本格的に梅雨入りして雨の日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は6月前半に発表された、広告媒体各種のアップデート情報について解説していきます。
Yahoo!広告アップデート情報
はじめに、Yahoo!広告のアップデート情報について解説していきます。
レスポンシブディスプレイ広告にてタイトル別・説明文別のレポートを提供開始
ディスプレイ広告(運用型)のレスポンシブディスプレイ広告におけるパフォーマンスレポートで、タイトル別・説明文別のレポートが利用できるようになるとの発表がされました。6月28日から利用可能の予定です。
画像引用:【ディスプレイ広告(運用型)】レスポンシブディスプレイ広告におけるタイトル別・説明文別レポート提供開始のお知らせ
既存のレポートでは、メディア単位の実績値のみを確認できましたが、タイトル、説明文単位での実績値が確認できるようになることで、どのアセットの組み合わせで高い広告効果を出しているのかを把握することが可能となります。
この組み合わせを把握することで、広告効果改善の参考にすることができます。
アセットの組み合わせで実績値を確認するためには、下記の3項目をパフォーマンスレポートの出力項目に追加する必要があります。
なお、出力項目を追加しなかった場合は、合算値での表示となります。
・タイトル
・説明文1
タイトル、説明文単位での実績値を確認できるデータは2023年4月12日以降のものに限られます。
それ以前のデータは、出力項目を追加してもメディア単位での合算値が表示されます。
また、出力項目を追加し、期間を4月12日を含む前後で指定した場合は4月12日より以前のものと以降のものとで出力の形式が異なります。
レスポンシブディスプレイ広告のパフォーマンスレポートでは、下記の2点の注意が必要です。
・削除済みを含む配信実績のある全てのアセットの組み合わせが、パフォーマンスレポートに出力されます。
・削除済みのアセットと同じ内容で再登録して配信した場合、パフォーマンスレポートでは同じ行での集計、出力となります。
MCCアカウントを複数階層構造で設定可能に
Yahoo!広告検索広告とディスプレイ広告において、MCCアカウントの複数の階層構造での設定が可能となります。このアップデートの適用は2023年秋ごろの予定です。
MCCアカウントとは、複数のアカウントを一括で管理するためのアカウントであり、予算管理や権限管理を効率化できます。
画像引用:【Yahoo!広告】MCCアカウント 複数階層構造での設定に対応|Yahoo!広告
現状では、MCCアカウントの下の階層で作成できるアカウントは広告アカウントのみでしたが、アップデートではMCCアカウントも作成できるようになります。
このアップデートに伴い、自社アカウント、他者アカウントの権限の仕組みがシンプルになるため、広告代理店では権限管理のいっそうの効率化が図れます。
本アップデートに伴い、下記の点もあわせてアップデートされます。
・ルートMCCが提供開始
・他企業の広告アカウントとアカウントリンクする際の権限と操作範囲の変更
・特定のアカウントを選択した際の広告管理ツールのURLが変更
・広告管理ツールにて「アカウント一覧」画面が終了
・「管理権限」を他企業のユーザーに付与することが可能に
・1つの広告アカウントに関連付けできる、同一企業のMCCアカウントを1つに制限
それぞれの内容を確認していきましょう。
広告管理ツールにログインする際のアカウント選択が必須に
MCCアカウントの下の階層でMCCアカウントを作成できるようになることで、広告管理ツールにログインする際のアカウント選択が必須となります。選択できるアカウントはログインするユーザーが権限を持つすべてのMCCアカウントと広告アカウントです。
操作可能なアカウントは、選択したアカウントとその下の階層にあるアカウントです。
権限は選択したアカウントに付与されている権限が、その下の階層にあるアカウントにも適用されます。
なお、選択しているアカウントは、広告管理ツールの画面上で変更できます。
ルートMCCが提供開始
ルートMCCは、企業が所有するすべてのMCCアカウントと広告アカウントの最上位のMCCアカウントです。
1つの企業に対して1つ作成され、「ツール管理者」のみにルートMCCの「管理権限」が付与されます。
アカウントの選択画面でルートMCCを選択することで、企業が所有するすべてのアカウントを「管理権限」で操作できます。
他企業の広告アカウントとアカウントリンクする際の権限と操作範囲の変更
他企業とアカウントをリンクさせる際に、MCCアカウントに対して許可する操作範囲の設定項目の名称や値が下記の通りに変更されます。
・設定値:全て > アカウント管理
・設定値:参照のみ > ライブラリー共有のみ
「許可する操作」の値が設定されている場合は、システムによって「アカウントリンク目的」の値に自動的に移行されます。
なお、他企業の広告アカウントにて移用される権限や操作範囲に変更が出る設定内容の場合は、設定の見直しが必要になる可能性があります。
また、同一企業内で既存のアカウントとリンクする場合は、アカウントリンクの申請をして承認するという手順は廃止されるため、新たに追加される「アカウントリンク先の変更」を使用します。
特定のアカウントを選択した際の広告管理ツールのURLが変更
本アップデートが実施されるタイミングで、特定のアカウントを選択した際の広告管理ツールのURLが変更されるため、ブックマークに登録している場合は、新しいURLに登録し直す必要があります。
広告管理ツールにて「アカウント一覧」画面が終了
広告管理ツールにログインする際にアカウントの選択が必須になることに伴い、広告管理ツールでの「アカウント一覧」画面の提供が終了します。
アップデートの実施以降にアカウント毎の運用実績を確認するには、広告管理ツールのログイン時に対象のアカウントを選択してください。
選択したアカウントと、それより下の階層にあるアカウントの実績をご覧いただけます。
「管理権限」を他企業のユーザーに付与することが可能に
「管理権限」を他企業のユーザーに付与することが可能になります。ただし、他企業の「権限管理」が付与されたユーザーが、資金管理関連の操作をすることはできません。
1つの広告アカウントに関連付けできる、同一企業のMCCアカウントを1つに制限
2023年7月より、1つの広告アカウントに関連付けできる、同一企業のMCCアカウントを1つに制限されます。
複数のMCCアカウントと関連付けしている場合は、設定の見直しに関してYahoo!広告の担当者より案内がされています。
また、2023年2月に新規での設定は終了しています。
オーディエンスリスト(条件)の新規作成が終了
Yahoo!広告ディスプレイ広告(運用型)にて、オーディエンスリスト(条件)の新規作成が終了されます。終了予定日は6月27日となっています。
このサービスの終了は、ディスプレイ広告(運用型)のオーディエンスリスト(条件)の提供終了に先駆けて行われます。
新規追加の終了以降にウェブサイト訪問ユーザー、もしくはアプリユーザーの蓄積を目的としたオーディエンスリスト(条件)を作成するには、下記のリスト種別いずれかを選択する必要があります。
・アプリユーザー
オーディエンスリスト(条件)の提供が終了されるまでのスケジュールは下記のとおりです。
LINE広告アップデート情報
次に、LINE広告のアップデート情報について解説していきます。
LINE NEWS TOP AD の価格改定
LINE広告にて、期間限定だったトライアルプランがLiteプランに変更され、常時提供されます。
これに伴い。LINE NEWS TOP ADの配信プランと価格の改定が発表されました。
既存のトライアルプランでは、「1day(0.5枠)」プランを選択した上で、備考欄にトライアルプランでの発注を記載する必要がありましたが、今後はLiteパッケージの選択となり、備考欄への記載は不要となります。
配信プランの名称は下記のとおりに変更されます。
・1DAY(0.5枠)→1day(Half)
・1DAY(トライアル)→1day(Lite)
また、価格についても合わせて変更されます。
各プランのスペックと、8月・9月配信分の金額は下記のとおりです。
Microsoft広告アップデート情報
最後に、Microsoft広告のアップデート情報について解説します。
広告主の身元確認によってMicrosoft広告をより安全に
8月1日より、Microsoft広告を通じて配信される広告は、広告主の身元確認が完了している広告に限定されます。
Microsoftは2022年6月にAdvertiser Identity Verification (以下AIV)を発表し、Microsoft広告を広告主やサイトの運営者、そしてユーザーにとって安全な環境にするために取り組んできました。
そしてAIVの主な目的である、ユーザへの広告の可視性を高めるために、全ての広告には下記の情報が表示されます。
・企業または広告に資金を提供している個人
・広告が表示される理由
このアップデートに伴い、7月1日以降、新規の広告主は広告の配信前に身元確認を完了している必要があります。
既存の広告主に関しては、身元確認に関する案内がされます。
8月1日以降も広告を配信し続けるためには、8月1日以前に身元確認を完了する必要があります。
なお、一部の広告主は、身元確認に必要な情報がすでに登録されているため、そのアカウントに対しては自動的に身元の確認状況が更新されます。
7月15日までに身元確認に関するメールを受け取っていない場合や、アカウントの身元の確認状況が自動的に更新されていない場合は、サポートセンターへの連絡が勧められています。
また、今回のアップデートに併せて、新たな広告ライブラリが公開され、EU圏内でBingに表示される広告を全てのユーザーが閲覧できるようになります。
ユーザーは広告主の名前や広告クリエイティブで使用されている単語を利用して広告を検索でき、広告主の詳細を確認することができます。
まとめ
いかがでしたか。
6月前半に発表された、広告媒体各種のアップデート情報について解説していきました。
それぞれの媒体で、広告運用に大きな影響が出るアップデートが発表されています。
今後も各媒体のアップデートには注目です。