
デジタルマーケティング業界に携わっている方であれば、
「DV360(ディスプレイ&ビデオ 360)」
という名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、
「DV360とは具体的に何か?」
「従来のGDN(Google ディスプレイ ネットワーク)と何が異なるのか?」
といった疑問を持つ方も少なくないと思います。
本記事では、
DV360の基本概念から具体的なメリット・デメリットまで、詳しく解説いたします。
1. DV360(ディスプレイ&ビデオ 360)とは?

DV360(ディスプレイ&ビデオ 360)とは、
デジタル広告運用に必要な機能を一元的に備えた、統合型の広告管理ツールです。
クリエイティブ設計・データ管理・広告配信・キャンペーン最適化
などの機能が備わっています。
主に以下の統合モジュールで構成されています。
- キャンペーン
- オーディエンス
- クリエイティブ
- 広告枠
- 分析情報
① キャンペーン
キャンペーンの管理を行います。
具体的には、
予算管理、広告データ管理、広告の作成、キャンペーン最適化、モニタリングなどを行います。
機械学習を使って入札や最適化などを自動化することも可能です。
② オーディエンス
オーディエンスの作成、管理、分析を行います。
興味関心を示すメディアや商品・サービスなどを基にして
ターゲティングを設定することが可能です。
③ クリエイティブ
広告の作成・管理を行います。
商品やサービスに適した広告のフォーマットを見つけ、
プレビュー機能を活用しながら広告を作成することが可能です。
④ 広告枠
配信先の広告枠の管理・購入が可能です。
大手メディアや媒体社の質の高い広告枠を見つけることが可能です。
⑤ 分析情報
データの取得から広告のパフォーマンス分析を行います。
インスタントレポートという、
データをすぐに確認できる機能があります。
※参考:Google ディスプレイ&ビデオ360ヘルプ ディスプレイ&ビデオ360の概要 2025年6月閲覧
※参考:Google ワークフローを改善 2025年6月閲覧
※参考:Google オーディエンスの概要 2025年6月閲覧
2. DV360のメリット
DV360を活用する上で考えられる、主なメリットを3点ご紹介します。
- キャンペーン管理
- 多彩な広告フォーマット
- 多種多様な広告枠への配信
■ キャンペーン管理
クロスチャネルでの広告プランニングに対応しており、
広告枠や掲載先メディアを探すことが可能です。
また、
ターゲットとするユーザー層や予算に基づき、
リーチ予測を立てプランニングすることが可能です。
運用については、
目標に応じて機械学習に基づいた自動入札を活用できます。
さらに、
膨大な数のキャンペーンを運用している場合は専用ツールを活用することで、
管理や分析の効率化を図ることができます。
■ 多彩な広告フォーマット
3D広告・ネイティブ広告(動画/静止画)・YouTube広告など、
幅広い広告フォーマットがあるため、
自社商品やサービスに適した広告の見せ方を選ぶことが可能です。
※参考:Google Display & Video 360 2025年6月閲覧
■ 多種多様な広告枠への配信
知名度のある放送局・パブリッシャー・メディアなど、
質の高い広告枠を見つけることが可能です。
テレビの広告枠も交渉可能です。
ブランド保護や不正なインプレッションの検出と除外にも対応しています。
3. DV360のデメリット
DV360は高機能なプラットフォームである反面、
効果的に活用するためには相応の専門知識とスキルが必要です。
広告配信の仕組みはもちろん、
データ分析、マーケティング戦略など、幅広い知識が求められます。
また、
DV360に関する公式情報は内容が専門的であるため、
学習や導入に際して理解に時間を要したり、社内リソースの確保が必要となる場合があります。
4. 使用可能なターゲティングの種類
DV360では、
Googleディスプレイ広告と同じようなターゲティングの使用が可能です。
具体的には以下のようなものがあります。
- 広告枠ソースターゲティング
- オーディエンスターゲティング
- コンテンツターゲティング
- テクノロジーターゲティング
ターゲティングでは、
Googleディスプレイ広告と同様に、配信と除外の設定ができます。
ターゲティングが絞られすぎると配信量が減少するため、
適度なリーチ量を保つようターゲティングを設定しましょう。
※参考:Google ディスプレイ&ビデオ 360 でのターゲティングについて 2025年6月閲覧
※参考:Google リマーケティング 2025年6月閲覧
5. 広告フォーマットの種類
DV360では、
多彩な広告フォーマットを使用したクリエイティブの配信が可能です。
具体的には以下のようなものがあります。
イメージ | 広告フォーマットの説明 |
![]() |
【インタラクティブな3D広告】 ユーザーが画面上でコンテンツを自由に操作できる広告 |
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【ネイティブ動画広告】 配信先の媒体に調和する形で表示される動画広告 |
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【パララックス広告】 スクロールに連動して動く(アニメーションする)広告 |
![]() |
【パノラマ広告】
3枚の画像を横にスワイプして見せるギャラリー形式の広告 |
![]() |
【オーディオ広告】
デジタルラジオや音声メディア向けの音声広告 |
![]() |
【キューカード広告】
ロゴ・背景画像・3つの広告コピーを |
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【ネイティブディスプレイ広告】
配信先の媒体に調和する形で表示されるディスプレイ広告 |
![]() |
【YouTubeバンパー広告】
6秒間のスキップ不可なインストリーム広告(CPM課金) |
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【YouTubeディスカバリー広告】
ユーザーが自らクリックして視聴を開始するタイプの広告 |
![]() |
【YouTube TrueViewインストリーム広告】
YouTubeやGoogleディスプレイネットワーク上の |
![]() |
【YouTube TrueViewショッピング広告】
Google Merchant Centerのフィードと連携して、 |
※画像引用(出典:Google Display & Video 360 2025年6月閲覧)
6. 配信先の広告枠
DV360では、
複数のアドエクスチェンジを通じて、媒体の広告枠の入札や購入を行うことができます。
以下に対象となる主なエクスチェンジを一部紹介します。
■ 主なエクスチェンジ
- Googleアドマネージャー
- MicroAd
- Criteo Commerce Grid
- Outbrain
- TVer
- Disney Real-Time Ad Exchange
- Geniee
- OpenX
- AppNexus
- AppLovin Exchange
- PubMatic
- Magnite
- Index Exchange
- InMobi
- TripleLift
これらのエクスチェンジを通じて媒体の広告枠に広告を配信することが可能です。
※参考:Google エクスチェンジの管理 2025年6月閲覧
※参考:Google 対応しているエクスチェンジ 2025年6月閲
7. まとめ
DV360(ディスプレイ&ビデオ 360)は、
広告の設計から分析まで一元管理できるGoogle提供の統合型広告プラットフォームです。
キャンペーン管理やターゲティング、豊富な広告フォーマット、
そして複数のアドエクスチェンジへの配信機能など、
柔軟かつ拡張性の高い設計が特徴です。
一方で、
情報の専門性や操作性には一定の学習コストがかかるため、
効果的に活用するには運用体制の整備や知識の習得が求められます。
DV360は、
より広範なリーチと高度な最適化を目指す広告主にとって、
有力な選択肢のひとつとなるでしょう。
※本記事は当社の見解を含む情報提供を目的としたものであり、記載内容による成果の向上を保証するものではありません。