広告を出稿する際に大切な広告戦略について解説します。
広告戦略を立てる手順、ポイントなどを取り上げながら、成功事例も見ていくので、皆さんの会社でもぜひ取り入れて、効果的な広告を打てるように努めて下さい。
広告戦略とは?
広告戦略とは、商品やサービスを購入してもらうために認知度を上げるための戦略を意味します。
広告戦略の手法は主に2種類あります。クリエイティブ戦略とメディア戦略です。
それぞれの手法の特徴を見てみましょう。
クリエイティブ戦略
クリエイティブ戦略とは、広告の内容を考える戦略のことです。
具体的には、メッセージ、主張、ビジュアル、音楽、効果音、キャラクターなど様々なものが含まれます。
クリエイティブ戦略により、伝えたい商品やサービスのイメージ、企業の特徴などを打ち出すことができます。
ただし、特徴を伝えることだけがクリエイティブ戦略の主目的ではありません。
競合他社との差別化を図り、自社の強みを顧客にアピールすることも重要です。
顧客が興味を持ってくれるような広告を出稿するようにします。
メディア戦略
メディア戦略は広告の内容ではなく、どう伝えるかを考える手法です。
せっかくクオリティの高い広告を制作しても、伝え方が間違っていると、広告出稿の成果が期待できなくなります。そこでメディア戦略を考える必要があるのです。
具体的には、広告を出稿する媒体、チャネル、広告配信の頻度、ターゲットへの到達方法などを考えていきます。
メディア戦略には3つの種類があります。
ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアです。それぞれどのようなメディアか解説しましょう。
ペイドメディア
ペイドメディアとは、paid(支払った)メディアということで、お金を支払って広告を出稿するメディアのことです。
テレビ広告、新聞広告、雑誌広告、インターネット広告などがペイドメディアに該当します。
ペイドメディアに出稿した広告は目立ちやすく、自社商品やサービスの知名度を短期間に上げられます。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社が立ち上げ、運営しているメディアのことです。ホームページ、採用ページ、ブログなどの例があります。
オウンドメディアの場合、成果が出るまで少し時間がかかるので、中長期的な視点に立って運営する必要があります。
アーンドメディア
アーンドメディアとは、企業とは別の第三者が作成したメディアのことです。口コミやSNS投稿、ブログ記事などが該当します。
アーンドメディアのアーンドとは、earned(獲得した)という意味で、共感や信頼を獲得するということです。
利用者が増えつつあるTwitterやInstagramのようなSNSでは、インフルエンサーが商品やサービスに高評価を与えることで、一気に認知度が向上し、購買者が増えることもあります。
その一方で、第三者が作成しているアーンドメディアでは、企業側でネガティブな投稿によって悪評が広まるのをコントロールできません。
広告戦略を立てる手順
広告戦略をどう立てていけばいいのか、手順を紹介します。
目的とターゲットを明確にする
広告戦略を立てるときは、まず目的を決めます。
資料を請求してもらうのか商品やサービスを購入してもらうのか企業のブランディングをするのかなど、目的によって戦略の立て方も変わってきます。
目的が定まったら、ターゲットを絞りましょう。具体的なペルソナを設定することで、訴求力ある広告を出稿しやすくなります。
予算を決める
クリエイティブ戦略とメディア戦略にどのくらいの費用を割けるか考えましょう。
最初から予算が決められている場合は、その予算内に収まるように計画します。
メディア戦略を立てる
予算が決まったら、メディア戦略を立てましょう。どの媒体にどのくらいの頻度でどの時間帯に広告を出稿するのかを考えます。
そこで重要になってくるのがターゲットの行動パターンを知ることです。カスタマージャーニーマップを作成し、ターゲットの行動パターンを把握し、効果的にアピールする方法を探ります。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を認知してから購入するまでのパターンを時系列でまとめたものです。
クリエイティブ戦略を立てる
メディア戦略を立てたら、今度はクリエイティブ戦略を考えます。設定したターゲットのニーズに合致した表現を作成します。
ポイントは単に商品やサービスのスペックを伝えるのではなく、利用メリットを打ち出すことです。「この商品を使えば、こんないいことがありますよ」と訴えかけるコンテンツにすれば、顧客の購買意欲も高まるでしょう。
運用と改善を行う
クリエイティブ戦略を立てて、広告コンテンツを制作できたら、運用と改善を行っていきます。
運用・改善でポイントになるのは、実際に効果を測ることです。コンバージョン率やクリック率、視聴数などを確認した上で、目標値を達成できるように努力します。
広告戦略のポイント
今度は、広告戦略を考えるポイントを見てみましょう。
市場分析を行う
広告戦略を考えるに当たって、まず市場分析をしましょう。現在の市場や競合他社の動向、自社を取り囲む環境などを正しく分析し、今後の戦略作りに活かしていきます。
適切なターゲティングを行う
広告を出稿する場合、適切なターゲティングをすることが重要です。ターゲットが曖昧だと、広告の効果を上げにくくなります。
具体的なペルソナを設定し、ペルソナに合った商品やサービスの広告を打ち出せば、実際の購買にもつながりやすくなるでしょう。
自社の立ち位置を確認する
広告戦略を考える上でポイントになるのは自社の立ち位置を確認することです。競合他社と比べて、自社がどんな立場にあるのか分析し、対応することで、効果的な広告を出稿しやすくなります。自社と競合他社の相違点をアピールしてみましょう。
広告戦略の成功事例
広告戦略で実際に成功した企業の例があるので、紹介します。
ポカリスエット
ポカリスエットは大塚製薬が販売・製造しているスポーツ飲料ですが、大塚製薬では若い世代をターゲットにした広告戦略を打ち出しました。競合他社の商品でも10代の使用率が高かったためです。
「ポカリ鬼ガチダンス選手権」を開催したり、SNSでハッシュタグキャンペーンを展開したりして、若い世代の取り込みに成功しました。
レッドブル
レッドブルの製造・流通は外部に委託し、レッドブル社自体は広告展開を主に行っています。レッドブル社ではマーケティングに専念することで、レッドブルのエナジードリンクとしても立ち位置を確立しています。
具体的には、若者が参加する音楽イベントなどで商品を周知させ、若者におすすめの飲料として印象づけました。
ナイキ
ナイキは差別があるような広告を制作していると炎上したことがあります。
しかし、ナイキの目的はペルソナを絞った広告を打ち出すこと。移民や有色人種をターゲットにして、炎上覚悟でアピール製の高い広告を出稿しています。
実際に炎上騒ぎになることはありますが、売上は順調に伸びています。
ニトリ
ニトリはユニークな広告戦略を採用しています。まず広告入札をAIに落とし込み自動化しています。手動で入札していたときに比べて、来店数が大きく上昇しました。
広告を単なる宣伝の場として考えずに、顧客とのコミュニケーションの場として捉えているのもニトリの特徴です。
メルカリ
メルカリの広告戦略の特徴はオンライン広告とオフライン広告を組み合わせていることです。サービスを立ち上げて1年以内でテレビCMを打ち、オンライン広告は黎明期から上手くいっています。
ともに認知度上昇、利用者増加に大きく貢献しました。
まとめ
いかがでしたか。
今回は広告戦略について解説しました。
広告効果を最大化させるためには、適切に広告戦略を立てる必要があります。
ぜひ本記事を、広告戦略の立案や広告運用の成功のお役立てください。