【重要指標】ROIとROASの違いとは？意味や計算方法などを解説

マーケティング用語の中には、重要な指標を表す言葉が複数存在しますがROIとROASも重要指標のひとつです。

マーケターとして働いている人は、ROIとROASについて、すでに知っている人が多いでしょう。

しかし、ROIとROASについてなんとなく知っていても、ふたつの言葉の違いやメリットなど、詳しい情報を熟知している人は少ないのではないでしょうか？

本記事では、ROIとROASの意味や違いについて徹底的に解説するのでROIとROASの違いがいまいちわからない…、ROIとROASの意味を知りたい！と考えている人はご一読ください。

 ROIとROASについて

詳しい情報について見る前に、ROIとROASの基本情報について把握しておきましょう。

ROIとROASのそれぞれの意味について、具体的に解説していきます。

ROIとは

ROIはReturn On Investmentの略称であり、日本語に変換すると投資に対しての利益を指しています。

マーケティングにおいては投資した広告費に対しての利益率を表す指標として扱われている用語です。

ROIが高いほど、広告からの利益が高いことになるため、効果的な広告運用が行えていることになります。

ROASとは

ROASはReturn On Advertising Spendの略称であり広告費に対しての売上率を表した言葉です。

例えば、広告費が50万円で、ROASが300%だった場合、50万円の広告費で150万円の売り上げを作り上げたことになります。

ROASもROI同様に、数字が高いほど、広告の運用が効率的にできていることを表しています。

ROIとROASの違い

ROIとROASは、よく混同されることがありますが、実際は全く異なる指標なので注意しましょう。

ROIとROASの主な違いは広告費に対するパフォーマンスの指針です。

具体的には、ROIはパフォーマンスの指針が利益目線であるのに対し、ROASは売り上げ目線になっています。

したがって、ROASが100%を達成していても、ROIが100%を切ってしまう場合は、広告からの利益がマイナスであるため、運用がうまくいっていないと言えるでしょう。

マーケティングでは、ROASとROIの両方を加味して、広告運用の成果を評価する必要があります。

 ROIとROASのメリット

ROIとROASのメリットを簡単にまとめると以下のようになります。

ROIとROASを用いることで、どのような得があるのか、具体的に見ていきましょう。

ROIのメリット

ROIは、利益を元にして、事業の方向性を確かめられることが大きなメリットです。

ROIを参考にすることで、数字がマイナスであれば事業の方向転換を行ったり、撤退を判断しやすくなります。

リスクを未然に減らすためにも、ROIの算出を通して、今後の指針を定めた方が良いでしょう。

ROASのメリット

ROASは、売り上げへの成果が素早くわかることがメリットだといえます。

広告からの売り上げは、本来なら細かい分析や調査が必要です。

しかし、ROASを活用することで、計算式から簡単に導き出すことができます。

ROASは、客観的な視点から、広告への評価を知りたいときに大きな役割を担ってくれる指標です。

 ROIとROASのデメリット

ROIとROASは万能な指標ではなく、以下のようなデメリットも秘めています。

ROIとROASを活用するときは、デメリットも考慮することが重要です。それぞれのデメリットについて、具体的に解説していきます。

ROIのデメリット

ROIは、長期的な事業への活用が難しく、現在の利益の幅しか算出できないため、将来の成長度合いまではわかりません。

これからの方向性について定めるために役に立ちますが、絶対的な指標ではないことを覚えておきしょう。

ROASのデメリット

ROASは、売り上げを元にした指標のため、利益について触れられていないことがデメリットです。

ROASのみを基にしてしまうと、今後の事業の方向性を間違えてしまう可能性があります。

ROIとROASの両方を加味して、今後の指針を決めることが重要だといえるでしょう。

ROIとROASの計算方法

ROIとROASの計算方法について具体的に紹介していきます。

間違った計算方法を覚えてしまうと、今後の事業展開にも悪影響を及ぼすため、ROIとROASの正しい算出方法をしっかり覚えておきましょう。

ROIの計算式

ROIは以下の計算式から算出できます。

たとえば、広告費に20万円を投資して60万円の利益を得た場合は以下の式が成り立ちます。

また、ROIは、下記のように売り上げとコンバージョンを基にする場合によっても式は変化します。

売り上げを基にする場合

コンバージョンを基にする場合

求めたい数値によって、上記の式を使い分けてください。

ROASの計算式

ROASは

から計算可能です。

したがって、50万円の広告費から150万円の売り上げが出た場合、ROASは以下のように算出可能です。

ROASの場合は、売り上げを基にしているため、ROIと比べると簡単に算出できることが特徴です。

 ROIとROAS以外の重要指標について

マーケティングでは、以下のように、ROIとROAS以外にも重要な指標が存在します。

どれもマーケティングでは頻出の用語であるため、ROIとROASと一緒に覚えておきましょう。

それぞれの用語について具体的に紹介していきます。

CPA

CPAはCost Per Actionの略称であり顧客獲得単価のことです。

具体的には1件の成果にかかる費用を指しており、CPAが低いほど、効率的な運用ができていることを表しています。

CPAの計算をする際に用いられる成果は商品の購入や会員登録など、さまざまなものが考えられるため、扱っているサービスや商品によっても異なります。

なお、CPAを求めるには、以下の方式が必要です。

LTV

LTVはLife Time Valueの略称であり顧客生涯価値を指した言葉です。

より具体的に説明するとリピートも含めて、顧客が与えてくれる利益になります。

LTVは時代の変化とともにOne to Oneマーケティングへ移行したことや人口減少で新規顧客の獲得が難しくなったことで重要視されるようになりました。

LTVを算出するには以下の式が用いられます。

CVR

CVRはConversion Rateの略称でありウェブサイトへのアクセスから、コンバージョンに繋がった割合を示す指標のことです。

サイト別の効果を図るために有用であり、マーケティングの重要指標のひとつとされています。

運用しているサイトに訪れる人が多くても、コンバージョンに繋がらなければ意味がないため、Webサイトによるマーケティングでは、CVRが特に重要視されるでしょう。

CVRを求める方法は下記の通りです。

 まとめ

いかがでしたか？

ROIとROASは、マーケティングの重要指標のひとつであり、どちらも広告から得られた数値を示す指標です。

ただし、ROIは利益を基にしており、ROASは売り上げを基にしています。

ROIとROASには、どちらもメリットとデメリットが存在するため、詳しい情報についてしっかり把握しておきましょう。

誤った数値を算出しないように、計算方法についても熟知しておくことが重要です。

特に、ROIは利益を基にしているため、ROASよりも複雑な計算が必要になるでしょう。

また、マーケティングの重要指標はROIとROASだけでなく、他にも複数存在します。

他の重要指標を組み合わせて、広告運用やメディア運用を効率化していきましょう。