
Google社は2021年2月4日に、
キーワードのマッチタイプである絞り込み部分一致とフレーズ一致の仕様変更を発表しました。
本記事では、
今回のアップデートで変わったマッチタイプの仕様についてまとめていきます。
Google検索広告を出稿している企業様は必見です!
※参考:検索広告を目的のユーザーに表示しやすくするために- Google広告ヘルプ
1. アップデート概要
Google社によると、2021年2月からマッチタイプのフレーズ一致の動作に、
絞り込み部分一致の動作が組み込まれ、絞り込み部分一致は段階的に廃止していく
とのことです。
この目的は、
キーワードを簡素化し、目的の顧客層にリーチしやすくするためです。
そのため、今後マッチタイプは
部分一致、フレーズ一致、完全一致の3つとなります。
2. フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更
今回のアップデートにより、
フレーズ一致と絞り込み部分一致はマッチング動作には差がなくなり、
指定したキーワードの意味を含む検索であれば広告が表示されるようになります。
また、
変更後は語句の順序から意味を踏まえて解釈されるため、
意図していなかった検索クエリで広告を表示することが少なくなります。
■ 今までのフレーズ一致と絞り込み部分一致
マッチ タイプ |
概要 | 設定 キーワード |
表示対象の 検索語句 |
表示対象外の 検索語句 |
フレーズ 一致 |
指定した キーワードが 同じ語順で 検索語句に含まれる場合に広告が表示 |
”引っ越しサービス 東京から 神奈川まで” |
「格安 引っ越しサービス 東京から神奈川まで」 |
「東京の企業 引っ越しサービス 神奈川まで」 |
絞り込み 部分一致 |
指定した キーワードが 語順関係なく 検索語句に含まれる場合に広告に表示 |
+引っ越しサービス+東京 から+神奈川まで |
「格安 引っ越しサービス 東京から神奈川まで」「東京の企業 引っ越しサービス 神奈川まで」 |
「千葉の企業 引っ越しサービス 埼玉まで」 |
■ 変更後のフレーズ一致と絞り込み部分一致
マッチ タイプ |
概要 | 設定 キーワード |
表示対象の 検索語句 |
表示対象外の 検索語句 |
フレーズ 一致 |
指定した キーワードが 同じ語順で 検索語句に含まれる場合に広告が表示※但し設定時の語順から意味を解釈 |
”引っ越しサービス 東京から 神奈川まで” |
「格安 引っ越しサービス 東京から神奈川まで」「東京の企業 引っ越しサービス 神奈川まで」 |
「千葉の企業 引っ越しサービス 埼玉まで」「東京の企業 引っ越しサービス 神奈川まで」 |
絞り込み 部分一致 |
指定した キーワードが 語順関係なく 検索語句に含まれる場合に広告に表示※但し設定時の語順から意味を解釈 |
+引っ越しサービス+東京 から+神奈川まで |
「格安 引っ越しサービス 東京から神奈川まで」「東京の企業 引っ越しサービス 神奈川まで」 |
「千葉の企業 引っ越しサービス 埼玉まで」「東京の企業 引っ越しサービス 神奈川まで」 |
例えば、
フレーズ一致キーワード「引越しサービス 東京から神奈川まで」の場合、
「格安 引越しサービス 東京から神奈川まで」などに一致する点は変わりませんが、
これに加えて、従来は絞り込み部分一致でしか一致しなかった
「東京の企業 引越しサービス 神奈川まで」などにも一致するようになります。
フレーズ一致では、
語順が逆になった検索(「神奈川から 東京まで」の引越しを検討している人)
などは広告表示の対象とはなりません。
※参考:フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について- Google広告ヘルプ
3. 注意点
以下に注意点を6つ紹介します。
- 絞り込み部分一致の新規作成ができなくなる
- 既存の絞り込み部分一致をフレーズ一致に変更する必要はない
- キーワードの一部を絞り込むことが不可能に
- 除外キーワードには適用されない
- 自動的に変更される
- 日本語での変更は21年6月頃を予定
■ 絞り込み部分一致の新規作成ができなくなる
2021年7月から絞り込み部分一致キーワードを新規で作成することができなくなり、
今後はフレーズ一致に統一されます。
既存の絞り込み部分一致キーワードは、
新しいマッチング動作で続行されます。(語句の順序から意味を踏まえて解釈される)
■ 既存の絞り込み部分一致をフレーズ一致に変更する必要はない
既存の絞り込み部分一致は新しいマッチング動作で続行されるため、
わざわざフレーズ一致に変更する必要はありません。
また、
マッチタイプを変更すると過去のデータを引き継ぐことができないため、
オススメしません。
■ キーワードの一部を絞り込むことが不可能に
絞り込み部分一致と通常の部分一致を組み合わせて設定することができなくなります。
例えば、
「+転職 高収入」といったように「転職」のみ絞り込み、
「高収入」を部分一致で広げていた場合、
「高収入」部分も今後はフレーズ一致として認識されるようになります。
今回の変更でフレーズ一致は従来より拡張範囲が広がりますが、
部分一致よりはリーチが狭いため、
トラフィックの減少につながる可能性があります。
予め、多めにキーワードを登録しておいた方が良いでしょう。
運用者は時間の経過とともに検索語句レポートをチェックし、
仕様変更前後でトラフィックの減少が見られるキーワードを追加しましょう。
■ 除外キーワードには適用されない
今回のフレーズ一致と絞り込み部分一致に関する変更は、
除外キーワードの各マッチタイプには影響しません。
これまでと同じ仕様になります。
除外キーワードの使用については下記の記事に記載があるため、
こちらで参照ください。
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■ 自動的に変更される
今回の変更は広告主様(広告アカウント側)で設定するものではなく、
Googleから自動的に変更が適用されます。
そのため日頃から情報のキャッチアップしておく必要があります。
■ 日本語での変更は21年6月頃を予定
この変更はまず、
一部の言語
(英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、
イタリア語、オランダ語、ポルトガル語、ロシア語)から開始され、
日本語での変更は21年6月頃(遅くとも年内)を予定しています。
4. 対処法
主な対処法を下記にてまとめますので、広告運用者は要チェックです。
4-1. フレーズ一致のトラフィックをチェックし、必要に応じて予算をシフト
フレーズ一致の広告表示範囲は(絞り込み部分一致を内包することで)
増加すると予想されます。
フレーズ一致キーワードの割合が高いキャンペーンは、
表示回数が伸びるのでクリックも拡大し、
現状予算では出稿が制限される可能性があります。
予算によるインプレッションの制限がかからないように予算を調整し、
機会損失にならないようにアカウントの最適化案を定期的に確認してください。
4-2. 絞り込み部分一致のトラフィックをチェックし、必要に応じてキーワードを追加
フレーズ一致と反対に、
絞り込み部分一致キーワードはトラフィックの減少につながる可能性があります。
アカウントの新しいキーワードの追加の最適化案を定期的に確認し、
随時追加していきましょう。
以前のトラフィックを回復するためのキーワードにラベルが付与されるため、
参考になるはずです。
4-3. 重複するキーワードを削除
変更後、
同じ広告グループ内に絞り込み部分一致キーワードと
フレーズ一致キーワードの両方が存在する場合、
それらは同じように挙動し始めます。
21年7月からアカウントの最適化案で、
どのキーワードが重複しているのか提示され削除できるようになるので、
こちらも適宜、最適化案を確認するようにしましょう。
5. まとめ
いかがでしたか?
今回のアップデートでは、
ほとんど全てのアカウントで影響が出るため広告運用社は知っておくべき内容ですね。
Google社がここまで大きな変更に思い切った背景として、
ユーザーの検索語句が多様化している点が1つあります。
こういったユーザーの多様化する検索語句(ニーズ)に、
より広く、より正確にマッチするよう変更がなされるのです。
ただ、
マッチタイプの仕様変更だけでは増えていくユニークな検索語句に対応しきれないため、
今回のアップデートを最大限活かすために、
より一層キーワードの追加を行っていく必要があります。
今回のアップデート内容やキーワードの追加・運用方法など
分からないことがあればお気軽に弊社へお問い合わせください。
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最後までご覧いただきありがとうございました!