞれ内容を解説していきます。

6−1.SmartNews(スマートニュース)

SmartNews(スマートニュース)では、CPIメニューからインストールに至ったユーザーのうち、50%以上がアドフラウドによるものだと判明しました。

対策ツールである「Spider AF」を導入することで不正なクリックを排除し、獲得単価の低下やROASの改善に成功しています。

参考:リスクを最小限に抑えCPIメニューにチャレンジ!ROAS160%改善したアドフラウド対策とは?|SPIDER AF

6−2.株式会社エイチーム

ナビクルや引越し侍などの運営を行う株式会社エイチームでは、リスティング広告にBotを活用したアドフラウドや不正なアクセスが発見されました。

CPCが高騰してしまうトラブルも発生していましたが「Spider AF」の導入で改善に成功しています。

また、対策を行っていたエンジニアの工数削減も行うことで、作業の効率化を実現した事例です。

参考:リスティング広告運用をしているなら対策すべきアドフラウドの実情 エイチームグループがエンジニア工数を削減して実現した無効クリック対策|SPIDER AF

7.まとめ

いかがでしたか?

アドフラウドは、広告の不正アクセスを水増しすることで成果を得る詐欺手法です。

自社広告の成果を奪われてしまったり、不正なサイトに表示されたりするリスクがあるため注意しましょう。

数値が著しく変化している場合は、アドベリフィケーションツールなども検討して対策をすることがおすすめです。

この記事を書いた人

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