
ウェブサイトを改善するには、
ユーザーの行動データを正しく把握することが重要です。
「ページ内のどこをクリックしたか」
「どこまでスクロールしたか」といった行動は、
ユーザビリティやコンバージョン率の改善に役立つ重要なヒントになります。
こうした行動データの可視化ツールとして注目されているのが、
Microsoft社が無料で提供するウェブ解析ツール「Microsoft Clarity(クラリティ)」です。
本記事では、
Microsoft Clarityの特徴のひとつであるヒートマップ機能についてわかりやすく解説します。
1. Clarityとは?
Microsoft Clarity(クラリティ)は、
Microsoft社が無料で提供しているウェブ解析ツールです。
ユーザーがサイト上で、どのように行動しているかを確認することが出来ます。
Clarityには、大きく分けて次の3つの機能があります。
- ダッシュボード(Dashboard):
ページセッション数やクリック率など、Webサイトの状況を確認 - レコーディング(Recordings):
Webサイトを訪れたユーザーの画面内の動き(スクロールやクリック)を
録画のように再現して確認 - ヒートマップ(Heatmaps):
Webサイトを訪れたユーザーの動きを視覚化し、確認
ここでは「ヒートマップ」について詳しく解説していきます。
2. Clarityのヒートマップについて
Clarityのヒートマップは、
ウェブサイト上でのユーザーの行動を色の濃淡などで可視化する機能です。
この機能により、
ユーザーがページのどの部分に注目し、
どのような操作を行っているかを直感的に把握することが可能です。
Clarityでは、主に以下の5種類のヒートマップを無料で使うことができます。
- クリックヒートマップ
- スクロールヒートマップ
- エリアヒートマップ
- コンバージョン ヒートマップ
- アテンションマップ
■ クリックヒートマップ
ユーザーがクリックした箇所を視覚的に確認でき、
クリック数が多い部分ほど濃い色で表示されます。
ボタンやリンクが意図した通りに機能しているかの確認や、
想定していなかった箇所へのクリックを見つける際の参考として活用できます。
■ スクロールヒートマップ
ページをどこまでスクロールしたかを色の変化で表示します。
ページの下部まで読まれているか、離脱の多い箇所はどこか、
把握できるため、コンテンツの配置や長さの最適化に役立ちます。
■ エリアヒートマップ
選択したページの範囲内で発生したクリックの合計回数を確認できます。
クリックが多い要素と少ない要素の傾向を比較することで、
クリックを促したい部分の改善に役立てることができます。
■ コンバージョン ヒートマップ
コンバージョン(購入)を促進した要素を可視化できます。
どの要素がコンバージョンに貢献しているかの傾向を把握することで、
コンバージョン数やコンバージョン率の改善材料として活用できます。
なお、
この機能は「Shopify」のみ使用できます。
■ アテンションマップ
ページ内でユーザーが、
どの部分に最も注目しているか(時間を費やしているか)を可視化します。
重要なコンテンツが適切に注目されているか、
不要な要素に注意が散らされていないかを確認できます。
3. ヒートマップの主な機能
ヒートマップの主な機能を3つ紹介します。
これらの機能を予め把握しておくことで、効率的に分析を進めることができます。
- 上位ランクの要素
- レコーディング
- 共有とダウンロード
■ 上位ランクの要素
各ページで最もクリックされている要素を一覧で確認することができます。
■ レコーディング
重要なページ要素に対するユーザーの操作を、録画データとして表示します。
実際のユーザーの動きを動画形式で確認することができます。
■ 共有とダウンロード
ヒートマップは、
チーム内で共有したり、公開リンクを作成して外部(クライアントなど)と共有が可能です。
レポート作成や保管用にダウンロードすることも可能です。
※[3. ヒートマップの主な機能]での画像引用/参考(出典:Microsoft Clarity ヒートマップ 2025年8月閲覧)
4. ヒートマップの使い方
Clarityをすでに導入している場合は、
以下の方法でヒートマップの確認が可能です。
■ ヒートマップの確認手順
➀ 分析前に「フィルター」で取得したいデータを選択
② 調べたい内容に合わせてフィルターを設定
➂「適用」をクリック
フィルターでよく使われる項目は以下の通りです。
④ 右上の「三」をクリック
➄ サイドメニューの「ヒートマップ」をクリック
※デバイスや計測項目ごとにデータをみることができます。
※[4. ヒートマップの使い方]での画像引用(出典:Microsoft Clarity管理画面 2024年2月閲覧)
5. ヒートマップの活用ポイント
ヒートマップを活用した分析例や、
押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- クリックヒートマップの分析例
- スクロールヒートマップの活用例
- デバイス別の比較分析
- 定期的な分析サイクル
- 他の分析ツールとの連携
5-1. クリックヒートマップの分析例
クリックヒートマップでは、
ユーザーがどの要素を実際にクリックしているのかを可視化できます。
以下のような点に注目すると改善に役立ちます。
- CTAボタンのクリック率を確認し、位置や色、文言の最適化を検討
- 画像やテキストへの意図しないクリックがある場合は、リンク化を検討
- リンクがないのにクリックされている箇所(デッドクリック)がないか確認
5-2. スクロールヒートマップの活用例
スクロールヒートマップでは、
ユーザーがページをどこまで読み進めているのかを確認できます。
活用例は以下の通りです。
- ファーストビューでの離脱率をチェック
- 重要なコンテンツが適切な位置に配置されているかを確認
- 長いページでは、途中での離脱が多い箇所を特定して内容を見直し
5-3. デバイス別の比較分析
デバイスごとの行動の違いを把握することで、
モバイル・デスクトップそれぞれに最適化した施策を立案できます。
- モバイルとデスクトップでのユーザー行動の違いを比較し、
デバイス別の最適化戦略を立案
5-4. 定期的な分析サイクル
定期的にデータを確認することで、
施策の効果や傾向の変化を把握できます。
- 週次または月次でのデータ確認
- 施策実施前後の比較分析
- 季節性やキャンペーンの影響を考慮した分析
5-5. 他の分析ツールとの連携
Clarityは他の分析ツールと連携させることで、
より深い洞察を得ることが可能です。
- Google Analyticsの数値データとClarityの行動データを組み合わせることで、
ユーザーの行動の理解をより詳細に
6. Clarityの導入方法
Microsoft Clarityの導入は、以下の手順で簡単に行うことができます。
※今回はGTMを使ったタグの設定方法を紹介しています。
■ Step 1:Clarityアカウントの作成
➀ Microsoft Clarityの公式サイト(https://clarity.microsoft.com/)にアクセス
➁「使い始める」ボタンをクリックし、サインイン

■ Step 2:プロジェクトの作成
① ダッシュボードで「New project」をクリック
② ウェブサイトの名前とウェブサイトのURLを入力
■ Step 3:タグの設定
➀ インストール方法で「手動でインストールする」を選択
➁ 「クリップボードにコピー」をクリック
➂ GTMを開き、タグを作成
④ コピーしたコードを「カスタムHTML」で貼り付け
➄ トリガーは「All Pages」に設定し、「保存」
➅ バージョンを「公開」
※[ 6. Clarityの導入方法( [ Step 2:プロジェクトの作成 ] 以降)]での画像引用(出典:Microsoft Clarity管理画面 2024年2月閲覧、Google GTM管理画面 2024年2月閲覧)
7. まとめ
Microsoft Clarityは、
無料で利用できるウェブ解析ツールで、ヒートマップ機能も搭載されています。
ヒートマップを分析することで、
ユーザーの行動傾向や利用パターンを可視化でき、サイト改善の検討に役立ちます。
定期的な分析と改善を重ねることで、
コンバージョン率やユーザビリティに関する課題を把握しやすくなり、
改善の方向性を見出す参考になります。
ぜひ本記事で紹介した内容をもとに、Clarityの活用を検討してみてください。
※本記事は当社の見解を含んでおり、効果や成果を保証するものではありません。