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CVR(コンバージョン率)が低下した場合に考えられる理由10個を徹底解説!

更新日:2025年04月15日

CVR(コンバージョン率)が低下した場合に考えられる理由10個を徹底解説!

「サイトへの流入数は増えているのにコンバージョンが増えない…」
というお悩みをお持ちのWeb担当者様は多いのではないでしょうか。

本記事では、
CVR(コンバージョン率)が低下する原因を徹底分析し、効果的な改善策をご紹介します。

1. CVR(コンバージョン率)とは何か、そして正しい計算方法

CVR(Conversion Rate)とは、
サイト訪問者のうち、実際に商品購入や資料請求、会員登録などの
目標とする行動(コンバージョン)に至った割合を示す重要な指標です。

CVRの計算式は非常にシンプルです。

CVR(%) = (コンバージョン数 ÷ サイト訪問者数) × 100

例えば、
月間のサイト訪問者が10,000人で、そのうち100人が商品を購入した場合、
CVRは1.0%となります。

業種や商材によって平均的なCVR値は異なりますが、
一般的にECサイトでは2〜3%程度、
リード獲得型のBtoBサイトでは0.5〜2%程度が目安とされています。

GA4では「セッション キーイベントレート」としてCVRを確認できます。

まずはキーイベント(コンバージョンポイント)を適切に設定し、
現状のCVRを正確に把握することが改善への第一歩です。

2. CVRが低い根本的な10の理由

理由① ターゲティングの精度不足:見込み客以外の流入が多すぎる

CVRが低い最も根本的な原因の一つが、ターゲティングの精度不足です。

いくら多くのユーザーがサイトを訪れても、
そのユーザーが自社の商品やサービスに興味がなければコンバージョンには繋がりません

ターゲティング精度の問題が起こる状況

  • 広告のターゲット設定が広すぎる
  • 検索クエリとコンテンツのミスマッチ
  • ペルソナ設定が曖昧または不適切

 

ターゲティングの精度を高めるには、既存顧客の分析やユーザー行動データの活用が有効です。

GA4のユーザーセグメント機能を活用し、
実際にコンバージョンしたユーザーの特性を分析してみましょう。

理由② サイト構造の問題:ユーザーが求める情報にたどり着けない

複雑すぎるサイト構造は、
ユーザーが必要な情報を見つけられないストレスにつながります。

必要な情報を見つけるのに時間がかかると、ユーザーは離脱してしまいます。

よくある構造的問題の要素

  • 直感的でないナビゲーション設計
  • 情報アーキテクチャの複雑さ
  • 検索機能の使いづらさ
  • リンク切れやエラーページの存在

 

サイトマップの見直しやユーザーテストを実施し、
情報にたどり着くまでのクリック数を最小限に抑えることが重要です。

理想的には3クリック以内で目的の情報に到達できる設計を目指しましょう。

理由③ コンバージョンポイントへの導線設計ミス

サイト内にコンバージョンポイントへの明確な導線が設計されていなければ
ユーザーは次に何をすべきか分からず離脱してしまいます。

導線設計で注意すべきポイント

  • CTAボタンの配置が不適切(視認性が低い場所にある)
  • ユーザージャーニーに沿った自然な導線がない
  • 複数のCTAが競合している
  • コンバージョンへのステップが多すぎる

ユーザーの行動パターンを分析し、
適切なタイミングと場所にCTAを配置することが重要です。

特に離脱率の高いページには、
より明確な次のステップを示す導線を設けましょう。

理由④ ファーストビューでの訴求力不足

ユーザーがサイトに訪れた際、
最初に目にする部分(ファーストビュー)での訴求力は極めて重要です。

実際、ファーストビューの魅力が低ければ、
約70%のユーザーがそのまま離脱するといわれています。

ファーストビューの問題点

  • 価値提案(バリュープロポジション)が不明確
  • 視覚的魅力の欠如
  • 情報過多による混乱
  • モバイルとデスクトップのファーストビューの不一致

ファーストビューには、
ユーザーの課題解決やメリットを明確に伝えるメッセージと、
次のアクションを促すCTAを適切に配置しましょう。

理由⑤ サイトの表示速度が遅すぎる

サイトの表示速度はユーザー体験とCVRに直接影響します。

Googleによると、ページ読み込み時間が3秒を超えると、
ユーザーの53%が離脱するというデータがあります。

表示速度低下の主な原因

  • 最適化されていない大きな画像ファイル
  • 不要なJavaScriptやCSSの読み込み
  • サーバーレスポンスの遅延
  • 外部リソースへの依存度が高い

Google PageSpeed InsightsやGTmetrixなどのツールで現状の表示速度を測定し、
問題点を特定しましょう。

特に画像の最適化やキャッシュの活用、不要なスクリプトの削除などが効果的です。

理由⑥ スマートフォン対応の不備

現在、インターネットトラフィックの過半数モバイルデバイスからのアクセスです。

日本のスマートフォン所持率は96.8%に達しており、
スマートフォン対応は必須条件となっています。

モバイル対応の問題点

  • レスポンシブデザインが不完全
  • タップターゲット(ボタンなど)が小さすぎる
  • スマホでの読み込み速度が遅い
  • フォームの入力が困難

モバイルフレンドリーテストを実施し、
スマートフォンでの使い勝手を徹底的に改善しましょう。

特にタップしやすいボタンサイズやフォーム設計は重要です。

理由⑦ 広告とランディングページの内容の乖離

広告でユーザーの期待を高めておきながら
ランディングページで期待に応えられないとユーザーは失望して離脱します。

これは「メッセージの一貫性」の問題です。

主な乖離の例

  • 広告のキャッチコピーとページコンテンツの不一致
  • 広告で表示した価格やキャンペーンがページに反映されていない
  • 広告とページのデザインやトーンの不一致
  • 強調されたベネフィットが説明不足

広告とランディングページは一貫したメッセージとビジュアルで構成し、
広告で創出された期待に確実に応える内容を提供しましょう

理由⑧ 入力フォームの使いにくさ

コンバージョンの最終関門である入力フォームが複雑すぎると
ユーザーは途中で諦めてしまいます

実際、必須項目が多いフォームはコンバージョン率が著しく低下します。

フォームの問題点

  • 不必要な入力項目が多い
  • エラーメッセージがわかりにくい
  • 入力支援機能の欠如
  • 完了までのステップが多い

入力フォームは必要最小限の項目に絞り、
自動入力やリアルタイムバリデーションなどの入力支援機能を導入しましょう。

EFO(Entry Form Optimization)ツールの活用も効果的です。

理由⑨ 信頼性の欠如:ユーザーの不安を払拭できていない

オンラインでの取引において、
ユーザーの信頼を獲得することは極めて重要です。

サイトの信頼性が低いと感じられると、ユーザーは個人情報の入力や購入を躊躇します。

信頼性不足の兆候

  • セキュリティ証明の欠如(SSL証明書など)
  • 会社情報や実績の表示不足
  • カスタマーレビューや第三者評価の不足
  • プライバシーポリシーの不明確さ

SSL証明書の導入、第三者機関の認証マーク表示、実際のユーザーレビューの掲載など
信頼性を高めましょう。

また、明確な返品・交換ポリシーの提示も効果的です。

理由⑩ コンバージョン後の価値が明確に伝わっていない

ユーザーがコンバージョンするためには、
そのアクションによって得られる価値が明確でなければなりません

「何を得られるのか」「どう問題が解決されるのか」が伝わらなければ、
行動に移す理由がありません。

価値伝達の問題

  • 製品・サービスのベネフィットが不明確
  • 競合との差別化ポイントが弱い
  • ユーザーの課題解決方法が具体的でない
  • 成功事例やケーススタディの不足

ユーザーにとっての具体的なメリットを明確に伝え、
可能であれば数値データや事例を交えて説得力を高めましょう

「Before/After」を視覚的に示すことも効果的です。

3. データから原因を特定する実践的な方法

3-1. ヒートマップ分析でユーザー行動を可視化する手順

ヒートマップは
ユーザーの実際のクリック・スクロール・注目パターンを視覚化し、
問題点の特定に役立ちます。

要なランディングページやコンバージョンページに対して以下の手順で分析を行いましょう。

  • ヒートマップツール(Hotjar、Crazy Egg、Mouseflowなど)を導入
  • 主要ページに対する測定を設定(サンプル数は最低500セッション推奨)
  • クリックヒートマップでCTAボタンの効果を確認
  • スクロールヒートマップで情報の到達度を確認
  • 注目ヒートマップでファーストビューの効果を測定
  • 問題点に基づいた改善策を実施

特にクリックされていないCTAボタンやスクロールされていない重要情報は、
デザインや配置の見直しが必要です。

3-2. 離脱率の高いページを特定するGA4の活用法

GA4を活用して離脱率の高いページを特定し、
CVR低下の原因を突き止める方法は以下の通りです。

  • GA4の「探索」→「自由形式」を選択
  • ディメンションに「ページパスとスクリーンクラス」と「ページタイトル」を設定
  • 指標に「離脱数」と「表示回数」を追加
  • 離脱率(離脱数÷表示回数)が高いページを特定
  • コンバージョンパスで頻繁に表示されるページの離脱率に特に注目
  • イベントフロー分析で離脱直前のユーザー行動を確認

離脱率が高いページは、
コンテンツの質、ページの読み込み速度、CTAの明確さなどを見直す必要があります。

3-3. A/Bテストで効果的に問題点を発見する方法

A/Bテストは異なるデザインや文言のバージョンを比較し、
より効果的な要素を科学的に特定する方法です。

  • 仮説を明確に設定(「CTAボタンの色を変更するとクリック率が上がる」など)
  • 一度に変更する要素を1つに絞る(複数変更すると効果の要因が特定できない)
  • 統計的に有意な結果を得るための十分なサンプルサイズを確保
  • テスト期間を適切に設定(最低1週間、理想的には2週間以上)
  • 結果を分析し、勝者バージョンを実装
  • 継続的に新たな仮説を立てテストを繰り返す

特にファーストビューのデザイン、
CTAの文言・色・配置、価格表示方法などはA/Bテストで大きな改善が見込める要素です。

4. CVR改善のための即効性のある7つの対策

4-1. CTAボタンの最適化:色・サイズ・文言の改善ポイント

CTAボタンは、
ユーザーをコンバージョンへと導く最も重要な要素の一つです。

以下のポイントで最適化を図りましょう。

  • 色: 背景色と明確なコントラストを持ち、サイト内で目立つ色を選択(赤、オレンジ、緑などが一般的に効果的)
  • サイズ: 小さすぎず大きすぎない、適切なサイズ(モバイルでは指でタップしやすい最低44px×44px)
  • 文言: 「購入する」より「今すぐ購入して10%オフ」のように具体的なベネフィットを含む動詞から始まるフレーズ
  • 配置: スクロールなしで見える位置、および長いページでは複数箇所に配置
  • 余白: ボタン周囲に適切な余白を設け、注目を集める

CTAボタンのA/Bテストは最も即効性が高く、
場合によっては30%以上のCVR向上が見込めます。

4-2. 入力フォームの項目削減とEFO導入効果

フォーム最適化はコンバージョン直前の離脱を防ぐ重要な施策です。

  • 必須項目を最小限に絞る(項目が1つ増えるごとにCVRは約10%低下するというデータも)
  • 複雑なフォームは複数ステップに分割し、進捗バーで完了までの見通しを示す
  • 自動入力機能の活用(住所入力の郵便番号連動など)
  • リアルタイムバリデーションでエラーをその場で修正
  • EFO(Entry Form Optimization)ツールの導入でフォーム入力の分析と改善

EFOツールの導入により、
フォーム離脱率を平均で20〜40%削減できたという事例も多く報告されています。

4-3. ファーストビューのデザイン改善事例

ファーストビューの改善事例として、以下のような成功例があります。

  • Eコマースサイト: 複雑なカルーセルバナーを明確な価値提案と商品画像に置き換えてCVRが25%向上
  • BtoBサイト: 抽象的な画像から具体的な製品利用シーンの画像に変更し問い合わせ率が18%上昇
  • サービス紹介サイト: 長文の説明から簡潔な3つのベネフィットポイント提示に変更しCTR向上

ファーストビュー改善の共通ポイント

  • 明確な価値提案(何ができるか、何が解決されるか)
  • シンプルで直感的なナビゲーション
  • 次のアクションを明示したCTA
  • 視覚的に訴える高品質な画像

4-4. サイト表示速度を向上させるための具体的な対策

表示速度の改善は比較的技術的な対策が必要ですが、効果は絶大です。

  • 画像の最適化(WebPフォーマットの採用、適切なサイズ設定)
  • JavaScriptの遅延読み込み実装
  • ブラウザキャッシュの活用
  • CDN(Content Delivery Network)の利用
  • 不要なプラグインやスクリプトの削除
  • サーバー応答時間の改善(より高速なホスティングプランへの移行)

大手ECサイトでは、ページ読み込み時間を1秒短縮するだけで、CVRが7%向上した
という報告もあります。

4-5. スマートフォン最適化の重要ポイント

モバイルユーザーのコンバージョンを高めるための最適化ポイントは以下の通りです。

  • 親指操作を考慮したUI設計(画面下部にCTAボタンを配置など)
  • フォームの入力を簡略化(自動入力機能、選択式入力の活用)
  • タップターゲット(ボタンなど)のサイズを十分に確保(最低44px×44px)
  • モバイル特有の機能活用(電話番号のタップで通話開始など)
  • 縦スクロールでの閲覧に最適化したコンテンツ設計

特にEC分野では、スマートフォン最適化によりモバイルCVRが2倍以上向上した事例も報告されています。

4-6. 離脱防止ツールの効果的な導入方法

ユーザーが離脱しようとする瞬間を捉え、
インセンティブを提供する離脱防止ツールの効果的な導入方法は以下の通りです。

  • エグジットインテント(離脱意図)検知機能の活用
  • パーソナライズされたオファーの提示(初回購入割引など)
  • ライブチャットやチャットボットによる即時サポート提供
  • メールアドレス取得のための軽いインセンティブ提供
  • 離脱トリガーとなる行動パターンの分析と最適化

離脱防止ポップアップの導入により、
離脱寸前のユーザーの5〜15%を引き止め、
コンバージョンに繋げられるケースが多く報告されています。

4-7. ユーザーの信頼を獲得するコンテンツ作成術

信頼性を高めるコンテンツ作成のポイントは以下の通りです。

  • 第三者評価・認証マークの戦略的配置(SSL証明書、業界団体認証など)
  • 実際のユーザーの声・レビューの掲載(写真付きが効果的)
  • 詳細な製品情報と透明な価格設定
  • 実績数値や具体的なケーススタディの提示
  • 専門家の推薦や業界での受賞歴の強調

特に購入前の不安を払拭するFAQセクションの充実や、
返品・保証ポリシーの明確化は即効性が高い施策
です。

5. まとめ

CVRが低い理由は多岐にわたりますが、
主に「ターゲティングの精度」「サイト設計」「ユーザー体験」
の3つの観点から問題を特定し改善することが重要です。

即効性が高い対策としては以下の4つが挙げられます。

  • CTAボタンの最適化
  • 入力フォームの簡略化
  • ファーストビューの改善
  • サイト表示速度の向上

中長期的に取り組むべき対策としては以下の4つが挙げられます。

  • ユーザージャーニーに基づいたサイト構造の再設計
  • ターゲティングの精度向上
  • コンテンツ全体の信頼性向上
  • 継続的なA/Bテストによる最適化

CVR改善は一度の施策で完結するものではなく、継続的な分析と改善の積み重ねが重要です。
データに基づいた施策を実施し、PDCAサイクルを回しながら少しずつ改善していきましょう。

この記事を書いた人

大学3年生から内定者インターンを開始し、2020年にインフィニティエージェント新卒3期生として入社。 約5年半の運用者経験を活かし、現在はチーフ職としてマネジメントも行いながら、新規顧客の開拓やメディア編集長に従事。 冷麺が好きで1週間に何度も食べているという偏食な一面も。

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