転職先を選ぶとき、「給与は?」と聞くことは誰もがします。しかし、本当に大切な判断軸は別にあります。それは、「給与が上がる道筋が明確か」「評価がブレない仕組みになっているか」です。
良い給与体系とは、高い金額ではなく、自分の行動と評価が直結している状態です。逆に、どれだけ努力しても「上司の印象次第」という環境では、長期的なキャリアは成立しません。
この記事でわかること
- インフィニティエージェントの等級体系と給与レンジの考え方
- 「何をすると昇給するのか」が明確な評価フローの全体像
- 等級別に求められる役割と、評価の重み付けがどう変わるか
- 評価制度の運用で最も重要な「すり合わせ」と「基準調整」
- 他社にはない「納得度」を作る工夫

インフィニティエージェントの給与・評価制度の前提
当社の評価制度は「完璧な仕組み」ではありません。だからこそ、評価を納得できる運用にするために、次の4つの前提を明確にしています。
① 評価は「自分」ではなく「他者」が行うもの
評価は「自己申告」ではなく、上司・評価者が、会社の基準に基づいて判断するものです。ここで重要なのは、結果だけを見て期末に評価が決まるのではなく、期初の段階で「何を期待しているか(期待値)」を言語化し、合意することです。
「頑張った」ではなく、「何をどの状態までやると評価されるのか」を期初に揃えることで、期末の解釈差を最小化します。この「合意」が、評価の納得度を左右する最大要因です。
② 会社の価値基準に合っているかが評価の基準になる
どれだけ努力しても、会社・チームが求める方向とズレていれば評価は伸びません。当社の評価は「成果」だけでなく、成果の出し方(再現性・推進・周囲への影響)も含めて、会社の価値基準に沿って判断します。
評価は「個人の満足」ではなく、組織として成果を出すための基準です。つまり、自分の努力と会社の目指す方向が一致しているかどうかが、評価を左右するということです。
③ 評価基準の完全な定量化は難しい
評価を100%数値だけで割り切ることは、現実的に難しい領域があります。だからこそ当社では、評価が曖昧にならないように、目標設定の段階で「定義」を揃えています。
具体的には、以下の4点を期初に明文化します。
- 何を評価対象とするか:案件・範囲・期間を明確に
- 何を指標(基準)とするか:KPIと測定方法を合意
- どの状態を達成とするか:「Done」の定義を揃える
- どうレビューし、どう合意するか:会議体・頻度・提出物を決める
この「定義合わせ」が、評価の解釈差を減らす最重要ポイントです。
④ 完璧な評価制度は存在しない
制度は「作って終わり」ではなく、運用と改善がセットです。環境変化や組織フェーズに応じて改善し続け、できる限り納得度の高い評価を目指します。
当社では、説明会や会議体を通じて、制度理解と運用精度を継続的に高めています。

評価サイクル|いつ評価されるか
評価は 半期に1回(4月・10月) 実施します。
- 10月:上期の評価
- 4月:下期の評価
加えて、半期に1回、「評価制度・キャリア構築の説明会」 を開催します。
目的は何か
制度の読み方や運用ルールを全員で揃え、評価が「人によってブレる状態」を防ぐことです。つまり、説明会は「情報提供」ではなく、「基準の統一」が目的です。
評価の2軸|何を評価するのか
評価は大きく「成果評価」と「能力評価」の2つの軸で構成されます。
A. 成果評価(成果=目標の達成)
成果評価は、目標に対してどこまで達成できたかを評価します。
評価対象は3つ
- 個人の成果(個人目標)
- チームの成果(チーム目標)
- プロジェクトの成果(PJ目標)
ここで重要なのは、「何を成果と定義するか」です。当社では期初に、対象範囲・KPI・測定方法・達成条件を揃えます。つまり、定義されていないと、評価の解釈が分かれてしまうということです。
B. 能力評価(能力=期待役割を果たす力)
能力評価は、職務に必要な「人材要件・スキル要件」を基準に評価します。
評価の焦点
「できる/できない」ではなく、「期待役割に対して、どのレベルで遂行できているか」が基準です。
つまり、能力評価は「伸びしろ」ではなく、役割遂行能力としての実務評価です。「まだできていない」という潜在性ではなく、「今、役割遂行できているか」を見ます。
等級別の評価ウェイト|役割が変わると、評価の重み付けが変わる
同じ成果でも、等級に応じて「何を重視するか」が変わります。
基本的な考え方
- 若手ほど:能力(基礎・再現性・型)を厚めに評価
- 上位ほど:チーム成果(組織として成果を出す)の比重が大きくなる
ここで誤解しやすいのは、「若手は成果が不要」という意味ではないということです。役割期待が変わるため、評価の重心も変わります。上位等級ほど、「個人ができる」から「組織として成果を出す」へ責任範囲が広がるのです。
等級別:評価ウェイト(代表値)
| 等級 | 役職(目安) | 成果(個人) | 成果(チーム) | 成果(PJ) | 能力 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1等級 | メンバー | 20% | 0% | 5% | 75% |
| 2等級 | メンバー | 30% | 0% | 5% | 65% |
| 3等級 | メンバー | 40% | 0% | 5% | 55% |
| 4等級 | チーフ | 25% | 15% | 5% | 55% |
| 5等級 | リーダー | 15% | 45% | 0% | 40% |
| 6等級 | マネージャー | 0% | 70% | 0% | 30% |
| 7等級 | 上位マネジメント層 | 0% | 80% | 0% | 20% |
| 8等級以上 | 部長 | 0% | 90% | 0% | 10% |
補足
役職は能力・経験に応じて変動するため、必ずしも「等級=役職」が固定ではありません。ただし、評価の重心は等級に紐づくため、「今の等級で何を求められるか」は明確になります。
等級別の評価ウェイトが意味すること
1~3等級(メンバー)
能力評価が55~75%を占めます。これは、基本的な運用スキル・再現性・型化できるか を重視するということです。個人成果も評価されますが、「型に沿った成果」が求められます。
4等級(チーフ)
成果と能力がバランスする時点です。個人成果25%+チーム成果15%+能力55%になり、チームに貢献する立場へ役割が広がります。
5等級(リーダー)
チーム成果45%が最大の比重になります。個人の成果よりも、「チーム全体として成果を出しているか」が評価の中心になります。
6等級以上(マネージャー・部長)
チーム成果が70~90%になり、個人成果は評価対象外です。責任範囲は「個人の業績」から「組織全体の成果」へ完全にシフトします。
評価の流れ|納得度を作るポイント
評価の納得度を作るポイントは、評価の瞬間ではなく、**「目標の合意」**です。当社では、目標が曖昧なまま期末を迎えないように、次の流れで運用します。
評価フロー(半期)
ステップ1:目標設定フェーズ
- 目標設定:当事者による目標設定
- 目標面談:当事者と事業部責任者とのすり合わせ(期待値の統一)
- 目標すり合わせ会議:責任者間での調整と承認(基準のブレを調整)
このフェーズの目的
期初に「何を期待されているか」「何を達成と見なすか」を揃えることです。この段階で曖昧さが残ると、期末に「そんなつもりじゃなかった」という解釈差が生まれます。
ステップ2:評価フェーズ
- 自己評価:当事者による設定目標に対する評価
- 評価面談:評価に対する当事者と事業部責任者とのすり合わせ
- 一次評価:事業部責任者による評価
- 評価会議:役員陣による調整と承認(最終確定)
このフェーズの目的
数値や事実に基づきながらも、複数の視点から評価のブレを調整し、最終的な公平性を確保することです。
ステップ3:フィードバックフェーズ
評価FB:振り返りと次期の改善点・成長課題の明確化
このフェーズの目的
評価を「結果の告知」で終わらせるのではなく、次のキャリアステップに繋げることです。
なぜこの流れなのか
この運用の狙いは一貫していて、「頑張ったかどうか」ではなく、何を期待されていて、何を達成し、何を伸ばすべきかを言語化して次に繋げることです。
つまり、評価制度は「判定」ではなく「成長のための対話」になっています。
成果評価の基準|達成率の考え方
成果評価は、目標に対する 達成率を基準に判断します。
達成率と評価ランク
| 達成率 | 評価ランク |
|---|---|
| 140%以上 | S |
| 130% | A+ |
| 120% | A |
| 110% | B+ |
| 100% | B |
| 90% | C |
| 80% | D |
| 70%以下 | E |
重要な前提
「達成率」が成立するには、期初に KPIと測定方法が合意されていること が必須です。ここが曖昧だと、同じ数値でも評価解釈が分かれます。
そのため当社では、目標面談で「測定基準」を必ず明文化しています。
評価結果の反映|合計点から号棒(給与)の増減へ
評価会議で確定した合計点に応じて、号棒(給与ランク)の増減が連動します。
合計点→号棒の増減(例)
| 合計点 | 号棒の変動 |
|---|---|
| 100点 | 5号棒UP |
| 90~99点 | 4号棒UP |
| 80~89点 | 3号棒UP |
| 70~79点 | 2号棒UP |
| 60~69点 | 1号棒UP |
| 50~59点 | 変動なし |
| 40~49点 | 1号棒DOWN |
| 30~39点 | 2号棒DOWN |
「号棒」とは何か
給与は「ベース給×号棒」で決まります。号棒が上がると給与が上がり、下がると給与も下がります。つまり、評価の点数が、そのまま給与に反映される仕組みです。
最終確定のプロセス
最終確定は評価会議で行い、基準のズレが起きないように調整されます。つまり、複数の評価者による「合意」で号棒が決まるため、一人の主観で決まる仕組みになっていません。
減点ルール|成果だけでなく、ルール遵守も評価の前提
成果だけでなく、ルール遵守も評価の前提です。そのため、勤怠・トラブルについても減点ルールを明確にしています。
勤怠による減点
| 事項 | 減点 |
|---|---|
| 欠勤 | -3点 |
| 遅刻・早退 | -1点 |
例外規定
体調不良による欠勤(遅刻・早退含む)は、有給の活用が可能です。所定の連絡・手続きに基づき運用します。
トラブルによる減点
| 事項 | 減点 |
|---|---|
| トラブル全般 | 内容に応じて減点対象 |
| 減点幅 | 事案に応じて評価会議で決定 |
| ルール違反に起因するトラブル | 減点幅が大きくなる場合がある |
個別事情の取り扱い
育児など個別事情の例外規定は、社内規程に基づき運用します。
転職判断の際、給与・評価制度で見るべき3つのポイント
多くの人は、「給与制度があるか」だけを見て判断してしまいます。しかし、本当に見るべきなのは、次の3点です。
① 目標が合意されるか(評価者と期待値が揃うか)
- 期初に「何を期待されているか」が明確になるか
- その期待値が言語化されるか
- 当事者と評価者で合意されるか
これが成立していない企業では、期末に「そんなつもりじゃなかった」という齟齬が生まれます。
② 評価がブレない仕組みがあるか
- すり合わせ会議があるか(複数の評価者による調整)
- 評価会議があるか(役員陣による最終確認)
- 基準が統一されるメカニズムがあるか
これが成立していない企業では、「上司の好き嫌い」で評価が変わることになります。
③ 次の成長に繋がるFBがあるか
- 評価で終わらず、改善点が明確になるか
- フィードバック面談があるか
- 次期のキャリアについて言語化されるか
これが成立していない企業では、評価は「結果の告知」に過ぎず、成長機会になりません。
当社はこの3点を、運用の前提として整えています。評価を「印象」ではなく「合意された基準」で行うために、目標設定からフィードバックまでを仕組みにしています。

給与・評価制度の設計思想|なぜこうしているのか
「完璧な制度」ではなく「納得できる運用」を重視する理由
完璧な制度は存在しません。だからこそ、運用と改善がセットになっています。
当社では、説明会や会議体を通じて、制度理解と運用精度を継続的に高めています。つまり、制度は「固定的なルール」ではなく、環境変化や組織フェーズに応じて改善し続けるプロセスとして捉えています。
なぜ「定義合わせ」を重視するのか
デジタルマーケティングの領域は、成果が見えやすい反面、プロセスや貢献が属人化しやすいです。
だからこそ、評価を「印象」にしないために、目標定義の段階で「何を見るか」「どう測るか」を揃えています。
この「定義合わせ」がないと、同じ数値でも「頑張ったね」と評価される人と「期待未満」と評価される人で解釈が分かれてしまいます。
なぜ複数のステップを踏むのか
評価会議では複数の視点から評価をチェックすることで、個々の評価者の主観や偏見を補正します。
これにより、「上司の好き嫌いで給与が決まる」という状況を防いでいます。
まとめ
インフィニティエージェントの給与・評価制度の特徴
- 目標が合意される:期初に「何を期待されるか」を揃える
- 評価がブレない:複数ステップのすり合わせと評価会議で基準を統一
- 成長に繋がる:フィードバックで改善点と次期課題を言語化
号棒(給与ランク)の上げ方
短期的には
- 目標を達成する(100%を目指す)
- ルール遵守(勤怠・トラブル回避)
中期的には
- 成果だけでなく、プロセスの再現性を作る(能力評価を高める)
- 期待値を超える達成(110%以上を目指す)
長期的には
- 等級が上がるに従い、個人成果からチーム成果へシフト
- リーダー以上では、「自分がやる」から「チームでやる」へ責任を転換



