レッドオーシャンというビジネス用語がありますが、ご存じでしょうか。
今回は、このレッドオーシャンの意味・メリット・デメリット・ビジネスをするポイントなどを解説します。
レッドオーシャンという状況でどのように勝ち抜いていけばいいのか、役立つ情報をご紹介します。
レッドオーシャンとは?
レッドオーシャンとは、競争相手が非常に多く、市場で激しい競争が行われている状況のことをいいます。
血で血を洗うような激しい戦いが市場という海で展開されていることから、レッドオーシャンと呼ばれます。
ブルーオーシャンとの違い
レッドオーシャンの対極を成すのがブルーオーシャンです。
ブルーオーシャンは市場の競合相手がほとんどいない状態のことです。
晴天の海のように何もなく広がっている様子から生まれた名称です。
レッドオーシャンとブルーオーシャンの関係性
レッドオーシャンとブルーオーシャンは全く別の存在ではありません。
元々ブルーオーシャンであった市場に、競合他社が多数参入してきて、競争が激しくなったのがレッドオーシャンです。
企業としてはブルーオーシャンで事業展開をしたいところですが、なかなかそうはいきません。
ブルーオーシャンとしての活動ができる分野もありますが、レッドオーシャンとなっても生き抜ける戦略を考える必要があります。
レッドオーシャンのメリット
レッドオーシャンの中でビジネス展開をすると、どのようなメリットが得られるか考えてみましょう。
シェアを獲得できれば多くの利益を見込める
レッドオーシャンには多くの競合他社が存在し、しのぎを削っていますが、それだけ需要の高い分野であるともいえます。
そのため、レッドオーシャンの中で一定のシェアを獲得できれば、多くの利益を見込めるでしょう。
需要があることが明確
レッドオーシャンに需要があることは間違いありません。
需要があるからこそ、多くの企業が参入しているのです。
わざわざ調査をしなくても、多くの消費者が利用していることは確かなのですから、参入することで、一定の利益は確保できるでしょう。
参入障壁が低い
レッドオーシャンには多くの企業が参入していますが、そこに新たに参入することは難しくありません。
他社に断る必要はなく、自由に参入できます。参入障壁は低いです。
商品開発のコストを抑えられる
レッドオーシャンに参入している企業は多く、それらの企業が製作している商品やサービスを参考に自社で商品開発ができます。
つまり、自社で新たな商品開発をしなくても、ある程度パターンが決まっているので、商品開発に割り当てるコストを抑えられます。
ブルーオーシャンの場合、一から商品開発することになり、そのための労力・手間。コストも高くなりますが、レッドオーシャンの場合は、他の事例を確認しながら商品製作ができるのがメリットです。
レッドオーシャンのデメリット
続いて、レッドオーシャンでビジネス展開するデメリットを見てみましょう。
市場調査や広告などでコストがかかる
レッドオーシャンには多くの競合企業が参加していることから、市場調査をしっかりしないと、競争に勝ち残れません。
市場規模から市場の動向、利用状況などをよく確認した上で参入する必要があります。
広告コストがかかりやすいのもレッドオーシャンのデメリットです。
競合他社に遅れないためには、内容が充実した広告をたくさん打って、消費者獲得を目指さないといけません。
生き残りが厳しい
多数の競合他社が参入しているレッドオーシャンでの生き残りは簡単ではありません。
すでに序列が決まっているケースもあり、そこに新たに参入してもシェアを十分に獲得できないケースもあるでしょう。
多数企業が競争し合っていると、価格競争にもなりやすいです。
そうなると、薄利多売という傾向も出てきて、ある程度資金力のある企業の方が有利になります。
その中で生き残れず、撤退というパターンもよくあります。
レッドオーシャンでビジネスをするポイント
レッドオーシャンでビジネスをして成功させるためには、どのようなポイントを意識すればいいでしょうか。以下にまとめてみましょう。
既存企業の調査
レッドオーシャンでビジネスをしようと思ったら、既存企業の調査をしましょう。
競合他社がどのような戦略を行って成功しているのかを見ることで、自社の活動に活かすことができます。
既存企業の調査では、次のようなポイントをチェックしてみましょう。
・商品の種類:競合他社が開発した商品調査
・販促:競合他社が行っている販促活動の調査
・ブランドイメージ:競合他社のブランドイメージを調査
・顧客満足度:競合他社商品を使った顧客の満足度を調査
各調査結果から、自社の今後のビジネス展開の方向性を見定めることができるでしょう。
ブルーオーシャンを見つける
レッドオーシャンの中にブルーオーシャンを見つけるのも一つの戦略です。
レッドオーシャンの中にブルーオーシャンが潜んでいる場合があります。
レッドオーシャンで提供されている商品と顧客ニーズの関係が合わず、新たな商品提供の可能性がある場合などです。
そこで新たな商品開発をして、消費者に提供すれば、他の競合他社が作っていない独自の商品で勝負ができ、顧客獲得をしやすくなります。
競争優位性を確立
レッドオーシャンに後から参入すると不利ではありますが、競争優位性を確立できれば、生き抜くことができます。
価格・サービス・商品などにおいて競合他社よりも優れたところがあれば、ビジネス成功のチャンスも高まります。
ブランディングで差別化する
ブランディングで競合他社と差別化するのもレッドオーシャンのビジネスのポイントです。ブランディングにより、自社のブランドにいい印象を持ってもらうのです。
ブランド力が高まると、消費者はブランドを見ただけで信用するようになり、商品購入につながることがあります。
既存の事業を組み合わせる
何もないところから新しいアイデアを出すのは大変なので、既存の事業を組み合わせてみましょう。
そうすれば、レッドオーシャンで勝ち抜ける商品やサービスを開発できるかもしれません。
既存の事業の組み合わせにより、今後の展望を予想しやすくなるのもメリットです。
レッドオーシャンの事例
レッドオーシャンで実際に成功している企業の事例があるので、紹介します。
ポテトチップス市場
ポテトチップスといえば、様々なメーカーが作っていますが、そんな中で湖池屋は独自の商品を開発して、成功を収めています。
それが塩を使わないポテトチップスです。
塩を使うのが当たり前のポテトチップスにあえて使わない商品を売りに出したのです。
健康志向の高まりで、塩分摂取のリスクを心配している人たちの間で塩を使わないポテトチップスはヒットしました。
湖池屋はレッドオーシャンの中で独自の商品を出して、成果に結びつけています。
高級食パン市場
高級食パン市場は大手企業から小規模企業までが参入するレッドオーシャンです。
その中でモスバーガーを展開するモスフードサービスは完全予約制で高級食パンを販売しました。
完全予約制により、予約を受けた分だけ発注・販売するので、無駄がなくなり、売れた分だけの利益を確立できたのがメリットです。
独自システムにより高級食パン市場で大きな利益を上げたのがモスフードサービスです。
ボールペン市場
ボールペン市場もレッドオーシャンで、販売している企業も多いですが、その中でパイロットはフリクションボールペンというものを開発しました。
フリクションボールペンは書いた後に文字を消せるボールペンです。修正液は必要ありません。
従来の常識を破るボールペンで、パイロットはレッドオーシャンの中で独自の地位を築いています。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、レッドオーシャンについて解説しました。
自社の優位性を確保すれば多くの利益を見込める一方で、生き残りが厳しい市場です。
レッドオーシャンの分野に参入されている方や、今後参入を検討されている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。