記事広告というものをご存じでしょうか。記事のように見せかけて、実は広告の役割を担っているWeb広告の一種です。皆さんも気づかないうちに見たことがあるかもしれません。
今回は記事広告について、メリットからデメリット、向き、不向きな商材まで解説していきます。
記事広告とは
通常のWeb広告はWEBサイト上に広告を出し、それをクリックすることでメリットや申し込みボタンがついているランディングページというものに遷移します。
対して記事広告は、書かれている記事自体が広告となっている宣伝手法です。
通常の広告の場合、バナーや広告等の限定された枠の中に商材のアピールポイント等を書き込まなければならず、消費者の購買欲を掻き立てるには限界があります。
記事広告の場合は、文章として記載できるため、より細かく商材の仕様等を書き込むことが可能です。
記載されている文面自体が広告であり、その記載内容で商品やサービスへの理解度を深めさせ、商品やサービスを購入したいと思わせるような訴求をすることが可能です。
具体的な形態としては、広告主側がメディア側と協力して記事(コンテンツ)を作成、サイト内で誘導したいリンク先情報の記載内容を読むうちに誘導させ、自発的にメディア側のサイト内から広告主側の当該リンク先へと遷移したくなるように導きます。
サイト内の説明文章を読むうちに購買欲を掻き立てられ、「より詳しくお知りになりたい場合はこちらをクリック(〇〇のサイトへ移動します)」等のリンク先を自発的に押下し、リンク先のページで商品購入へと進んでいくのが記事広告です。
「広告」と思われないようにユーザーを誘導し、自発的な購買欲を抱かせる事ができる事が大きなメリットですね。
記事広告は、メディアという第三者の視点で商材をアピールできるため客観性が高く、購買につながりやすい点も特徴です。
記事広告は別名、タイアップ広告、記事型広告とも呼ばれます。
※タイアップ(tie-up)とは「協力・提携」のこと。
記事広告の種類
記事広告の概要について知ったところで、記事広告の種類について解説します。記事広告には2種類が存在しています。
・体験レポート形式
下記で詳しく解説していきます。
インタビュー形式
商品のメーカーに対して、開発秘話や裏話をインタビュー形式でやりとりしている様子を記事にしたものです。
ユーザーにとっては、普段聞けない裏話が聞けるためその商材に対しての価値を抱きやすく、購買欲を高めやすいです。
また、開発秘話が聞けたことで、そのメーカーに対しての印象も良くなり、別商材の購買へと発展する可能性も高まります。
体験レポート形式
記事のライターや他の誰かがその商品を実際に使ってみて、使い心地や感想などを記事にまとめたものです。
ユーザーにとっては、自分がお金を出して買う代わりに他の誰かが使ってくれているので、記事を読むことで買う買わないの判断がつきやすくなるのがメリットです。
現代人は情報に肥えており、商品の価格だけでなく、使い勝手や長期的に保つかどうか、電化製品であれば電気代はいくらかかるのか等、さまざまな要因から購買するか否かの意思決定をします。
広告主側は、ユーザーの購買欲が高まるようにユーザー目線に立ってのアピールを、具体的に伝えられると効果的です。
記事広告のメリットは?
続いては記事広告のメリットについてです。
記事広告のメリットとしては、広告主側、メディア側共にあります。それぞれわけて解説していきます。
広告主側のメリット
まずは広告主側のメリットです。
ユーザーのモチベーションを高めることができる
通常の広告と異なり、ユーザー側は一定の購買欲が満たされた状態でリンク先へと遷移する可能性が高く、実際の購買へとつながる可能性が高くなります。
現代社会は、スマートフォンの普及によりインターネットに触れる機会が多くなり、広告を目にすることが多くなりました。
その反面、広告と分かると購入をためらうケースも増えています。
広告だと認知され目を背けられる前に、ユーザーの悩みを解決し、ユーザー目線で商材を宣伝できます。
認知度を向上できる
駆け出しの広告主の場合、知名度がまだまだ低く通常の広告手法では集客できないことも多くあります。
そのような広告主であっても、メディアの知名度を生かしてユーザーからの注目を集めることが可能です。
タイアップするメディアは全国紙等の大手新聞社であることも多く、元々の段階で一定の認知度があるため、一部のアンチの人等を除けば、記事に目が止まりついつい読んでしまう人が多いです。
メディア側のメリット
メディア側のメリットもあります。
広告主側の商材をアピールする入り口となり、商材が売れるものであればメディア側の認知度もさらに高まります。
記事広告に一定の評価が得られれば、他社広告主への宣伝となりさらに記事広告を取り入れたい広告主を集めることも可能です。
記事広告のデメリット
一方で、記事広告にはデメリットも存在しています。
メリットとあわせ、デメリットも理解したうえで記事広告の検討をしましょう。
メディア側にある程度の認知度が必要
メディア側に一定の認知度がなければ、そもそもコンテンツ自体を見てもらえない可能性が高いです。
その場合は記事広告どころか通常の広告でさえたどり着くことは困難であるため、広告主側としてはタイアップするメディアを厳選することになります。
その結果、リンクを張ればいいだけの通常広告と異なり、メディア側とタイアップしてコンテンツを作り上げる手間がかかることから、高価なものになる可能性も高いです。
記事広告は、ライティングや写真撮影、編集や校正など多くの人の手を介するため、その分の人件費が上乗せされます。
制作に時間がかかる
製作期間も比較的長期にわたりやすいです。
通常の広告とは異なり、他社とタイアップして作成するため時間がかかることがほとんどです。
記事広告の料金相場
おおむね1記事あたり100〜300万円が相場となります。
上記で示したとおり、これには記事を執筆するメディア側の編集、校正といった人件費が載っており、一般的な広告よりも高価になりがちです。
記事広告と相性の良い、悪いサービス
競合が多い商材の場合、通常の広告手法では他社広告に人の目が流れて自社商材へ集客できない可能性があります。
記事広告を取り入れれば、メディアの認知度を利用して集客できるため、新商品等、世間に認知されていない商材を世に送り出す際の入り口になります。
半面、記事広告は高価になりやすいため、集客が見込めないものは記事広告には向きません。
一部の人にしか認知されないニッチな商材(犬や猫のようなメジャーな動物ではなく、個体数の少ない動物をペットとして買うための宣伝、等)では、記事広告を出したところで集客力が乏しく、高価な広告費を回収できずに企画倒れになる可能性があります。
記事広告のリスクについて
記事広告はその特徴として、記事であるため、掲載期間に縛りがなく、半ば半永久的に掲載される広告となります。
世の中のトレンドに流行り廃りがある通り、広告に載せる情報にも掲載期限に似たものがあります。
掲載当時は最新の情報だったものが、時間の経過により廃れてしまい、価値のなくなった情報をずっと発信し続けていると、広告を見たユーザーが「古い記事だ」と認識し、悪い印象を与えかねません。
記事広告に限った話ではありませんが、一度掲載した広告はしっかり追いかけて、世の中のトレンドから排除されつつあると感じた場合は削除するか、編集を行うか対策をとることが大切です。
まとめ
記事広告について記載してきました。
記事広告はメディアの力を借りて発信できる強みがあり、自社商材を有利に宣伝できます。
ユーザーに「買わされた」ではなく、「自分で買いたいと思って買った」と思われることが多く、リピート買いにつながる可能性があります。
購買者がその商材の口コミを記入すれば、他の購買欲あるユーザーへの絶好のアピールとなり、更なる勾配につながる可能性も高いです。
また、メディアとの協力により、今後新たなビジネスを開拓できる可能性もあります。
その反面、多くの人の手を介して製作されるため、高価なものが多いです。また、メディア側と広告主側がタイアップして作成することから、製作期間も長期にわたりがちです。
メリット、デメリットも認識した上で、消費者心理を理解して記事広告の作成を制作しましょう。