メールというツールが登場してから60年ほど経った現在でも、
メールマーケティングは重要なマーケティング手法のひとつとして認知されています。
しかし、中にはメールマーケティングについて以下のような悩みを抱いている人もいるのではないでしょうか。
• メールマーケティングの具体的な手順を知りたい
• メールマーケティングで重要視するべき指標やツールについて知りたい
本記事では、メールマーケティングの意味や種類、手順について解説していきます。
上記のような疑問を抱いている人はぜひ最後までお読みください。
メールマーケティングとは
まずは、メールマーケティングの意味や、よく混同されるメールマガジンとの違いを解説します。
具体的な種類やメリットなどの情報に触れる前に、基本的な項目を確認しておきましょう。
メールマーケティングの意味
メールマーケティングは、その名称の通りメールを通して顧客の購買活動を促進する手法のことです。
名刺から得た情報をもとにしたり、問い合わせや資料請求から獲得したアドレスを通したりして営業活動を行います。
LINEなどのチャットツールの普及によって、メールというツール自体に古い印象を抱いている人も多いでしょう。
2021年に日本一般社団法人日本ビジネスメール協会が行った調査では、ビジネスおけるコミュニケーション方法はメールの割合が最も高かったです。
したがって、メールを活用したマーケティング手法はまだまだ有効だと言えます。
参照:ビジネスメール実態調査2021|日本一般社団法人日本ビジネスメール協会
メールマーケティングとメールマガジンの違い
メールマーケティングとメールマガジンをイコールで考える人も多いですが、ふたつが表している意味は根本的に異なります。
メールマガジンは企業や商品に関する情報を配信して顧客にアプローチする手法であり、メールマーケティング施策のひとつです。
メールマーケティングではターゲット層や目的ごとに施策を変えますが、メールマガジンは顧客との接点を絶やさないための手法として認知されています。
メールマーケティングの種類
メールマーケティングには以下5つの種類が存在します。
• セグメントメール
• リターゲティングメール
• 休眠顧客発掘メール
• ステップメール
メールマーケティングには具体的にどんな手法があるのか確認していきましょう。
それぞれの手法について順番に解説していきます。
メールマガジン
メールマガジンはメールマーケティングにおける代表的な施策のひとつでメルマガとも呼ばれている手法です。
一斉送信することで、企業や製品に関する情報の多くを、見込み顧客に届けられるメリットがあります。
セグメントメール
セグメントメールは、顧客それぞれの興味関心に合わせたメールを個別で送るメールマーケティングのことを指しています。
メルマガの開封やURLのクリックなどの条件で絞り、適切なメールを配信していくことが大切です。
リターゲティングメール
リターゲティングメールは、アクションを起こした顧客に対して再アプローチする手法のことです。
一度アクションを起こした相手に対してメールを送信するため、さらなる行動を起こさせるように内容を工夫する必要があるでしょう。
休眠顧客発掘メール
商談が成立しそうだったが、最終的に成立しなかった相手に対して送る手法を休眠顧客発掘メールと呼びます。
成立しそうになった相手にもう一度アピールするため成功する可能性が高いですが、タイミングを見誤ると機会損失につながってしまうので注意してください。
商談の後、半年近くは様子を見てからメールを送ることがおすすめです。
ステップメール
ステップメールは、徐々にアプローチして相手の興味度を上げていくメールマーケティング手法のことです。
段階を踏んで質の良い情報を提示するため、シナリオを考えるのが難しいですが、相手のニーズに当たれば効果的に顧客育成が狙えます。
メールマーケティングのメリット
メールマーケティングには以下3つのメリットが存在します。
• 効果測定が容易
• 費用対効果が高い
それぞれのメリットについて具体的に解説していきます。
低予算で始められる
マーケティング施策には、広告運用やインフルエンサー活用など、多種多様なものが存在しますが、メールマーケティングはその中でも費用が低いことがメリットです。
ツールの導入費や人件費、インターネット環境だけで済むため、紙媒体を利用するよりも安く始められるでしょう。
効果測定が容易
メールマーケティングでは、ツールを活用すれば開封率やクリック率を簡単に確認できるため、効果を測定するのが容易いです。
駄目だったポイントもすぐにわかるので、PDCAを回しやすいメリットがあります。
費用対効果が高い
メールマーケティングは、自社の商品やサービスに対して興味を持っている相手や、一度アクションを起こした相手にアプローチできるため、高い費用対効果が期待できます。
低予算かつ効果測定が容易なので、PDCAを回し続ければ、効率を上げて最大限の効果を発揮できるでしょう。
メールマーケティングのデメリット
メールマーケティングには、メリットだけでなく、以下のようなデメリットも存在します。
• 人材とある程度の予算が必要
メールマーケティングを導入する前に、良い点だけでなく、デメリットも把握しておきましょう。
ユーザーの行動形態をキャッチアップし続ける必要がある
メールマーケティングでは、ユーザーが求めている情報を提供して興味を惹くことが重要であるため、配信相手がどんな情報を欲しているのかに注力する必要があります。
世の中のトレンドやユーザーの趣味嗜好を追い続ければいけないので、担当者の負担が大きくなる可能性があるでしょう。
人材とある程度の予算が必要
メールマーケティングはリードナーチャリング(見込み顧客育成)を目標にしていることが多いため、ユーザーと接点を持ち続けることが重要になります。
コンテンツの制作や人材の確保に費用がかかるので、低予算でスタートできるといえど、ある程度の費用が必須です。
メールマーケティングで重要な指標
メールマーケティングを実際に行う際、以下3つの指標について留意する必要があります。
• 開封率
• クリック率
上記のような指標は実際に施策を行なった後の改善で重要になるので、それぞれの意味を覚えて活かせるようにしておきましょう。
購読解除率
購買解除率は一度購読をしていたのにも関わらず、何らかの理由で解除した割合のことです。
購買解除率が高い場合、多くのユーザーがメールの内容に魅力を感じていない可能性があるので配信情報の改善が必要になるでしょう。
開封率
開封率は送付したメールが開封された割合のことです。
そもそもメールマーケティングではメールが開封されないと意味がないので、開封率は特に重要な指標だと言えるでしょう。
開封率を上げるためには、興味を惹ける件名の設定など、キャッチコピーの能力やセールスライティングのスキルが必要になります。
また、相手が情報を欲しているタイミングを見計らうことも大切です。
クリック率
クリック率はメールに添付されているURLや画像がどれだけクリックされたのかを表す数値のことです。
開封率がある程度あっても、クリック率が低い場合は、ターゲットとコンテンツの親和性が低い可能性があります。
そもそもターゲットが間違っているのか、コンテンツが適切でないのかを見定めて改善していきましょう。
メールマーケティングの手順
メールマーケティングを始めるときの具体的な手順は以下の通りです。
2. 配信内容の決定
3. 検証と改善
ただ施策するだけでは意味がないので、効果的な手順についても理解しておきましょう。
ターゲットと目的の策定
まずはメールマーケティングを行うためのターゲットと目的を策定していきます。
誰にどんな情報を提供するのかが明確になっていないと、方向性が定まっていないまま作業を進めることになるので注意してください。
方向性が定まらないままだと、ターゲットに対して適切な情報を発信できなかったり、タイミングを間違えたりしてしまうため、期待していた効果が発揮されなくなってしまいます。
配信内容の決定
ターゲットと目的の策定ができたら、具体的な内容を決定しましょう。
想定している相手にとってどんな情報が有益で、効果的に訴求できる画像やキャッチコピーは何なのか考えることが大切です。
企業側の視点だけだと一方的な訴求になってしまうため、顧客の目線に立って施策をおこなってください。
検証と改善
メールマーケティングでは、内容が決まって配信したら終わりではなく、検証を通して改善を繰り返すことが重要です。
開封率やクリック率などの情報をもとに、より効果的な手法を編み出していきましょう。
メールマーケティングで活用するツール
メールマーケティングで活用すると便利なツールは以下の2つです。
• メール配信ツール
ツールを活用すると、さらに効率的にメールマーケティングを進められます。
ふたつの効果的なツールについて見ていきましょう。
マーケティングオートメーションツール
マーケティングオートメーションツールは、マーケティングに関する業務を自動化・効率化できるものです。
別名MAツールとも呼ばれています。
メール配信に関する項目だけでなく、LPや広告運用についても対応できるので、メールマーケティング以外のマーケティング施策を考えている人にもおすすめです。
メール配信ツール
メール配信ツールは、マーケティングオートメーションツールと違い、専門的にメール配信の効率化を測れるものです。
メール配信ツールを導入すれば、デザイン性の高いHTMLメールやステップメールを簡単に作成できたり、獲得した情報をグラフ化することも容易になるでしょう。
まずはメールマーケティグを本格的に始めてみたいと思っている人にはメール配信ツールがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
メールマーケティングは古いという印象を持たれがちですが、まだまだ重要なマーケティング手法のひとつです。
代表的なメールマガジンだけでなく、ステップメールやリターゲティングメールなど、多種多様な手法が存在します。
低予算で始められて高い費用対効果が期待できるので、興味がある人は一度導入を検討してみましょう。
本格的にメールマーケティングを活用する際は、ターゲットの策定から始めて、ツールを使った検証と改善を施していくことをおすすめします。
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