回遊率とは、ユーザーが自社のホームページ内をどれくらい閲覧しているかを表し、一般的に回遊率が高ければ、自社に興味を示しファン化につながっていると捉えることも可能です。
今回は、回遊率の基本的な概念から確認方法、メリットなどとあわせ回遊率を高める方法やコツなどについてポイントを中心に紹介していきます。
回遊率とは?
そもそも回遊率とは、自社のホームページに訪れたユーザー1人あたりのPV数のことを指します。
ページビューパーセッション(Page views per session)とも言われ、いかにホームページ内で複数ページに遷移したかを意味します。
この回遊率の算出方法は以下となります。
回遊率=PV数÷セッション数
一度の訪問でどれくらいPVしたかを表すため、一度離脱して再度別ページに訪れた場合には回遊率としてはカウントされません。
例えば、ファッション通販などのECサイトの場合には、対象サイトを一度訪れた後、異なる商品や関連するサービスのページにそのまま遷移するケースは少なくありません。
仮に1回の訪問で5つのページに遷移した場合には、PV数は5件、セッション数は1件となるため、回遊率は5件となります。
一般的に、回遊率の高さはユーザーの自社ホームページに対するエンゲージメントとして評価することができます。
複数ページを閲覧しているということは、それだけ商材やサービスに愛着がある可能性が高く、回遊率が高くなればユーザーとの接触機会も増えることから、コンバージョン獲得にも効果が期待できます。
回遊率を確認する方法
回遊率は、Googleアナリティクスのような解析ツールにて確認することが可能です。
各種解析ツールによって確認できる場所は異なりますが、ここではGoogleアナリティクス(GA4)内での回遊率の確認方法について紹介していきます。
②左側メニューの「レポート」を選択
③「ユーザー」>「ユーザー属性」から「オーディエンス」を選択
④「セッションあたりのページビュー数」の項目から確認
回遊率を分析する上での注意点
自社のホームページにおける回遊率の確認方法については先ほど紹介しましたが、続いて回遊率を分析する上での注意点についても紹介していきます。
回遊率は、単に数値が高ければ効果的という訳ではありません。
例えば、あらかじめ自社の商材やサービスに興味があり、購入や申し込みを検討しているユーザーは、あえてホームページ内を回遊するのではなく、コンバージョン方法にスムーズに遷移することが重要になります。
このような場合には無駄に回遊させず、より早くCTAボタンに遷移させる必要があります。
また、ユーザーが知りたい情報や求めているページが見つからず、無駄にページ内遷移を繰り返している状況は、回遊率が高くなったとしても効果的ではありません。
そのため、回遊率は数値の高さだけを確認するのではなく、対象ページの位置づけや滞在時間、遷移先ページの状況などを加味しながら総合的に分析していくことが重要です。
回遊率を高めることのメリット
回遊率を高めることは、ユーザーの興味を引き出すとともに以下のような効果が期待できます。
①PV数の増加
回遊率が高まることは、PV数の増加につながります。
1人のユーザーが訪問時に閲覧するページ数が増えれば、全体的なPV数にも影響してきます。
売上増加や利益拡大につなげるためには、まずはページ内で紹介しているコンテンツをユーザーに見て、知ってもらう必要があります。
何回もユーザーにアクセスさせるのではなく、一度の訪問時に多くのページを閲覧してもらうことは、興味関心度を高める上で効果が期待できます。
②コンバージョン獲得に伴う売上増加や利益拡大
回遊率の向上に伴いPV数が増加すれば、自然とコンバージョン獲得にもつながり、売上増加や利益拡大が期待できます。
例えば、コラムコンテンツなどで興味を持って訪問したところ、関連する商材やサービスのことを知り、商品ページを詳しく閲覧することで購入意欲が沸き、申し込みページで購入するといった行動も起こり得ます。
また、商品購入を目的に訪れたところ、関連する他の商品にも興味を示し、合わせて購入といったケースも少なくありません。
一つのページに全ての情報を詰め込むことは、情報量やユーザビリティ的にも適切ではありません。
そのため、回遊率を高めることを意識した導線設計を行うことでコンバージョン獲得につなげることも可能になります。
③リピーターやファン化の増加
ユーザーは、日々多くのサイトを訪れ、様々な情報を収集しています。
とはいえ、知りたい情報を探す上で、毎回検索などを活用することは面倒で手間もかかります。
このような際に、必要な情報が網羅されているサイトがあれば、リピーターやファン化につなげることも期待できます。
とはいえ、リピーターやファン化につなげるためには、信頼性や信ぴょう性の高いコンテンツを多く用意し、回遊しがいのあるページ構成にする必要があります。
一度ユーザーからの信頼感を獲得できれば、良質な回遊を増加させ、定期的なコンバージョン獲得にも効果が期待できます。
④SEOにおける評価の向上
回遊率の向上は、SEOにおいても効果が期待できます。
SEOはGoogleをはじめ検索エンジン側の評価が求められますが、回遊率の高さはユーザビリティ的にも重要視されています。
例えば、検索エンジンから対象ページに訪れ、すぐに離脱するサイトよりは滞在時間やその後の回遊率が高い方が、ユーザーにマッチするサイトであると評価されやすくなります。
そのため、回遊率が高まればSEO効果も高まり、SEO経由での新たな集客数の増加といった効果にもつなげやすくなります。
回遊率が下がる要因とは?
回遊率は、注意点でもふれたようにコンバージョン目的のユーザーなど良質な意味での下落も考えられます。
とはいえ、今回は改善すべき要因として問題点を紹介していきます。
①ユーザビリティによる要因
回遊率が下がる要因には、自社のホームページにおけるユーザビリティに原因があるケースが多くあります。
例えば、ページの読み込み速度が遅く、知りたい画像やコンテンツがなかなか表示されない場合には、すぐに離脱してしまう可能性が高まります。
また、文字サイズが小さすぎて読みにくかったり、様々な配色を使用することで見づらいページも離脱を増やす要因になります。
特に、近年のスマートフォンの普及に伴い、ユーザーの多くはスマートフォンでページを閲覧する傾向もあります。
このような場合に、PCのサイズにのみ適応したサイトであれば、スマートフォンでは見づらく、操作もしにくいためユーザビリティが低いとして回遊率が下がる要因となります。
②コンテンツによる要因
ユーザーが知りたい情報と、ページ内で紹介しているコンテンツがマッチしていなければ、回遊率が下がる要因になります。
多くのホームページにおいて検索エンジン経由の集客が一番多い集客元となります。
そのため、ユーザーが検索キーワードとマッチしないページであれば、離脱を増やし、回遊率が下がる要因となります。
例えば、「ダイエット 方法」などと検索し訪れたページに何も改善策が紹介されていなかったり、関係ない商材やサービスの紹介ばかりのコンテンツであれば、回遊することもなく離脱してしまう可能性も高まります。
③リンク構造による要因
回遊率を高めるためには、関連する情報や商材など他ページへの導線が適切に設定されていることが重要です。
逆にいうと、どれだけ魅力的なコンテンツが紹介されていたとしても、ページ内で完結していたり、他ページに遷移できない構造であれば、回遊率を高めることはできません。
リンクと分からないバナーや、小さすぎてクリックできない導線であると、ユーザーも迷ってしまい、回遊率が下がる要因となります。
回遊率を高める方法・コツ
先ほどの回遊率が下がる要因をふまえた上で、以下の項目を意識していくと効果的です。
①ユーザビリティの向上
ホームページの表示スピードやデザインの見直し、スマートフォンへの対応などユーザビリティを意識した構成の見直しを行うことで、回遊率を高めることが期待できます。
回遊率を高めるためには、閲覧ユーザーに対して不快感を与えず、誰でも分かりやすく且つ使い勝手を良くしていくことが重要です。
レイアウトに関しても、カテゴリやジャンル別に整理を行い、ユーザーが必要な情報をすぐに見つけられ、且つすぐに遷移できる構成を心掛けると効果的です。
②コンテンツ内容の見直し
ユーザーにとって興味の無い情報は、離脱率を高め回遊率の低下にもつながります。
この多くは、掲載しているコンテンツに原因が考えられます。
そのため、コンテンツ内容は定期的に見直し、リライト含め改善していくと効果的です。
対象ページに対してどういったキーワードでユーザーが訪れているのかは、Googleのサーチコンソールというツールにて確認することが可能です。
そのため、キーワードからユーザーニーズを把握するとともに、魅力的なコンテンツを作成していくと効果的です。
③レコメンドの活用
近年、「関連する商品はこちら」「この記事を読んだ方におすすめのコンテンツを紹介」「この商品を購入したユーザーはこれらも興味があります」など他ページへの回遊を促すコンテンツを掲載しているケースが増えています。
回遊率を高めるためには、ユーザーの自発的な行動だけでなく、ある程度企業側から誘導させることも効果的です。
このような施策はレコメンドとも呼ばれ、自動で関連するページを表示させるツールも多くあります。
レコメンドを活用することで、1ページで完結させるのではなく、回遊率を高めファン化につなげることも可能です。
まとめ
闇雲に集客だけに特化しても、すぐに離脱してしまうようであれば意味がありません。
回遊率は、PV数やコンバージョン獲得につなげるだけでなく、その後のリピーターやファン化という点でも効果が期待できます。
とはいえ、回遊率を高めるためには、ユーザー行動や心理をふまえて適切な構造につなげる必要があります。
今回紹介した内容も参考に、回遊率をもとに自社のホームページを見直し、効果的なマーケティングにつなげていきましょう。