広告を配信する企業側の担当者にとって、広告代理店との付き合いは成果に大きな影響を与えます。
※自社内で広告運用が完結している場合は除く
良い代理店、悪い代理店が玉石混交、社内の各担当者にレベル差が大きいこともあるかもしれません。
今回は、弊社の営業メンバーが様々な企業にヒアリングを行う中で、実際に聞いた「代理店に対する不満」をランキング形式で発表します。
代理店などでサービスを提供している方は反面教師として、広告主として広告に関わる方は代理店を客観的に評価するために活用いただければと思います。
1,クライアントの不満がたまると起きること
ランキングに入る前に、そもそも広告主の代理店への不満が溜まるとどのような事が起きるのでしょうか。
社内にクレームが来て、担当者変更を命じるかもしれません。それで済めば良い方で、代理店の変更を決定することもあり得ます。
いわゆる「リプレイス」です。インターネット広告の市場が成長している分、広告代理店の数も年々増え、リプレイスを狙っている代理店は少なくありません。
契約が終了となる代理店にとっては勿論ですが、他の代理店で1からデータを収集し直し…という意味では広告主にとってもあまりハッピーなイベントではありません。契約に関する事務的な手間も鑑みれば、現在の代理店が成果を上げて良い対応で不満を解消するのがベストであるはずです。
それにも関わらず噴出してしまう不満。その原因は一体どんな点なのでしょうか。
2,不満ランキング TOP5
代理店に関する不満、TOP5から発表していきます。特にこれらの不満を聞くことが多いそうです。
2-1,1位:代理店からのレポートがない(不十分)
最も多いのは代理店からの広告レポートがない、という不満でした。全く無いというものだけでなく、項目や頻度が不十分であるものもカウントしています。
代理店が提供しているサービスと、広告主が求めているものにギャップが有るケースは少なくありません。
しかし代理店がこれらの要望に全て応えていると現場が疲弊してしまいます。こんな時、もしあなたが代理店の立場だったら「どうしてそのデータが欲しいのですか」とはっきり聞いてみましょう。
その原因となった問題を解決できる別の方法があるかもしれませんし、要望通りにレポートを出しても意味が薄い理由を説明して納得してもらえれば、信頼を得ることが出来ます。
どのみち、普段から不満や要望、それについての意見交換が出来る関係が重要となります。
2-2,2位:代理店から提案がもらえない
代理店から新しい提案がもらえない、という不満が2位にランクインしました。
この不満は、代理店が何もやってないわけではなく、アカウント内の変更履歴を見ると割としっかり運用している痕跡が見られることが多々あります。
つまり広告主が求めているのは「コミュニケーション」なのです。担当者自身も上司やチームリーダーへ報告する必要がありますから、運用の進捗や行っている施策は代理店から報告が欲しいものです。
とは言え、「そんなに細かい話が分かるなら頼んでないですよ」という施策提案や詳細の報告を不要とするタイプの担当者の方も一定数いるため、運用に関する情報は何が必要なのかを定期的に整理する必要があります。
2-3,3位:代理店の改善アクションがない
広告配信結果に対して、改善のためのアクションがない、というケースも意外と多いようです。他代理店の打合せ用の資料を見ると、単に数値報告で終わっているレポートを散見します。大事なのは現状分析からの具体的なアクションであることがよく分かる結果です。
2-4,4位:レスが遅い
広告主は代理店のレスのスピードをかなり気にしています。広告主-代理店間に限らずレスのスピードは重要ですが、配信し続けている広告に対してどれだけ早期に施策を打てるかは重要です。
弊社では、常に「即レス」とまではいきませんが、メールやチャットなどは1時間以内の返信を目標に、日々の業務に遅れが出ないよう取り組んでいます。
2-5,5位:担当者がコロコロと変わる
担当者を頻繁に変更されると、クライアントとしては不安に思います。運用型広告はサービスの特徴や競合他社、利用者の心理を理解しているのかが肝になってくるため、担当者が変わるとその前提情報をまた共有をしなければならない事が多いです。
もちろんきちんと引継ぎをしていれば問題はないのですが、上位にランクインしていることから実際そう上手くいっていないケースが多いように見受けられます。
3,不満ランキング ランク外編
ここまで代理店の不満TOP5をご紹介してきましたが、それ以外にも特筆すべきものを集めてみました。ぜひ参考にしてみてください。
3-1、代理店の対応が悪い
対応の内容に不満を感じるケースです。相談した事に対して対応が曖昧であったり、そっけなかったりすると人間関係である以上良い気持ちにはなりません。
3-2,閲覧権限がもらえない
広告アカウントの閲覧権限を広告主に共有できない代理店が一定数存在します。
運用自体は代理店に依頼していても、定期的にアカウント内をチェックしたい担当者は多いです。
閲覧権限を共有できない企業が提示するその理由は、大抵が「運用情報、ノウハウの情報流出を防ぐため」なのですが、自動化も進んでいる今日、筆者個人としては広告主にも公開できないような裏ワザ的な運用方法があるとは思えません。
広告主のビジネスと広告メニューの性質をよく理解し、配信実績に基づいて改善アクションを取り続けるのみです。
もちろん例外もありますが、このようなアカウントは自動化の割合が高く運用者のチェックが行き届いていないなど、マイナス要因がある場合が多いです。
筆者が実際に聞いた話では、閲覧権限を共有できない上に代理店の手数料率も公開できないという事例もありました。
これでは元の広告費用が分かりませんし、不透明な運用になることは避けられません。アカウントの情報をどれだけ共有できるのかは、代理店と契約を締結する前に確認しておきましょう。
3-3、運用力に不満
広告の配信実績、多くはCPAの数値が目標に対して芳しくなければ当然不満を持つでしょう。
代理店としては、初動の成果が奮わなかった場合の対処法も運用開始前に提示すると、改善がしやすいですしリスクヘッジにもなります。
3-4,コンバージョンの“質”が悪い
コンバージョンはある程度獲得できているものの、その後の成約、実売上に繋がらないというようなケースです。
代理店側が「コンバージョンしているから成果は良好」と思っていても、広告主からすれば全くそう思っていないというギャップが起こることがあります。
このパターンで必要なコミュケーションは以下です。・広告投資が「売上に繋がっているか」のすり合わせを定期的に行う・コンバージョン後の導線(CRMなど)にボトルネックがないかチェックする・コンバージョンのポイントは適切か(問い合わせ数がKPIにもかかわらずLPのCVポイントが「メルマガ登録」になっている等)
3-5,クリエイティブを作れと言われる
やたらとクリエイティブ(LP、バナー等)のせいにする代理店に不満を持つケースです。
もちろん、広告においてクリエイティブは必須です。
しかし、クリエイティブ制作の前に広告の運用ですべき施策は完遂しているのかを振り返りたいところです。
3-6,打ち合わせの数が減ってきている
最初は毎月行っていた打合せが、今では半年に1回です…という話をしばしば聞きます。
メールや電話のやり取りで必要な情報な共有できるかもしれませんが、打ち合わせの場を定期的に設けることでWEB集客、プロモーションの進展も生まれやすいです。
代理店としても、新たなキャンペーンを開始などで広告主の広告予算が増えればウィンウィンなはずなのですが…もったいない事だと思います。
3-7,長年の付き合いから運用がいい加減になってきた
長い付き合いで馴れ合いが生じてしまうケースがあります。
確かに担当者同士で良い関係であることも大事ですが、前提は「成果を出す」ことに他なりません。
付き合いが長いからか運用がいい加減になってきたと、表面では指摘しなくても内心そう思っている担当者が実は多いです。
3-8,施策の提案が本質を捉えられていない
機械的な運用、提案がビジネスの拡大方針と合っていない場合にも広告主は不満を抱きます。
クライアントのビジネスを知り、そのビジネスを方針通りにするための提案をする。歩幅を揃えることが重要です。
3-9,施策や運用をブラックボックスにしてくる
施策や運用面について一切口外しない代理店がいます。
例えば、打合せに参加する報告者は運用者とは別の部署や会社に在籍していて、運用者の考えや感覚が報告者に伝わっていない場合などはブラックボックスにせざるを得ません。
4,なぜクライアントは不満が溜まるのか?
営業から実際に聞いた不満をランキング形式でまとめました。
ただ、バラバラなようで、実は本質は一つだということにお気づきでしょうか。これらの不満はほとんどが「コミュニケーションエラー」から発生しています。
せっかく運用の成果が出ていてもコミュニケーションが元でクライアントを失ってしまうことは非常にもったいないことです。
5,最後に
今回は、弊社の営業メンバーから聞いた「代理店に対しての不満」をまとめましたが、筆者自身も改めて気を付けなければと感じました。
そしてこの記事を読んで共感してしまったWEB広告関係者の方は、一度ご相談ください。
弊社では、アカウントの改善点がわかる0円診断もしています。 是非お気軽にお問合せください!