現在のWeb広告のトレンドとしては、いかにユーザーにストレスを与えず、自然な形でアプローチできるかが重要視されています。
ネイティブ広告は、広告出稿先の媒体が提供している記事コンテンツと自然な形で融合して訴求できる広告手法です。
今回は、ネイティブ広告の代表的な種類から、活用するメリットや注意点、成果につなげるコツなどについてポイントを中心に紹介していきます。
ネイティブ広告とは?
そもそもネイティブ広告とは、広告出稿先の媒体に溶け込み、メディアの一部として表示させる広告手法のことを指します。
ネイティブアドとも呼ばれ、対象のメディアにおいて自然な形で広告訴求することができるため、ユーザーに対して違和感を与えることなく、スムーズにアプローチすることが可能です。
ネイティブ広告はWeb広告のトレンド?
従来のWeb広告では、メディアの右上や上段などに専用の広告枠が設置される傾向にあり、広告主はこの枠に沿ってユーザーの目を惹く広告クリエイティブを作成していました。
ただ、近年ではインターネットに慣れたユーザーも増え、従来の広告枠では、余程ユーザーに響かない限り広告はクリックされない傾向が高まってきました。
さらに、メディアの全面をジャックしたような広告手法は、かえってユーザーが見たいコンテンツを阻害する要因となり、広告を出稿することでマイナスイメージにつながる可能性も起こり得ます。
このような背景もあり、近年のWeb広告においては出稿先媒体との関連性や親和性が重要視され、いかにユーザーに対してストレスを与えず、スムーズに訴求先に遷移できるかが求められています。
ネイティブ広告は、出稿先媒体に溶け込むことができるため、ユーザーを自然とクリックにつなげることが期待でき、多くの企業が導入するようになってきています。
一方で、ネイティブ広告は自然と媒体に溶け込ませることができる反面、ユーザーからすると遷移先が異なれば「騙された」「間違ってクリックしてしまった」などと思われる可能性もあります。
そのため、遷移先ページも関連性や親和性を意識するなど、広告出稿時には注意も必要です。
ネイティブ広告の代表的な種類
続いて、ネイティブ広告の代表的な種類について紹介していきます。
ネイティブ広告は、様々な種類が存在します。
・ペイドサーチ型
・プロモートリスティング型
・レコメンドウィジェット型
・ネイティブ要素を含んだインアド型
・その他のカスタム型ネイティブ広告
下記で詳しく解説していきます。
①インフィード型
参考:Yahoo!Japan
インフィード型は、最も一般的なネイティブ広告の種類の一つです。
記事広告やSNS広告などがインフィード型の手法に含まれ、各媒体のメディアコンテンツとしてユーザーに視認されることが多いため、違和感を与えず自然な形で自社の広告を訴求することが可能です。
出稿先の媒体によってはターゲティングを細かく設定した上で配信することもできるため、新規顧客や潜在層のユーザーに対してアプローチすることも期待できます。
②ペイドサーチ型
ペイドサーチ型のネイティブ広告は、基本的にはリスティング広告(検索連動型広告)のことを指します。
GoogleやYahoo!を代表する検索連動型広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて表示される検索結果画面に自然な形で広告を出稿することが可能です。
検索キーワードに応じて広告訴求できることから、より顕在層に対してアプローチすることが期待できます。
③プロモートリスティング型
参考:Amazon
プロモートリスティング型とは、②の検索連動型に近い手法で、GoogleやYahoo!といった検索エンジン以外の媒体における検索連動型のネイティブ広告のことを指します。
対象の媒体にはAmazonや食べログなどが挙げられます。
これらの媒体において、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を表示させることが可能です。媒体の特性に応じてセグメントでき、且つキーワードでターゲティングを行うこともできるため、よりコンバージョンにつながりやすい特徴があります。
④レコメンドウィジェット型
参考:allabout
レコメンドウィジェット型は、広告出稿先媒体のレコメンド枠に表示させる広告手法のことを指します。
レコメンド枠とは対象メディアやコンテンツに関連したページやオススメする記事などを紹介する枠となります。
通常、ページの下部に設置されることが多く、ユーザーの目にする機会は少なくなる傾向にもありますが、一方で記事に興味を持ったユーザーに対してアプローチすることができるため、上手く活用することで効果につなげることも期待できます。
⑤ネイティブ要素を含んだインアド型
インアド型のネイティブ広告は、アメリカを中心に活用されている手法です。
IAB(Interactive Advertising Bureau)というインターネット広告に関する米国協議会のフォーマットに則って表示されるメディアの広告枠に、コンテンツ形式で広告を出稿することが可能です。
Google AdSenseのディスプレイネットワークに近い掲載イメージとなりますが、日本での導入事例はまだ多くありません。
⑥その他のカスタム型ネイティブ広告
カスタム型のネイティブ広告は、SNSのLINEの中で企業がユーザー向けに提供するスタンプや、Spotifyの「Branded Playlist」などを指します。
このような独自のネイティブ広告は、今後も増加していくことが予測されています。
ネイティブ広告を活用するメリット
次に、ネイティブ広告を活用するメリットについて紹介していきます。
①ユーザーにストレスを与えない広告訴求の創出
ネイティブ広告は、広告出稿先の媒体と関連性や親和性を持たせることにより、ユーザーにストレスを与えない訴求を行うことが可能です。
ユーザーに違和感やストレスを与えないということは、自然な形で広告をクリックしてもらうことで、結果的にコンバージョンにもつながりやすくなります。
②潜在顧客に広くアプローチすることが可能
インフィード型やレコメンドウィジェット型を中心に、ネイティブ広告は潜在層の顧客に対して広くアプローチすることが可能です。
出稿先の媒体によっては様々な属性のユーザーを広く集める傾向にあるため、そのユーザーに対してストレスなく訴求できるネイティブ広告は多くのリーチ獲得や認知度向上につながる可能性も高まります。
また、属性に応じたターゲティング設定もできるため、より費用対効果を高めた運用も期待できます。
③拡散効果も期待できる
ネイティブ広告の中には、SNS広告のインフィード型も含まれます。
このような媒体では、広告クリエイティブなどにこだわることで、ユーザーによる拡散効果も期待できます。
興味を持った広告内容をフォローやコメント、リツイートしてもらうことで、ユーザー経由による拡散が増えれば、より多くの集客効果にもつながります。
一方で、拡散にはリスクも伴い、マイナスイメージにつながる可能性もあるため注意も必要です。
ネイティブ広告を活用する上での注意点
続いて、ネイティブ広告を利用する上での注意点についても紹介していきます。
これから出稿を検討している場合には、以下の項目は注意点として押さえておくと効果的です。
・効果が出るまでに時間がかかる場合がある
下記で詳しく解説していきます。
①ステルスマーケティングと誤認されない設定が必要
ネイティブ広告は、ユーザーに対して違和感やストレスを与えず、自然な形で広告に遷移させることから、ユーザーによっては不快感を与える可能性も起こり得ます。
このように、ステルスマーケティングと捉えられた場合、かえってマイナスイメージにもつながりかねません。そこで、ネイティブ広告では必ず広告と分かる表記を行うことが重要です。
「広告」や「PR」、「AD」「Sponsored」などの表記をクリエイティブに盛り込み、ステルスマーケティングでないことを伝えると効果的です。
②効果が出るまでに時間がかかる場合がある
ネイティブ広告は、他のWeb広告などに比べて即効性が高いという訳ではありません。
媒体に溶け込み、自然な形で広告訴求する分だけ、自社の広告に気づいてもらう可能性は低くなります。
そのため、効果が出るまでには時間がかかる場合があるため、あらかじめ考慮しておく必要があります。
一方で、違和感なく自然な形で遷移させることは、関連性や親和性を高めた手法であるため、コンバージョンにつながる可能性は高まります。
そのため、ネイティブ広告は中長期的な戦略の上で、実施を検討すると効果的です。
キャンペーンや割引情報などを訴求した場合には、ネイティブ広告よりも通常バナーの方が効果につながる可能性もあります。
ネイティブ広告の成果を高めるためのコツ
最後に、ネイティブ広告の成果を高めるためのコツについても紹介していきます。
ネイティブ広告は、注意点でもふれたように手法を間違えるとステルスマーケティングと捉えられ、マイナスイメージにつながる可能性もあります。
成果につなげる上で、以下の点を押さえておくと効果的です。
①ネイティブ広告の種類や出稿先媒体の意識したクリエイティブを作成
ネイティブ広告には様々な種類が存在し、且つ出稿先の媒体も多岐に渡ります。
これらの特性をふまえた広告クリエイティブを作成していくことが重要です。
また、自社の目的やターゲットを明確化するとともに、そのターゲットに則した種類や媒体選定を行うと効果的です。
②違和感やストレスを与えないクリエイティブを作成
ネイティブ広告は、違和感やストレスを与えない広告手法となりますが、いくら掲載枠が自然な形でユーザーに訴求できる枠だとしても、広告クリエイティブが浮いたデザインであれば違和感やストレスを与えてしまいます。
広告を行う以上、どうしても宣伝感が強くなる傾向にありますが、出来る限り宣伝色は薄め、押し付けにならない形の広告クリエイティブを目指すと効果的です。
まとめ
インターネットに慣れたユーザーが増える昨今において、ユーザーに違和感やストレスを与えすぎない広告手法が重要視されつつあります。
今回紹介した内容も参考に、ネイティブ広告を上手く活用し、効果的な広告・プロモーション施策につなげていきましょう。