ECサイトを成功させるためにはマーケティング戦略の構築が非常に重要になってきます。ECサイトでは消費者と直接対面できないので、いかに商品やサービスの特徴を伝えて、価値を提供するかがポイントになりますが、それができるのがマーケティング戦略です。そこで今回は、ECサイトのマーケティング戦略の立案の仕方を解説します。
ECマーケティングとは？
まずは、ECマーケティングとは何かの説明をしましょう。
ECマーケティングはインターネットを通じて商品やサービスを販売するECサイト専用のマーケティング手法です。
ECマーケティングの目的は、消費者にECサイトで商品やサービスを購入してもらい、売上と収益を伸ばすことです。
ECマーケティングと一般的なマーケティングの違い
ECマーケティングではインターネット上で商品やサービスを販売することを目的とし、その手段として、顧客の行動履歴や購買履歴を分析し、分析結果に基づいた施策を打ちます。
一般的なマーケティングは対象が広くなっていて、商品やサービスの企画・開発から販売促進、顧客サポートまで実施するため、ECマーケティングよりも広範的な施策が行われます。
ECマーケティング戦略の特徴
ECマーケティング戦略には他のマーケティングにはない特徴があります。
どのような特徴か見てみましょう。
オンラインで行う
ECマーケティング戦略の特徴はオンラインで行い、集客することです。
検索エンジンやSNSなど様々なオンラインサービスを活用し、商品やサービスに対する認知を拡大させ、購買につなげます。
全世界をターゲットにできる
ECマーケティング戦略は地域の制限なく実行できます。日本国内はもとより、海外にまでアプローチすることが可能です。
海外市場に参入し、海外顧客にまで売り込みをかけられるのです。
反対に、海外の商品を日本に輸入して、日本人顧客に売り込むといったことも可能です。ECサイトの活動範囲も広がり、より多くの顧客に働きかけられるようになるでしょう。
顧客データの収集・分析ができる
ECサイトでは、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを使うことでハイレベルな顧客行動データの収集・分析ができます。
例えば、アクセス解析ツールで次のようなデータを収集できるようになりました。
・アクセス数が多い地域
・ページの閲覧時間
・どのページから遷移し、お問い合わせに至ったか
・どのサイトを見て、顧客が注文したのか
これらのデータを収集・分析すれば、それ以降のECマーケティング戦略に活かせるようになります。
膨大なデータを使ってマーケティングできる
ECマーケティングでは、膨大なデータを活用できます。
豊富に蓄積された顧客の購買データ、行動履歴を分析することで、顧客の嗜好・ニーズを把握できるようになり、効果的なマーケティング戦略を打ちやすくなります。
ECマーケティング戦略の基本
ECマーケティング戦略における基本を解説します。
ECサイトにおける売上の考え方を確認しておく
まず、ECマーケティングでは、ECサイトにおける売上の考え方を確認しておく必要があります。
ECサイトでは、売上を以下のような方程式で算出します。
アクセス数×購入率×顧客単価＝売上
つまり、アクセス数が増え、購入率が高まり、顧客単価が高ければ、売上が伸びるということです。いずれか1つの要素が増えただけでも、売上が伸びます。
そこで、ECマーケティング戦略を行う上でも、上記の数字をいかに伸ばすのかが課題になります。
競合サイトを分析する
ECサイトを立ち上げる、あるいはリニューアルする際は、有益な情報を提供して質のいいコンテンツを配信しなければいけませんが、その際に参考になるのが競合サイトです。
競合サイトがどのようなECサイトを作っているのかを見ることで、自社ECサイト作りの際に活かすことができます。
導線の作り方・広告の出し方・商材の見せ方などにおいて競合サイトに優れた点があるという場合もあるでしょう。
そのままマネをするわけにはいきませんが、自社ECサイトを作成する際に、競合サイトの表示方法を参考にしながら工夫して取り入れることもできます。
あるいは、さらに優れたサイトにできるかもしれません。
このように競合サイトの分析が自社サイトの改善に役立つことがあり、効果的なECマーケティング戦略となります。
口コミやレビューの強化
ECサイトの弱点は、顧客が商品を手に取って確かめることができない点や店員の直接のアドバイスを受けられないことです。
そのため、商品を購入する顧客が参考にしたい情報が得にくくなっています。
そこで行いたいのが口コミやレビューの強化です。
ECサイトでは、実際に商品やサービスを利用した顧客の声を参考にして、購入を検討することが一般的になっています。
そのため、商品やサービスの口コミやレビューは多めに掲載し、顧客の参考になるようにしましょう。
口コミやレビューの強化は重要なECマーケティング戦略です。
SNS広告・メールマーケティングを実施する
ECマーケティング戦略では、SNS広告やメールマーケティングを積極的に実施しましょう。
SNS利用のメリットは、顧客とコミュニケーションが取れることです。
一方的な広告配信ではなく、反応をみることができます。
さらに、顧客が気に入った商品やサービスを拡散してくれる場合もあります。
そうなれば、さらに商材の認知度が向上するでしょう。
メールマーケティングでも顧客とのコミュニケーションを図りながら、集客やコンバージョンにつなげます。
両方ともターゲット層を絞った訴求ができ、ECサイトの集客・売上アップに大きく貢献するでしょう。
ECマーケティング戦略を立案するポイント
ECマーケティング戦略を立案する上でのポイントがあります。
以下のようなポイントを押さえて、方法を考えてみましょう。
売れている商品をリサーチ
まず、ECサイトで売れている商品をリサーチしましょう。
よく売れている商品とあまり売れていない商品を選別して、よく売れている商品を中心にマーケティング戦略を考えていくのです。
あまり売れていない商品については、商品自体、あるいはマーケティング手法を見直さなければいけないケースもあります。
顧客のニーズを把握
効果的なECマーケティング戦略を行うためには、顧客ニーズの把握が欠かせません。
顧客が何を欲しているのか、どんな商品で何をしたいのかがわかれば、提供すべき商品も見えてきて、ECマーケティング戦略も考案しやすくなります。
ターゲットを設定する
ECサイトで売り込みたい商品やサービスのターゲットを設定しましょう。
誰でも利用できる商品やサービスがあるかもしれませんが、そのようなものでは目の肥えた顧客にアピールできないことがあります。
20代の若手ビジエンスマンに使ってほしい、30代のOL用にピッタリ、40代のママさんに最適などのようにターゲットを具体的に絞った商品やサービスはアピール性が高く、特定の層によく売れます。
競合他社と差別化を図る
ECサイトの数はたくさんあり、競合他社も多く出店しているでしょう。
その中で勝ち抜くためには、競合他社と差別化を図ることが大事です。
他社にはない自社商品やサービスの強み、独自の魅力、使いやすさなどを訴求できると、ECマーケティング戦略が成功し、集客・売上アップにつながるでしょう。
モール型ECと自社ECを併用する
ECサイトには、モール型ECと自社ECがありますが、両方を併用した活動は効果的です。
モール型ECでは、知名度の広さから抜群の集客力があります。
自社ECの場合、独自性やデザイン性、機能の拡張性などを追求できるのが強みで、顧客の利用促進につながります。
両方の併用でそれぞれのよさを活かせ、ECマーケティング戦略の構築もしやすくなって、成果が出やすくなるでしょう。
オムニチャネル戦略を行う
オムニチャネルとは、様々なチャネル（企業と顧客の接点）を通して顧客にアプローチする戦略のことです。
具体的には、実店舗やアプリ、カタログ、ウェブ、ECサイトなどのチャネルです。
ECマーケティングはECサイトの売上を伸ばすことが目的ですが、ECサイトからの顧客へのアプローチだけでは限界もあります。
そのため、オムニチャネル戦略により多方面から顧客に働きかけ、利用を促す必要があるのです。
海外にもマーケティングする
ECサイトの売上を伸ばすためには、海外へもマーケティングする必要があります。
海外の販売ルールや手法を知っておかなければいけないという面はあるものの、適切なECマーケティング戦略が構築できれば、海外顧客にも商品やサービスを購入してもらえるでしょう。
コンテンツマーケティングを充実させる
ECサイトでは、商品やサービス情報だけではなく、コンテンツも掲載すると効果的です。ECサイトでコンテンツマーケティングを行うと、ブランドや商品、サービスの認知度が向上し、購買意欲を高められ、リピータの増加にも役立ちます。
有益なコンテンツ情報を発信できれば、商品の購入を検討してもらいやすくなります。
SNSを活用する
ECマーケティング戦略ではSNSも活用するといいでしょう。
SNSにより顧客とのコミュニケーションが図れ、双方向の情報のやりとりができます。
商品やサービスを伝えた時にユーザーからの反応が見れれば、評価の具合がわかります。
ユーザーが商品やサービスを拡散してくれれば、一気に売上増ということもあるでしょう。
マーケティングオートメーションを行う
ECマーケティング戦略によりECサイトの集客や売上もアップしやすくなりますが、マーケティングそのものには手間もかかります。
そこでおすすめするのがマーケティングオートメーションを行うことです。
マーケティングオートメーションツールを利用すると、これまで人の手を介して行われていたマーケティング活動が自動化されるので、作業や工数が削減されます。
これで効率よくECマーケティング戦略を実践できるようになるでしょう。
まとめ
今回は、ECサイトを成功させるためのマーケティング戦略について説明しました。
ECマーケティング戦略を効果的に実践することで、ECサイトの集客も売上も向上します。ただ、戦略を練る上での基本やポイントがあるので、しっかり押さえておき、そのうえで実践してみてください。
そうすれば、成果も出やすいでしょう。
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