Google BardとChatGPTというAIチャットサービスがあります。
それぞれどのような違いがあり、共通点はどこにあるのかを検証してみました。
どちらを利用すればいいか迷っている人に役立つ情報となりますから、ぜひ参考にしてください。
基本情報
まず、BardとChatGPTの基本情報、特徴をお伝えしましょう。
Bardとは?
画像引用:Bard
BardはGoogleが開発した対話型のAIツールです。
Google検索とも連動しながら、ユーザーの質問に対して自然かつ正確な回答を出力するようになっています。
Google検索に基づいてWeb上からリアルタイムで最新の情報を抽出しながらの回答になるので、信ぴょう性も高いです。
ただし、Google検索では100%正しい内容が表示されるとは限りませんから、Bardの回答も完全なものではありません。
ChatGPTとは?
画像引用:ChatGPT
ChatGPTは無料で利用できる対話型AIチャットサービスです。
高度なAI技術を採用し、ユーザーの質問に対して人間がするような自然な回答ができるようになっています。
インターネット上の膨大な情報を学習し、複雑な言葉も理解できるようになっています。
ChatGPTにはユニークな機能があり、過去の会話内容に誤りがあると、ユーザーが訂正できるのです。
より精度の高い会話ができるように改善されていきます。
BardとChatGPTの違い
BardとChatGPTの基本情報をお伝えしましたが、これだけでは違いがよくわからないでしょうから、どちらを選ぶべきか判断できないでしょう。
そこでそれぞれの違いを詳しく解説します。
データソースの違い
BardとChatGPTでは、データソースが違います。
Bardの場合、最新情報がデータソースになっています。
Google検索などとも連携しながら、リアルタイムの情報を提供してくるのです。
ChatGPTのデータソースは2021年9月以前に発表されたWikipedia、科学学術雑誌、ニュース記事などの情報を提供します。最新情報が含まれていません。
最近の出来事に関して質問しても、回答できないのです。
回答の提示方法の違い
BardとChatGPTでは、回答の提示方法も違います。
Bardの回答提示方法は3パターンあり、Google検索画面への遷移ができる場合があります。
ChatGPTの方は回答が1パターン(1回の質問に対して回答が1つ提示される)で、検索画面への遷移機能はありません。
回答が1パターンということは、回答に納得できないときは質問しなおす必要があるということです。
回答の正確性の違い
BardとChatGPTでは、回答の正確性も違います。
正確性が高いのはChatGPTの方です。
インターネット接続はできないものの、人間が書いた自然な文章に近いテキストを生成できるので、適切な回答になりやすいです。
BardはGoogle検索と連携しますが、限定的な回答で、正確性では少し劣ります。
回答の速さの違い
BardとChatGPTでは、回答の速度も違います。
回答速度の速さでは、ChatGPTの方が上です。
Bardは回答がやや遅くなることがあります。今後改善される可能性はありますが、今のところはChatGPTに軍配が上がります。
機能の違い
BardとChatGPTでは、機能も違います。
Bardの機能で特筆すべきなのは、詩、ジョーク、脚本などの創作物を生成できることです。
膨大な文学作品や詩を学習し、韻律、拍子、詩的比喩の検出機能もあります。
ChatGPTの機能としては、言語翻訳、要約などの言語処理タスクが実行できることです。
書籍、論文、Webサイトなど多様なデータを学習し、複雑な文構造や文脈を理解することも可能になっています。
API版やスマホアプリの有無の違い
BardとChatGPTでは、API版やスマホアプリの有無が違います。
まずChatGPTにはAPI版も公開されていて、Bardは公開予定となっています。
スマホアプリについては、ChatGPTがiOS向けをスタートし、Android向けも導入予定になっています。Bardにはスマホアプリはありません。
検索エンジンの違い
BardとChatGPTでは、検索エンジンも違います。
Bradはすでに説明したようにGoogle検索と連携します。
ChatGPTの検索エンジンはBingです。
価格の違い
BardとChatGPTでは、価格も違います。
Bardの利用料金は無料で誰でも使えます。
ChatGPTの方は無料版のほか、有料版のChatGPT Plusがあり、価格は月額20ドル(約2,700円)です。
BardとChatGPTの共通点
BardとChatGPTの違いを見てみましたが、共通点もあります。
どのような共通点か紹介しましょう。
基本的な用途は共通している
BardとChatGPTで基本的な用途は共通しています。
質問に回答してもらう、条件を与えて文章を生成する、会話からアイデアを出してもらうなどです。
共通する課題がある
BardとChatGPTには共通する課題があります。
提示する情報が誤っているかもしれない、入力した情報が流出する恐れがあるなどです。
いずれのチャットAIでも出力される回答が100%正しいとは限りません。
また、入力した情報が流出する恐れがあるので、機密情報の入力は控えた方がよさそうです。
BardとChatGPTを使う際の注意点
BardとChatGPTを使う際には注意すべきことがあるので、以下にまとめてみます。
情報の信憑性に注意
BardとChatGPTでは、大量のデータを学習した結果から、回答を出力しますが、回答内容が正確とは限りません。
信ぴょう性については疑う必要もあり、専門的な情報については別の情報源にあたる必要もあるでしょう。
個人情報は入力しない
すでに指摘したように、BardとChatGPTの課題として入力した情報が流出する恐れがあります。
それほど重要な情報でなければ流出しても問題はないでしょうが、個人情報や機密情報が流出したら、大きな被害を被ることもあります。
悪意のある第三者に漏れることもあり、悪用されることもあるでしょう。
したがって、BardとChatGPTに個人情報や機密情報を入力するのはやめましょう。
専門的なアドバイスは受けられない
BardとChatGPTは一般的な情報を提供するサービスです。
専門的な情報は扱っていません。医療や法律など専門的な情報が欲しい場合は、他の専門家や専門サービスを利用する必要があります。
バイアスが反映されることがある
BardとChatGPTは大量のデータを学習した結果を出力します。
しかし、学習データによってはバイアス(偏見)が反映されたものもあり、それがそのまま出力される可能性があります。
性別、人種、国籍などに関してもバイアスがかかり、公平な情報が得られるとは限りません。
そのため、出力された情報は自分でも精査する必要があります。
客観性に欠けることがある
BardとChatGPTはユーザーが入力した情報に基づいて、回答をするのですが、その際にユーザーにとって都合のいい情報を示してしまう場合があります。
情報を集める場合は、客観性は非常に重要で、反対意見などもチェックしなければいけませんが、BardとChatGPTでは客観性に欠ける回答をする場合もあるのです。
まとめ
いかがでしたか。
今回はBardとChatGPTを比較しました。
似たような機能を提供していますが、細かな違いもあります。
今回の記事を参考に、目的にあわせて使い分けてみてください。