
Web広告運用において、
Webサイト上でのコンバージョン(お問い合わせ、資料請求など)を計測することは基本中の基本です。
しかし実際のビジネスでは、「来店」「商談」「契約」など、オンラインの先にあるオフラインコンバージョンこそが最終的な指標となるケースが多くあります。
そのため、オフラインコンバージョンを正確に計測できなければ、真の意味で広告を最適化することは難しくなります。
Yahoo!広告の運用では「コンバージョンのインポート機能」を活用することで、Web広告経由で発生したオフラインコンバージョンを計測し、広告配信の最適化に活用することが可能です。
本記事では、
Yahoo!広告のオフラインコンバージョンを基本から具体的な設定方法まで詳しく解説します。
1. オフラインコンバージョンとは?

オフラインコンバージョンとは、
実店舗への来店や対面での商談など、”オフライン”で発生した成果のことを指します。
多くのビジネスでは、最終的な成果がオフラインで発生します。
例えば、
不動産業界であれば物件の内見や契約、自動車販売であれば試乗や購入、BtoBビジネスであれば商談や受注といった成果は、一般的にオンラインでは完結しません。
オフラインコンバージョンの設定を行うことで、こうした「広告接触からオフラインでの成果まで」を一貫して追跡できるようになります。
これにより、単なるWeb上のコンバージョン数だけでなく、実際のビジネス成果に基づいて広告効果を評価し、最適化することが可能になるのです。
具体的には、以下のようなオフラインでの成果を計測できます。
- 来店:広告経由でサイトを訪問したユーザーが実店舗に来店
- 商談・成約:BtoBビジネスにおける商談化や契約締結
- 電話:ユーザーが電話で問い合わせや予約などを行った際の着電
- イベント参加:イベントや説明会への参加 など
2. オフラインコンバージョンの活用メリット
オフラインコンバージョンを活用する最大のメリットは、
事業の本当のKPIに基づいた広告最適化ができる点です。
例えば、
同じ「資料請求」というオンラインコンバージョンでも、実際に来店するユーザーとしないユーザーでは”質”が異なります。
オフラインコンバージョンのデータを広告システムに取り込むことで、「来店しやすいユーザー」を学習し、そうしたユーザーに広告を優先的に配信します。
また、広告の費用対効果(ROAS)をより正確に把握できるようになることもメリットの一つです。
オンラインでのリード獲得だけでなく、実際の成約まで含めた真のROASを測定することで、より効果的で無駄のない広告投資が可能になります。
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3. Yahoo!広告「コンバージョンのインポート機能」とは?
コンバージョンのインポート機能とは、
オフラインで発生した成果データを広告管理ツールへ取り込む(インポートする)機能です。
この仕組みを支えるのが、広告クリック時に自動付与されるクリックID「YCLID」です。
ユーザーが広告をクリックすると、遷移先のURLに「yclid=xxxxxxxxx」の形式で「YCLID」が付与され、ユーザーの行動を識別できるようになります。
オフラインで得られた成果データを、「YCLID」と関連付けて広告管理ツールにインポートすることで、オフラインコンバージョンを活用できるようになります。
※画像引用:Yahoo!広告ヘルプ(コンバージョンのインポート機能を利用する際の設定の流れ)

具体的な流れは、以下のとおりです。
① 広告クリック時に「YCLID」が付与
② フォームに入力された見込み顧客情報を取得
③「YCLID」と顧客情報を紐づけて保存(自社の仕組みを活用)
④ ユーザーが来店・契約
⑤ オフラインでのコンバージョンを記録(自社の仕組みを活用)
⑥ 成果データを「YCLID」と関連付ける
⑦ データを広告管理ツールへインポート
⑧ Webサイト外の成果も広告管理ツールに反映(Yahoo!広告の機能を活用)
ここでいう「自社の仕組み」の例としては、
CRM(顧客管理システム)やMAツール、自社サーバー、社内データベースなどが挙げられます。
4. オフラインコンバージョンの設定方法
ここから、Yahoo!広告でオフラインコンバージョンデータをインポートする方法を解説します。
Yahoo!広告は「検索広告」と「ディスプレイ広告」で管理画面が分かれていますが、殆ど同じ手順で設定できます。
そのため、本記事では例として「検索広告」での設定方法をベースに紹介します。
4-1. 自動タグ設定の方法
インポート機能を利用するためには、「自動タグ設定」をオン(「設定する」)の状態にしておく必要があります。
自動タグ設定を有効にすることで、前述したクリックID「YCLID」の自動付与が可能になります。
■ 自動タグの設定方法
① サイドメニューの「アカウント設定」をクリック
②「編集」ボタンをクリック
③ 自動タグ設定の「設定する」にチェック
④「保存」ボタンを押す
※すでに「設定する」の状態であれば、変更の必要はありません
4-2. コンバージョン測定の新規設定方法
インポートデータの受け皿となる「コンバージョン測定」を作成します。
広告管理ツール上で、何というコンバージョン名として反映させるか、また測定ルールなどをここで設定します。
すでに設定済みであれば、この手順はスキップしてください。
■ コンバージョン測定の新規設定方法
① 画面右上にある「ツール」→「コンバージョン測定」を選択
②「コンバージョン設定を作成」ボタンをクリック
③ 各項目を設定
④「作成」ボタンをクリックして完了
| 項目 | 説明 |
| コンバージョン名 | これまで使用していない、わかりやすい名前を入力 (例:オフライン契約) |
| コンバージョン種別 | 「インポート」を選択 |
| コンバージョン測定の目的 | コンバージョン測定を行う目的を選択 |
| 計測期間 | クリック後、何日以内のコンバージョンを測定するかを設定 推奨は7日以上 |
| 計測方法 | 同一ユーザーの複数コンバージョンを全件カウントか初回のみか、選択 |
| 自動入札への利用 | 自動入札に利用するかどうかを選択します。 |
| 1コンバージョン あたりの価値(任意) |
1コンバージョンあたりの売上金額を、半角数字13文字以内で入力 入力しなかった場合0円 |
4-3. オフラインコンバージョンデータをインポートする方法
オフラインコンバージョンデータは、
専用のテンプレートに内容を入力したうえで、広告管理ツールにインポートして取り込みます。
■ オフラインコンバージョンデータのインポート方法
① 画面右上にある「ツール」→「コンバージョン測定」を選択
② 左サイドメニューの「インポート」をクリック
③「アップロード」ボタンをクリック
④「新規用テンプレートのダウンロード」をクリック
⑤ テンプレートファイルをダウンロード
⑥ ダウンロードしたテンプレートファイルに必要な情報を入力
| 項目 | 説明 |
| YCLID | YCLIDを入力、YCLID発行から90日間のみ有効 |
| コンバージョン名 | インポート用のコンバージョン測定で設定した コンバージョンの名前を入力 |
| コンバージョン発生日時 | コンバージョンが発生した日時を入力、 形式は 「YYYYMMDD HHmmss」 日本以外での発生分はタイムゾーンの指定が必要 |
| 1コンバージョンあたりの価値 | 1コンバージョンあたりの売上金額を入力 |
| 通貨コード | ISO4217で定義された通貨コード (日本円は「JPY」など)を入力 |
入力が終わったら、ファイルを保存します。なお、インポート可能なファイルの仕様は以下のとおりです。
- ファイル形式:CSV
- 文字コード:Shift-JIS
- ファイルサイズの上限:20MB
⑦ 先ほどのダウンロード画面で、 「ファイルを選択」をクリック
⑧ 保存したファイルを選択
⑨ アップロード種別では「新規追加」を選択
⑩「実行」ボタンをクリック
⑪ ファイルがアップロードされ、「ステータス」欄に状況が表示される
※エラーが発生した場合は、エラーファイルをダウンロードし、内容を確認、データを修正して再度アップロードしてください。
※[4. オフラインコンバージョンの設定方法]での画像引用(出典:Yahoo!検索広告管理画面)
5. APIによるオフラインコンバージョンの自動連携
データ量が多い場合や、より高度な運用を行いたい場合は、
Yahoo!広告の「API」を利用してオフラインコンバージョンを自動連携することが可能です。
APIを活用すると、自社のCRM(顧客管理システム)やMAツール、データベースから、
オフラインコンバージョンデータを直接Yahoo!広告へ送信できます。
ただし、
API連携には技術的知識が必要のため、担当の広告代理店や専門ツールベンダーに相談することをおすすめします。
6. オフラインコンバージョン設定時の注意点

オフラインコンバージョンを計測するには、Webサイト上で「YCLID」を保存できる仕組みを整えておく必要があります。
具体的には、申し込みフォームや問い合わせフォームなどで、ユーザーが入力した見込み顧客情報とあわせて「YCLID」が保存されるようにWebサイトを修正します。
操作の一例については「YCLIDを取得するためのウェブサイトの修正例」を参照してください。
内容は専門的な実装作業を伴うため、Web担当者や開発会社への依頼をおすすめします。
7. まとめ
Yahoo!広告では、オフラインで発生した成果データを広告管理ツールへインポートすることで、
効果測定の対象を「Webサイト上の成果」だけでなく、「来店・商談・契約」など実際のビジネス成果まで拡張できます。
オフラインコンバージョンの導入には初期設定や運用フローの構築が必要ですが、その投資に見合う成果が期待できます。
まずは自社のビジネスモデルで重要となるオフライン成果地点を明確にし、小規模なテストから始めてみることをおすすめします。
データドリブンな広告運用を実現し、真のROI最大化を目指しましょう。
※本記事の参考:Yahoo!広告ヘルプ(コンバージョンのインポート機能とは, 自動タグ設定について, コンバージョン測定の新規設定(インポート)【検索広告】, コンバージョンデータをインポートする【検索広告】)
※本記事は公式情報をもとに作成していますが、一部当社の見解を含みます。また、記載内容は効果や成果を保証するものではありません。設定内容や挙動はご利用の環境や時期などによって異なる場合があります。



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