マーケティングに携わっている人は、UGCという言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
UGCはSNSが普及し、個人で情報を発信できるようになった現代では、とても重要なマーケティングの要素の1つです。
本記事では、UGCの意味や注目される理由など、UGCについて網羅的に解説していきます。
UGCという言葉自体は聞いたことがあるけど、具体的な内容については知らないという人はぜひ最後までお読みください。
1.UGCとは?
UGCの具体的な内容について触れる前に、まずは基本情報について理解を深めていきましょう。
UGCの意味や、混同されがちなCGMとの違いなどついて具体的に解説していきます。
1ー1.UGCの意味
UGCはUser Generated Contentの略で、日本語にするとユーザー生成コンテンツを指しています。
主に、SNSでの口コミやブログなどを指しており、商材や企業の評価への材料になるため消費者のリアルなレビューとして参考にされることが多いです。
1ー2.UGCとCGMの違い
CGMは Consumer Generated Mediaの略であり、ユーザー投稿メディアのことです。
したがって、ユーザーが寄せたコメントでメディアとして成立するWebサイトなどが該当します。
CGMはメディア自体のことを指しており、UGCはユーザーによって作られるコンテンツのことを指していることが主な違いです。
2.UGCが注目される背景
UGCが注目される背景として挙げられるのは以下の2つです。
・購買までの流れが変わった
それぞれの注目される理由について理解を深めていきましょう。
2ー1.広告が通用しない
インターネット広告の需要が伸びるに従い、ユーザーは広告に慣れると同時に、あからさまな広告を避けるようになってきています。
マイボイスコム株式会社が2020年に行った調査によると、10,313件の回答のうち、37.1%もの人が広告を閉じると回答しました。
また、同社が2016年に行った調査では、インターネット広告が表示されたときに「閉じる」と回答した割合は23.2%でした。
この調査結果から、ユーザーは広告に対して興味を示さなくなってきており、すぐに閉じてしまうようになっていることが分かるでしょう。あからさまな広告よりも、UGCを活用したマーケティングで自然に行動を促すことが大切なのです。
画像参考:【 インターネット広告 】に関するアンケート調査(第3回) ー マイボイスコム株式会社
2ー2.購買までの流れが変わった
インターネットやスマートフォンなどのデバイスが普及したことで、消費者が購買に移るまでの行動に変化が起きています。
特に、SNSを使用する人が増えたことで、他人のレビューを参考にする人が増えました。
また、現在はコロナウイルスの影響も相まって、外出前に情報を収集して、外出時間を短縮する人がさらに増えているのです。
アライドアーキテクツ株式会社が行った調査では、4,069名のうち、約30%もの人が「外出する際にSNSで口コミを参考にする」と回答しています。
実際に使用した人のレビューは信頼性があるため、UGCがユーザーから求められることは必然的だと言えるでしょう。
参照:ニューノーマル時代、企業はSNSをどう活用すべき?「新型コロナがもたらした【新しい生活様式】における消費者のSNS利用実態調査」結果発表 ー echoes
3.UGCのメリット
マーケティングでUGCを活用することで、以下のようなメリットを獲得できます。
・費用を抑えられる
導入に踏み切る前に、それぞれのメリットについて確認しておきましょう。
3−1.信頼性が向上する
UGCは、同じ消費者が自然な形で残したレビューであるため、信頼性が高くなっていることが特徴です。
企業が発信した広告よりも、実際に使用した一般の人が残したレビューを参考にする人は多いでしょう。
EveryoneSocial社の調査では、消費者のうちの92%は、他の情報源よりも知り合いの紹介を参考にしていることが分かっています。
参照:36 User-Generated Content Statistics That You Can’t Ignore ― everyone social
3−2.費用を抑えられる
消費者の作成したコンテンツを集めることで、企業側はコンテンツの製作費を払う必要がなくなります。
ただし、効率的にUGCを集めるには、SNSなどを使ってコンテンツが発生しやすい仕組みを作る必要があるでしょう。
ハッシュタグキャンペーンなどを用いて、消費者の声を収集する工夫が大切です。
4.UGCのデメリット
UGCのデメリットは以下の2つです。
・高いクオリティのものを探すのが困難
メリットだけでなく、デメリットについても理解を深めておきましょう。
4−1.集めるのに時間がかかる
UGCは人の手で集めなければいけないため、1つずつ作業を行なっていると時間がかかります。
したがって、収集に時間をかけないような工夫を施すことが大切です。キャンペーンを実施したり、ツールを用いることで時間を大幅に短縮させられるでしょう。
4ー2.高いクオリティのものを探すのが困難
UGCは、全てのコンテンツが同じ質を維持しているとは限りません。ユーザーが投稿したコンテンツであるため、信憑性やクオリティに差があるからです。
クオリティを維持したコンテンツを集めるには、企業側から消費者に対して作ってもらいたいコンテンツを集められるように誘導することが大事です。
5.UGCを用いるときの注意点
UGCを用いるときの注意点は以下の2つです。
・著作権の確認
メリットやデメリットだけでなく、UGCを用いるときの注意点についても理解を深めておきましょう。
それぞれの注意点について具体的に解説していきます。
5−1.薬機法に違反していないか
UGCを利用する際には、薬機法に違反していないかしっかり確認する必要があります。医薬品や医療機器に関して、明らかに誇張した広告を施策することは法律で禁じられているからです。
本来存在していない効果を大袈裟にアプローチしている広告は多く存在していますが、法律違反になるため細心の注意を払いましょう。
5−2.著作権の確認
消費者が作成したコンテンツの著作権は消費者にあるため、利用する際は許可を取る必要があります。
SNSによっては、埋め込みで使用したとしても著作権に侵害するとしているものもあるため、ガイドラインについて事前に確認しておくことが大切です。
6.UGCを取り入れた事例
UGCはすでに多くの企業に取り入れられていますが、実際の事例として以下の2つが挙げられます。
・GoPro
それぞれの事例について具体的に解説していきます。
6−1.キリン株式会社
キリン株式会社では、若い層とのコミュニケーションのためにInstagramの活用を開始しましたが、量と質の確保が課題として挙げられました。
キャンペーンを活用しつつUCGを取り入れることで、必要な作業工数を減らしながら投稿数を増やし、高いエンゲージメント率の確保に成功しています。
参照:キリンビール社に学ぶ!UGC施策の裏側とこれから【UGCディスカッション イベントレポート】 ー Letro
6ー2.GoPro
Go Proでは、消費者が撮影した映像を自社サイトに掲載する手法をとっていました。
質の高い映像を撮影することで、サイトに掲載されるため、消費者のモチベーションを向上させると同時に質の高いコンテンツを収集しています。
UGCのデメリットである質についての問題を、独自の手法で打破した事例だといえるでしょう。
参照:GoPro
7.まとめ
いかがでしたか?
UGCは、消費者の作成したコンテンツを表した言葉であり、信憑性が重要視されている現代では重要なマーケティング手法の1つです。
企業側が準備した広告も重要ではありますが、あからさまな広告はかえって不信感を与えてしまうかもしれません。
また、SNSの普及によって口コミが増えたことも、UGCが重要視される理由の1つです。UGCを用いて、コストの削減を図ると同時に信頼性の確保を目指していきましょう。
あわせて読みたい